人材管理
2022/03/17
従業員エンゲージメントを高める施策とは?向上のポイントと企業事例
目次
本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。
従業員エンゲージメントを高める重要性
まずはじめに、従業員エンゲージメントを高める重要性の理由として、従業員エンゲージメントを高めることで期待できる3つの効果を紹介します。
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、「従業員の企業への信頼」を意味する言葉です。さらに具体的にいうと、企業の掲げる理念に共感し、業績の向上のために自発的に貢献しようとすることをいいます。これは近年日本で注目され始めており、従業員エンゲージメントを上げることによって3つの効果が期待できます。
従業員エンゲージメントの概要について詳しく知りたい方は「従業員エンゲージメントとは?向上施策・事例も紹介」をご覧ください。
会社の業績向上
1つ目の効果が「会社の業績向上」です。従業員エンゲージメントの向上に比例して、業績の向上が期待できます。実際に世界的コンサルティング企業のタワーズワトソンの調査では、従業員エンゲージメントの高い企業と低い企業では営業利益率に約1.5倍の差が見られることが明らかになっています。
離職率の低下
2つ目の効果が「離職率の低下」です。従業員エンゲージメントの向上は、企業への信頼が高まることを意味します。よって、必然的に離職する可能性を下げることが可能となります。
顧客満足度の向上
3つ目の効果が「顧客満足度の向上」です。従業員が企業の業績向上のために自発的に行動することで、あらゆる点で質の向上が期待できます。その結果、企業のサービスを受ける顧客への対応やサービスそのものの質が向上し、顧客満足度も向上します。
従業員エンゲージメントを高めるためのポイント
企業にとって重要な従業員エンゲージメントですが、どのように高めていけばよいのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントを高めるためのポイントを解説します。
現状把握をする
まずは現状の把握を行いましょう。
従業員エンゲージメントを高める効果的な施策を打つためには、
- どういう人たちのエンゲージメントが低いのか
- どういう課題があるのか
- 何が原因と考えられるのか
を、把握することが第1のポイントとなります。そこで、活用できるツールがエンゲージメントサーベイです。
エンゲージメントサーベイを活用する
エンゲージメントサーベイとは、従業員エンゲージメントを測定するためのツールです。エンゲージメントサーベイのツールでは、アンケートフォームの作成から回答の回収、データ集計・分析までを一気通貫で簡単に行うことができます。エンゲージメントサーベイを活用することで、PDCAサイクルを早めることが可能になります。
エンゲージメントサーベイについてさらに詳しく知りたい方は「エンゲージメントサーベイとは?種類・有用性・分析方法を解説」をご覧ください。
PDCAを回す
従業員エンゲージメントを高めていくには、継続的にPDCAを回すことが大切なポイントとなります。エンゲージメントサーベイによって収集したデータから、課題を発見し、対策の施策を打ち、再びデータを収集し、結果を確認します。結果から得られた見解を基に、さらに次の施策につなげていく。このサイクルをなるべく早めていくことが、継続的な従業員エンゲージメント向上につながります。
従業員エンゲージメントを高めるエンゲージメントサーベイツール
エンゲージメントサーベイのツールには様々なサービスがあります。数あるツールから3つ紹介します。
・Wevox
株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツールです。ワークエンゲージメント・従業員エンゲージメントの可視化からデータとAIによって改善サイクルを生み出します。操作性に優れており、簡単な操作で調査から分析まで可能です。
・モチベーションクラウド
株式会社リンクアンドモチベーションが提供するエンゲージメントサーベイです。国内最大級のデータベースを活用し、簡単なアンケート調査を行うだけで、従業員エンゲージメントを可視化することができます。
・EX Intelligence
株式会社HRBrainが提供するサービスです。従業員エンゲージメントの向上に寄与する従業員エクスペリエンスの改善が可能になります。サーベイ項目は柔軟にカスタマイズ可能で、回答の収集、分析、課題発見までがワンプロダクトで行うことが可能です。
エンゲージメントサーベイについて、さらに詳しく知りたい方は「【実践編】エンゲージメントサーベイとは?実施の注意点、選び方までを解説」へ内部リンク
従業員エンゲージメントを高める具体的な施策
実際に従業員エンゲージメントを高めていくためには、どのような施策が考えられるのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントを高める具体的な施策を紹介します。
情報のオープン化とコミュニケーションの活性化
1つ目が「情報オープン化とコミュニケーションの活性化」です。何を目指しているのか、何のためにやるのか、こういったことがわからない中で働いていては、従業員も仕事への意欲を失いがちです。そこで情報をオープンにすることで、自分が行っている仕事の意味を知ることができるようにしましょう。具体的には
- 社内イントラネットで経営戦略や進捗状況の月次共有
- 四半期ごとに集会を行い、その場で情報の共有
等の施策になります。得られた情報から自分自身で仕事の意味を見出すことによって、従業員エンゲージメントの向上に繋がります。
仕事のやりがい創出
