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【ノウハウまとめ】人事・ビジネスで使えるナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントについて解説

【ノウハウまとめ】人事・ビジネスで使えるナレッジマネジメント

目次

    情報を全社にどのように展開するか。情報が企業の成長を左右する時代です。人事やビジネスで、情報やノウハウをデータベース管理し、社内で共有するしくみが必要です。それを実現するのがナレッジマネジメントです。その意味や導入、メリットを事例にまとめました。

    ナレッジマネジメントとは

    ナレッジマネジメントの基礎知識

    ナレッジワーカーが、情報を共有することで、生産性の向上につなげる仕組みがナレッジマネジメントです。生産性の向上につなげるには、ナレッジだけではなく、ノウハウも対象となります。その意味と違いを理解することが大切です。

    基本的な情報であるナレッジ

    ナレッジは英語表記の『knowledge』です。意味は、"知識"、"情報"です。たとえば、月別の入退社者一覧や過去の評価履歴です。さらに、商談記録や人事面談記録などの実際に起こったことや経験も含まれます。

    業務そのものであるノウハウ

    社員が突然に退社してしまい、"あの業務はどうやっていたのか"という問題が発生します。"どのようにして"がノウハウ(英語表記“know-how″)です。“know″は“知る・理解する”、“how”は“やり方・方法”です。ノウハウは、業務そのものであり、将来に価値を生む情報です。

    ナレッジマネジメントとは、ナレッジ(過去の知識)とノウハウ(将来の知恵)を融合させる仕組みなのです。

    ナレッジマネジメントが注目される3つの理由

    ナレッジマネジメントが注目される理由

    近年、導入する企業が増えています。その背景にはシステムの進化があります。

    人材の流動化とドメインナレッジ

    終身雇用制度が崩壊し、専門的な知識をもったベテラン社員が入れ替わっていきます。たとえば、人事評価と教育を担当してきた社員が、やっと一人前というときに転職してしまうなどです。 この専門的な知識を『ドメインナレッジ』といい、これを社内に財産として蓄積して保管することが求められています。

    事業のグローバル化と人材の多様化

    1990年代に野中教授らによるSECIモデルにより、ナレッジマネジメントが注目されましたが、その際は一時的なブームで終わりました。近年、グローバル化と人材の多様化が進んでいく中で、日本人同士は暗黙知のコミュニケーションをとる傾向がありますが、外国の方には通用しないという問題が発生してきました。そこで、暗黙知を形式知として共有するナレッジマネジメントの必要性が改めて高まってきました。

    クラウドデータベースの進化

    このようにナレッジマネジメントの必要性は高まるものの、データベースの構築や、専門的スキル、導入コストは大きな壁となっていました。それを変えたのがクラウドデータベースの進化です。 クラウドとはネットワークを介してソフトウェアを利用する仕組みで、顧客先からでも情報にアクセスできるため、その効果ははかり知れません。また自社で構築するのではなく、ベンダーが提供しているシステムを選択することで、簡単に導入することできます。

    このように、システムの有用性と導入の簡易性を背景に、ナレッジマネジメントが注目されています。

    ナレッジマネジメントの概要

    ナレッジマネジメントの概要

    ナレッジマネジメントには、四つのプロセスが連携しあっています。

    ナレッジをためる

    ナレッジをデジタル化し、データベースにためていくことです。検索できるように分類タグのルールなどを決めて、蓄積していきます。

    ノウハウをためる

    ノウハウを可視化するプロセスです。言語化するともいいます。情報には『形式知』と『暗黙知』がありますが、ノウハウは暗黙知が大半です。たとえば、採用面談のチェックシートは形式知ですが、どう会話を進めるべきかは暗黙知です。ここでは、暗黙知を言語化することが大切です。

    マニュアル化

    ためられたナレッジとノウハウを使って、"手順"として確立するプロセスです。たとえば、採用面談の例では、ノウハウの中から良い会話のステップを選びます。そのステップにチェック項目を追加することで、面接マニュアルが作成されます。

    社内に展開する

    情報には、機密も含まれることから、アクセス権限は慎重に検討します。

    ナレッジマネジメントは、このプロセスをPDCAで行うことだといえます。

    ナレッジマネジメント導入のポイント

    ナレッジマネジメント導入のポイント

    導入には、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。そのポイントをまとめました。

    ナレッジマネジメントのメリット

    1 情報をいつでも入手 たとえば、顧客先からでも情報を閲覧し顧客サービスの向上につなげることができます。導入する際には、情報を誰がどのように使うかを検討しておきましょう。

