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人事考課規程とは?メリットや雛形、就業規定との関係について紹介!

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人事考課規程とは?メリットや雛形、就業規定との関係について紹介!

目次

    人事考課規程とは?

    人事考課規程の概要について

    「人事考課」とは、従業員を「実績」「スキル」「勤務態度」などの基準で評価し、給料・昇格・賞与といった処遇に反映させることを指します。そして、評価を決定するうえでルールブック的な役割となるのが「人事考課規程」です。

    人事考課規程と就業規則の関係性

    「人事考課規程」は社内規程の中でも任意規程に分類され、設置自体は必須ではありません。ただし、定める場合には就業規則の一部として記載する必要があります。

    また、就業規則には「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」があります。「絶対的必要記載事項」は就業規則に必ず記載しなければいけない項目であり、「相対的必要記載事項」は規程を設けるのであれば、就業規則内に記載することが求められている項目です。

    このうち、人事考課規程に関しては「相対的必要記載事項」に含まれています。

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    なお、常時10名以上の労働者を使用する事業所は就業規則の作成と労働基準監督署への提出が求められています。

    人事考課規程の目的とは

    人事考課規程によって「基準」や「プロセス」を明確にすることで、考課における透明性を高めることができます。人事考課はブラックボックス化しやすい傾向にあるため、従業員の不信感を払拭するという意味でも効果的です。

    また考課規程によって、評価される「行動」「人物モデル」の大枠を示すことができるため、企業の方向性を示す目的でも設置されることがあります。

    人事考課規程は誰が作成する?

    人事考課規程は「社会保険労務士」によって作成されることが多くなっています。というのも、人事考課規程は就業規則の一部として記載され、就業規則は主に「社会保険労務士」によって作成されるからです。

    社会保険労務士は、労働基準法に精通したスペシャリストです。法律を遵守した精度の高い規程を設けるためにも、プロに依頼することは重要であると言えます。中には、ネット上のひな形やテンプレートを使用するケースもあるようですが、自社の方針とマッチしていなかったり、法改正前の古いバージョンであったりするリスクもあります。せっかく作成した規程が、逆にトラブルの元になってしまわないよう注意しましょう。

    また、人事考課規程内の細かな考課項目・方法については、人事コンサルタントに相談するのも良いでしょう。コンサルティングを受けることで、より企業にマッチしたものを作成することができます。

    人事考課規程はどんな内容?

    人事考課規程に記載される項目はいくつかあります。企業によって多少の差はありますが、おおむね以下について記載することが多くなっています。

    • 活用目的
    • 適用範囲
    • 考課時期と期間
    • 考課者と区分
    • 考課項目
    • 考課方法
    • 考課調整
    • 考課に対する異議申し立て
    • 考課の保管と改廃

    それぞれの項目についてみていきましょう。

    活用目的について

    人事考課を「何のために利活用するのか」について記載します。賞与・昇給・昇格・人事異動など、「考課結果の良し悪しがどこに結びつくのか」についてさだめます。そうすることで従業員の認識を統一し、考課者による考課結果の濫用を防ぎます。

    適用範囲について

    人事考課規程の対象者について明記します。アルバイトや出向社員、休職者や入社後〇ヶ月以内の従業員は考課の対象外とする、など企業の方針に即して記載します。また、正社員の考課規程とパートやアルバイトの考課規程を分けてさだめる場合もあります。

    考課時期と期間について

    「年に何回行うのか」「考課はいつ決定するのか」について明記します。年2回の考課を行う場合は、4月~9月までの考課を10月、10月~3月までの考課を4月に決定し、賞与・昇給・昇格の時期にあわせることが多くなっています。

    (例)賞与支給:6月と12月の場合

    • 4月~9月までの考課期間:10月に考課決定⇒12月の賞与に反映
    • 10月~3月までの考課期間:4月に考課決定⇒6月の賞与に反映

    考課者の区分と考課上の注意点について

    誰が誰の考課を受けるのか、また考課者の遵守事項などについて明記します。考課者の区分については、以下のような形をとることが一般的です。

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    いわゆる「直属の上司」が考課にあたることが多いですが、より公正を期するために考課者を2名以上設ける場合もあります。その場合は、さらに上の役職者が考課者となって、偏りやブレを是正することが多くなっています。

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    また、遵守事項には「個人的な感情で評価を行わない」「日常の働きぶりを観察し、噂などの不確実な情報に頼らない」など、考課者としての心得を記載します。

