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人事評価制度の見直しや作り方、知っておきたい評価基準も解説!

人事評価制度

人事評価制度の見直しや作り方、知っておきたい評価基準も解説!

目次

    人事評価制度とは?

    人事評価制度とは?

    人事制度の柱となる人事評価制度。ここでは、人事評価制度の内容や知っておくべき制度の目的を見ていきます。

    人事評価制度とは

    人事評価制度とは、従業員の能力や成果、業務プロセスの評価を行い、その結果を報酬や等級など従業員の処遇に反映させること。一般には、毎年、評価者が評価基準をベースに評価を実施し、評価調整を経て昇給や昇格、昇進につなげる一連の制度を指します。

    のちに触れますが、人事評価基準には、「成果評価」「能力評価」「情意評価」があり、上位職層は成果重視、若年層は情意重視など、職位に応じてウエイトを決めていることが一般的です。

    知っておくべき人事評価制度の目的

    人事評価制度というと、賃金決定のために行っていると思われがちですが、それだけではありません。自社の戦略を実現するために、人事戦略上、何を目指すかによって重視する目的は変わります。

    たとえば、新規事業を立ち上げるときに、売上高を重視するような単年度の事業利益を重視する成果評価の基準であった場合、新規事業部門は目先の売上を上げるために、チャレンジングな目標設定や行動を起こすことはできません。

    チャレンジングな行動や企業文化を醸成したいといったケースでは、「成果評価は中長期にする」「プロセス評価の比重を上げる」「チャレンジングな行動特性を評価する」などが考えられます。

    このように、企業の戦略によって、人事評価制度の目的が変わるのです。目的は企業によって各様ですが、大別すると次の4つの目的に集約することができます。

    【代表的な4つの目的】

    • 処遇を決めるため
    • 人材の育成のため
    • より良い採用を行うため
    • 企業文化を作るため

    人事評価4つの目的の詳細を知りたい方は「 人事評価制度のつくり方 事前に把握しておきたいポイント 」の記事をご参考ください。

    押さえておきたい、人事評価の方法と種類

    押さえておきたい、人事評価の方法と種類

    人事評価制度は、企業の目的や方針によって評価方法は変わるもの。ここでは、代表的な評価方法として、「MBO(目標管理制度)」「360度評価」「コンピテンシー評価」について解説します。

    スタンダードな評価方法。MBO(目標管理制度)

    多くの企業が採用しているMBO(目標管理制度)は、Management by Objectivesの略で、個人・チームで設定した目標を管理し、実績を評価する制度です。
    一般には、組織目標に応じて従業員が上司と相談のうえで目標設定を行い、中間や期末に目標達成の評価をします。
    従業員自身が目標設定をすることにより、自分がやるべきことをコミットさせ、意欲を醸成させることがポイントです。

    MBOを詳しく知りたい方は「 MBOとは?目標管理におけるメリットやOKRとの違いを解説」の記事をご参考ください。

    誰もが評価者?360度評価

    誰もが評価者になり得る360度評価。360度評価は多面評価ともいい、評価者は上司だけでなく、同僚や部下からの評価も反映する方法です。上司からの一方的な人事評価に対する不満解消の手段のひとつといえますが、運用を間違えると上司が適正な業務指導を行えないなどの、不要な気遣いが生まれるというデメリットもあります。
    360度評価が自社の目的や風土にフィットするか、メリットとデメリットを踏まえ、よく検討する必要があるでしょう。

    360度評価を詳しく知りたい方は「 人事評価制度のつくり方 事前に把握しておきたいポイント 」の記事をご参考ください。

    ハイパフォーマーのモデル化!?コンピテンシー評価

    コンピテンシーとは、高業績を上げているハイパフォーマーの行動特性のこと。ハイパフォーマーの行動特性を把握・分析することで、他の従業員の人事評価や人材育成、採用選考のスクリーニングにコンピテンシーを活用します。

    たとえば、営業で高業績を上げている従業員を対象に「顧客へのアプローチ方法」「マーケティングリサーチ方法」「ITツールの活用方法」などの行動特性を分析してコンピテンシーモデルを作ります。コンピテンシーモデルをベースに、人事評価の指針となる評価基準を作成するとともに、人材育成を推進するのです。

    コンピテンシーを詳しく知りたい方は「 コンピテンシーとは?人事担当が知っておきたい、人事評価への活用」の記事をご参考ください。

    廃止すべき?人事評価制度の見直しと直近トレンド

    廃止すべき?人事評価制度の見直しと直近トレンド

    長年、人事評価制度を運用している企業で、必ず出ると言っても過言でない人事評価の不満。しかし、不満が出ていることを要因に、簡単に廃止することは難しいでしょう。

    ここでは、人事評価制度の廃止動向や直近のトレンド、参考にしたい公務員の人事評価制度を紹介します。

    アメリカでは人事評価廃止がトレンド?!

