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今さら聞けないチームビルディング。具体例や参考書も紹介

今さら聞けないチームビルディング。具体例や参考書も紹介

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目次

    一般的に、仕事は一人だけでなく複数の人間が関わるもの。より高い成果をあげるためには、チームが効率的に機能することが重要です。『チームビルディング』の基礎知識をおさえておきましょう。

    チームビルディングとは

    成果を上げられるチームを作成するための手法がチームビルディングです。

    チームが機能していなければ、新しい事業やプロジェクトの成功は見込めません。チームビルディングは強いチームづくりに欠かせない大切なものです。

    個人の能力を超え、チームで目標達成を目指す

    サッカーや野球をイメージしてください。同じくらいの能力を持つ選手を集めた2つのチームを作り、対戦させました。チーム名はAチーム、Bチームとします。

    Aチームは、お互いに対戦日が初対面のメンバーで構成されたチームです。Bチームは、結成してから何度も顔を合わせ、練習を積んだチームです。さて、どちらが勝つでしょうか?

    後者のチームの方が勝つ確率が高いと、誰もが思うはずです。

    Aチームは同じ能力を持った個人の寄せ集めに過ぎませんが、Bチームは練習による優れた連携が可能で、高いパフォーマンスを発揮できます。つまり、チームとしてしっかり構築されているのがBチーム。

    これは何もスポーツに限りません。ビジネスにおいても同じことが言えます。

    チームとは、単に数を合わせたものではなく、一人一人のメンバーが自分の役割を把握し、連携することで、人数以上の成果を出す集団のこと。

    この、人数以上の成果をあげる能力を持った集団を形成する手法が『チームビルディング』なのです。

    新しいアイデアも生まれやすい環境に

    チームがしっかり機能すれば、作業効率が上がるだけではなく、それ以上のメリットが生まれます。

    例えば、仕事に関するアイデアを出さなければいけないのに、一人だとなかなか思いつかない……そんな時、チームの仲間とディスカッションをしたり、情報共有をしたりすることで、新しいアイデアが生まれやすくなります。

    チームワークとは何が違うのか

    「チームメンバーと連携を取り、目標達成に向かってより効率的に作業をする」という意味では、チームワークとチームビルディングに大きな差はありません。では、どのような違いがあるのでしょうか?

    『チームワーク』はチーム内の連携やコミュニケーションにフォーカスされた言葉ですが、『チームビルディング』は、チームのビジョンなどの将来性を含む言葉です。

    例えば、サッカーの試合中、勝つために必要なのはチームワークです。しかし、トーナメントで勝ち上がる、いずれは他チームに負けない強豪チームを作る、というような、将来を見越したチーム作りはチームビルディングにあたります。

    チームビルディングにおいては、個人の成長やスキルアップも大きな鍵を握っています。

    チームビルディングの進め方

    以下のようなプロセスで進めるのが、理想のチームビルディングだと言われています。

    1. 企業としての目標や課題を明確にする
    2. 目標達成や課題のクリアのために、なぜチームが必要なのかを検証する
    3. 仕事に対する考え方など、メンバー間の思考を共有する
    4. 各自の役割や仕事の進め方を調整する
    5. 互いをサポートしながら実際に仕事を進める
    6. フィードバック

    これを一つのサイクルとして、チームとしての練度や作業効率を高めることで、より良いチームが作られていきます。

    誰に対して、どんなときに必要となるのか

    すべての仕事にチームビルディングが必要というわけではありません。個人やグループで動いた方が効率的なこともあります。

    チームビルディングはどんなときに必要なのでしょうか?

    対象となる人は幅広い

    新入社員や新しいプロジェクトチーム結成時のメンバーだけではなく、中堅社員や経営陣など、さまざまな層の人を対象とするチームビルディングは、今や全てのビジネスパーソンに必要なスキルです。

    経営陣や管理職にとってチームビルディングは特に重要です。会社の中枢に強いチームが存在すれば、組織全体がより効率的に動くことができますし、より良い変化も生まれます。自身にチームビルディング経験があれば、部下やチームにチームビルディングの必要が生じた際に、的確な方法の選択やアドバイスができるようにもなります。

    必要となるシーン

    チームビルディングは、組織やチーム内に変化を起こしたいときに行います。

    例えば、新しいチームを結成した、新メンバーが加入した、新プロジェクトに挑戦する……など、良い方向への変化を求めるタイミングです。

    ポジティブな変化を促すことは、ネガティブな要因を解消することでもあります。チーム内の雰囲気が悪い、成果が出ていない、メンバーの成長が止まってしまっている……そんなときにもチームビルディングは必要とされます。

    基本的に、単純作業や雑務には必要ありません。何らかの変化が必要なときにチームビルディングを行いましょう。

    グループからチームへ

    組織において、『グループ』と『チーム』の違いは何でしょうか?また、グループからチームに変化するには、何が必要なのでしょうか?

