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【What EX?】従業員体験をデザインする。何がEXの本質なのか -The EX DAYイベントレポート②

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【What EX?】従業員体験をデザインする。何がEXの本質なのか -The EX DAYイベントレポート②

目次

    What EX? 従業員体験をデザインする。何がEXの本質なのか - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    セッション2では、人や企業によって定義が違うEXについて、その本質に迫る。HRBrain EX事業部事業統括部長・吉田達揮氏をモデレーターに、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス人事総務本部長・島田由香氏、日立製作所フェローでありハピネスプラネット代表取締役CEOの矢野和男氏の二氏が語り合う。

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    前向きな1日を過ごす「ウェルビーイング」

    吉田:

    EXという言葉はファジーに捉えられがちですが、企業の業績に直結する重要な概念です。 人事やマネジメントはEXをどう捉え、向き合うべきでしょうか。

    島田:

    EXとは、社員が日々どういう体験をするかということ。 一言で言い換えるなら、ウェルビーイングそのものです。

    ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社 人事総務本部長 島田 由香 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部(SFC)卒業後、パソナに入社。人材関連事業に携わり、ジョイントベンチャーの立ち上げを担った後、米国コロンビア大学大学院に留学。2002年に組織心理学修士を取得して、GEに入社。同社のリーダーシップ・プログラムを経て、多様な事業フィールドでのHRマネージメントに携わる。2008年、ユニリーバ・ジャパンに入社、HRマネージャー、ダイレクターを歴任。オリジナルのリーダー人材育成プログラムの開発など、過去に例のないチャレンジを数々実行。2014年から現職。

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    「いい調子」「いい感じ」「私はこの会社が好き」「この仕事をやっていてうれしい」──これらの感情や体験が「幸せ」につながると考えています。 

    こう言うと、「そんなものは……」と言われることも少なくなかったんですが、EXという言葉が登場したことで、みなさんがようやくこの重要性に気づいてくれるようになったと感じています。

    矢野:

    会社で働くということは、一般にPDCAを回したり業務を標準化して横展開したりする管理的なことが強調されがちです。もちろんそれらは必要なのですが、私はそれが「体験か?」と問いかけたい。 

    これら以上に大事なのが、「前向きに挑戦する体験」です。

    矢野 和男 氏 株式会社日立製作所 フェロー/ハピネスプラネット代表取締役CEO - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    1984年 早稲田大学大学院物理学専攻修士課程を修了し、株式会社日立製作所入社。2004年から先行してウエアラブル技術とビッグデータ収集・活用で世界を牽引し、論文被引用件数は4500件、特許出願350件を超える。のべ1000万日を超えるデータを使った企業業績向上の研究と心理学や人工知能からナノテクまでの専門性の広さと深さで知られ、特にウエアラブルによるハピネスや充実感の定量化に関する研究で先導的な役割を果たす。2020年「人間中心の IoT技術の開発と実用化に関するリーダーシップ」に対し、世界最大の学会IEEEの最高位の賞の一つであるIEEE Frederik Phillps Awardを受賞。

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    しかも、個人だけ前向きなのではなく周りも一緒になって前向きになることで体験の質が変わってくる。

    加えて、体験をどんな物語で意味づけるかが、重要なポイントです。会社で働く中で、どんな物語を描くかがまさにEXです。

    島田:

    なぜ、物語なのか。ぜひ、矢野さんの定義する「ウェルビーイング」の観点から教えてもらいたいです。

    矢野:

    どんな状況でも前向きな物語も後ろ向きな物語も作れます。物語を作るスキルが高いことが、前向きさの背後にあるオプティミズム(楽観性)の本質です。 

    幸せが大事なことを否定する人はいませんが、「幸せ」は曖昧で人それぞれの面もあり、行動につながりません。もう一歩踏み込んで共通認識できる表現として私が到達した言葉が「前向きな1日」という表現です。

    特に自分だけではなく、周りも一緒に前向きであることを表現するために、「前向きな1日を周りと応援し合ってつくる」ことこそが大切です。

    株式会社日立製作所 フェロー/ハピネスプラネット代表取締役CEO・矢野和男氏 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

