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【HowEX?】人事トップが語る、EX向上とタレントマネジメント -The EX DAYイベントレポート③

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【HowEX?】人事トップが語る、EX向上とタレントマネジメント -The EX DAYイベントレポート③

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

    How EX? 人事トップが語る、EX向上とタレントマネジメント
    最後のセッションは、EX向上を具体的にどのように実現していくのか「How」がテーマ。産業医の大室正志氏をモデレーターに、メルカリ執行役員CHRO・木下達夫氏、NTTコミュニケーションズ執行役員ヒューマンリソース部長・山本恭子氏が、人事トップの立場から、タレントマネジメントや個と組織を強くするEXについて語る。

    EXとは「意図的に作る」ものである

    木下:

    メルカリはCX(顧客体験)の向上にこだわって成長してきました。高いCXを実現するためには、高いEXがなくてはならないとして、創業当時から追求を続けています。 

    EXとは、意図的につくるものです。そこで重要なのが、会社としての軸。我々はミッション、バリューをコアに、意志を持ってEXをデザインしています。

    木下達夫 氏 株式会社メルカリ 執行役員CHRO - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    P&Gジャパン人事部に入社し採用・HRBPを経験。2001年日本GEに入社、北米・タイ勤務後、プラスチックス事業部でブラックベルト・HRBP、2007年に金融部門の人事部長、アジア組織人材開発責任者を務めた。2011年に8ヶ月間のサバティカル休職取得。2012年よりGEジャパン人事部長。2015年にマレーシアに赴任し、アジア太平洋地域の組織人材開発、事業部人事責任者を務めた。2018年12月にメルカリに入社、執行役員CHROに就任。

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    もうひとつ、我々が大切にしている価値観に「Trust&Openness」があります。

    もともとは性善説という言い方をしていた概念で、プロだからこそお互いを信用し、信用しているからこそ情報もオープンに共有していく。

    情報に格差をつけてマネジメントをしないという強いポリシーのもと、人事の制度設計や施策を行っています。

    この軸をいかにしっかり文字化し、明言できるかが非常に重要なポイントです。

    山本:

    NTTコミュニケーションズでは、創立20周年を迎えた2年前に、企業理念を「人と世界の可能性をひらくコミュニケーションを創造する。」とし、信条も新たに制定しました。

    これはボトムアップで始まり、トップを巻き込みながらまとまったものです。

    山本 恭子 氏  NTTコミュニケーションズ株式会社 ヒューマンリソース部長 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    1992年NTT入社。海外赴任(香港現地法人)や、2011年の東日本大震災時には東北支店長として現地での復旧活動やお客様対応を経験し、2017年7月にNTTグループ初の女性人事部長に就任。全社の働き方改革や、社員のキャリア開発を推進する人材管理プラットフォーム「ODYSSEY」の立ち上げを行う。また、ラグビートップリーグ参加のラグビーチーム「シャイニングアークス」の部長も務める。2015年、ロンドンビジネススクール修了。

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    特に私が好きなのが、「自ら始める」「共に高める」「社会に応える」という信条です。

    弊社にとって社員は競争力の源泉であり宝。EXは自分だけではなく、人と一緒に高めるものであり、どんな人と働くのかがすごく重要になると考えています。

    大室:

    大企業の場合、かけ声が盛り上がっても社員がなかなかついてこない課題もよく聞きます。

    大室 正志 氏  産業医 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    大室産業医事務所代表。社会医学系専門医・指導医。ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医、医療法人社団同友会産業医室を経て現職。大手企業約30社の産業医として、メンタルヘルス対策やインフルエンザ対策など、企業の健康リスク低減に取り組む。著書に『産業医が見る過労自殺企業の内側』(集英社新書)

    ─────────────────────

    山本:

    たしかにすぐには自ら積極的になれない人もいますが、周囲に影響されて輪が広がり、仲間が増える原動力になっています。

    木下:

