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ポータブルスキルとは?意味・構成要素、向上させる研修例を解説

ポータブルスキルの基本を解説

ポータブルスキルとは?意味・構成要素、向上させる研修例を解説

目次

    近年、従業員に求めるスキルとして「ポータブルスキル」が話題です。

    業務に関する専門知識や経験は実務的な面においても組織成長の重要な要素ですが、それと同じくポータブルスキルは、人材育成や人材配置に大きく影響を与えると言われています。ポータブルスキルの構成要素や、良く似た言葉である対人スキル・対自己スキル・対課題スキルの詳細や向上させる研修方法やメリットについて解説します。

    ポータブルスキルとは?

    ポータブルスキルとは

    ポータブルスキルは、個人が持っているスキル全般を指します。例えば、性格/人柄・コミュニケーション能力・専門知識などの個人スキル全般です。ポータブルスキルの意味や求められる背景を解説します。

    ポータブルスキルの意味

    ポータブルスキルを日本語に訳すと、portable(持ち運びできる)skill(能力)を意味します。

    厚生労働省によると、ポータブルスキルとは“業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能な能力」”と定義されています。ポータブルスキルとは、実務経験や資格のように明確な基準がなく、業種・役職・職種・部署と幅広い層に汎用できるスキルです。

    ポータブルスキルと似た言葉として「トランスファラブルスキル(transferable skill)」があります。持ち運びができる能力という意味ではポータブルスキルと同じですが、社会人経験の有無で使い方が異なります。

    ポータブルスキルは社会人経験がある人向け、トランスファラブルスキルは社会人経験がない人に対して用いられるスキルです。

    トランスファラブルスキルは「対課題スキル」「対人スキル」「対自己スキル」の3つが構成要素として挙げられます。

    なぜポータブルスキルが必要なのか

    かつては年功序列や終身雇用制度を取り入れる企業が一般的でした。

    しかし近年、新型コロナウイルス感染症による経済的ダメージや雇用法の改正などにより、従来と同じ雇用を維持するのが難しくなりました。

    求人大手メディアdodaのホンネの転職白書によると、25~39歳の正社員として就業する人の約50%が転職経験ありと言われており、雇用の流動化は高いと言えます。特定の1つの企業や部署を、生涯勤め上げるのは非常に難しいため、どんな業種・職種・社会情勢でもあっても柔軟に通用できるスキルが望ましいでしょう。

    また、企業側にとってもポータブルスキルをもった従業員は必要な存在です。先述したように、雇用の流動性が高い今。従業員がいきなり退職し、健全な運営ができない状態も起こりえます。

    企業側は突然の欠員が発生しても、今ある人材やリソースを活用し対応しなければなりません。ポータブルスキルを持った従業員なら、新しく配置する部署でも柔軟に対応し成果を上げてくれるでしょう。社会情勢や経営状態による急な配置転換が起きても、幅広く活躍できる人材が求められるのです。

    ポータブルスキルの構成要素

    業種や職種などが変わっても、通用できるスキル全般がポータブルスキルです。ポータブルスキルの構成要素を、 厚生労働省が提唱する情報をもとに分かりやすく解説します。

    専門技術/知識

    専門技術/知識とは、業務を遂行するために必要な技術/知識を指します。特定の業界や職種のみに適応が可能であり、活用できる場面はポータブルスキルの中でも最も限定的なスキルです。別名、テクニカルスキルとも呼ばれます。

    かつての労働市場では専門技術/知識を特に重要視されており、今でも実務をこなす上で重要な基礎的スキルと言えるでしょう。専門性が高いスキルによっては、組織に付加価値を提供できるため高いニーズがあります。

    仕事のし方

    厚生労働省の「ポータブルスキルの活用研修について」によると、成果をあげるために重要な行動に「課題を明らかにする」「計画を立てる」「実行する」の3つの要素が挙げています。

    「仕事のし方」とは、業界や職種に関わらず仕事を行う上で必要な能力です。

    計画性・柔軟性・課題発見の能力が高い人は、専門技術/知識をつける事で業種/業界が変わっても幅広く活躍できるでしょう。

    人との関わり方

    人との関わり方とは「社内対応(上司・経営層)」「社外対応(顧客・パートナー)」「部下マネジメント(評価や指導)」の3つの要素を挙げています。

    社内/社外、役職に関係なく円滑にコミュニケーションが取れるかどうかがポイントです。近年では業務のオンライン化が進み、人との直接的な関わりが希薄化しています。部下/上司とのコミュニケーション方法や連携ミスに悩む方も珍しくないでしょう。

    ニューノーマル時代の今だからこそ、社内外問わず相手と柔軟な姿勢で対応するコミュニケーション能力が必要不可欠です。人との関わり方のスキルが高い人は、部署/チームと良好な関係性を築きながら業務を円滑に進めるでしょう。

    ポータブルスキル着目のメリット

    ポータブルスキルのメリット

    ポータブルスキルに着目した人事施策・採用活動は、どのようなメリットがあるのでしょうか?得られるメリットを具体的に解説します。

    採用力が向上する

    ポータブルスキルに着目した採用活動は、質の高い応募者を選別できるでしょう。

    かつては専門技術/知識を重視した採用傾向がありましたが、徐々に人柄やコミュニケーション能力、計画性や柔軟性と言ったポータブルスキルが注目されています。専門技術/知識が充分にあり、過去に素晴らしい実績を残した人材であっても、自社で活躍できるとは限らないからです。