2つ目が「仕事のやりがい創出」です。従業員に、業績向上に自発的に貢献しようという意欲を生むためには、仕事にやりがいを持たせることが非常に重要です。具体的には
- 部下の裁量権の拡大
- 1on1による仕事の目的の明確化と共有
等の施策が有効になります。仕事にやりがいを持つことで自律的な行動が促されます。
働く環境を整える
3つ目が「働く環境を整える」です。働く環境は従業員エンゲージメントに大きく影響します。ワークライフバランスが取りづらい、職場環境が悪く心身に不調が出る、といったような環境では、会社に対する貢献意欲は上がりづらいです。具体的には
- 有給取得がしやすい環境にする
- 働く場所や時間が選べるようにする
等の施策が有効となるでしょう。ストレスなく働ける環境が重要です。
エンゲージメントが高まる環境について、さらに詳しく知りたい方は「リモートワークでも従業員エンゲージメントを高める方法とは?」をご覧ください。
成長機会の提供
4つ目が「成長機会の提供」です。従業員の成長を促進し、望むキャリアに進むことができるような教育環境や仕事があることで、従業員エンゲージメントは向上します。具体的な施策として
- 社内公募制度
- 1on1によるキャリア相談
等が挙げられます。特に成長意欲の高いミレニアル世代が増えている会社では重要な施策となります。
公平性の高い人事評価制度の構築
5つ目が「公平性の高い人事評価制度の構築」です。給与や昇進に関わる人事評価制度に不公平を感じることで、会社への不信感が生まれかねません。そして不信感は退職につながります。そうならないためにも、できるだけ多くの従業員にとって公平で納得性の高い評価制度を構築する必要があります。具体的には
- 客観性の高い360度評価の導入
- 明確な数値目標による評価
等が挙げられます。評価制度は会社によって適不適がありますので、どの会社にも合う評価制度はありません。自社にとっての最適な人事評価制度を構築しましょう。
従業員エンゲージメントが高い企業事例
従業員エンゲージメントが高い企業はどのような取組みを行い、どのような効果得ているのでしょうか。ここでは3社の事例を紹介します。
事例1:シスコシステムズ合同会社
シスコシステムズ合同会社はGlate Place To Workが実施する2021年版日本における「働きがいのある会社」ランキング大規模部門で1位となった会社です。
ミッションや価値観が明確に定められており、それに基づいた施策や制度設計がされています。その中でも「Our Shared Values Project」と名付けられた施策は、グローバル共通の価値観を日本の社員が理解、共有し同じ方向を向いて行動できるようにと推進されました。その他にも、教育や福利厚生などの分野で企業理念に基づき設計されています。一貫した取組みの結果、事業に誇りを持つ、高い従業員エンゲージメントを実現しています。
事例2:サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社はGlate Place To Workが実施する2021年版日本における「働きがいのある会社」ランキング中規模部門で2位となった会社です。
サイボウズでは、従業員の多様性を尊重し、従業員が理想の働き方を実現できる人事制度を策定しています。
- 最長6年間の育児・介護休暇制度
- 副業・複業許可
- 働く場所と働く時間を決められる働き方宣言制度
等です。こういった施策の導入の結果、2005年に28%あった離職率は2012年には5%まで低下し、2020年まで5%以下を継続しています。
事例3:佐竹食品グループ
佐竹食品グループはリンクアンドモチベーションが開催する「ベストモチベーションカンパニーアワード2021大手企業部門」で1位になった会社です。
はじめは軽視していた企業理念を重要視し、「日本一楽しいスーパーをつくる」というビジョンのもと、従業員がやりがいを持って働ける環境を作っています。従業員エンゲージメントサーベイは年2回実施。実施結果をもとに、施策の実行、効果測定というサイクルを回しています。その結果、自ら行動できる従業員が増加し、自立的に顧客が喜ぶ施策が次々と生まれました。それがさらに、現場従業員のモチベーション向上や業績向上につながっています。
【まとめ】エンゲージメントを高めるタレントマネジメントをカンタン・シンプルに
今回は、従業員エンゲージメントを高める施策とポイントについて解説しました。
従業員エンゲージメントを高めるために有効な施策の1つがタレントマネジメントシステムです。
HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。
また、HRBrainが提供するサービスのひとつに、従業員エクスペリエンスクラウド「EX Intelligence」があります。
EX Intelligenceには
- 包括的な従業員エクスペリエンスの可視化
- 高解像度な課題発見
- 組織診断からタレントマネジメントまで
という3つの特徴があり、導入後に従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
EX Intelligenceについてより詳しく知りたい方は「HRBrainが国内初の従業員エクスペリエンスクラウド「EX Intelligence」の提供を開始」をご覧ください。
「そろそろ人事制度を整備したいが大変だし、誰に相談したらいいか分からない・・」
「もっと目標意識を高めて、メンバーに自発的に成長をして欲しい・・」
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HR大学 編集部
HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。
