人材管理
テレワークのデメリットはコミュニケーション?メリットとデメリット対策
目次
テレワーク導入を検討する企業が増えています。しかし人事としては、出社しない従業員の労務管理や人事評価など、解決すべき問題に先に目が向くのではないでしょうか?今回はテレワークのメリットとデメリット、およびデメリットの解決法までご紹介しています。
テレワークのメリットとデメリット
昨今、テレワークの導入を予定している企業が増加しています。5年前までは3〜4%だったのが、9%をこえるようになっています。(※1)
(※1)総務省: 「令和元年通信使用動向調査の結果」より
テレワーク導入はメリットもたくさんありますが、同時にデメリットも発生します。特にデメリットは導入前に十分に検討しておきましょう。
テレワークメリット一覧
テレワーク導入には多くのメリットがあります。
企業側と従業員側のメリットに分けてご紹介します。
企業側のメリット
- 生産性・効率性の向上
- 固定費の削減(オフィススペース・光熱費・通勤手当など)
- 優秀な人材の流出防止・確保
- 災害時などでも事業継続が可能・リスクヘッジ
企業側のメリットは固定費の削減などの費用面だけでなく、従業員のモチベーションアップによる生産性の向上が挙げられます。
またテレワーク導入でフレキシブルな働き方に対応ができ、介護や育児中の従業員が離職せずに業務を続けられるメリットも大きいでしょう。新たな採用費用や人材育成費用などの、隠れたコストカットにもつながります。
今後の採用面でも企業イメージとしてアピールしやすく、逆に導入していないことでマイナスイメージを持たれる可能性もあります。
地震や新型インフルエンザ蔓延などの緊急時でも、事業を継続しやすくリスクヘッジにも役立ちます。
従業員のメリット
- 通勤のストレスや時間のロス減少
- 育児や介護と仕事に対応したフレキシブルな勤務
- ワーク・ライフ・バランスの実現
従業員側のメリットは通勤のストレスや時間のロスがないことで、生産性があがることが一番のメリットです。
単身赴任中の場合は金曜日や月曜日にテレワーク日を設けることで、家族との時間をより長く過ごせることにもつながります。
また夕食時前に帰宅し家族との食事後、Web会議で業務報告や会議に参加するなど家族との生活にあわせた働き方ができ「ワーク・ライフ・バランスの実現」に近づけます。
テレワークデメリット一覧
テレワーク導入での主なデメリットは以下のようなものがあります。
- コミュニケーション面
- マネジメントの複雑化
- 従業員のストレス増
- 生産性の低下
- 人事評価の難しさ
それぞれを解説していきます。
テレワークのコミュニケーション面
テレワーク導入前の従業員からよく聞く不安として「コミュニケーション」があります。従業員同士が違う場所で働くことになり、お互いのコミュニケーション不足が生じやすくなります。
情報共有が少なくなることで、雑談から生まれていたアイデアやシナジー効果の醸成が難しくなり、企業の成長スピードへの影響も懸念されます。
テレワークのコミュニケーションに関して課題を感じている方は「テレワークのコミュニケーションを活性化させた事例やおすすめツール」をご確認ください。
テレワークのマネジメント
勤怠管理が複雑化し、マネジメントの工数が増えるデメリットがあります。
また上司と部下の間の人間関係も、指示だけの関係になりがちでモチベーションアップや、育成のための指導が行われないことで人材育成が遅れる可能性もあります。
テレワークのマネジメントに関する事例などが知りたい方は「テレワークのマネジメント課題とマネジメント手法を事例とセットで紹介」をご確認ください。
テレワークのストレス
テレワーク中は自己のスケジュール管理で業務遂行する必要があります。
業務を終わらせるためにサービス残業をしやすくなったり、迷った場合にすぐに相談しにくいことで業務効率が悪くなったりします。
時間配分や納期なども自己責任になるため、普段よりもストレスを感じる従業員もいるようです。
テレワークのストレス解消法に関して知りたい方は「テレワークでストレス限界の時の解消法。新入社員や家族もストレスに注意」をご確認ください。
テレワークの生産性
自宅が職場になることで集中力の低下や、プライベートとの切り替えができないことから、生産性が低下する恐れがあります。
また情報の共有不足や確認不足で、業務が通常よりも時間が掛かるデメリットもあります。
テレワークの生産性を上げたいと考えている方は「テレワークで生産性は下がる?生産性を下げる要因と向上させた事例」をご覧ください。
テレワークの評価
上司は、部下が何をしているか把握しづらく、部下は上司に自分の仕事内容が分かってもらいにくくなります。労働実態が分からず、人事評価がしにくいなどのデメリットがあります。
また人事評価に関しては、新しい労務管理や人事評価のシステムを作り直すか、外部のツールを使用する必要があるため費用が掛かります。
人事部でもテレワーク用と通常用と2つの人事評価が走ることになり、作成し直すまででなく、ランニングにも余分な工数が必要です。
テレワークの評価に関しもっと知りたい方は「テレワークの評価が不安!在宅勤務に適した人事評価制度と事例とは」をご覧ください。
テレワークのデメリットへの対策
テレワークを導入するデメリットへの対応策をご紹介します。
解決策1 ツールを導入する
「コミュニケーション不足」や「マネジメント」のデメリットに関してはツールで解決します。
コミュニケーション用やWeb会議用のツールを使い、頻繁にコミュニケーションを取る工夫がおすすめです。
朝必ずログインしあいさつをする、朝やランチタイムで雑談の場を作る、顔出しをルールにした直接話すブレイクタイムを持つなど、積極的な活用でコミュニケーション不足を解決している企業もあります。
また、労務管理や人事評価に関してもツールやシステムの利用が進んでいます。
