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【事例あり】女性管理職の割合を増やすには?!政策や取り組みを解説

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【事例あり】女性管理職の割合を増やすには?!政策や取り組みを解説

目次

    女性管理職とは

    女性管理職とは

    政府が2020年に30%の目標を掲げていた女性管理職比率。少しずつ着実な成果が現れてきたものの2020年には未達で、目標は2020年代の早期達成へと修正されています。

    ここでは、女性管理職をめぐる現状や女性管理職への意識を見ていきます。

    割合に見る、女性管理職をめぐる現状

    出産・育児によるキャリア離脱を示すM字カーブ
    女性の就労環境は、いわゆるM字カーブといわれる出産・育児を理由とした、出産期から育児期のキャリア離脱問題が大きな課題です。

    M字カーブは、年齢を軸に労働力をグラフで描いたとき、出産・育児による離職で労働力が落ち込んだ底をボトムとしたときのカーブを指します。男女共同参画白書によると、M字カーブのボトムは、1979年の労働力は30〜34歳で47.5%でしたが、2019年には、35〜39歳で76.7%と確実に解消しています。

    しかし、M字カーブが解消傾向といっても、女性の未婚率は1990年で13.9%のところ、2015年には34.6%と大幅に増えています。労働力確保という観点では、根本的な解決には至ってないといえるでしょう。

    女性管理職比率の3割の限界
    政府が目標とする女性管理職比率30%。この30%は、労働力調査による数字から、限界の目標値であることが見えてきます。

    管理職は、社員のマネジメントをする立場であり、当然に非正規の社員ではなく、正規社員が管理職の対象となります。この正規社員の男女比率は、1990年から2015年にかけて、女性は30%前後で横ばいに推移しています。管理職候補となる正規雇用の女性比率がおよそ30%という結果から、必然と女性管理職比率の限界は30%ということが、数値で読み取れます。

    女性管理職割合の実態
    女性管理職の割合は、2021年調査で平均8.9%と過去最高を更新したものの、政府の目標30%には遠く及んでいません。

    規模別に見ると、小規模企業が11.9%と最も高く、次いで中小企業が9.5%、大企業が5.8%と規模が小さいほど、女性管理職比率が高いという結果になっています。

    (※参考) 帝国データバンク:「女性登用に対する企業の意識調査(2021年)

    女性管理職を取り巻く悩み/なりたくない、向いていない?!

    長時間労働の慣行がいまだに拭いきれていない、日本の労働市場。働き方改革で是正が進んでいても、管理職ともなれば責任も重くなります。長時間労働まではいかずも、プライベートを犠牲にし、時間外労働を余儀なくされることがあります。

    出産・育児の中心となる女性は、長時間労働や重くのしかかる責任を避け、プライベートを重視することなどから、管理職を志向しない層は多いと推測できます。
    「女性は育児を担うもの」という、性別に関する固定観念を指す「ジェンダー・バイアス」が女性自身の活躍への意欲を閉ざしている一面もあるでしょう。

    独身や子持ちの女性管理職は?!

    調査によると、女性管理職のうち、子を持つ女性管理職は30〜40%であり、結果として出産・育児とキャリアを両立させている女性は少ないといえます。

    女性管理職の独身率は40〜50%と高い水準にあるように、キャリア形成のためには、結婚や出産を犠牲にしていることが数字として読み取れます。

    (※参考) 労働政策研究・研修機構:「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査結果(2)

    女性活躍加速に向けた女性活躍推進法の取組み

    女性活躍加速に向けた女性活躍推進法の取組み

    女性管理職比率30%を目標に掲げて取り組まれてきた女性活躍の政策。目標期限の2020年には未達で、達成期日を先延ばししているものの、目標達成の見通しは厳しい状況です。

    ここでは、女性活躍推進法の概要とポイントを説明します。

    女性活躍推進法とは

    働く女性の活躍を後押しする法律として、2015年に10年間の時限立法として成立され、2019年には改正された女性活躍推進法。

    女性の仕事と家庭の両立やキャリアアップの支援を目的に、101人以上の事業主に対して主に次のことを求めています。

    • 女性活躍に関する状況把握、課題分析
    • 状況把握、課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表
    • 女性活躍に関する状況の情報の公表

    情報を公表する項目は、自社で指定された複数の項目から選択します。「管理職に占める女性の割合」「役員に占める女性の割合」など、女性管理職に関する項目もあります。

    知っておきたい、女性活躍推進法のポイント

    女性活躍を推進するには、「ワークライフバランス」「女性の職域拡大」がポイントとなります。

    ワークライフバランス
    長時間労働は女性活躍の妨げになり、とくに女性管理職比率の引き上げに向けて、解消すべき事項です。ワークライフバランスに取り組むことで、女性が管理職になることの壁を取り除くことができ、子育て世代の女性が活躍できる環境を提供することが可能です。

