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【人事実践編】社内アンケートとは?本音を引き出すツールの選び方、活用例を解説

社内アンケートで本音を引き出すツールの選び方、活用例

【人事実践編】社内アンケートとは?本音を引き出すツールの選び方、活用例を解説

目次

    社員満足度を調査するための社内アンケート調査をどう実践していくのか?メリットデメリット、本音を引き出す上で有効な質問の作り方、ツール/システムの比較をしながら選び方、活用例について解説します。

    社内アンケートの目的とは

    社内アンケートの目的とは

    まずは、社内アンケートとはどんなものなのか、一般的な定義と実施の目的ならびに回答結果の活用例を見ていきます。

    詳細については「【 人事基礎編】社内アンケートとは?本音を引き出すコツを解説」も合わせてお読みください。

    社内アンケートの定義・目的

    社内アンケートは、年に1回~数カ月に1度、社員を対象として実施されます。
    用途としては、職場環境に対する社員の現状の満足度を把握するために実施されます。

    実施の目的は、経営や組織の課題を把握し、対応策を検討することです。例えば、管理職が職場で部下のマネジメントを適正に実施できているか、確認するために実施されます。

    社員の意見、考えを把握することが重要であり、社員から本音の回答を引き出すことが求められています。

    社内アンケートの企業別の活用事例

    社内アンケート回収結果の活用例としては例えば、以下のような事例があります。

    • 幸楽苑ホールディングス(業種:飲食 / 社員数:1,200名)

    全社で、社員の今後のキャリアや店舗運営に関する意見を集約し、結果を人事異動施策や事業の業務改善に役立てています。

    • 村田製作所(業種:電気機器 / 社員数:9,500名)

    デジタルマーケティングやサービスに取り組む部署において、1on1ミーティングの改善プロジェクトの一環で社内アンケートを実施しています。

    1on1ミーティングとは、部下の人材育成を目的に、上司・部下間で定期的に行われる面談型の対面コミュケーションのことです。上司・部下の対話の仕方と部下の満足度の相関を検証し、検証結果をミーティングの品質改善に役立てています。

    1on1ミーティングについてさらに詳しく学びたい方のために「 1on1ミーティング入門書」をご用意しているのでぜひご活用ください。

    • 大東建託(業種:不動産 / 社員数:8,700名)

    全社で、社員の働きがい、仕事のやりがいについて意見を集約し、結果を将来の人事施策の検討に役立てています。

    毎年、回答結果を経営陣に報告した後、社員に開示しています。また、回答結果を受けて、各職場が来期の改善策と行動計画を策定し、1年のスパンでPDCAを回しています。

    実施・導入成功のポイント

    実施・導入成功のポイント

    経営や組織の課題を正しく把握する為には、社員から本音の回答を引き出す必要があります。ここでは、本音の回答を集めるために実施・導入成功のポイント、注意点を説明します。

    導入の進め方、実施方法については「 【人事基礎編】社内アンケートとは?本音を引き出すコツを解説」にまとめていますので、合わせてお読みください。

    目的を明確にし、社員の参画意識を高める

    社員に対して、本音で回答する姿勢を作ってもらうために、実施の目的を明確にし、事前に社員に説明しましょう。説明のタイミング、方法を工夫することにより、社員の参画意識を高めることができます。

    • 説明のタイミング

    社内アンケートを実施する前で、事業年度が切り替わる1月・4月、または年間経営計画の修正が行われる7月・10月が望ましいです。理由としては、社内アンケートの実施目的が経営・組織の課題の解決であることから、事業の節目となる時期を選ぶことで、社員に経営計画達成のための重要イベントであると認識させるためです。

    • 説明の方法は管掌役員が直接説明するのがベスト

    可能であれば、社長やアンケート実施部署の管掌役員の口から社員に直接、説明することが望ましいです。理由としては役員が説明することで、社内アンケートの実施に対して会社の本気の姿勢を示すことができるため、また社員の目と耳に直接訴えかけることにより、本音で回答しなければという義務感を持たせるためです。

    筆者の会社では、事業年度が切り替わる時期にアンケートを導入しました。新年度の経営方針説明会の中に「社員の働きがい向上」というパートを設け、社長がアンケート実施の目的をオンラインで社員に直接説明しました。その結果、筆者が日々、聞いていた職場の声とアンケートの回答の傾向が違和感なく、一致していました。オンラインでも役員説明に効果があることを感じた一幕でした。

    社内事情により、役員の説明が難しいようであれば、各組織の上司が、定例ミーティングを活用して、部下に口頭で説明しましょう。

    課題抽出に役立つ質問をつくる

    社員の回答から課題を抽出するためには、質問の設計方法が肝になります。
    質問の設計には心理学、統計学の学術的な知識が要求されるため、自社内で作成することは難しく、外部ベンダーのサービスを利用することをおすすめします。具体的な質問の作り方は次章で説明します。