    アメリカで人事評価廃止の動きが広がっているようです。とはいえ、従業員を処遇する人事評価は不可欠であり、人事評価そのものを廃止しているわけではありません。「SABCD…」など人事評価のランク付けを廃止し、他の人事評価手法に変えていくという意味です。

    ランク付け人事評価手法に代わるものとして、アメリカでは「ノーレイティング」が注目を浴びています。2010年代では、GoogleやMicrosoft、GEなどのアメリカを代表する企業が取り入れています。

    ノーレイティングとは、従来型の年度末にランク付けによる評価を行うのではなく、都度、1on1面談を通して、目標設定とフィードバック、評価が行われる仕組みです。

    環境変化が目まぐるしい昨今、年度ごとに目標設定を行う従来型では変化に対応しきれないことから、高頻度で行う1on1面談を通じて行われるノーレイティングが注目されているのです。

    ノーレイティングを詳しく知りたい方は「 管理職が給与を決定!?ノーレイティングについて徹底解説」の記事をご参考ください。

    日本における人事評価制度廃止の難しさ

    MBOやコンピテンシーなど、アメリカの制度を取り入れてきた日本の人事評価制度。ノーレイティングも日本で受け入れられていくのでしょうか?

    日本とアメリカの報酬決定方法の違い
    アメリカでは、報酬決定の権限が管理職に委譲されていることが多く、ノーレイティングによって管理職が部下の報酬を決定します。日本では、部下の評価を相対評価することを通じて報酬決定をしていることが一般的で、管理職に報酬決定権限は委譲されていません。

    この報酬決定方法の違いから、日本では、1on1面談を通じた管理職の評価を報酬に反映することが難しいことがノーレーティングへの移行を困難にしている一要因といえるでしょう。

    浸透しているMBO脱却の難しさ
    ノーレイティングは、決められた評価など画一的な基準は存在していません。そのため管理職は、1on1面談で評価とフィードバックをマメに行うことが求められます。

    日本では毎年、被評価者による目標設定に対する成果に対し、評価者が評価基準をベースに評価を実施し、期末に相対評価するMBOが定着していますが、運用が組織主体から管理職主体となるノーレイティングは、日本企業にとって課題が山積みといえます。

    画一的な基準が存在しないノーレイティングを日本企業が取り入れるには、大きな意識改革と抜本的なマネジメントの教育が必要です。

    知っておきたい、人事評価制度の直近のトレンド

    MBOによる成果主義運用が定着している日本の人事評価制度。しかし年度毎に目標設定をするように、1年のタームでの目標設定が基本のMBOは、ビジネスサイクルが短期化している昨今、環境変化のスピードに対応できないデメリットが生じています。

    人事評価制度の直近トレンドは、評価期間が短くなり、リアルタイム化している特徴があります。成果主義の下では、評価のリアルタイム化に対応できないため、「役割主義」という考えの下、リアルタイムで、その場における行動を評価する仕組みを取り入れる企業が増えています。

    リアルタイムで評価する仕組みとして、行動にフォーカスする「バリュー評価」、バリュー評価のような行動評価と相性の良い「360度評価」、行動評価をリアルタイムで行う「パフォーマンス・デベロップメント」、貢献度合いを見える化し、従業員同士でインセンティブを与えあう仕組みの「ピアボーナス」などがあります。

    「成果主義」から「役割主義」の変遷とともに、世界的な動きがあったのが前述の「ノーレイティング」です。

    参考にしたい公務員の人事評価制度

    公務員の人事評価制度は、民間の評価制度を参考にされており、国家公務員法の下で定められています。評価基準は「能力評価」と「業績評価」の2つで、評価ランクは、人事評価が一部の評語に偏っているなどの課題を受けて、2022年に5段階から6段階へ細分化することが予定されています。