    グループとチームの違い

    例えば『修学旅行のグループ』『学生グループ』を思い浮かべてみてください。『グループ』とは、共通の性質や属性を持った集団のことです。

    一方、『チーム』は同じ目的のために協力して行動する集団のこと。一人一人が目的の達成に積極的に動き、チームにプラスの相乗効果をもたらす集団です。

    『サッカーチーム』という言い方はしますが、『サッカーグループ』という言い方はしません。そう覚えるとわかりやすいでしょう。

    チームとなるための要素

    グループをチームに変化させるには、次の三つの要素が必要です。

    第1に必要なのは「チーム内の全員が目的を共有し、さらに同じ方向を向いていること」です。旅行グループを旅行チームと呼ばないのは、目的地は同じでも、目的地到着後のビジョンや楽しみ方が共有できていないからです。

    第2に必要なのは「プロジェクトや業務の進め方と、誰がどんな役割を担っているのかが明確になっていること」です。

    第3に必要なのは「目的を達成できるスキルを持った人材またはスキルを持つために育成する人材がそろっていること」です。

    この三つがうまく機能し、メンバー同士で信頼関係が構築されることで、グループはチームとなり、高いパフォーマンスを発揮できるようになるのです。

    チームの成功のために大切なこと

    チームが有効に機能し目的を達成するためには、どんなことが大切でしょうか?

    チームの人数

    Amazonの代表取締役であるジェフ・ベゾス氏は、「人数が多すぎることによる弊害を防ぐためには、『2枚のピザ理論』を元に人数を考えるべきだ」と言っています。

    『2枚のピザ理論』とは、2枚のピザを食べる時、「何人が適切か」を考え、この人数こそがチーム形成に適切な人数だとする理論です。

    チームの人数が多いと管理が難しくなる上に、徐々に統制がとれなくなっていきます。少なすぎると、そもそもチームとして機能しません。

    この理論において、適切な人数は5~8人と言われています。

    タックマンモデル理論

    『タックマンモデル理論』は、心理学者のブルース. W. タックマンが提唱した『チームビルディングに必要な五つの発展段階』のことです。

    もともとこの理論では段階は四つしかありませんでしたが、後年、段階が一つ加えられ、段階の数が五つとなりました。

    それぞれのステージは次のとおりです。

    1. 形成期…結成当初で、まだチームとしての機能や役割が共有されていない状態
    2. 混乱期…目標に対する意見の食い違いや人間関係で、対立が生まれている状態
    3. 統一期…チームの目的や役割が共有されて、統一感が生まれている状態
    4. 機能期…結束力が生まれ、互いにサポートやフォローを行い、チームとしてもっとも機能している状態
    5. 散会期…目的達成や時間的制約によって、チームが解散する時期

    五つの段階のうち、2の混乱期については、「必要ない」「なるべく防ぎたい」と考える方がほとんどでしょう。しかし、これもチームビルディングにおいては必要な過程です。

    五つも段階があるのですから、チームとして機能するようになるまでは、それなりに時間がかかることを踏まえておきましょう。

    心理的安定性を高める

    心理的安全性(psychological safety)とは、組織内で各メンバーが気兼ねなく過ごせる、自然体に振る舞える環境や雰囲気を指す心理学用語です。

    2017年、Googleが行った労働に関する調査において、心理的安全性はチームの成功に最も必要なものであると発表されました。

    心理的安全性を高めるためには、次の四つの要素を排除することが重要だと言われています。

    • 無知だと思われる不安
    • 無能だと思われる不安
    • 他の作業者の邪魔をしていると思われる不安
    • ネガティブだと思われる不安

    この四つの不安をメンバーが感じている場合、自由な発言やコミュニケーションが阻害されてしまいます。メンバー同士の連携が少なくなり、画期的なアイデアも生まれにくくなり、逆にミスは生まれやすくなってしまうのです。

    この悪循環を避けるためには、心理的安全性を高め、メンバー同士が気軽に発言や交流ができる雰囲気づくりが必要です。

    チームビルディングの方法

    チームビルディングを行うためには、何をすれば良いのでしょうか?

