HRBrain

HR大学

人材管理

ワークライフバランスとは?憲章、充実に向けた取り組み企業例を解説

alt

ワークライフバランスとは?憲章、充実に向けた取り組み企業例を解説

目次

    ワークライフバランスとは?

    ワークライフバランスとは?

    女性や高年齢者の労働参加が増えつつあるなか、従来型の労働環境などを課題に注目されているワークライフバランス。

    ここでは、ワークライフバランスの内容や目的、使い方について説明します。

    ワークライフバランス(WLB)とは

    ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和を実現することです。働く人の「仕事」と、家事や育児・介護、趣味や学習などの「私生活」の両方が充実していることを意味します。

    内閣府における「ワークライフバランス」の定義は、次の3つを柱として定義しています。

    • ワークライフバランスの定義、3つ柱
    • 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
    • 多様な働き方・生き方が選択できる社会

    内閣府のワークライフバランスの定義を確認されたい方は、次の内閣府のサイトをご参考ください。
    (※)内閣府:「
    仕事と生活の調和とは(定義)

    ワークライフバランスの目的

    ワークライフバランスの目的について4つの観点から解説します。

    ワークライフバランスに向けた課題は?
    少子高齢化が進展するなか、労働力の確保を目的に、女性や高齢者の社会参加が求められる我が国の現状です。

    しかし、必ずしも、育児をしている女性や高齢者が働きやすい環境になっていないことが多く、企業において多様な働き方の推進か課題となっています。

    内閣府では、ワークライフバランス実現に向けた課題として、次の4つをあげています。

    ワークライフバランスの実現に向けた課題(内閣府)

    • 仕事と生活が両立しにくい現実
    • 働き方の二極化等
    • 共働き世帯の増加と変わらない働き方・役割分担意識
    • 仕事と生活の相克と家族と地域・社会の変貌

    「仕事に追われて家庭への両立が図れない」「育児や介護の両立ができない」などから、仕事と生活の調和が図れないなか、仕事と家庭の両面で、男女の固定的な役割分担意識が残っていることが課題となっています。

    安定した仕事につけず、生活基盤が整えられない層の存在も課題でしょう。

    知っておきたい、ワークライフバランス推進の方向性
    ワークライフバランスの実現に向けた課題を解決するには、労働者が安心して働ける環境の下、多様化する働き方に対応していくことがポイントです。

    ワークライフバランス推進の方向性(内閣府)
    内閣府では、ワークライフバランス推進の方向性として、次の3つをあげています。

    • 多様な働き方の模索
    • 多様な選択肢を可能とする仕事と生活の調和の必要性
    • 明日への投資

    働く人々の求める働き方は、仕事を通じて能力を高めたい人、仕事と家庭の両方を充実させたい人、趣味や地域参画も充実させたい人など、人それぞれです。

    ワークライフバランスの実現は、短期的には負担やコストの増大となることもありますが、長期的には人材の確保、定着・育成につながるものです。ワークライフバランスはコストではなく、明日への投資と捉えることが重要です。

    ワークライフバランスの使い方

    ワークライフバランスの言葉の使い方は、本質的な意味を踏まえて使うべきですが、意味を把握せずに使っていることもあるでしょう。

    ワークライフバランスとは「仕事より生活を重視させる」「定時に帰ること」「残業を減らすこと」などと認識していることもありますが、これは十分な理解ではありません。

    本質的な意味は、「仕事と生活を両立させて、どちらも充実させる」ことであり、私生活を優先させ、仕事は適当にというような理解は本末転倒です。

    仕事と生活の両方を充実させるという意味を十分に理解して、言葉を使う必要があります。

    内閣府が定める、知っておくべきワークライフバランス憲章

    内閣府が定める、知っておくべきワークライフバランス憲章

    ワークライフバランス憲章とは、国民的な取組の大きな方向性を示すもの。ここでは、憲章の内容や制定の背景について説明していきます。

    ワークライフバランス憲章とは

    ワークライフバランス憲章とは、ワークライフバランスの必要性、目指すべき姿として「なぜ、仕事と調和が必要か」「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」「関係者が果たすべき役割」の3本柱を提示するものです。

    「働き方を変える、日本を変える」をコンセプトに、大胆な意識改革の下、具体的な取り組みを果敢に進めるため、「ワークライフバランス行動指針」とともに、2007年に「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」にて制定されました。そして、2010年には、政権交代を機に一層積極的に取り組むべく、働きがいのある人間らしい仕事と訳される「ディーセント・ワーク」など新たな視点を盛り込んで改定しています。

    ワークライフバランスの実現は、国民一人ひとりの願いであることと同時に、我が国の活力を向上させていくうえでも重要な鍵になるとの思想で、ワークライフバランス憲章は策定されているのです。

    ワークライフバランス憲章を詳しく知りたい方は、次の内閣府のサイトをご参考ください。
    (※)内閣府:「
    仕事と生活の調和推進官民トップ会議について

    ワークライフバランス憲章、制定の背景

    今もなお、高止まりしている長時間労働
    日本の年間総労働時間は、1980年代には平均で2,000時間を超えていたように、戦後の高度経済成長時代から長時間猛烈に働くという長時間労働が定着化しました。現代ではさまざまな取り組みの下で是正しつつあるも、今も尚、労働時間は高止まりしています。