社内で0から作る場合は、コストも掛かり失敗する可能性もあります。すでにテレワークでの運用で成功しているツールやシステムを活用すれば、リスクを避けることができます。
テレワークのコミュニケーション不足を解決した実例を知りたい方は「【実例】テレワークで社員のブラックボックス化を防ぐチームのコミュニケーション方法」をご確認ください。
解決策2 助成金の利用
テレワーク導入のデメリットのひとつに、先に費用が掛かることが挙げられます。
先に挙げた固定費用や採用コスト削減、人材確保などのメリットは後からでてくる効果です。特に従業員数の多い企業では、先行投資が大きな金額です。
おすすめは各種助成金の利用です。
ここでは厚生労働省の助成金を例に挙げていますが、この他にも各自治体で行っている助成金もあり積極的に利用するといいでしょう。
厚生労働省HPより
人材確保等支援助成金(テレワークコース)を創設しました(令和3年4月1日)。
機器等導入助成と目標達成助成において、下表のとおり支給されます。
<受給額>
厚生労働省:「人材確保等支援助成金」(テレワークコース)より
課題解決に役立つツールの紹介
テレワーク時に発生する課題の解決には、どのようなツールが使えるのかをご紹介していきます。
ツール1 コミュニケーション課題にはチャットツール
Web会議ツールだけでなく、チャットツールを使うことで会話のハードルを下げることができ、コミュニケーション不足が解消が期待できます。具体的には下記のチャットツールなどを導入してみましょう。
チャットツール
- Chatwork
- Discord
- Slack
- Microsoft Teams
- LINE WORKS
ツールの活用方法や事例をもっと詳しく知りたい方は「【人事必見】リモート会議に必要なコミュニケーション制度設計のポイント」をお読みください。
ツール2 情報漏洩課題にはセキュリティシステム
総務省のデータからも、テレワーク導入の大きな障害のひとつはセキュリティ問題といえます。
(※引用) 総務省:「テレワークセキュリティに関する1次実態調査 」より
セキュリティ強化には実践的な情報管理やセキュリティルールの作成が大事ですが、ツールを導入すれば強化をはかることができます。
セキュリティツール
- 多要素認証の導入(なりすまし防止)
- VPN(Virtual Private Network)の利用
- ハードディスクの暗号化
- ウィルス対策
- 仮想・リモートデスクトップの採用
ツール3 労務管理・人事評価課題にはクラウド型管理システム
労務管理・人事評価にはクラウド型の管理システムがおすすめです。どこからでもアクセスができるため、勤怠管理が楽に行えます。
また今まではエクセルベースやアナログで集計していた人事評価を、クラウド型に変更すればマネジメント工数も削減できます。
課題解決に成功した企業事例
実際にテレワークにおける課題の解決に成功した企業の事例を紹介します。
事例1 株式会社スタッフサービス・ビジネスサポートは雇用管理課題をWeb勤怠管理システム導入で解決
株式会社スタッフサービス・ビジネスサポートでは雇用管理課題を、Web勤怠管理システムを導入して解決しました。従業員の出退勤を管理しています。
オンラインでの勤怠管理を実現したことで、通勤が難しい重度障がい者の雇用を生み出すことにも成功しました。4年間で255名の重度障がい者の雇用創出ができています。
また通勤の障壁をなくし、就労と生活介助を両立できる制度を導入できたことで、1年間の身体障がい者の定着率は96.5%と高水準を実現しました。
事例2 株式会社オリエントコーポレーションはコミュニケーション課題をV-CUBE会議他ツール活用で解決
株式会社オリエントコーポレーションでは、Outlook、Skype V-CUBE会議システム により、離れた場所でも成果を上げ、チームワークの向上に成功しました。
また本人認証システム「テレワークサポーター」を活用し、第三者によるなりすましや不正利用を防止しました。同時にこのシステムを利用して適切な労務管理の実現もできています。
事例3 岩井コスモ証券株式会社は情報セキュリティ課題をICTセキュリティ導入で解決
岩井コスモ証券株式会社では、テレワーク導入の情報リスクはICTセキュリティツールで解決しました。
これにあわせ従来の紙ベースでの管理を、タブレット端末を導入しMDMなどによる一元管理へ切り替えることにも成功しています。資料の紛失や情報漏洩リスクが低減し、店舗運営の負担軽減へもつながりました。
また会長CEO自ら直接従業員へ働き方改革の意義を説明しただけでなく、幹部社員が率先してテレワークを活用しメリットをアピールしたことで全社に広がったそうです。
結果従業員のワーク・ライフ・バランスが改善され、仕事への意欲が向上しました。テレワーク導入は売り上げ0.6%、営業利益6.2%増につながっています。
(※事例1〜3参照)総務省:「令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例」より
【まとめ】テレワークを成功させる労務管理・人事評価をするには?
テレワーク導入の障壁となるテレワーク用の労務管理や人事評価は、社内で全て作り直すには膨大な工数が掛かります。
HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができ、すでにテレワークで導入し成果を出している企業が多数あります。
「テレワークに即した人事評価制度を取り入れたい・・」
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人材管理
HR大学 編集部
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