    日常に対話の機会を設ける

    良いチームを作るには、心理的安全性を高め、コミュニケーションを円滑に行うため、何気ない会話や些細なことも発言できる環境が重要です。

    チームミーティングを積極的に設けたり、リーダーに雰囲気づくりの指導をしたり、社内SNSなどを設置したり。こういった対話の機会を設けることが有効な施策だと言われています。ぜひご自分の社内の雰囲気に合う施策を考えてみてください。

    研修や合宿にてゲームを行う

    面白いゲームは、チーム間のコミュニケーションの活性化や連携の強化につながります。できれば事前準備がいらず、チームワークを必要とするゲームが理想的です。

    体を動かすアクティビティでリフレッシュ

    キャンプやサバイバルゲーム、スポーツなどの体を動かすアクティブなゲームは、心身のリフレッシュもできてストレス解消にもなります。

    連携の強化や個々の役割の自覚、結束力を高めることに期待が持てます。チームの一体感を高める効果を発揮します。

    ビジネスゲームもおすすめ

    経営シミュレーションやマネジメントゲームは、管理職クラスのチームビルディング研修として役立ちます。

    独自のビジネスゲームを考案してコンサルティングを行っている会社もあります。活用してみるのもよいでしょう。

    飲み会やランチ会などイベントを開催

    オフィス内では仕事モードが抜けきれず、個人的な発言やコミュニケーションに抵抗を感じる人もいますが、飲み会やランチ会であれば比較的リラックスした状態で参加できるので、発言に対するハードルが下がります。

    飲み会の場合は、アルコールが得意ではない人や、就業後に社内の人間とコミュニケーションを取りたくない人もいるので、そういった場合にはよりカジュアルに社内交流ができるランチ会がおすすめです。

    株式会社メルカリの事例

    フリーマーケットというジャンルに着眼してシステムを構築したメルカリは、ここ数年で急成長した企業の一つです。

    新しい会社だからこそ、メルカリは社員のパフォーマンスを重視し、OKRをはじめとしたチームづくりに力を注ぎました。

    自己紹介でメンバーの理解を深める

    メンバーの顔合わせや新しいメンバーが入社したとき。まずは自己紹介をしますよね。メルカリは自己紹介に特別に力を入れているそうです。

    自己紹介の所要時間は1人あたり30分。他のメンバーからの質問や意見交換もこの時間に含まれます。

    お互いの考え方やバックグラウンドを理解し合うことで、相互理解が一気に深まる効果があるのだとか。

    レゴを用いて対話する

    誰もが知っているおもちゃの『レゴ』を、メルカリではメンバーのコミュニケーション構築のために利用しています。

    レゴで作った作品の解説や品評を挟み、メンバーの考え方や自分では気づかなかったこだわりなど、新たな発見をするのが目的です。

    ただ話すだけではなく、手を動かしながら会話することで、リラックスした雰囲気をつくり出すことができるそうです。

    チームビルディングの理解が深まる書籍

    チームビルディングは、多くの心理学者や経営者の研究対象。たくさんの書籍が出版されています。

    宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

    宇宙飛行士の弟と宇宙飛行士を目指す兄の成長を描いた有名な漫画『宇宙兄弟』。アニメ化や映画化もされているので、ご存知の方も多いはずです。

    宇宙での作業は地球では考えられない環境で行われますから、ほんのわずかな連携ミスやトラブル対処への遅れが、命の危険に直結します。チームビルディングが非常に重要となってくる仕事です。

    この本は宇宙兄弟のエピソードを元に、チーム作成やチームワークの重要性について書かれています。

    • 書籍タイトル:宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話
    • 価格:1512円(税込)

    チームのことだけ、考えた。

    年間離職率が28%と高く、労働環境も最悪だったサイボウズ株式会社。そのような会社がいかにして優良企業に変わっていったのでしょうか?

    チームビルディングを考える上での問題点や解決方法について詳しく書かれており、チームづくりで問題を抱えている経営者に読んで欲しい一冊です。

    • 書籍タイトル:チームのことだけ、考えた。
    • 価格:1620円(税込)

    THE TEAM 5つの法則

    『チームに必要なのは優秀なリーダーではなく法則である』という考えに基づき、目標設定・人員選定・意思疎通・意思決定・共感創造の五つの要素から、チームに必要なルールについて書かれています。

    チームづくりについて論理的考察・解説がされているので、組織改革に役立つ内容です。

    • 書籍タイトル:THE TEAM 5つの法則
    • 価格:1620円(税込)

    パフォーマンス向上につながる改善を

    チームは単なるグループであってはなりません。全員で目的を共有し、メンバー同士でフォローし合いながら、高いパフォーマンスを生み出す集団であることが求められます。

    そのようなチームを作成するためには、チームビルディングが重要です。チームビルディングの手法について学び、チームを育てることで、パフォーマンスは劇的に向上するはずです。

    人事評価・目標管理をカンタン・シンプルに

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    HR大学 編集部

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