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リモートワークに欠かせない。定量評価を人事に導入するポイントとは

リモートワークに欠かせない。定量評価を人事に導入するポイントとは

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

    各企業で急速に進むリモートワーク。しかし人事の立場からすると、出社していない従業員をどのように評価すればいいのか頭を悩ますのではないでしょうか。

    そこで検討したいのが、評価手法として「定量評価」の導入を進めることです。今回はリモートワークと定量評価の関係を紐解きながら、定量評価のポイントをお伝えしましょう。

    定量評価と定性評価、その違いとは

    定量評価と訂正評価の違い

    定量評価と共によく耳にするのが「定性評価」という言葉です。似たような言葉ですが、この両者には明確な違いがあります。

    定量評価と定性評価、その違いを端的にまとめると以下のようになります。

    • 定量評価:数字など誰もがわかる基準で評価する
    • 定性評価:振る舞いなど評価者の感覚を基準に評価する

    定量評価は、営業やマーケティングなどでよく用いられます。営業マンであれば、予算が決められ、その達成率で評価を行います。マーケティングでも、デジタルマーケティングなどはリードの獲得、案件化の数など数字として評価可能です。

    またプロスポーツでも、プロ野球選手はチーム成績や自らの個人成績に基づいて年俸が決まるため、典型的な定量評価の世界と言えるでしょう。

    定量評価を取り入れる際、人事はKGIやKPIを設定します。あるべき姿をゴールと定めて、さらにそれを達成するために必要な基準を数字に落とし込みます。

    先ほど挙げた営業マンの場合、売り上げがKGIとなるケースがほとんどです。それを達成するためにクライアントごとの売り上げや商談の際の提案件数などがKPIとして設定され、進捗を定期的に見ていくことになるでしょう。

    一見するとシビアなように見えますが、一方で数値さえクリアすれば誰の目から見ても成果が出ていると評価されるのが定量評価の良さと言えます。外資系企業の営業マンなどが予算を達成して、多額のインセンティブを手に入れることもあります。また後述しますが、日本でも定量評価の導入がより進んでいくかもしれません。

    定量評価とは対照的に、定性評価は数字ではなく評価者の感覚が重視されます。バックオフィスの業務などは、定性評価で判断する部分が大きいのではないでしょうか。

    またわかりやすい例としては、新入社員に対する評価方法として、定性評価はよく用いられています。入社したての新入社員は、まず社会人としての振る舞いができるかどうかが問われます。服装などの身だしなみ、定時に出社するなどの勤務態度、社外の関係者や先輩社員に敬語を使っているかなど、場合によっては上司だけでなく同僚もチェックします。

    これまでの日本企業は、定性評価を行なっているケースが多かったのではないでしょうか。しかし、これが今後大きく変化する可能性があるのです。

    リモートワーク推進で定量評価がより重要になる

    リモートワークによる定量評価

    コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークの導入が急速に進んでいます。パーソル研究所の調査によれば、テレワーク実施率の全国平均は、2020年3月9〜15日が13.2%だったのに対して、翌月の4月10〜12日では27.9%に上昇。特に、感染拡大が著しい東京都では、49.1%がリモートワークをしていると回答しており、前月から2倍以上に増えています。

    また神奈川県が18.9%から42.7%、埼玉県が13.8%から34.2%、千葉県が17.0%が38.0%に上昇するなど、これらの県も前月から2倍以上に増えています。

    現在のリモートワーク推進は、感染拡大防止の観点で注目を集めるケースがほとんどです。しかし、これからは「リモートワーク中の従業員をどう評価するか」に焦点が集まる可能性があります。

    オフィスにいれば、はたから見て仕事をしているかどうかが定性的にわかります。しかし、リモートワークでは、実際に仕事をしているか姿を見て判断することはできません。従業員が作成した成果物のクオリティをもって判断するしかないのです。

    また会議においても、オフィスで行えばそこに参加しているだけで評価の対象になったかもしれません。しかしWeb会議においては、発言しない限り自らの存在感を示すことはできないのです。

    すなわちリモートワークの状況下においては、「定時に出社している」、「オフィスにいる」、「長時間働いている」などの定性評価がほぼ機能しなくなります。そして従業員を正しく評価するには、時間ではなく成果物などをベースにした定量評価を行わざるを得なくなるのです。

    人事で定量的な目標設定が難しい理由

    定量評価が難しい理由

    しかし「人事は定量評価に移行する」と言っても一筋縄ではいきません。

    まず全ての仕事を定量化するのは、現実的にほぼ不可能です。営業など目に見えて成果を表せる職種もある一方で、バックオフィス業務などはそう簡単にはいきません。業務の正確性などをKPIに設定するのは1つですが、KPIに固執するあまりそれ以外の業務に着手する社員がいなくなる可能性もあります。

    企業の業務を細分化すると、必要にもかかわらず定量化できない業務が存在するでしょう。過度に定量化を進めると、このような業務を担当する社員がいなくなり、業務が回らなくなる可能性もあります。

    また”日本企業だからこそ”の難しさもあります。

    日本企業は、従業員のチームワークを前提にした「メンバーシップ型」の働き方を進めてきました。企業に滅私奉公すれば、いつか自分が報われるという常識がかつてはありました。長時間労働、転勤命令などを受け入れてきたのは、終身雇用で給与が上がり続けることが保証されてきたからです。

    しかし現状ではこのような働き方を進めるのは現実的ではありません。全ては難しくても、業務ごとに担当を分ける「ジョブ型」の働き方を導入する必要もあるのではないでしょうか。

    定量目標を設定するための2つのコツ

    定量評価のコツ

    実際に定量評価を導入するためには、どのようなことに留意すればいいのでしょうか。ここでは主に以下の2つのポイントを紹介します。

    適切なKPI・KGIの設定

    定量評価を進めるにあたり、KPIなどの設定は避けて通れません。各営業マンが予算というKGIを持っているように、その他の職種でも業務を数値に落とし込むことを考える必要があります。

    目標数値を設定するポイントは、高すぎず、低すぎない目標を設定することに尽きます。実現可能性の低い目標では、そもそもモチベーションが湧きませんし、低すぎると従業員が十分にパフォーマンスを発揮しない可能性もあります。

    このような事態を避けるためにも、対象となる従業員にどのような役割で会社に貢献して欲しいか明確にする必要があります。社歴がある会社であれば、過去の社員に対する評価が参考になるはずです。現在部長として活躍する従業員は、過去にどれだけのパフォーマンスを発揮したか。定量評価を導入する前に、調査しておきたいところです。

    率直なフィードバック

    1度決めたKPIについては、それに固執することなく、3ヶ月に1度くらいの頻度で見直すのもいいでしょう。その際に実行したいのが、従業員に対するフィードバックです。

    KPIに対する納得感などをすり合わせ、場合によっては目標数値の変更を行います。またこの時に従業員のパフォーマンスに対して率直な印象を伝える必要もあります。特に重要なのが、パフォーマンスが上がっていない時です。なぜパフォーマンスが上がっていないのか、人事が感じること、従業員が感じていることを明確にして、改善に取り組むことが求められます。

    そのためにも、普段からのコミュニケーションや信頼関係の醸成が欠かせません。これ無しに率直なフィードバックを行うと、両者の関係にひびが入りかねないでしょう。フィードバックは相手を非難するものではなく、あくまで良くなって欲しいという相手への信頼関係をベースに進めます。

    企業を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。その変化に乗り遅れないよう、評価のあり方も考えていきたいところです。

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