    テンプレート例あり!質問の作り方、書き方、回答作成のコツ

    質問の作り方、書き方、答え方のコツ

    心理学、統計学の観点を交え、例文を用いて質問・回答作成のポイント、注意点を説明します。作成に当たっては、特に回答者の心理バイアスに配慮する必要があります。

    心理バイアスの説明は、「 【人事基礎編】社内アンケートとは?本音を引き出すコツを解説」にまとめていますので、合わせてお読みください。

    導入文の作り方は本音回答の明記がポイント

    導入文で、社員に対して本音の回答を求めていることを明記しましょう。これにより社員が役職等の立場から、自分が選ぶべき回答を無意識に選択する可能性を排除できます。

    【例文テンプレ:実施の目的】
    本アンケートは、マネジメントの課題を抽出し、社員にとって働きがいのある職場を作りたい、との思いから作成しています。皆さんの意見を率直に受け止め、有効な改善策につなげたいと考えているので、本音で回答頂きますようお願い申し上げます。

    【例文テンプレ:回答の注意点】
    全ての質問項目に回答してください。
    本アンケートは、回答集計時に回答に一貫性があるか、チェックをかけています。質問を読まずに回答したり、意図的に正解を狙った回答をした場合、全ての回答が無効になります。回答が無効の場合、再回答して頂きますので、本心から回答して頂きますよう、お願いします。

    質問・回答の作り方の基本的な心得

    社員が短時間で効率的に回答できるよう、以下の点に注意して質問・回答を作成しましょう。

    • 専門用語は避け、わかりやすい表現にする
    • 項目を多くしすぎない(目安は40問程度)
    • 質問文は回答を誘導しないよう中立の立場で表現する
    • 選択肢だけでなく自由記述で回答する項目を入れる

    質問の設計・作り方は2つの要因を軸に

    経営・組織の課題を解決するためには、社員の働きがいが鍵になります。社員の働きがいを決める要因は2つあると言われています。

    ①「衛生要因」という不満を抑制する要因(給与水準、福利厚生等の労働条件)
    ②「動機づけ要因」という満足を強化する要因(社内の評価、仕事を通じた成長実感等)

    質問設計は、この2つの要因を軸にして項目を洗い出し、組み立てると、課題抽出に役立つ回答が得られます。

    【例文テンプレ:衛生要因】給与に対する満足度
    質問:あなたは、自分の現在の給与水準に対してどう思いますか?

    【例文テンプレ:動機づけ要因】今後の社内でのキャリア
    質問:あなたは、5年後に社内でどのような仕事をしていたいですか?

    質問文については、回答を誘導してしまう表現は避けた方がよいでしょう。例えば、上記「動機づけ要因」の質問例で、「あなたは、現在の職場で5年後も働いていたいですか」という文にします。この場合、「働いていたい」という前提で質問されていますので、無意識に肯定的な回答をする社員が増えてしまいます。

    なお、冒頭「社内アンケートの目的とは?」の村田製作所の1on1ミーティングの事例のように、予め解決すべき課題が特定できている場合は、回答対象者を限定し、質問の内容を課題に特化したものに設計する工夫が必要です。

    回答項目の作り方

    選択肢の数は、質問内容にもよりますが、5つから7つ前後、かつ偶数で設定するとよいでしょう。偶数で設定する理由は、奇数にすると肯定・否定どちらでもない中央値が生まれ、回答者が回答に迷ったときに、無意識に選択されてしまうためです。

    【例文テンプレ:回答項目】
    質問:あなたの性格や適性から、今の仕事は自分に向いていると思いますか?
    回答:
    1.向いていないと思う。
    1-1.強く思う 1-2.どちらかというとそう、思う
    2.向いていると思う。
    2-1.強く思う 2-2.どちらかというとそう、思う

    質問:上司のあなたの仕事に対する評価をどう思いますか?
    回答:
    1.正当であると思う
    1-1.強く思う 1-2.どちらかというとそう、思う
    2.正当でないと思う
    2-1.強く思う 2-2.どちらかというとそう、思う

    質問・回答の順番設定

    順番が前の方の質問・回答に前提となる情報が入っていると、回答者はその質問に行った回答を前提に、以降の質問に臨みます。

    例えば「現在の給与水準に対してどう思いますか?」という質問が前にあり、「上司のあなたの仕事に対する評価をどう思いますか?」という質問が、その後にあったとしましょう。この場合、回答者が前の質問に給与水準が「低いと思う」と回答すると、それが前提になり、続く後の質問に評価が「低いと思う」と無意識に回答する可能性が高いです。

    全ての質問・回答に順番設定の影響がないよう、アンケートを設計することは難しいですが、前提なく回答してほしい質問がある場合、順番設定にも注意しましょう。

    以上見てきたようにアンケートの質問・回答は、専門知識が要求されるため、いちから自社で作成することは難しいです。可能であれば外部ベンダーのサービスを元に自社用にカスタマイズすることをおすすめします。どうしても自社で対応せざるを得ない場合、パイロット版を作成して、社員の意見を正しく引き出せるか、本番前のテストを実施しましょう。

