#人事評価
2023/08/10

KPIとKGIの違いとは?設定方法と設定するメリットについて

目次

    ビジネスの成功には、正しい目標設定が不可欠ですが、設定だけではなく、目標に向けてのプロセスを正確に把握することが必要です。そこで役に立つのが、KPIとKGIです。

    KPIとKGIの違いとは

    KPIとKGIは、どちらも目標達成のために使われる指標のこと。言葉は似ていますが、意味は異なりますので、間違えないようにしましょう。

    KPIは過程の指標

    KPI・KGIの基礎知識

    KPI(Key Performance Indicator)は、日本語では『重要経営指標』や『重要業績評価指数』と訳される言葉で、目標達成に必要なプロセスを具体化するための指標なのですが、言葉だけだとあまりイメージがつきませんね。

    例えば、「通販サイトの売り上げを30%上げる」という目標があるとします。サイトの売り上げをアップさせる方法は色々ありますが、一番わかりやすい「アクセス数を増やす」方法でKPIを設定してみましょう。

    現在の購買率から逆算すれば、売り上げを30%アップするためにはアクセス数をどれくらい増やせばよいか、具体的な数値を導き出すことができます。これをもとにして「来月はウェブサイトのアクセス数10万を目指そう」という風に最終目標のための指標を作ること。これが「KPIを設定すること」です。

    KGIは目標達成の指標

    KGI(Key Goal Indicator)は、日本語では『重要目標達成指数』と訳される言葉で、最終的に達成すべき目標を表す指標です。先ほどの例で言うと「売り上げ30%アップ」がKGIにあたります。KGIの達成には、適切なKPIが不可欠です。

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    KFS・CSFについて

    KFSやCSFはKGI・KPIの達成に欠かせない要因です。

    KFS・CSFとは

    KFS(Key Factor for Success)は、直訳すると「成功の鍵となる要因」ですが、日本語では『重要成功要因』と訳されるのが一般的です。KSF(Key Success Factor)も同じ意味です。CSF(Critical Success Factor)は『主要成功要因』と訳され、こちらもKFSとほぼ同義で使われます。

    KFS・CSFは適切なKPIを設定するためには必要不可欠なものですが、しっかり分析しないと、KGIと全く関係のない要因を成功の鍵だと誤認してしまうこともあります。正しいKFS・CSFを見つけ出すことが大切です。

    KFS・CSFを見つけ出すには

    大きく分けて二つの方法が挙げられます。

    一つめは、市場や自社商品・サービスの特性を分析すること。市場を分析し、自社の強み・他社と差別化できる部分を洗い出しましょう。顧客やユーザーの声を聞くのもよいでしょう。差別化できる特性を掘り下げていくことで、適切なKFS・CSFを見つけることができます。

    二つめは、自社のビジネスフローをさまざまな角度からチェックすること。部門ごとにビジネスフローを洗い出し、構成する要素を一つ一つチェックします。コストダウン可能な部分や、付加価値を高められる部分をKFS・CSFとして設定しましょう。

    見つけ出したKFS・CSFを分析

    フレームワークを使って分析すれば、見つけ出したKSF・CSFが有効なものか判別することができます。

    例えば、『ファイブフォース(5F)分析』は、米国の経済学者マイケル・ポーターが提唱したフレームワークで、競争要因から業界の構造を分析することができます。

    ・新規参入者の脅威
    ・代替品の脅威
    ・買い手の交渉力
    ・売り手の交渉力
    ・既存競争者同士の敵対関係

    この五つの競争要因を分析することで自社のポジションを把握できるというフレームワークで、マイケル・ポーターの著書『競争の戦略』でビジネス業界に広く知られるようになった手法です。

    KFS・CSFを分析するためのフレームワークは他にもあります。例えば『SWOT分析』も企業戦略や方針の決定に有効なフレームワークです。複数のフレームワークを組み合わせて分析するのもよいでしょう。

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    KPIを設定するメリットと設定方法

    組織にとってKPIを設定するメリットとは何でしょうか?

    具体的なメリットとは

    KPIを設定するメリットは、目標の『見える化』『可視化』です。達成すべき期限や数値が具体化されるので、進捗状況を定量的に把握することができます。

    目標や進捗状況が見えると従業員の向かうべき方向が明確になり、モチベーションの向上なども見込めます。

    KPIの設定はツリー方式がおすすめ

    KPIを設定する際、ロジックツリーを使うのもよいでしょう。ロジックツリーとは、課題をツリー状に分解して原因や解決法を導き出す手法です。

    最終的な目標(KGI)をツリーの先頭に配置し、そこから目標達成を構成する要素(KPI)を細分化していきます。課題をツリー状に分解することで、要素の抜けや重複を防ぎやすくなるので、効率的にKPIを設定することができます。

    細分化されたKPIには、それぞれ達成すべき数値を設定します。

    設定する際に気をつけること

    KGIに関係ないKPIを設定しないように注意しましょう。間違ったKPIを設定してしまうと、無駄なリソースを割くことになりかねません。

    KPIに設定する数値は、現実的かつ具体的な数値に落とし込むことが必要です。達成できない数値目標は意味をなさないだけでなく、従業員のモチベーション低下につながる可能性があります。

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    OKRについて

    KPIとよく比較される言葉の一つ、OKR。近年では、GoogleやFacebookといったグローバル企業が取り入れている手法です。

    OKRの特徴と仕組み

    OKR(Objectives and Key Results)は、『目標と主要な成果』のこと。組織の目標達成に必要なものを明確にする目標管理方法です。

    KPIは目標達成に必要なプロセスを具体化するための指標ですが、OKRは組織全体の目的と道筋を明確にする管理方法です。

    組織の目標(Objectives)を決めたら、具体的な指標となるKey Resultsを3~4個決めます。Objectivesは定性的に、Key Resultsは定量的に決め、目標はやや難しめに設定するのがポイントです。

    OKRの基礎知識については、下記の記事も参考になさってください。

    Googleやメルカリも導入する目標管理手法、OKRの基礎知識
    OKRを導入したい!でもやり方がわからない…設定のポイントと目標の作り方

    OKRを用いる効果

    OKRは目標管理サイクルが短いため、柔軟な対応や見直しができるのが大きな特徴です。

    組織全体のOKRを全社で共有するため、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながります。組織全体からチーム、チームから個人へとOKRをブレイクダウンして設定すれば、従業員が目標を達成することがそのまま組織目標の達成につながります。

    OKRの実際の流れについては下記の記事をご覧ください。

    OKR、目標の設定はできたけど、実際の流れは?1週間の運用例

    KPIとKGIを活用してビジネスの成功を

    KPIとKGIは、組織の目標を明確にし、進捗状況を計測する重要な指標です。

    どんなに大きな目標も可視化・細分化・定量化することで達成への道筋が見えてくるものです。5FやSWOT分析などのフレームワークを必要に応じて活用しましょう。

    KPIとKGIを正しく理解して活用することは企業成長への近道と言っても過言ではありません。

    OKRの基礎知識、実際の運用や活用の流れなど、OKRの基本が全て詰まった資料はこちら

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