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従業員エンゲージメントとは?従業員満足度との違いや重要性を解説

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従業員エンゲージメントとは?従業員満足度との違いや重要性を解説

目次

    「なぜ、従業員エンゲージメントを向上させなければならないんだろう?」
    「従業員エンゲージメントと従業員満足度は何が違うの?」

    企業の人手不足が問題となるなか、採用活動において重要視されるようになったのが「従業員エンゲージメント」の考え方です。

    様々な企業で、従業員エンゲージメントを高めるための取り組みがされており、今後本格的に開始する企業も多いのではないでしょうか。

    とはいえ、必要性が分からなければ、何をどのように実施すれば良いのか分からないですよね。

    この記事では、これから従業員エンゲージメント向上に取り組もうとしている企業に向けて、必要性やメリットなどを解説していきます。

    従業員エンゲージメントとは?

    従業員エンゲージメントとは、令和元年版『労働経済の分析―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について(p.171)』において、“仕事に関連するポジティブで充実した心理状態”と定義されています。

    これは、従業員が「働きがい」をもって仕事に取り組んでいる状態です。

    興味や適性のある作業に没頭してしまった経験はありませんか?

    また、組織の中で役に立っているという実感があれば、仕事に身が入るのではないでしょうか?

    このように、働きがいとは、仕事につい夢中になってしまったり、仕事をしていると力がみなぎるように感じたりといった状況のことです。

    また、従業員エンゲージメントが高い状態とは、仕事から活力を得ており、誇りとやりがいを持って、熱心に仕事に取り組んでいる状態と言い換えられます。

    ただし、あくまでも従業員自身が、仕事に対して肯定的に活動できている状態でなければなりません。

    例えば、仕事への誇りややりがいは無いが「長時間はたらく人が優秀」のような、社内風土のせいで、過度に働いている状態は、従業員エンゲージメントが高いとは言えません。

    この場合の従業員は、活力は乏しく、誇りや熱意も低いからです。

    つまり、従業員エンゲージメントとは、従業員が活力・誇り・熱意を持って、ポジティブに仕事ができているかどうかの概念です。

    従業員満足度と何が違う?

    従業員エンゲージメントが、働きがいを持って仕事をしているかどうかの概念であるのに対し、従業員満足度は、従業員が仕事に満足しているかどうかの概念です。

    従業員満足度では、従業員が仕事にポジティブに取り組んでいるかどうかには、焦点を当てません。

    例えば、仕事内容や福利厚生、給与などに満足はしているが、仕事へのやりがいは少なく、最低限の仕事をしている従業員は、満足度は高いが、エンゲージメントは低い状態です。