    ワークライフバランスにより、育児のほか、プライベートを重視したいなどの多様化する働き方の考え方に対応していくことで、独身者から子育て世代といったあらゆる世代にキャリアアップのチャンスを与えることがポイントのひとつです。

    ワークライフバランスを詳しく知りたい方は、「ワークライフバランスとは?憲章、充実に向けた取り組み企業例を解説」をご参考ください。

    女性の職域拡大
    業種によって、ばらつきのある女性職域の広さ。

    総務省調査によると、女性比率は「医療・福祉」が最も高く約65%、「教育・学習支援業」「生活関連・娯楽業」が約40%、「金融・保険業」「宿泊・飲食サービス業」が約35%と続いています。低い業種を見ると、「運輸・郵便業」が約10%、「建設業」が約15%、「製造業」「情報通信業」は約20%となっています。

    女性職域の広さは、業種によって偏りが大きいことが現れています。

    (※参考) 総務省行政評価局:「女性活躍の推進に関する政策評価

    女性の職域拡大を成功に導くカギは、「この仕事は男性が行うもの」というような固定観念を捨てることです。その上で、女性職域を広げるためには、どうすべきかという視点が重要です。

    たとえば、当事者の女性を含めた推進チームを立ち上げ、「現場作業で女性職域を広げるための施策」「営業や企画などに取り組ませるための意識改革」など、現場の意見を取り入れながら進めていくことが成功のポイントです。

    女性管理職を増やすメリット3つ

    女性管理職を増やすメリット3つ

    増やすことで企業にメリットをもたらすことが期待できる女性管理職。
    ここでは、女性管理職を増やすメリット3つを説明します。

    労働環境の改善

    女性管理職を増やすには、労働環境の改善が不可欠です。育児をしながらキャリアを追求する環境を整備するため、長時間労働の是正や有給休暇取得の推進、育児のサポートなど労働環境の改善効果が期待できます。

    企業評価の向上と優秀人材の獲得

    男女共同参画局調査によると、資本市場では、女性活躍が企業業績に長期的な好影響があると判断されています。

    世界的には、非財務情報であるESG(環境・社会・ガバナンス)投資が拡大しています。なかでも、女性取締役が1人以上有する企業の株式パフォーマンスが高いという調査結果もあるように、女性管理職を増やすことは、企業評価に好影響を与えます。

    (※参考) 男女共同参画局:「資本市場における女性活躍評価の状況

    女性活躍の指標は、採用情報の公開項目にもなっています。女性活躍の行動計画を届出た企業のうち、取り組みが優良な企業は「えるぼし認定」の対象となり、求人票にえるぼし認定マークを使うことができます。

    こうした企業評価や取り組みが、優秀人材の獲得につなぐことができるメリットがあります。

    多様性の促進と組織力向上

    労働人口減少を背景に、労働力確保が企業の大命題。その労働力確保に必要な取り組みの一つとして、注目すべきは多様性の促進です。

    女性管理職を増やすことで、障碍者やLGBTの雇用、高齢者活用など多様性を促進することが期待できます。この多様性の促進のため、それぞれのパフォーマンスを発揮できる環境を整備することが組織力向上につながるのです。

    増やしたいけど難しい!?女性管理職を増やすために企業がすべきこと

    増やしたいけど難しい!?女性管理職を増やすために企業がすべきこと

    業種・業態で、難易度が異なる女性管理職の登用。女性管理職を増やしたいけど難しい企業は多くあります。

    ここでは、女性管理職を増やすために、企業がすべきことを説明します。

    取り組むべき、ワークライフバランスのサポート

    出産・育児のサポートは、女性管理職を増やすことに必要不可欠です。

    育児休暇の取りやすさはもちろん、職場復帰支援の取り組み、小学校入学前までの時短勤務対応、さらには「小1の壁」を乗り切るための就業時間の柔軟化など、ワークライフバランスのサポートが女性管理職を増やすことの支えになります。

    ポイントとなる、さらなる男性の育児参加推進

    女性の正社員比率が約30%に留まる大きな要因である、出産・育児世代の女性離職。この離職を防ぐには、男性育休を推進することが、これからの課題でしょう。

    政府は、これまでも出産・育児世代の女性離職を起因とするM字カーブの解消に向けて取り組んできましたが、女性正社員比率を底上げするには、M字カーブを解消していくことが不可欠です。

    若い世代の男性は育休を取りたいと考えている層が多いものの、「育休は女性が取るもの」というジェンダー・バイアスから男性育休が取りづらいのが現状です。

    この問題を是正するために、2022年には「育児休業を取得しやすい環境整備の義務化」「男性版育休の創設」が育児・介護休業法の改正によって、予定されています。この取り組みにより、女性活躍推進の加速化が期待できます。