    2 情報のセンターファイル化 "ここにある情報がオフィシャル"と宣言することで、社内の情報を統一することができます。更新履歴やバージョン管理をおこないましょう。

    3 部門を超えた情報の共有 好事例などを全社で共有することで、新たなアイデアや価値を生み出すことができます。広く社内で使える仕組みをつくりましょう。

    ナレッジマネジメントのデメリット

    1 継続した管理が必要 データが増えるにつれ管理工数が増えていきます。放っておくと、何が最新で正確な情報なのかわからなくなり、信ぴょう性が損なわれます。

    2 運用コスト 社内で構築してもベンダーを使っても、運用コストがかかります。

    目的にそったシステムを検討しコストとのバランスを検討しましょう。

    導入の成功事例失敗事例

    導入の成功事例失敗事例

    ナレッジマネジメントの効果と失敗するポイントをまとめました。

    改善事例を共有し生産性をあげた企業

    ダイキン工業株式会社では、90を超える海外生産拠点で、各拠点の取組みや優れた改善事例を水平展開しています。これは、他の拠点がどのような改善活動をしているのかを知りたい、共有してほしい、という現場の声から始まりました。現場のニーズに応えるシステム構築が定着につながっています。各言語への対応が壁でしたが、今では自動翻訳システムが進んでいます。

    看護や研修、コンサルの現場での効果

    経験を積むことでしかスキルを得られなかった分野でも効果を発揮しています。看護の現場では、実際に患者様に接して感じたことを記録します。そして実行したことやその結果を"ケース記録"としてナレッジデータベースで共有しています。暗黙知を言語化し共有することで、業務の質の向上や若手の育成につなげている好事例です。 参考文献:「これからの病院経営~福島県立病院を事例として~」  http://www.jc.u-aizu.ac.jp/department/management/youshi/2005/10.pdf

    失敗の事例

    ナレッジマネジメントの失敗は、ソフト面とハード面があります。 ソフト面では、使う側の社員が目的を理解できず、社内に定着しないことです。 ハード面では、操作が難しすぎる問題があります。社員全員がパソコンに精通しているとは限りません。 どちらも現場を無視した設計段階での失敗が多いのです。

    成功のポイントは、設計する側と使う側のバランスをはかることだといえます。

    システム・サービス・ツールまとめ

    システム・サービス・ツールの紹介

    おすすめのシステム・オンラインサービス・ツールを紹介します。

    おすすめの本

    1 ナレッジ・マネジメント五つの方法-課題解決のための「知」の共有(ナンシー・M.ディクソン著)

    事例を交えながら、ナレッジをためる側と使う側の視点で説明した著書。

    2 知識経営のすすめ-ナレッジマネジメントとその時代(野中郁次郎著)

    企業経営における知識とは何か。それをどう活用すればよいかを事例を交えて説明した著書。

    おすすめのオンラインサービス

    1 googleスプレッドシート

    アカウントさえあれば、いつでも、どこからでもアクセスできます。さらにシートを共有すると同時に複数のユーザーで作業できます。これにより、ナレッジを複数の人が同時に登録、検索することができます。

    2 Officeオンライン

    機能はgoogleスレッドシートと同じですが、使い慣れたoffice製品を無料オンラインで使える点が便利です。通常のoffice製品よりも機能に制限があるところに注意してください。

    SaaS型クラウドサービス

    SaaS型クラウドサービスとは、Software as a Serviceの略語で、クラウド上でサービスをいいます。

    1 大企業向けでは、『kintone』、『Garoon』、『Accela』などが導入されています。 kintoneとGaroonはサイボウズの製品です。kintoneはユーザーの自由度が高い業務アプリです。HPの事例には病院で電子カルテを構築した事例もあります。 https://kintone.cybozu.co.jp/

    2 中小企業向けでは、『Freshdesk』、『Qast』がおすすめです。 どちらもQ&A機能に優れています。FreshDeskはメールのやりとりを自動で管理し、これからナレッジを蓄積していこうとする場面で効果を発揮します。

    3 小規模事業向けでは,『DocBase』、『Kibela』がおすすめです。 簡単に情報を蓄積し、欲しい情報を取り出すことができます。スタートでは、この使いやすさは大事です。さらに初期費用を抑えることができます。

    最新のナレッジマネジメントの傾向

    これからのナレッジマネジメントシステムの傾向をまとめます。

    ナレッジマネジメントとAI技術

    ナレッジマネジメントでは、暗黙知を言語化しデジタル化する作業が重要です。この暗黙知をAIによって簡易にデジタル化する技術、さらには、暗黙知を検索するデータマイニング技術が進化しナレッジマネジメントは誰もが簡易に使える傾向にあります。

    AIナレッジマネジメントシステムの事例

    【まとめ】スモールスタートが成功のポイント

    スモールスタートしましょう。

    ナレッジマネジメントの本質やそのメリットを紹介してきました。大事なポイントは、継続的な運用です。現在、提供されているクラウドサービスは、目的や規模にあわせてさまざまなサービスがあります。四つのプロセスのまず一つから実現していって、段階的に大きく育てていきましょう。

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    HR大学 編集部

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