    もし、前述の従業員に、仕事をポジティブに遂行する意欲があり、いきいきと取り組んでいるなら、エンゲージメントが高いと言えます。

    つまり、従業員エンゲージメントは、従業員満足度の要素を含むものの、焦点を当てるポイントが異なるのです。

    なぜ従業員エンゲージメントが注目されるのか

    従業員エンゲージメントが注目される背景には、労働人口が減ったことによる企業の人手不足があります。

    働き手の不足は、日本における全体的な問題です。
    労働人口が減ったことで、以前と比べて企業の採用活動は難しくなっています。

    具体的には、求職者の総数が少ないため、必要な人数を採用できなかったり、求める人材を採用できなかったりといった問題が起こります。

    このような状況下で、採用を成功させるには、従業員エンゲージメントを高めることが有効です。

    採用活動を実施している企業に対し、求職者が少ないということは、求職者は、厳しい基準で企業を選べるということです。

    ライフワークバランスの重要性や多様な働き方が重視される風潮の中、従業員が高いエンゲージメントで働ける環境かどうかは、企業選びの重要な指針となり得ます。

    また、従業員エンゲージメントの高い職場環境を整備することは、離職率低下にもつながります。

    採用が困難な状況で、既存の従業員の離職は、企業にとって痛手です。また、満足度もエンゲージメントも低い「ぶら下がり社員」が増えることも、本望ではありません。

    会社の成長のためには、自ら進んで戦力となってくれる従業員、つまり、エンゲージメントの高い従業員の存在が不可欠です。

    このような理由で、従業員エンゲージメントが注目されています。

    従業員エンゲージメント向上によるメリット

    従業員エンゲージメントが向上すると、企業や従業員にメリットがあります。
    前の章で説明した、人材確保の観点以外の、具体的なメリットを3つ紹介します。

    個人のパフォーマンスが向上する

    従業員エンゲージメントが高まると、個人の仕事のパフォーマンスも高まると考えられています。

    令和元年版『労働経済の分析―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について(p.198)』の調査によると、従業員エンゲージメント(資料ではワーク・エンゲイジメント)が高まるにつれ、個人のパフォーマンス(資料では労働生産性)が向上する傾向が見られています。

    この調査は、各企業をエンゲージメントスコアで分類し、3年前と比較して、どの程度パフォーマンスが向上したかをスコア化したものです。

    ワーク・エンゲイジメントスコアが2ポイント以下の企業と、6ポイントの企業では、労働生産性の向上度合いに2.02ポイントの差が出ています。

    逆方向の因果関係がある可能性にも留意すべきとしつつも、従業員エンゲージメントが向上すれば、個人の仕事のパフォーマンスも向上する傾向が読み取れるでしょう。

    パフォーマンス向上

    顧客満足度が向上する

    従業員エンゲージメントの向上は、顧客満足度の向上にも関連すると言われています。

    エンゲージメントの高い従業員は、仕事への自発性が高く、他の従業員を積極的に支援する傾向があるからです。

    エンゲージメントが高い従業員が多ければ、従業員が互いに協力し合い、企業としてのパフォーマンスが高まります。

    その結果、顧客満足度が向上するのです。

    下のグラフは、従業員エンゲージメントと顧客満足度の関係の調査結果です。
    ワークエンゲージメントが高い企業であればあるほど、顧客満足度が高まっていることがわかります。

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    従業員の健康増進につながる

    ワークエンゲージメントの向上は、従業員の健康増進につながると考えられています。

    ワークエンゲージメントが高まると、仕事中に感じる過度なストレスや疲労を感じる度合いが下がるからです。

    ただし、従業員の感じる働きがいに頼り、労働時間が長くなりすぎることには注意が必要です。

    社内に、長時間労働をする従業員が優秀であるかのような風潮が生まれてしまうと、従業員は脅迫的観念で仕事をするワーカホリックの状態に陥る可能性があります。

    有給休暇を適切に取得させたり、休憩を与えたりをすることで、従業員は、適切に労働時間の質を向上させることができるのです。

    従業員エンゲージメントを高めるために

    では、従業員エンゲージメントを高めるためには、具体的にどのような取り組みをすればよいのでしょうか?

    従業員エンゲージメントが高い企業で実施されている取り組みのうち、代表的な5つの例を紹介します。

    柔軟な働き方への対応

    従業員エンゲージメントを高めるためには、柔軟な働き方に対応する取り組みを実施すると良いでしょう。

    従業員の多様性を受け入れ、合理的に労働条件や環境の配慮をすることで、働きづらさなどのストレスが軽減されるからです。

    具体的には、従業員のライフスタイルや事情に合わせた短時間勤務の対応や、リモートワークを選択できる環境の整備などがあります。

    従業員の裁量権の拡大

    従業員の裁量権を拡大すると、従業員エンゲージメント向上につながります。

    ひとりひとりの能力に応じた裁量権を与えることは、組織への帰属意識やコミットメント度合いを高めるからです。

    自分の意見が経営に反映されている実感があると、仕事へのやりがいや楽しさを感じるようになります。

    育児・介護・病気治療との両立支援

    育児や介護、病気治療のための通院が必要な従業員が、なるべくストレスなく仕事との両立ができるような支援をすることも有効です。柔軟な働き方への対応とも重なる部分があります。