    この背景には、日本の法制度や産業構造がひとつの要因にもなっています。1947年に制定された労働基準法では、1日の労働時間を8時間を定めていたところ、36協定特別条項が抜け穴となり、残業時間は実質、青天井となっていました。また、解雇権濫用が認められていないことから、企業は閑散期でも雇用保障をする傍ら、繁忙期でも人員を増やす前に残業で乗り切ることを優先するといった構造が長時間労働を助長してきた一面があるのです。

    仕事と生活を両立しにくい現実
    仕事と生活の双方を充実させてこそ、人生の生きがい、喜びは倍増するものです。
    しかし、「心身の疲労から健康を害しかねない」「育児や介護との両立に悩む」「安定した仕事に就けず、経済的に自立できない」など、仕事と生活の間で悩みを抱えている人が多いことが現実です。

    男女における固定的な役割分担意識
    長時間労働を背景に、夫は猛烈に働き、妻は家庭を担うという、性別における固定的な役割分担意識が職場や家庭、地域で色濃く残っています。

    今日では、共働き世代が増えつつあるも、育児と両立する女性の社会基盤は整っているとはいえません。

    こうした現実を背景に、誰もが仕事と生活を充実させるため、仕事上の責任を果たしながら、育児や介護との両立や趣味・自己啓発など生活を豊かにすべく、仕事と生活の調和の実現を目指しているのです。

    この社会の実現に向けて、官民一体となって取り組むべく、ワークライフバランス憲章が定められています。

    ワークライフバランスの現状と充実の実現に向けて

    ワークライフバランスの現状と充実の実現に向けて

    ワークライフバランス憲章・指針では、社会全体で取り組むべき方向性や目標が示されています。ここでは、ワークライフバランスの構成要素となる3本柱や充実に向けた取り組み、取り組み企業事例を紹介します。

    数字で見る、ワークライフバランス3つの柱

    ワークライフバランスの定義を構成する3つ柱には、それぞれ数値目標が示されており、それぞれの定義の概要と数値は次のとおりです。

    就労による経済的自立が可能な社会
    経済的な自立を必要とする者がいきいきと働き、結婚や子育てなど希望の実現に向けて、経済基盤が確保できること。

    【2020年における数値目標と実績(実績/目標)】
    ・就業率
    <20~64歳>82.2%/80%
    <25~44歳女性>77.3%/77%
    <60~64歳>71.0%/67%

    健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
    働く人々が健康を保ち、家族などと充実した時間、趣味や地域活動参加などに時間を持てる、豊かな生活ができること。

    【2020年における数値目標と実績(実績/目標)】
    ・週労働時間60時間以上の雇用者の割合
    5.1%/5%

    ・年次有給休暇取得率
    56.3%/70%

    多様な働き方・生き方が選択できる社会
    誰もが自らの意欲や能力を持って、多様な働き方・生き方に挑戦できる機会が提供され、育児や介護の両立図るなど柔軟な働き方が選択、公正な処遇が保たれること。

    【数値目標と実績(実績/目標)】
    ・第一子出産前後の女性継続就業率
    53.1%(2010~2014年)/2020年 55%

    ・男性の育児休業取得率
    7.48%(2019年)/2020年 13%

    ・男性の育児・家事時間
    83分/日(2016年)/2020年 150分/日

    数値からの考察
    数値目標上、年次有給取得率が目標70%に対して2019年の実績は56.3%と課題があることが分かりますが、その他の数値は概ね、目標に近い数値がでています。

    しかし、ワークライフバランスの取り組みは、企業規模が大きいほど取り組む割合が多いことから、中小企業などの個別の取り組み状況は課題といえるでしょう。

    ワークライフバランスの取り組み状況を詳しく知りたい方は、次の内閣府のサイトをご参考ください。
    (※)内閣府:「
    仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2020

    ワークライフバランスの充実に向けて

    男性育休問題
    2020年度の育児休業の取得率は、女性が83.0%に対し男性は7.48%と、まだまだハードルが高い男性育休。

    政府は、いままでもパパ・ママ育休プラスやパパ休暇など、男性の育児参画に向けて取り組んできました。2022年4月からは、育児・介護休業法の改正により、男性版産休や男性育休の取得促進義務化が施行されるように、取り組みが進んでいます。

    男性育休は、取得率に見るように、まだまだ一般的とはいえず、法制度だけが整備されても、制度を利用する環境が伴わなければ運用は難しく、まだまだ課題は山積みといえるでしょう。

    マネージャーの意識改革
    働き方改革で、長時間労働の是正や有給休暇の取得義務化などのほか、先に触れた男性育休などの取り組みの肝は、管理職の意識改革です。

    長時間労働が当たり前だった時代を経験している管理職は「残業して当たり前」「忙しいときに有給休暇を取るなんてもってのほか」「男性育休は有り得ない」などの意識が強いものです。こうした、管理職自身の固定観念を払拭することがワークライフバランス実現の最重要課題といえます。