    明確化すべき昇進・昇格基準

    「責任ある仕事は女性には任せられない」「女性はアシスタント」など、古くからの固定観念がジェンダー・バイアスとして、女性の昇進・昇格を妨げる要因となっています。

    こうした根強いジェンダー・バイアスを取り払うには、組織全体の意識改革が必要です。当事者である女性自身も、ジェンダー・バイアスに囚われ、壁を作っていることも事実です。

    女性に対して、責任者としての育成をしておらず、昇進・昇格の対象から意図的に女性をはずしているケースも少なくないでしょう。

    意識改革の下、性別によらない判断ができるように昇進・昇格基準を見直すことが女性管理職を増やす重要なミッションです。

    女性管理職のキャリア開発や人材育成

    責任ある仕事を与えないなど、女性のキャリア開発をしてこなかった企業は多くあるはずです。昇進・昇格基準を見直しても、教育やキャリア開発を行わなければ、女性管理職を増やすことはできません。

    いままで、女性のキャリア開発をしてこなかった企業では、いきなり人材育成を展開しても、女性のマインドを変えることはできないでしょう。

    女性管理職のキャリア開発・人材育成に向けて、第一に行うことは、女性に対するマインドセットです。重要なのは、男性管理職と同じことを求めるのではなく、女性ならではの強みを生かした管理職像を語ること、女性が管理職になることに自信がつくようなマインドセットを行うことが成功へのポイントです。

    女性管理職を増やすための企業取り組み事例(厚生労働省)

    女性管理職を増やすための企業取り組み事例(厚生労働省)

    女性管理職を増やす近道は、良い取り組み事例を知ること。ここでは、女性管理職を増やすために、参考にしたい企業取り組み事例を紹介します。

    事例1:株式会社アイシン(製造業)

    株式会社アイシンは、「品質至上」を理念とする自動車部品総合メーカー。「意識」「制度」「環境」の3つ改善を一気に取り組み、女性活躍を加速化した同社は、1990年と早くから女性活躍に取り組んでいます。

    第1フェーズでは、女性総合職の採用や両立支援制度導入、第2フェーズでは、両立支援の拡充や意識醸成、環境改善を行い、女性育休の取得率100%、復帰率99%を達成しています。第3フェーズでは、両立する社員へのキャリアアップ支援をしてきました。

    同社は、女性活躍を加速化させるため、組織横断的に20名の女性で構成される「女性活躍推進プロジェクト きらり」を発足。メンバー同士で人事部や役員に対し、対策案を提案する活動を展開してきました。

    加えて、制度を充実させても男性上司の理解がなければ女性活躍は進まないとの観点から、女性本人と男性上司の意識改革を目的に「イクボス塾」を立ち上げ、女性活躍を加速化しています。

    【具体的な取り組み内容】

    • キャリア構築と能力開発
    • 両立しながらのキャリアアップ
    • 働きやすい環境
    • イクボス塾
    • ワークライフバランス向上

    事例2:株式会社インテリックス (製造業)

    株式会社インテリックスは、「窓辺から暮らしに彩りを」をビジョンに、オーダーカーテンを軸とした、窓装飾インテリア商品製造・販売業者。インテリア関連であることから、インテリアに興味を持つ女性の就業が多いものの、出産・育児による退職が多いことが課題でした。

    復帰前面談や、育児時短勤務制度については、法律の努力義務をも上回る「小学校3年生の年度末」まで拡充するなどにより、出産で辞める人が減少しています。
    同社では、育児休業や時短勤務で協力し合う「助け合いの風土」が根付いています。この風土、一つの仕事を複数でシェアする「ワークシェアリング」によって、その人でないできない状況を排除していること。

    この助け合いの風土が奏功し、新しく入社する女性社員も出産後の働き方をイメージしやすく、女性管理職は係長級で41.8%、課長級で30.8%と高い成果を上げています。

    【具体的な取り組み内容】

    • 相談窓口の設置
    • 法律を上回る育児短時間勤務制度
    • 育児目的休暇導入
    • ワークシェアリング
    • 人事面談制度の導入
    • 女性施工職の採用
    • 育児休業の一部有給化
    • 正社員への転換制度

    【まとめ】女性管理職の育成には意識改革が大事

    本記事では、女性管理職をめぐる現状や政策、増やすメリットのほか、増やすために企業がすべきことを解説しました。

    女性の正社員比率が約30%である現在、女性管理職比率を30%に引き上げるには、女性のキャリアを中断させないため、男性育休の実効性を高めることが急務です。

    女性活躍に向けた制度、取り組みと同時に、「責任ある仕事は女性に任せられない」といったジェンダー・バイアスを取り払らうための意識改革を行うことで、女性管理職の育成を加速化しましょう。

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    HR大学 編集部

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