    個人的な事情を抱えており、特別な配慮が必要な場合でも、仕事を続けられる環境であれば、従業員はエンゲージメント高く働けます。

    メンター制度の実施

    従業員エンゲージメントを向上させるには、メンター制度を導入する取り組みもあります。

    メンター制度とは、一人の従業員(メンティー)に対し、一人の先輩社員(メンター)を専属で配置する教育制度です。

    配置されるメンターは、勤続年数や年齢が近いことが多いため、メンティーは数年後の自分のキャリアをイメージでき、成長意欲が向上します。

    メンター制度については、こちらで詳しく解説しています。
    メンター制度とは?OJT、コーチングとの違いや必要性についてご紹介

    将来のキャリアの明確化

    従業員エンゲージメントを高めるには、従業員のキャリアを明確化し、各従業員と共有することも重要です。

    従業員が、今後の目標を自覚し、目標達成に向けてどのようにキャリアを歩めば良いのかを理解していれば、補うべきスキル・知識を自覚でき、努力できるからです。

    やるべきことが明確になれば、従業員はモチベーション高く仕事ができるでしょう。

    自社のエンゲージメントを測るエンゲージメントサーベイ

    ここまで、従業員エンゲージメントを高める必要性を解説しました。
    とはいえ、従業員エンゲージメントは、売上のように明確な数字で表されるものではありません。

    そこで、従業員エンゲージメントの重要性を意識している企業では「エンゲージメントサーベイ」という方法を実施していることが多いです。

    エンゲージメントサーベイとは、従業員エンゲージメントを定量的に把握するための方法です。具体的には、従業員にアンケートを実施し、職場環境や人間関係への満足度などを集計します。

    エンゲージメントサーベイを効果的に行うには?

    エンゲージメントサーベイを実施しても、有効なデータを得られなければ意味がありません。

    エンゲージメントサーベイを効果的に行うには、実施目的を明確にしたり、実施後は従業員にフィードバックしたりなどの工夫が必要です。

    エンゲージメントサーベイについては、こちらで詳しく解説しています。
    【実践編】エンゲージメントサーベイとは?実施の注意点、選び方までを解説

    従業員エンゲージメント向上への取組事例

    既に従業員エンゲージメント向上に課題意識があり、取り組みを推進している企業の事例を見てみましょう。

    質より量のコミュニケーションを重視(株式会社福井)

    株式会社福井では、1カ月に一度、従業員エンゲージメントを測定しています。
    データ測定の目的は、部署単位で管理され、スコアの変動をもとに課題発見・改善です。

    また、コミュニケーションは質より量を重視し、度々従業員の1on1を実施しています。
    仕事の話だけでなく、フランクな話題も含めた1on1を実施することで、離職率が急激に下がったとのことです。

    その効果は、2018年には数年ぶりに離職者がゼロになる程でした。

    チャージ休暇で生産性向上(Sansan株式会社)

    Sansan株式会社では、月に一度実施するエンゲージメント測定の結果を、7人程度のチーム単位で把握しています。
    測定結果は、現場のチームマネージャーに権限を与え、現場の士気向上のための取り組み検討に役立てています。

    同社は、エンゲージメントスコアの測定結果を受け、生産性を向上させるためのチャージ休暇を実施しました。
    日々の疲れを回復させ、エネルギーチャージをする目的で、7〜9月の間に3連休が取得できる制度です。

    その結果、チャージ休暇後の8〜10月は、健康や組織風土に関するスコアが1〜2%上昇しました。

    まとめ

    従業員エンゲージメントとは、従業員がポジティブな気持ちで、いきいきと働けているかどうかの概念です。

    従業員満足度と違い、従業員が仕事に満足しているかどうかだけでなく、意欲や行動特性などにも焦点が当たります。

    従業員エンゲージメントが向上することは、貴重な人材確保のために有効です。

    まずは、エンゲージメントサーベイを利用して、社内のエンゲージメントを数値化するところから取り組んでみましょう。

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    HR大学 編集部

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