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組織の目的とは?組織の定義・目的や、良い組織を作るポイントも解説

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組織の目的とは?組織の定義・目的や、良い組織を作るポイントも解説

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

    社会には学校や企業、細かな所では地域の自治会や一世帯ごとの家庭まで、さまざまな組織があります。

    その中でも企業は、業績を上げて事業を発展させていくためにひとりひとりの従業員が毎日働いているという点で、他とは特性の異なる組織と言えます。

    では、企業という組織はどのような目的の上で成り立っているのでしょうか。

    この記事では、企業における組織の定義やその構成要素、組織を運営する目的について説明していきます。

    組織の定義とは

    まず、組織という言葉の定義を確認しましょう。

    辞書で「組織」の意味を確認すると「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団」とされています。

    つまり、構成メンバーが皆、一つの目標を持ってそれぞれ与えられた業務・作業を行っているということになります。

    学校であれば学業や課外活動を行うために、企業であれば商品やサービスの提供・業績向上のために、生徒や従業員などの各メンバーがそれぞれ担当の作業を行うということです。

    また、組織の定義の一つとして、アメリカの電話会社の社長であり経営学者であったチェスター・バーナード氏(1886−1961)は「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」という言い方をしています。

    組織を構成する要素

    メンバーひとりひとりがそれぞれの特定の目的を持って業務に従事する組織は、どのような要素から成り立っているのでしょうか。

    先述のバーナード氏は、組織とは「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」であると同時に、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」と考えていました。

    ただ人が集まっているだけでは組織とは言えない、意思を持ってお互いに協調しながら活動するのが組織であるという解釈をしたのです。

    その上でバーナード氏は、組織の構成要素として「共通目的」「協働意思」「意思疎通」の3つを挙げています。

    ①共通目的

    共通目的は「組織目的」とも言われ、企業という組織であればいわゆる「企業理念」「ビジョン」という言葉で表されるものです。

    共通目的は、その組織に属するメンバー間で共有され、組織を運営するための軸となります。

    共通目的が企業全体に浸透・定着することによって、各部署・プロジェクトなどそれぞれのセクションでの具体的な目標・指標を設定することができるのです。

    もしもこの共通目的がはっきりと定められていない、仮に定められていても社内で共有されていなければ、組織の運営・発展のための目標や意味を各従業員が把握できないために、メンバー間のつながりが育たず、組織として団結しにくくなってしまうでしょう。

    共通目的の内容は何でも良いというわけではなく、社会的に受け入れられるものであり、かつ市場において有効であるものでなければなりません。

    そうした共通目的を定めることによって企業は社会で支持されて業績を上げ、長く維持することができるのです。

    そのためには、企業がミッション・ビジョン・バリューを重視しながら経営を行うことが必要になるでしょう。

    ミッション・ビジョン・バリューの詳細な説明はこちら。

    ②協働意思

    協働意思とは、自身が勤めている企業に貢献したい・役に立ちたいという個人の思いを指します。

    担当業務をただ義務的にこなすよりも、この企業に貢献したいという思いを持って取り組む方が、従業員ひとりひとりに自主的な姿勢が育つと同時に、従業員間の連携やつながりが生まれやすくなり、組織全体のパワーが強くなるでしょう。

    しかし協働意思は、従業員が一方的に企業のために貢献したいと考えるだけでは育っていきません。

    業務において望ましい結果を出せた際は、企業側からそれに応じたリターンを得られることが大切です。

    従業員は企業の目標に応じた成果を出す、企業側はそれを認めて成果に見合った評価を与えるということが協働意思の前提となるのです。

    ③意思疎通

    3つ目の組織の構成要素は意思疎通です。

    離職の理由としてよく「職場での人間関係」や「コミュニケーションのしにくさ」が聞かれるように、組織を円滑に機能させるためには、所属するメンバーそしてメンバーを率いるリーダーとの間でスムーズな意思疎通が行えることが重要です。

    メンバーからリーダーへ気軽に話しかけづらい雰囲気があったり、リーダーがあまり積極的にメンバーへ声がけしなかったりする風土があれば、業務全体の生産性にも影響するでしょう。

    リーダーとメンバーとの定期面談などのオフィシャルな場ではもちろん、普段の業務の現場でも気軽にリーダーと各メンバー間でコミュニケーションを取れる雰囲気の職場づくりが大切と言えます。