    社内アンケートの告知・依頼文の作り方、実施方法

    社内アンケートの告知・依頼文の作り方、実施方法

    告知・依頼文の作り方、集計・分析、活用まで全体の流れを説明します。社員に本音の回答をしてもらえるよう、随所で工夫が必要です。

    告知・依頼文の作り方

    以下の点に注意して社員への告知を行いましょう。

    • 告知はメールで行う(添付ファイル:アンケートがWord等の文書ファイルの場合は添付する、回答フォーム:Webアンケートの場合は回答フォームのURLを文中に記載する)
    • アンケート実施の目的、活用方法、開示有無、実施方式(匿名・記名)、回答に要する目安時間を明記する
    • 回答期限を強調する

    集計・分析の方法

    集計については、経営・組織の課題を抽出するべく、現状を正確に把握するために、対象者の8割以上の回答率を目指す必要があります。アンケートの回答期限までに未回答者を抽出し、リマインド通知を複数回実施することにより、回答率向上につながります。

    分析については、過去アンケートを実施していれば、その結果と比較してどうだったか、定点観測を行わなければ、正確に読み解くことは難しいです。また、分析結果検証のために、職場への回答結果に基づくヒアリングを実施することがj重要です。正確な分析を行う為にも、回答結果は社員に開示し、協力してもらうことが望ましいでしょう。

    回答結果活用の方法

    分析結果が出たら、課題を抽出し、経営陣と共有します。課題が経営方針や人事施策等、全社に関わるものであれば、経営と対応の方向性を議論し、分析結果とともにその内容を社員に伝えます。

    一方、課題が管理職のマネジメント等、職場固有のものであれば、社員への通知は分析結果までに留め、対応策については各職場で検討してもらいます。

    アンケートの実施から課題の抽出、対応策の検討まで間が空いてしまうと、社員のアンケートに対する姿勢が消極的なものになり、継続的な実施が難しくなります。スピード感をもって対応策までつなげるために、アンケート実施部門が全て抱え込むのではなく、職場も巻き込みながら、最適な役割分担を検討して進めましょう。

    無料で使える社内アンケートツールの紹介まとめ

    社内アンケートツールの紹介まとめ

    「テンプレート例あり!質問の作り方、書き方、回答作成のコツ」の章でも述べましたが、質問の設計には心理学・統計学等の学術的視点が要求される為、自社でいちから作成することは難しいです。ここでは、外部ベンダーのアンケートツールやアンケート機能があるシステムを紹介します。

    無料で使えるサービス

    特徴としては、手軽に導入できる半面、有料サービスと比べて機能が限定的だったり、設問・回答数に上限が設けられていることがある為、継続的かつ大規模な調査には不向きです。まずはプロトタイプとして社内で導入を議論するときのお試し用として、活用することをオススメします。

    Googleフォーム
    ベンダー名:Google
    設問数:上限なし
    回答数:上限なし
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:Googleアカウントがあれば無料で利用可、回答結果をグラフで表示する機能有り

    Questant
    ベンダー名:株式会社マクロミル
    設問数:10問
    回答数:100件
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:回答結果をグラフで表示する機能有り、アンケートのアドレスやQRコードを自動生成する機能有り

    SurveyMonkey ベンダー名:SurveyMonkey
    設問数:10問
    回答数:100件
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:回答結果のグラフ、サマリーを表示する機能有り

    有料のサービス

    無料サービスと異なり、設問・回答数に上限はありません。また、回答結果から課題を分析してくれたり、課題に対するアクション検討をサポートしてくれる機能がついているものがあります。継続的かつ大規模な調査にも対応できます。

    Geppo
    ベンダー名:株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー
    金額:~25人   20,000円
       ~1,000人 298,000円
    設問数:上限なし
    回答数:上限なし
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:所属組織・職種等、複数の社員属性別の組み合わせ分析が可能、テレワーク時のストレスマネジメントに対応

    ・wevox ベンダー名:株式会社アトラエ
    金額:月額300円 / 人
    設問数:上限なし
    回答数:上限なし
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:豊富なデータ解析機能有り、
    7ヵ国の言語に対応、調査結果活用の為のワークショップに参画可能

    ・SmartHR
    ベンダー名:株式会社SmartHR
    金額:月額一人当たりの金額設定
       (詳細は見積が必要)
    設問数:上限なし
    回答数:上限なし
    自動集計機能:有
    結果分析機能:有
    主な特徴:クラウド人事労務ソフトの一機能として従業員サーベイの機能有り、同システムに登録された社員へ簡単にアンケートを配信可能

    社内アンケートは人事システム連携を!

    経営・組織の課題を正確に特定するための質問設計、回答結果の分析から課題に対するアクション検討は工数、品質ともに有料のサービスが無料のものに比べ勝っています。

    その中でも、社内アンケートを人事施策に活用しようと考えるのであれば、就業管理・人材育成等、他の人事機能も有している人事システムの導入が望ましいと言えるでしょう。

    社内アンケートを活用し、経営や組織の課題を解決する

    社内アンケートは、年に1回~数カ月に1度、社員を対象として実施される調査です。

    職場環境に対する社員の現状の満足度を把握するために実施され、経営や組織の課題を把握し、対応策を検討することに活用されます。
    社内アンケートを効果的に活用し、経営や組織の課題を解決できれば、社員の生産性、定着率が向上し、企業の業績向上につながるでしょう。

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    HR大学 編集部

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