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【実践編】モラールサーベイとは?実施方法、ツールの選び方、活用事例を解説

モラールサーベイの実施方法

【実践編】モラールサーベイとは?実施方法、ツールの選び方、活用事例を解説

目次

    企業が経営目標を達成できるかどうかは、社員一人一人の働きにかかっています。社員のパフォーマンスにどのような要素が影響するか調査する方法に、モラールサーベイがあります。今回は、モラールサーベイの実施方法、ツールの選び方、活用事例を解説します。

    モラールサーベイとは

    モラールサーベイとは

    社員のパフォーマンス向上、組織力強化につながる事実情報を集めるための調査方法として、モラールサーベイがいま、注目を集めています。モラールサーベイとはどんなものなのかを解説します。

    詳細を知りたい方は「 【基礎編】モラールサーベイとは?メリット、活用方法を解説」も合わせてお読みください。

    モラールサーベイの一般的な定義

    モラールサーベイは、年に1回~数カ月に1度、社員のモラールを測定するために実施されます。

    モラールとは、フランス語で「士気」「意欲」と訳され、組織として目的を達成しようとする意欲、態度を意味します。

    社団法人日本労務研究会が、社員のパフォーマンス向上に影響する要素を明らかにするため開発したNRK方式が、始まりです。現在では、多くの企業に普及しています。

    経営課題解決ツールの位置づけとしてのモラールサーベイ

    モラールサーベイは、社員の経営・組織、仕事に対する満足度や、抱えている問題・課題意識を把握するために実施されます。調査項目がそうした要素を測定することに特化しているのです。

    調査結果を科学的に分析することにより、経営・組織の課題を明確化できます。そうした課題に企業として手を打つことにより、社員のパフォーマンスと組織力の向上、ひいては経営目標の達成を実現できます。

    導入のポイント

    モラールサーベイを経営・組織の課題に有効活用するためのポイントを見ていきましょう。

    関連記事として、人事データの経営課題に対する有効活用について、「 【人事必見】データドリブン人事(HR)の導入方法・成功ポイント・事例とは?」も合わせてお読み頂けると、理解が深まります。

    社員が本気で回答するために目的を明確にする 

    経営・組織の課題の可視化に有効な情報を集めるためには、回答する社員が、サーベイに本気で向き合う姿勢を作り出す必要があります。

    その姿勢を作り出すために、実施の目的を言語化し、事前に社員に説明する必要があります。

    実施の目的を、社員一人一人の中に腹落ちさせることが重要です。

    本音を引き出すためにプライバシー保護に留意する

    モラールサーベイの実施方式として、匿名方式・記名方式の二種類があります。

    どちらの方式を選択するかは、会社の風土、文化にもよります。一般的には、匿名方式を選択した方が、課題の抽出に役立つ社員の本音の回答を引き出すことができます。

    社員が安心して回答できる環境を整備するために、匿名方式の調査を検討しましょう。回答内容が社内の誰にも知られないよう、コンサルティング会社等、外部機関のサーベイを利用するのも一つの手です。

    また、社員から本音の回答を集めるためには、プライバシー保護について、サーベイ実施前に入念な説明を行うことも重要です。

    サーベイ実施の目的と合わせて、事前に検討した実施方式や個人情報の運用・管理方法を社員に伝えましょう。

    モラールサーベイの実施方法

    サーベイの実施方法

    モラルサーベイの具体的な実施方法について、まとめました。

    以下ステップを順に見ていきたいと思います。

    ステップ1:目的を整理する
    ステップ2:実施体制を検討する
    ステップ3:社員に事前に説明する
    ステップ4:調査を実施する
    ステップ5:結果を分析する
    ステップ6:課題に対する対策を検討する