    定期面談の際には、「1on1」という方法を取り入れることも有効です。

    1on1の方法や具体的に気をつける点については、こちらの資料で確認できます。

    組織づくりの目的とは

    組織とは何なのか、そして組織がどのような要素によって成り立っているのかを説明してきました。

    では企業を始めとしたさまざまな場所で、メンバー同士が集まって組織を構成・維持し続けることにはどのような目的があるのでしょうか。

    組織における目的と聞くと、売上額や契約数などを始めとした数値化・可視化できるものを思い浮かべるかもしれませんが、それだけが組織の目標とは限りません。

    ここでは組織の目的を、意義目標・成果目標・行動目標の3つに大きく分けて説明します。

    ①意義目標

    組織の目的の1つ目に意義目標が挙げられます。

    企業では一般的に「企業理念」「ビジョン」と呼ばれるものが定められていますが、それを達成するために設定されるのが意義目標です。

    企業が社会で存在・活動し続ける意義に関する目標が意義目標であり、具体的な例としては生活に関わるサービスを提供する企業であれば「自社のサービスを通して人々の生活をより良いものにする」、ビール販売会社であれば「ビールの販売を通じて、幸せな食事の時間を届ける」などが挙げられます。

    意義目標とはいわば、企業が社会で存在・活動し続ける意義に関する目標と言えます。

    ②成果目標

    組織の目的の2つ目として、成果目標があります。

    成果目標とは、各部署や従業員が達成するべきものとして設定される具体的な数値を指します。

    営業部署で言えば契約獲得数や特定のサービスの会員数などがそれに当たります。

    よって「今期○○億円を売り上げる」などが成果目標の例と言えるでしょう。

    現場で業務に従事する従業員にとっては、意義目標に比べると自身に最も関係する身近な目標と言えます。

    ③行動目標

    組織の目的の3つ目は行動目標です。

    行動目標は、従業員自身が達成したいことのために自ら設定する目標を指し、基本的にはひとりひとり異なるものです。

    具体的な例として「ひと月に一件は契約を成立させる」「今月は新規の顧客開発○○件を目指す」など、日々の具体的な行動に関係するものが多いでしょう。

    従業員ひとりひとりが目標を意識して日々の業務に臨むためには、適切な人事評価が欠かせません。

    人事評価の正しい作り方は、こちらから確認できます。

    【人事コンサルタント監修】ゼロから作る人事制度設計マニュアル

    ドラッカーの組織論における目的

    「経営学の父」「マネジメントの権威」とも呼ばれる経営学者、ピーター・ドラッカー氏(1909- 2005)は、組織の目的について独自の理論を展開しました。

    組織を運営する目的として、参考になる点が多くありますのでここで紹介します。

    ドラッカー氏は、組織運営のトップであるマネジメント層が組織を機能させ、社会的貢献へつなげるには3つの役割(tasks)を果たさなくてはならないと考えました。

    その上で、組織の目的として下記の3つを挙げています。

    ①自らの組織に特有の目的と使命を果たす

    これは組織、ビジネスの場で言うならそれぞれの企業が担う社会的な目的と使命を果たすという意味です。

    たとえば保険会社であれば自社の保険商品で契約者の万が一のときの補償を行い、レストランであればおいしく安全な食事を提供する、といったことが企業の社会的な目的・使命を果たすことになるでしょう。

    言い換えれば「その企業にしか出来ない商品やサービスの提供」をすることとも言えます。

    企業が利益を上げて経済価値を生み出すためには、同業他社と同じではなく「自社にしかできない」ものを追求する姿勢が重要です。

    そのような「独自性」が自社製品・サービスのファンを増やし、確かな売上につながっていくでしょう。

    そのためには本業以外の様々な業種に手を広げすぎず、本来の事業に真剣に向きあうことが大切です。

    ドラッカーは、様々な業種に手を広げた結果、業績不振に陥りかけていたアメリカの企業のコンサルタントを担当した際に、「世界で1位か2位になるつもりの事業だけを残し、後は捨てる」という提案をしました。

    実際にその後、厳選した事業に人的資源・資産を投入し、急成長させることに成功しています。

    それぞれの企業が「独自性」を追求し、社会的な役割を果たすことが組織の目的の一つであるとドラッカー氏は述べています。

    ②仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果をあげさせる

    2つ目の目的は、その企業で働く従業員が仕事をすることによって達成感や存在意義を感じられることを指します。

    企業そのものが利益を上げる一方で、そこで働く従業員たちが過剰な労働により疲労を蓄積させ、自分の能力を活かせていると感じられない状態では、従業員にとって幸せな働き方ができているとはとても言えません。

    仕事の目的として大きいのは生活する上での収入を得ることですが、人はただ十分な報酬を得られるだけでは幸せに仕事をすることはできないでしょう。

    自分がした仕事が企業や社会の役に立ち、自分が仕事をすることに意味がある、仕事を通じて自分を活かせていると感じられることによって、前向きに働き続けられるのです。

    人は働き続ける上で何かしらの組織に属し、普段の生活の大半をその中で過ごします。

    ドラッカー氏が提唱するこの目的は、企業が自社で働いている従業員に対して仕事を通して自己実現ができるような環境を整えること、そして従業員ひとりひとりがやりがいを持って仕事をし続けられることが大切であるとしているのです。