    例えば経験や知識が豊富な人材であっても、応募意欲が低い・経営方針に反発的な考えを持っていては、入社後の成長や貢献度が低くなると考えられるでしょう。その一方で、専門知識/知識が不足していても、課題発見能力・行動力や自社への志望意欲が高い人材は、採用後の活躍が期待できます。

    採用活動には、組織が求める経験や知識や資格・学歴のほかに、個人が持つコミュニケーション能力や考え方などのポータブルスキルも採用条件に入れると良いでしょう。

    精度が高い採用基準の構築により、ミスマッチや離職防止に効果が期待できます。

    人材育成/能力開発

    ポータブルスキルは効率的な人材育成/能力開発ができます。従業員のポータブルスキルが分かれば、1人1人に合わせた育成計画が立てやすくなるからです。

    さらに従業員が自身のポータブルスキルを向上すれば、自身の能力開発や業務の効率化を意識するきっかけになり、今までより高い目標へ挑戦する意欲も出るでしょう。

    さらに人材育成のポイントや具体的な方法について、詳しく知りたい方は 「【実践編】人材育成って何やるの?これを読めば基本的考え方と具体的な企画方法がよくわかる」をご確認ください。

    人員配置の適材適所

    ポータブルスキルの活用は、人材の最適配置に役立ちます。業務に対する業績結果は評価する上で重要なポイントです。

    しかしポータブルスキルを評価項目に追加し活用すれば、業績だけでは測れない従業員個人の能力を把握できるでしょう。

    とくにポータブルスキルは、どの業界・職種でも通用できるスキルなので人事異動を考える際の参考材料となります。

    専門技術/知識のほかに人柄や考え方など、多様な評価基準により適材適所な人員配置ができるでしょう。

    適材適所な人員配置について、さらに詳しく知りたい方は 「【人材管理:人員配置編】人員配置のメリット・適切な手順や目的、ポイント」をご確認ください。

    ポータブルスキルを向上させる研修・体制

    ポータブルスキルの研修・体制

    ポータブルスキルの向上に役立つ研修や学ぶのに最適な人事施策や体制を紹介します。

    厚生労働省:ダウンロード可能・ポータブルスキル活用研修と資料

    全ての世代でキャリアチェンジを成功させるために、業種/業界や職種を超えた共通のスキルを活かす研修方法です。

    厚生労働省のホームページでは、ポータブルスキル研修用のテキストを公開しています。テキストはダウンロードできる形式のため、社内研修や自己学習にも活用できるでしょう。以下のページより、動画、事例、解説資料、テキストやワークシート、ロールプレイング資料などをダウンロードできます。

    ポータブルスキル向けの外部研修を活用

    ポータブルスキルの研修サービスを行う民間企業があります。従業員自らが研修施設に行く・外部講師を社内に招いて講義をしてもらう等、研修サービスの方法は様々です。民間企業によっては、基本のビジネスマナー・ロジカルシンキング・コミュニケーション能力・セルフコントロールの向上など、幅広い研修項目があります。

    新入社員からベテラン社員まで、従業員の役職やスキルに合わせた育成に役立てることができるでしょう。

    目標管理と評価制度を整備する

    従業員のポータブルスキル向上のために、目標管理と評価制度の整備をしましょう。

    「どうすればポータブルスキルを磨けるのか」「評価される具体的な行動」「業務上に求められる考え方」について、経営方針に従い上司と決定します。

    そうすれば、従業員が自分のポータブルスキル向上に必要な行動や考え方などを明確にすることができます。定期的に目標達成の進捗状況、目標内容や誰が管理しているのかを確認しましょう。目標管理する手法としてOKRが手段の一つです。OKRの仕組みや目標設定に困った時の対処法について、詳しく知りたい方は 「OKRを導入したい!でもやり方がわからない…設定のポイントと目標の作り方」をご確認ください。

    ポータブルスキルで従業員のスキルを多角的に評価できる

    「ポータブルスキル」の意味や構成要素、メリットや学ぶ方法について解説しました。

    ポータブルスキルとは、業種・役職・職種・部署と幅広い層に汎用できるスキルです。「専門技術/知識」「仕事のし方」「人との関わり方」の3つが構成要素であり、どれも組織成長に必要不可欠な要素だと分かります。

    ポータブルスキルを活用する事で、採用活動・人材育成・人員配置の効率化も期待できるでしょう。

    そのためには、従業員が持つポータブルスキルや経験を活かせるよう、目標管理や評価制度を適切に整備しなければなりません。

    HRBrainは従業員データを始め、人材管理・評価制度を活用し、組織の確かな成長につなげる人事評価クラウドです。HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。

    「従業員のポータブルスキル向上のため、各部署と人材をリンクした管理がしたい」

    「ポータブルスキルの活用後、従業員のスキルや評価、目標管理を適切に管理したい」

    「そろそろ人事制度を整備したいが大変だし、誰に相談したらいいか分からない」

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    HR大学 編集部

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