    事例:静岡東海証券株式会社

    ここでは、証券会社の淘汰が進んだ2005年頃、生き残りをかけて自社のビジョンを達成させるため、取り組んだ「静岡東海証券株式会社」の働き方改革事例を紹介します。
    同社は、生き残りをかけて策定したビジョン「ゆめ計画」を達成させるため、全社員から改善点をヒアリングし、次を課題として位置づけました。

    ワークライフバランスの課題

    • あらゆる世代の顧客層に対応するため、若い世代を採用して従業員を多様化させるより
    • 良いサービスを提供するためには、働き方を見直す必要がある この課題を乗り越えるため、次の取り組みを実行しています。

    具体的なワークライフバランスの取り組み

    • 社長や役員からのメールや声掛けなどにより毎日19時前退社を徹底
    • 管理職の意識改革を目的に、ワークライフバランスを研修に盛り込む
    • 残業が必要なときは当日15時までに上司へ事前申請
    • 積極的な休暇取得の推進、面談で働き方・年休の取得しやすさなどをヒアリング

    これらの取り組みによって働きやすさが改善され、従業員満足度調査では、83%の従業員から「働きやすい」と回答を得ています。19時退社を徹底することで業務を凝縮して効率的に行えるようになったほか、育児制度なども取得しやすくなるなどの効果を上げました。この効果により若い世代の採用も実現し、ワークライフバランスの充実とともにビジョンを達成することができた事例です。

    ワークライフバランスは古い?!

    ワークライフバランスは古い?!

    ワークライフバランスは、本来、仕事と生活の双方を充実させる取り組みですが、「仕事が忙しければ生活が疎か」「家庭が忙しければ仕事はそれなり」のように相反する関係から、バランスをとるような意味合いで、捉えられることが多くありました。
    ここでは、ワークライフバランスの進んだ考え方である「ワークライフマネジメント」「ワークライフインテグレーション」を説明します。

    ワークライフマネジメント

    ワークライフバランスは、本来の目的である「ワークとライフ双方の充実」の意味合いが薄れ、「ワーク」が忙しければライフはほどほどに、「ライフ」が忙しければワークはそれなりに、という消極的な捉え方をするケースが多くあるのではないでしょうか。

    ワークライフマネジメントは、「マネジメント」のとおり、「ワーク」と「ライフ」の双方を積極的にマネジメントし、双方を充実させる概念ですが、ワークライフバランスの誤解を避けるため、ワークライフマネジメントを掲げる企業が多くなっています。

    ワークとライフは、トレードオフの関係ではなく、ライフを充実させることによって、ワークへの活力につなぐといった、相乗効果がワークライフマネジメントの真の狙いといえます。

    ワークライフインテグレーション

    ワークライフインテグレーションとは、ワークライフバランスを発展させたもので、「ワーク」と「ライフ」を統合(インテグレーション)させる概念です。
    ワークとライフを一体に捉えることで、ワークとライフの間に線を引かず、双方の充実を図るものてす。分かりやすい例をあげると、テレワークの進展を背景に注目された「ワーケーション」です。

    ワーケーションは、「ワーク」と「バケーション」からなる造語ですが、テレワークを活用して、仕事をしながら休暇を取ることをいいます。ワーケーションによって、休暇を取りながら、旅行先で仕事ができるなど、ワークとライフの線を引かずに、双方の充実を図ることができるのです。

    【まとめ】管理職の意識改革が肝!取り組み事例などを参考にワークライフバランスの充実に取り組みましょう。

    本記事では、ワークライフバランスの目的や内容、ワークライフバランスの取り組みのベースとなる憲章のほか、企業の取り組み事例、新しい概念であるワークライフマネジメント、ワークライフインテグレーションについて解説しました。

    ワークライフバランスは、制度やルールを作っても、意識が変わらなければ実態が伴わないものです。それには、長時間労働が当たり前の時代を経験した、管理職の意識改革が肝となります。

    本記事で紹介した企業事例などを参考に、ワークライフバランスの充実に取り組みましょう。

    HRBrainは人事評価と目標管理を確かな成長につなげる人事評価クラウドです。

    HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。

    「そろそろ人事制度を整備したいが大変だし、誰に相談したらいいか分からない・・」
    「もっと目標意識を高めて、メンバーに自発的に成長をして欲しい・・」
    「管理作業に時間・工数が掛かりすぎる。無駄な業務に時間を割きたくない・・」

    このような悩みをHRBrainで解決できます!
    無料トライアル実施中!ぜひお試しください!

    ▽HRBrainの詳細はこちら▽
    • クラウド人材管理システム HRBrain
    • EX Intelligence 従業員エクスペリエンスをデザインし、ひとりひとりが躍動する組織へ。人材データで改革を。
    • 人材管理

    • Twitterでシェア
    • Facebookでシェア
    • はてなブックマークでシェア

    HR大学 編集部

    HR大学は、タレントマネジメントシステム・従業員エクスペリエンスクラウドを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

    • 【人事コンサルタント監修】人事評価設計マニュアル
    • サイボウズ-武部様

    おすすめ記事