    ③自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う

    3つ目の目的は、仕事におけるポジティブな面だけではなく、仕事によって生じたネガティブな面やデメリットにも対応するべきであることを述べています。

    たとえば鉄鋼業や電力産業などでは、生産によって汚れた空気などの有害な物質を放出することがあります。

    またレストランなどでは、調理をすることによって熱やにおい、廃棄物である生ゴミなどが生み出されます。

    この目的は、そうした企業の活動による副産物についても、活動を行う組織自身が処理をするべきであるということを指しています。

    また、ドラッカーは企業は経営者のものでも株主のものでもなく「社会」のためにあると考えていました。

    企業は、社会における人材や資源を預かって事業を運営しているため、その社会から求められるものを提供するべき、としていたのです。

    これが「社会的な貢献を行う」の部分にあたります。

    これは企業が内外へアピールする「社会貢献活動」とは別のもので、元々は企業の利益のための商品・サービスであっても、結果としてそれが社会の中で求められているものになれば社会のために貢献ができているということになります。

    良い組織を作るために必要なこと

    組織を構成する要素や組織の目的について述べてきましたが、より良い組織を作り、活動し続けていくためにはどのようなことが必要なのでしょうか。

    ここでは、3つのポイントに分けて説明します。

    適切な人事評価制度の構築

    良い組織には、従業員ひとりひとりを公正に評価できる人事評価制度が不可欠です。

    これは、上の「組織を構成する要素」で述べた「協働意思」に関係します。

    協働意思とは、企業に貢献したい・役に立ちたいと思う気持ちであると述べました。

    従業員が企業に貢献したいと思うためには、自分自身の働きを正しく評価されている、頑張りを認めてもらえていると感じられることが大切です。

    自身が生み出した業績や普段の働き方を公正に評価できる人事評価制度があることによって、従業員ひとりひとりが仕事に対するモチベーションを保つことができ、生産性の高い仕事ができるようになるでしょう。

    従業員が意欲を持って仕事に取り組める人事評価制度を作るために、ひとつ留意すべき点があります。

    その組織で「何が貢献とみなされるか」を明確にしておくことです。

    従業員の功績が最大限に認められるのは、企業にとって生産性が高く、事業の発展に寄与する貢献をする場合でしょう。

    よって、業務における何が企業にとって大きな貢献になるかを周知することが重要になるのです。

    そのような点に留意して構築した適切な人事評価制度は、従業員のモチベーションの維持・向上、ひいてはより良い組織づくりにつながっていくでしょう。

    人が育つ人事評価について、詳しくこちらで解説しています。

    企業のビジョンや理念の共有

    企業が持つ一貫したビジョン・理念を従業員が共有できることは、組織の構成要素のひとつである「共通目的」につながります。

    企業が社会の中でどのような目的を持ち、貢献していきたいのかをはっきりと定め、それを従業員が知ることができれば、従業員ひとりひとりが仕事をする中での方向性を定められ、目標の達成を見据えた自発的な行動を取れるようになると期待できます。

    また、従業員数の多い大規模な企業になればなるほど、全体がまとまって同じ方向を目指すことが難しくなります。

    そんな場合にも従業員全体が団結し、同じ目標を目指すために企業理念・ビジョンが重要になります。

    企業のトップがビジョン・企業理念を分かりやすい言葉で共有することにより、メンバーが同じ方向を向いて日々の業務に従事することができ、より生産性の高い団結した組織を作り上げていけると考えられます。

    スキルを高める教育制度の確立

    企業が業績を上げて発展し、社会に貢献し続けていくためには従業員ひとりひとりのスキルの向上が大切です。

    従業員が意欲ややりがいを持って仕事をしていることに加え、より高い知識やスキルを持ち、それを磨き続けていくことで、企業全体としてより良い商品・サービスを提供し続けていけるのです。

    そのためにも企業側が従業員が学び続けられる環境を整え、継続的にスキルや技能の向上を支援できるシステムを確立することが必要となるでしょう。

    ただ、教育と一口に言ってもその中にはさまざまな要素があります。

    従業員それぞれが所属している部署や担っている職務によって、必要なスキル・知識は異なります。

    また、役職が上がった際にはその時々の労務管理や部下の育成、上層部への報告など業務の責任・範囲が広がるでしょう。

    業務における専門的知識に加えて働く上で必要になる幅広いスキルも含めた教育を、共通目的・協働意思・意思疎通の考えに基づいて行うことで、より企業全体として成長していくことができると考えられます。

    まとめ

    組織では、属するメンバーが同じ目的を持ちながら意欲を持って行動し、活発なコミュニケーションを取れることが大切です。

    企業という組織においては特に、業績を上げて業界・社会の中で発展・成長していくために、ビジョンの共有や円滑な意思疎通ができる風土づくりを見据えた企業制度を確立していくことが重要になります。

    また、組織が維持・継続していくにはさまざまな目的があります。

    従業員ひとりひとりが主体的に日々の業務に取り組めるようになるためには、企業がまず社会における自社の目的を常に意識し、従業員と社会にとって企業自体がより良い組織になっていけるような制度を整えていくことが必要になっていくでしょう。

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    HR大学 編集部

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