    各ステップの注意点、ポイントを説明します。

    目的を整理する

    最初に、サーベイ実施の目的を整理します。サーベイ実施時に社員に説明することを前提に、具体的に考える必要があります。

    例えば、「経営として課題感を持っているアイテムを調査で検証・具体化し、その課題を解決することで、社員の働きがいを促進したい」といった目的が考えられます。

    実施体制を検討する

    次に、サーベイの実施体制を検討します。

    実施方式、内容、対象者の選定や実施時期、結果の活用について考える必要があります。

    内容については、社内独自で質問項目を設計するのか、外部機関を利用するのか、検討します。

    内製、外部委託どちらを選択するかは、実施の目的、かけられる予算や工数、スケジュールの余裕度に左右されます。

    外部委託する場合、コストはかかりますが、目的に合った質問項目の設計・選定や、実施スケジュールの設定を任せることができます。品質・工数面で内製よりも負荷が低減できます。

    社員に事前に説明する

    社員に対して、実施する内容や目的、プライバシー保護について説明します。

    社員から本気・本音の回答を引き出すため、実施目的、プライバシー保護については特に入念に説明しましょう。

    調査を実施する

    サーベイを実施し、社員の回答を回収、結果を集計します。

    匿名性を保持するため、社員の回答内容は注意して管理する必要があります。

    例えば、ウェブで回答する場合、アクセス権限がある者だけが、閲覧できるようにする等、厳重な管理体制を整備しましょう。

    結果を分析する

    結果を分析し、経営・組織の課題を明確化します。集計作業が完了したら、まず、会社全体の回答状況を確認します。

    質問項目別に社員のモラールの状況を確認し、どの分野のどの項目のモラールが高いのか、低いのかを把握することが重要です。特に低い項目については、どうしてその結果になったのか、課題を整理します。

    次に役職、職種、年齢等の社員属性情報を切り口に、モラールの状況を分析し、課題を整理します。

    例えば、経営方針の理解度、浸透度を問う項目で、管理職層は結果がよく、一般社員層は結果が悪かったとしましょう。

    その場合、課題としては、管理職層に方針が浸透しているが、一般社員層には浸透していないということになります。

    なお、サーベイにフリーコメント欄が設けられている場合は、社員の回答内容を一つ一つ丁寧に確認しましょう。

    定型の質問項目では把握し難い社員の本音が書かれているためです。

    課題に対する対策を検討する

    経営・組織の課題に対して対策を検討し、サーベイの実施結果とともに社員に周知します。

    対策については具体的なアクションプランではなく、方針がまとまった段階で、結果とともに速やかに社員に伝えましょう。

    会社が社員の意見を吸い上げ、課題を解決しようという姿勢を社内に見せるためにも、スピード感を持って、対応する必要があります。

    モラールサーベイツールの選び方

    モラールサーベイツールは、大きく二種類に分けられます。所定の質問項目で構成される「パッケージ型」と、質問項目を一から設計する「オーダーメイド型」です。内製でサーベイを設計する場合は、「オーダーメイド型」に含めます。

    ここでは、企業のニーズに合わせて、サーベイ導入時にツールを選ぶ際の注意点、ポイントを説明します。

    時間・コストをかけずに導入したい

    パッケージ型が適しています。パッケージ型は、所定の質問項目に社員が回答すると、機械的に調査結果が集計されます。したがって、導入から結果が出るまでにかかる時間は短く、コストも抑えられます。

    結果を受けて、課題を抽出したい

    サーベイ導入の段階では、経営・組織の課題が見えておらず、結果を受けて課題を明確化したい場合、パッケージ型が適しています。

    パッケージ型は、他社での導入実績があります。結果の分析から課題の抽出、対策とその効果確認まで豊富なノウハウを持っていることが多いのです。そのため、安心感を持ってサーベイを導入できます。

    課題を検証するために導入したい

    オーダーメイド型が適しています。オーダーメイド型は、企業の状況に合わせて質問項目を設計し、社員の回答を得た後に、その企業独自の分析を実施します。課題が見えている場合、検証のための質問項目を設計できるため、解決策を導きやすいです。

