【人事必見】リモート会議に必要なコミュニケーション制度設計のポイント
リモートワーク・テレワークで注目されているZoomやGoogle meet、Teams、Skypeなどのビデオ/テレビ/オンライン/Web会議ツールを使ったコミュニケーション手法「リモート会議」制度導入におけるオススメの事例・活用法をご紹介します。
リモート会議とは?
リモート会議とは
リモート会議とは、情報通信技術(ICT)を使い、場所や時間にとらわれないコミュニケーションです。テレワーク(英語 tele work)と同じ意味で使われることもあります。つまり、リモートワークやテレワークでコミュニケーションをとることを指します。
リモート会議が注目される背景
リモートワークが導入される背景には、働き方改革があります。少子高齢化による生産年齢の人口減少に対応し、働くスタイルを多様化させていく必要があります。東京オリンピックの開催に伴い、予想される通勤困難への検討も後押しになりました。そこに今回の新型コロナ感染症拡散防止による緊急事態宣言で、在宅での勤務が求められました。実際にリモートワークを導入しても課題が多く、コミュニケーションを活発化させる方法が注目されています。
リモート会議のメリットとデメリット・解決策
リモート会議のメリット
営業活動で遠距離の顧客と商談をすることが可能です。営業範囲を広げることができます。技術員は保守先から社内にいる先輩に画像を送りながらアドバイスを受けます。リモート会議により生産性が上がります。新型コロナウィルス感染症対策では、緊急事態宣言によって在宅勤務を余儀なくされた社員が少なくありません。リモート会議を使えば非常事態でも仕事を継続することが可能です。子育てや介護との両立が可能で、従来辞めなければならなかった社員の離職防止にもつながります。さらに、新たな雇用を生み出すことが可能です。
リモート会議のデメリットとその解決策・コツ
ICTに対するスキルの格差
ICTが苦手な社員もいます。リモート会議を導入する場合は、人事部門が主導し必要な場合はICT教育を実施するなど、全体のスキルを底上げしましょう。
協働作業が難しい
ホワイトボードに複数の意見を集約するような協働作業は難しくなります。ビデオ会議中に参加者の意見を集約したい場合は、ビデオ会議とチャットツールを併用して使いましょう。
現物を触ることができない
技術的な説明や教育で、現物を触りながら確認することができません。ビデオ会議の録画機能を使いましょう。触れなかったデメリットを、何度でも見直せるメリットでカバーしましょう。
リモート会議の活用事例
会議室と会議室を結ぶリモート会議
リモート会議が活用されてきた場面はテレビ会議です。一カ所に集まらなくても会議を開催できます。学校や予備校でもリモートで授業が行われています。地方の学生が都市部の学生とおなじように自宅にいながら授業に参加できます。
人と人を結ぶリモート会議
しかし、テレビ会議は会議室と会議室を結ぶという、いわば場所をつなげるという使い方です。しかし最近のリモート会議は、人と職場、人と人を結ぶスタイルが注目されています。背景には、個人が簡単にリモート会議を始められるというICTの進化があります。最近では、旅行先から職場につないで仕事をする"ワーケーション(ワーク&バケーション)"という言葉もできました。
リモートワークにおけるリモート会議の海外事例
アメリカでは労働人口の約50%がリモートワークです。出社することよりも明確にやるべきアウトプットを重視する社会的な価値観が背景にあります。
ヨーロッパでは「eワーク」と呼ばれています。都市部への人口の集中を避け、環境問題に取り組む一環として、国の施策として推進されています。
しかし、近年、アメリカではこのリモートワークが問題視されています。
理由は、1対1のリモート会議が過度に進んだことです。イノベーションはさまざまなアイデアの化学反応によって生み出されます。
しかし、過度なリモート会議は協働してアイデアを出す場を阻害しました。そのため、一部の大手IT企業では、リモートワークを制限または禁止し、対面での会議を推し進めています。
リモート会議に必要な人事制度設計
制度構築における4つのステップ
人事部門が用意しておきたいものは、リモート会議・マニュアルです。リモートワークの規定は、安全配慮義務や労働災害防止の観点から必要です。一方で、リモート会議・マニュアルも情報漏洩の観点から整備が必要です。
1. リモート会議で使用できるツールを決定する
2. それぞれのツールの使用方法を定める
3. リモート会議を行ってよい場所を定める
4. 社外で扱ってよいデータ・ファイルを定める
社外からコミュニケーションをとる場合は、機密保持や個人情報保護などの観点からルールが必要です。