    メルカリも短期間で急成長したことで、カルチャーがどんどん薄くなり、暗黙知では通用しなくなる悩みを抱えていました。

    加えて、エンジニア部門になると東京オフィスの5割近くが外国籍の社員になり、多様性への対応も必須です。

    そこでハイコンテクストからローコンテクストにシフトすることを決め、社内カルチャーを言語化する目的で2019年に「Mercari Culture Doc」をつくりました。

    これは、ミッション・バリューに加えて、メルカリが大事にしている価値観を言語化したものです。

    入社する前から退職するまで、EXというエンプロイー・ジャーニーを一つひとつ分解し、どんな体験をつくりたいかが言語化されています。

    毎年見直しをし、最新のものに更新。組織と人のガイドラインとして、EXにつなげています。

    株式会社メルカリ 執行役員CHRO・木下 達夫 氏 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

    山本:

    言語化は本当に大事ですよね。言葉にしないと伝わらないし、形にならないといい体験をしてもらうことはできません。

    カルチャーやバリューも同じで、何度も言語化して伝え続けることで、初めて浸透します。10年働けばわかるといった悠長なことは言っていられません。

    個の強さを伸ばすタレントマネジメントとは

    大室:

    2社に共通するのは、人事がどんな会社なのかという下地をしっかり言語化していることですね。では、その下地の上で、強さを伸ばすタレントマネジメントの施策は具体的にどう行っているのでしょう。

    木下:

    メルカリには成長意欲が高い人材が集まっているので、いかに成長機会を増やし、成長実感を高めるかが、タレントマネジメントのコアになります。

    どんどん抜擢登用し、個人の成長を加速していく。それが事業成長の加速との両立につながります。

    大室:

    それは、メルカリという“特別な会社”だからできるんだ、という声もありそうですが。

    木下:

    人間は誰でも自己実現したい、ウェルビーイングやハピネスを求めていると思うんです。

    その要素を分解すると、働きやすい環境、一緒につながる仲間、自分の夢の実現などがあると思います。

    これはどの会社にいても大事なことで、あとはその組織によって優先順位や程度が違ってくるというだけ。そのストーリーをどうつくるかが、経営や人事の役割です。

    事業のビジネスモデル、歴史的背景、未来からの逆算……どこからひもとくかは、その企業によって違うと思います。

    山本:

    先ほどお話しした信条に、タレントマネジメントもシンクロしています。「自ら始める」とは、どういった専門性を磨きたいのかということ。

    弊社には「ODYSSEY(オデッセイ)」という個人の成長をサポートするプラットフォームがあり、自分のなりたい像やスキル、得意分野をオープンにしています。

    自分の情報をオープンにすることで、「共に高める」仕組みができています。

    何をやりたいのかわからないと悩む社員には、キャリアデザイン室がアドバイスを行います。

    やりたいことはあるけれどチャンスがないという人は、常設の求人板のジョブボードとODYSSEYをつなぎ、自らチャンスをつかみにいくことができます。

    人事や会社が決めるのではなく、社員ひとりひとりが自分で手を挙げてオポチュニティを取りにいく。そんなカルチャー変革を推し進めているところです。

    もうひとつ、事業組織の目標にタレントマネジメントをしっかり組み込む、というのもあります。個人の成長をHRがサポートしつつ、組織を巻き込んで協力も引き出す。

    この両輪が個人の成長を促し、事業が成長する。それがまた個人の成長に還元するという循環を回していきながら、個人と組織をつなぎ、全社を動かしています。

    NTTコミュニケーションズ株式会社 ヒューマンリソース部長・山本 恭子 氏 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

    木下:

    EXは戦略的・意図的につくることが重要です。経営陣と現場をいかに巻き込むか。

    メルカリでも、トライアル&エラーの連続ですが、試行錯誤を繰り返す中でEXがCXと一緒に向上し続けていくと思います。

    山本:

    人が付加価値を生み出すビジネスこそが、競争力の源泉。ひとりひとりとの対話から、会社の力を強くしていくことができます。

    共感してもらい、共に高め合い、社会の期待に応えていくことで、社員のエクスペリエンスを上げていきたいですね。

    写真:小池大介
    デザイン:月森恭助
    編集:樫本倫子

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    2021-12-02 NewsPicks Brand Design

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    HR大学 編集部

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