    ただし、質問項目の作成と分析は、自社に合わせて行うため、時間とコストがかかります。

    外部委託する場合は、作成・分析の担当者が、オーダーメイド型のサーベイについて、豊富な知見と実績があるか、確認することも必要です。

    モラールサーベイのツール紹介

    モラールサーベイのツール紹介

    モラールサーベイのツールとして代表的なものに 社団法人日本労務研究会が開発した二種類のツールがあります。

    「NRK方式モラールサーベイ」と「厚生労働省方式モラールサーベイ」です。

    それぞれのツールの特徴について、目的、対象企業、内容、コスト等の観点から比較説明します。

    NRK方式モラールサーベイ

    NRK方式モラールサーベイとは、 社団法人日本労務研究会が、1955年に開発した日本最古のモラールサーベイ手法です。(※参考)日本労務研究会:「 モラールサーベイ(従業員意識調査)とは」より

    • 目的
    • 対象企業
    • 内容
    • コスト
    • 実施方式

    厚生労働省方式モラールサーベイ

    厚生労働省方式モラールサーベイは、同じく 社団法人日本労務研究会が開発したモラールサーベイの手法です。NRK方式から2年後の1957年に生まれました。
    (※参考)日本労務研究会:「
    社員意識調査(NRCS)とは?」より

    • 目的
    • 対象企業
    • 内容

      サービス業
    ①経営への信頼、②上司への信頼、③顧客満足、④労働条件、⑤職場生活満足の5つの分野、合計40問の標準質問項目で構成されている

     サービス業以外の業種
    ①経営方針、②組織命令系統、③コミュニケーション、④労働条件、⑤仕事のやりがいの5つの分野、合計39問の標準質問項目で構成されている

    • コスト
    • 実施方式

    まとめると、NRK方式モラールサーベイは、主に大企業を対象とした、企業の状況に応じた質問項目を設計できるツールです。

    一方、厚生労働省方式モラールサーベイは、主に中小企業を対象とした、結果を世間一般と相対比較できるツールといえます。

    モラールサーベイの活用事例

    サーベイの活用事例

    最後に、モラールサーベイを社員のパフォーマンス向上、組織力の強化に活用している企業の事例を取り上げます。

    イオングループ 

    イオングループでは、社員の働きがい、働きやすい職場環境実現のため、傘下のグループ企業に対し、毎年独自のグループモラールサーベイを実施しています。

    奇数年度と偶数年度で目的、実施内容が異なっています。

    奇数年度は、各社がグループの中での自社の位置づけ、強み・弱みを把握するため、グループ共通のサーベイを実施しています。

    偶数年度は、課題となっている項目に対して、原因を深堀するため、その企業独自のサーベイを実施しています。そうして実施されたサーベイの結果や改善策は、社内で共有され、全社一丸となって組織力強化の取り組みが行われています。

    トヨタグループ

    トヨタグループでは、職場マネジメントの質の向上を目的として開発された MASTというトヨタグループ独自のサーベイを毎年、実施しています。

    MASTは「Management-quality AdvancementSystem developed by Toyota-group」の略です。

    経営・組織のマネジメントが社員のパフォーマンスに及ぼす影響を把握し、マネジャー育成の研修や職場マネジメントの改善活動につなげています。

    これらの改善策により、管理職層を中心に社員のパフォーマンス向上、組織力強化を図っています。

    富士ゼロックス

    富士ゼロックスでは、1978年からモラールサーベイ(当時の呼称は従業員意識調査)を導入しており、海外含め、グループ会社共通のサーベイを毎年、実施しています。

    実施結果は、経営方針の策定や、組織の課題解決のための情報として活用しているほか、社員にも周知しています。

    長年培ったノウハウを活かして、モラールサーベイのコンサルティング事業も展開しています。

    モラールサーベイを有効に活用し、社員のパフォーマンスを向上させる

    以上、モラールサーベイについて見てきました。

    モラールサーベイとは、年に1回~数カ月に1度、社員のモラールを測定するために実施される調査です。

    モラールは、組織として目的を達成しようとする意欲、態度のことです。

    モラールの向上は、社員のパフォーマンス向上に、ひいては組織力の強化につながります。組織力が強化されれば、経営目標の達成に近づきます。

    社員のパフォーマンス向上につながる事実情報を集めるために、モラールサーベイは有効な調査方法といえるでしょう。

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    HR大学 編集部

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