セキュリティに高いツールを用意することはもちろん、運用する社員にも注意意識が必要です。
重要なデータは、個人のパソコンに保管するのではなく、クラウドを使うなどします。
さらに、コミュニケーションをとる場所や周りにも注意します。
リモートワークでのコミュニケーション管理方法
リモート会議の管理方法
リモート会議がしっかりと運用できているかどうかは、業務の効率化で測定をします。
納期は以前と比べてどうか。コミュニケーションの量や質は保たれているか。連絡ミスによる業務の歩留まりはないか。人事部門は、各部と連携し定期的に状況を把握しましょう。
一部の企業では、業務の質や量の変化を上司にヒアリングを行い、社員にはコミュニケーションの量などをアンケートで調査をします。調査で浮かび上がった課題は経営課題としてしっかりと対処しなければなりません。
通信費
通信費についても人事が検討すべき課題です。パケット上限ありプランを契約している社員に対し、業務で使ったパケット通信料を会社が負担するのかどうかを検討します。業務でのパケット量を会社が把握することが困難です。事務手続きを簡素化するために、定額で一律の補助をする企業があります。
リモートコミュニケーションを促進するために必要なこと
業務の進捗管理をマメに行う
いつまでに何をアウトプットするかということを明確にします。管理者が注意すべきことは、社員は複数の業務を抱えていることです。全体の工数見積もりが大切です。さらに、管理者を通さずに直接担当者同士でやりとりする仕事の依頼にも注視します。ポイントは、完了連絡まで放っておくのではなく、日々進捗と状況を話し合うことです。報告に時間がかかっては本末転倒になりますので、電話やビデオ通話、簡単なチャットツールを使いましょう。
チャットツールの活用
報連相にチャットツールが有効です。LINEなどの使い慣れたチャットツールがあればコミュニケーションが促進します。
携帯電話の利用
なかなか文字で伝えにくい報連相は、直接電話を活用するようにしましょう。
ビデオ会議の活用
コミュニケーションとは単に言葉だけではなく、気持ちや感情のキャッチボールです。iPhoneであれば、FaceTimeで簡単にビデオ通話ができます。表情から言葉では伝わらない情報もコミュニケーションしましょう。
チームのチャットルームを作る
ほかの社員の動向がわからない孤独感は辛いものです。その場合は、チームのチャットルームを作成します。ここでは、情報共有の場として利用します。ポイントは、このルームは雑談をしてもいいというルールにすることです。
雑談のすすめ
何気ない会話の中からアイデアが生まれます。積極的にチャットで雑談をするように促進しましょう。
コミュニケーションを活性化させるおすすめのツール
オンライン/Web会議ツールのZoomやGoogle meet、Teams、チャットツールのSlackについては多くの記事で紹介されているため、ここではあえてその他でオススメしたいツールについてご紹介したいと思います。
チャットツール
1. V-CUBE Gate
V-CUBE Gateは、法人向けのビジネスチャットサービスです。特徴は、オンライン状態である社員がひと目でわかることです。名前の横の青いサインを見ると、つながっている感が生まれ、活発なコミュニケーションがはかれます。
2. Chatwork
Chatworkはタスク管理機能を備えたチャットツールです。使用の制限はありますが無料プランがあり導入が容易です。
オンライン/Web会議ツール
1. Skype
Skypeはインターネットを使った音声通話やビデオ通話ができる無料のコミュニケーションツールです。ビジネスだけでなくプライベートでも使える便利さが特徴です。
2. LINE
LINEにもビデオ通話機能が備わっています。LINEで電話をかける要領で簡単にビデオ通話を始めることができます。使い慣れている人が多いので導入が容易です。
ツールの使い分けの方法
コミュニケーションの目的に応じてツールを使い分けします。ちょっとした報連相、雑談にはチャットツールを使い、情報共有にはチャットルームを準備します。1on1会議や複数名によるグループ会議にはオンライン会議ツールを利用します。使い分けのルールを社内で共有し、普段と変わらないコミュニケーションを促進しましょう。
まとめ
リモートワークでコミュニケーションを活性化させるには、ICTにコミュニケーションを合わせるのではなく、普段のコミュニケーションをどうやってリモートで行うかという発想が必要です。さまざまなICTコミュニケーションツールを、併用して活用し量と質を落とさない工夫をしましょう。
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