    考課項目について

    主に「業績考課」「能力考課」「情意考課」の3項目に分けた考課を行うことが多くなっています。これらの考課項目をそのまま規程内に記載する場合もあれば、別途「考課シート」を設ける場合もあり、別途作成する場合はその旨を規程に記載します。

    ・業績考課

    あらかじめ設定した目標に対して「どれくらいの成績を残せたか」「どれくらい達成できたか」など、個人の業績について評価されます。営業や販売など、目標が数値化しやすい職種では重視される傾向にあり、「MBO(目標管理制度)」の活用が適していると言われています。

    ▽MBOについて詳しく知りたい場合は、こちらもご確認ください。
    MBOとは?目標管理におけるメリットやOKRとの違いを解説

    ・能力考課

    業務遂行上で身につけた能力や、業務上必要なスキル・資格に対して評価されます。新入社員と中堅社員では、同じ仕事であっても難しさを感じるレベルが異なります。そのため、自分の等級と同等、もしくはそれ以上の結果を残すことができれば評価は高くなります。この考課項目では、従業員それぞれの能力管理をする必要があるため、スキルマップの活用がおすすめです。

    ▽スキルマップについて詳しく知りたい場合は、こちらもご確認ください。
    人材を可視化するには?タレントマネジメントシステムとスキルマップを紹介

    ・情意考課

    仕事に対する姿勢について評価されます。主に規律性・積極性・責任性・協調性の4つの観点から判断され、「自立して誠実に取り組めているか」「人のせいにしたり自分勝手なふるまいをしていないか」など、職場における「人間性」を評価される項目です。

    規律性・・・ルールや約束を守っているかどうか
    積極性・・・自発的考えて行動できるかどうか
    責任性・・・与えられた役割を最後まで全うできるかどうか
    協調性・・・周りと協力して業務を進められるかどうか

    上司だけでは評価しづらく、また個人の感情に左右されやすい項目でもあるため、上司や部下、同僚などが評価に加わる「360度評価」の活用が適しています。

    ▽360度評価について詳しく知りたい場合は、こちらもご確認ください。
    自律型の組織づくりに360度評価!人事評価や人材育成に効果を発揮

    考課方法について

    どんな方法によって考課を行うか、について明記します。一般的には、別途「考課表」「評価シート」などを作成することが多くなっています。詳しい考課表の作り方やポイントについては後述したいと思います。

    考課調整について

    考課の甘辛調整について記載します。客観性を高めるため、考課者を2名以上設けて調整することが多く、1次考課者が2次考課者の決定に異議を唱えることを可能としている場合もあります。

    考課に対する異議申し立てについて

    被考課者が、考課に対して異議申し立てを行う場合の流れについて記載します。「考課決定から何日以内の申し出が必要か」「誰に異議申し立てを行うか」「再考課の流れ」を規程内に記載し、フローを明確にしておくと良いでしょう。

    考課の保管と改廃について

    考課の保管期間、保管管理者、改廃について明記します。保管期間は作成日より3~5年、人事部長や総務部長によって保管されることが多くなっています。また、改廃に関しては「取締役会」や「役員会」など、どのような場で改廃の決定がされるのかについて記載します。

    法律上の注意点について

    人事考課規程を設ける際、法律的にも配慮すべき点があります。

    以下の条文は、法律の中でも「強行規定」に分類されるものです。たとえ当事者同士の合意があったとしても、規定と異なる契約内容であれば無効扱いになりますので、規程内で抵触することがないよう気を付けましょう。

    <労働基準法>
    第三条:均等待遇
    第四条:男女同一賃金の原則

    <男女雇用機会均等法>
    第六条:性別を理由とする差別の禁止
    第九条:婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等

    様々な法律的観点をクリアした人事考課規程をつくるためには、相応の専門知識が必要になります。安易にネット上のひな形を利用するのではなく、社会保険労務士や弁護士によるリーガルチェックを経たうえで運用することが望ましいでしょう。

    人事考課表の作り方とポイント

    人事考課規程によって考課の大枠をさだめたら、「人事考課表」の作成がおすすめです。「人事考課表」とは、細かい考課項目が記載されたシートのことで、従業員の強みや弱みを評価・分析することに適しています。「人事考課シート」「人事評価シート」などとも呼ばれます。

    人事考課規程に詳細項目を盛り込むこともできますが、その場合は全従業員に同じ考課項目が適用されることになります。部署によって重点をおく考課項目が異なる場合は、従業員それぞれのポジションに即した柔軟な評価がしづらくなるため、考課表の作成がおすすめです。