    今までの会社のメカニズムは、報告や指示にもとづく世界だった。しかし「前向きになれ」「幸せになれ」という指示は、論理的におかしいですよね。

    ですから、まずは考え方をガラリと変える必要がある。 幸せの科学的な知見から見ると、置かれた環境の良し悪しを評価する「従業員満足度」も少しズレた考え方です。

    「前向きになる」とは、環境に左右されずに、どんな状態でも前向きになれる能力やスキルを指すからです。そういった力を、いかにひとりひとりが身につけるかが本質だと思うんです。

    幸せは自分で選択でき、周囲に伝染する

    吉田:

    企業の中で、前向きな人をどう増やしていくかが鍵になるということですね。

    吉田 達揮 氏 株式会社  HRBrain EX事業部 事業統括部長 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

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    2020年HRBrainに入社。人事制度コンサルティング部門の立ち上げから大手企業向けのクラウド営業に従事。また社内タレントマネジメントのユニットの立ち上げと運営を担当。以降、事業企画にてゼネラルマネジャーとして全社戦略の策定・推進。現在は、新規事業であるEX事業部の事業統括部長として従事。

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    島田:

    「幸せ」は、英語で表現すると3つくらいに言い換えられます。

    今、という短期的な幸せはHappy。数週間から数ヶ月という中長期的な単位でうまくいっているな、というのがWell-beingです。この2つを合わせて、ポジティブ心理学ではHappinessと呼びます。

    私の好きな言葉に「Happiness is a choice」というのがあって、幸せは選択肢であり、自分で選ぶものという意味です。

    まさに矢野さんがおっしゃっていることと同じで、幸せを選択し続けることが訓練になります。

    ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社 人事総務本部長・島田由香氏 - HRBrain&NewsPicks共催イベント「The EX DAY」

    さらにいうと、幸せは伝染していきます。組織の中に1人、できれば3人くらい前向きで幸せな人がいると、チーム全体が幸せになれるんです。

    Happinessの効果は、データでも実証されています。幸せだと思っている人が組織にいるだけで、イノベーションや変化への適応力が高くなり、営業成績もアップ。逆につらいことを減らすことができる。まさに、いいことずくめですよね。

    矢野:

    「幸せ」「前向き」であることと、「不幸」「後ろ向き」であることは表裏一体です。人は置かれている状況に対して、ポジティブにもネガティブにも捉えることができますから。 

    どうせ先は予測不能なのであれば、ポジティブなストーリーを組み立てたほうがいいですよね。

    科学的なデータからも、ポジティブなストーリーを考えたほうが、良い結果につながりやすいことが検証されています。

    もうひとつ重要なのが、「問いの仕方」です。問いの仕方で、相手から引き出せる発言はまったく違ってきます。

    会社の中で使われがちな、目標を設定しろとか、結果を報告しろというような問いは浅すぎるんです。

    これは実績のあるやり方なのですが、「人生で体験した最も困難な経験をどうポジティブに乗り越えましたか?」。あるいは、「これから乗り越えていくつもりですか?」と前向きなストーリーを引き出す問いによって、人と人、人と会社の関係は変わっていくものです。

    より深い問いかけを日々の中で習慣化するといいでしょう。

    ポジティブなストーリーを描く訓練

    吉田:

    今のお話から、未来はわからないけれど、自分でつくることができると確信しました。

    島田:

    バーバラ・フレドリクソンという有名な学者の説で「拡張形成理論」というのがあります。人は前向きな感情でいると脳が拡張し、ネガティブでいるほど脳が萎縮することを突き止めたものです。

    ということは、やっぱり練習なんですよね。前向きなストーリーを描くことのメリットを知っていたら、少しでもそうしようとするはず。それを1分、1秒、どれだけ多く訓練するかの差が大きな違いを生むと思います。

    矢野:

    厳しい状況でも、自分を主人公にしたポジティブなストーリーを描く。これこそが最高の練習です。

    データから得られたおすすめは、1日の始まりにポジティブなストーリーを20文字以上で書いてみること。20文字あると具体的になるので幸せ度が上がり、生産性や受注率にも関係することがわかっています。

    島田:

    そこにデジタルを活用してライフパーパスを問いかけても、いい気づきが得られそうですね。

    ユニリーバでも「パーパスワークショップ」といって、鍵となる4つの質問をチームで聞き合い、最後に「私のパーパスは?」という問いを言語化することをやっています。これを一度体験すると、確実に問いのスキルが深くなります。

    写真:小池大介
    デザイン:月森恭助
    編集:樫本倫子

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    2021-12-02 NewsPicks Brand Design

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    HR大学 編集部

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