    公務員の人事評価制度を詳しく知りたい方は、「 公務員の人事評価をわかりやすく目標設定のサンプル例と合わせて解説」をご参考ください。

    押さえておきたい評価基準と人事評価制度の作り方

    押さえておきたい評価基準と人事評価制度の作り方

    人事評価制度の不満要因トップは、「評価基準が不明確」であることです。この不満が生じないように評価基準を明確にすることに重点を置き、人事制度を作る必要があります。

    ここでは、評価基準の内容と人事制度の作り方とともに、人事評価制度構築に活用できる助成金について解説します。

    定めるべき評価基準

    人事評価の不満を防ぐことに不可欠な評価基準。評価基準を定めて明確化することによって、不満に繋がる人事評価エラーを防ぎ、透明性の高い人事評価制度の構築を実現できます。

    定めるべき評価基準には、次の3つです。

    【評価基準3要素】
    成果評価
    営業職など、数字で示すことができる成果は定量評価、事務職など数字で示すことができない成果は定性評価で、それぞれ評価基準項目別に基準を定めます。
    成果評価のウエイトは、職層が上位であるほど高くなり、下位であるほど低くなることが一般的です。

    能力評価
    職種共通で求める能力、職種別に必要な能力のほか、階層別に必要なスキルなどを棚卸します。その上で、会社が臨む能力要件を職種別・階層別に定めます。
    能力評価基準を定めることで、従業員の能力開発の指針となり、人材育成のベースにもなる重要な基準です。

    情意評価
    会社が望む仕事への姿勢や、行動・プロセスを棚卸しします。高業績を上げている社員の行動特性に着目したコンピテンシーモデルを作成することも有効です。

    プロセス重視とすべき若年層のほか、新規事業部門などにチャレンジングな行動を促すよう、情意評価のウエイトを引き上げることがポイントです。

    コンピテンシーを詳しく知りたい方は、「 コンピテンシーとは?人事担当が知っておきたい、人事評価への活用」をご参考ください。

    失敗しない人事評価制度の作り方

    手順を誤ると、失敗に終わることもある人事評価制度。ここでは、失敗しない人事評価制度の作り方を解説します。
    人事評価制度の一般的な作り方のフローは次のとおりです。

    一般的な人事評価制度の作り方とされる内容

    • 人事評価の目的設定
    • 目的に応じた評価基準の作成
    • 評価基準に応じた評価項目の設定
    • 評価方法・ルールの取り決め

    しかし、失敗しない人事評価制度の作り方のポイントは、納得性の高い制度を作ること。

    納得性の高い人事評価制度を作るには、従業員と徹底的な対話の下、労使双方が納得し、透明性の高い人事評価制度を実現することが肝要です。

    人事評価制度を作るとき、あるいは見直すときは、労使双方が納得できるように、次のステップを付け加えることが有効でしょう。

    失敗しないために付け加えたい、人事評価の作り方手順

    1. 人事評価制度に対するアンケート実施
    2. 人事評価制度構築・見直しのプロジェクト編成
    3. 制度に関する労使交渉・合意
    4. 人事評価制度構築・見直し方針の従業員向け説明の実施
    5. 人事評価制度の手引き作成、周知
    6. 人事評価制度の評価者・被評価者向け研修の実施とフォローアップ

    人事部門の独りよがりな人事評価制度とならないよう、経営層や従業員の意見に耳を傾けることがポイントです。

    人事評価制度の作り方で、事前に把握したいことを詳しく知りたい方は、「人事評価制度のつくり方 事前に把握しておきたいポイント」をご参考ください。

    人事評価制度の助成金

    人事評価制度の創設や改善をする企業は、助成金の活用が可能です。

    目標を達成した場合に80万円の助成金が支給される「人事評価改善等助成コース」があります。

    恒久的に賃金を毎年2%アップする制度を導入することなど厳しい条件もあり、目先の助成金だけでなく、自社にとって、中長期的にメリットがあるかを検証する必要があるでしょう。

    人事評価制度の助成金を詳しく知りたい方は、「人事評価改善等助成コースとは?注意点や申請手順をわかりやすく解説」をご参考ください。

    【まとめ】労使が納得する、透明性の高い人事評価制度を構築しましょう

    本記事では、人事評価制度の目的やMBOをはじめとした代表的な種類、人事評価制度見直しトレンドのほか、人事評価基準、作り方などを説明しました。

    人事評価制度の不満要因のトップは、「評価基準が不明確」があげられているように、人事評価制度の肝は、「評価基準」の設定と明確化です。また、納得性の高い制度を作ることも重要です。

    本記事で触れた失敗しない人事評価制度の作り方を参考に、労使が納得する透明性の高い人事評価制度を構築しましょう。

    HRBrainは人事評価と目標管理を確かな成長につなげる人事評価クラウドです。

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    HR大学 編集部

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