    ここでは、人事考課表を作成する際の4つのポイントを紹介していきたいと思います。

    ポイント1:職種・役職・雇用形態別で作成する

    人事考課は、業績・能力・情意の3つの項目を軸に行われることが一般的ですが、職種や役職、雇用形態によって重視される項目は異なります。

    例えば、営業職では業績評価の占める割合が多くなりますが、事務職では能力評価の占める割合が多くなります。新入社員は情意評価の占める割合が多く、中堅以上は業績や能力評価の占める割合が多くなるでしょう。また、正社員とアルバイトでは職務の幅が異なる場合もあります。このように、従業員によって重点を置くべき評価項目が異なるため、職種・役職・雇用形態別に考課表を用意する、または考課項目を必要に応じてカスタマイズできる仕様だと良いでしょう。

    ▽効果的な人事考課を行うポイントについては、こちらでもご確認いただけます。
    効果的な人事考課とは?業績アップにもつながる3つのポイントを解説

    ポイント2:定量的な考課項目を設定する

    数値化しやすい考課項目の設定がおすすめです。考課しやすくなったり、被考課者の納得度が高まったりするだけではなく、目標が明確に数値化されることで、考課期間中に達成度合いを把握し、考課決定までに行動の振り返りや軌道修正が可能になるのです。

    ポイント3:フィードバック欄を設ける

    「フィードバック欄」を設けることで、良かった点や改善点を共有することができ、被考課者の次のアクションにつなげることができます。当事者の立場からは「どの行動が良かったのか」「どうして結果に結びつかなかったのか」など、客観的に分析しづらい場合があります。その際に、考課者の立場から見て感じたことを「フィードバック」として共有することで、被考課者の「気づき」を促し、改善・成長に向けた取り組みが可能になります。

    ▽フィードバックする際のポイントについては、こちらをご確認ください。
    人事考課のフィードバックとは?部下と信頼関係を築くポイントも紹介

    ポイント4:定期的な見直し、必要に応じた改定も

    人事考課表は、作成した後も「自社の経営実態に即した運用ができているかどうか」定期的に見直しを行い、必要に応じて内容の変更をすることが大切です。企業の現状とかけ離れた項目を運用していては、せっかく考課表を作成しても形骸化してしまう可能性があり、また従業員のモチベーションも上がりません。会社の規模が数十名から数百名規模に成長した場合、部署が細分化(または統合)された場合など、企業の変化にあわせて考課表の内容も変えていくと良いでしょう。

    人事考課規程・人事考課表を設けるメリット

    近年、「年功序列型」から「成果主義」に移行する企業も増えており、そのタイミングで「人事考課規程」や「人事考課表」を設けるケースが増えています。人事考課規程はあくまでも任意の規程ですが、ここでは「人事考課規程」や「人事考課表」を運用する3つのメリットについて紹介したいと思います。

    メリット1:トラブル防止

    公にルールを定めることで、従業員の不信感が生まれにくくなり、無用なトラブルを防ぐことができます。人事考課は昇格や昇給、賞与に直結するケースが多いです。そのため、評価基準があいまいだと「納得がいかない」「個人の好き嫌いで判断されているのではないか」といった懐疑心を生むことにもつながりかねません。規程の中で、評価者や評価項目、異議がある場合の流れを明確にしておくことで、公正さが保たれるだけでなく、対処もスムーズになります。

    メリット2:企業の方向性の共有

    「どういう行動を評価するか」「どういう人を評価するか」など、企業が考える「行動指標」や「人物モデル」の大枠を示すことができます。従業員にも「取るべき行動が明確になる」といったメリットがあるため、無駄な行動がなくなり、生産性の向上も期待出来るでしょう。

    メリット3:人材育成

    一定の基準に則った評価をされることで、被考課者は「強み」と「弱み」を認識しやすくなり、考課内容を「スキルのブラッシュアップ」や「課題の克服」に役立てることができるでしょう。また、考課表を活用したフィードバックや1on1ミーティングを行うことで、より的確な指摘が可能になり、人材育成につなげることができます。

    人事考課管理は、人材管理システムがおすすめ!

    最近では、テレワークの普及やペーパーレス化にともない、人事考課シートをシステム化する企業が増えてきています。

    人材管理システムでは、目標・評価・スキルデータといった従業員に関わる人事情報を一元化することが可能です。また、評価に至るまでのプロセスを見える化し、より透明性の高い評価を実現できます。

    人事考課規程を設けるにあたり、あわせて整備が必要になるのが人事考課表です。人事考課表について「どういう評価項目を設けたらいいか分からない」「目標管理が上手くできず、評価に自信がない」などでお悩みの場合は、人材管理システムがおすすめです。

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    HR大学 編集部

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