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賞与制度とは?平均や決め方、業績連動賞与の事例を解説

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賞与制度とは?平均や決め方、業績連動賞与の事例を解説

目次

    賞与制度とは?

    賞与制度とは

    賞与制度には賞与を支払うためのルールが定められています。ここでは、賞与制度の概要や仕組みについて説明します。

    賞与制度とは

    そもそも賞与とは、ボーナスともいわれ、月々支払われる給与とは別に支給される賃金です。定期または臨時的に、業績や勤務成績に応じた額が支給されるものです。

    賞与支給の制度を設けたときは、その内容を就業規則等に定めなければなりません。この制度を賞与制度といいます。賞与制度として就業規則に定める内容は、主に次のとおりです。

    ・支給時期
    ・算定期間
    ・支給対象者、条件
    ・減額、または不支給とする場合はその旨

    賞与の有無 | 必ず支給されるもの?

    賞与は労働基準法上、必ず支給すべきものではありません。賞与を必ず支給するか否かは、企業による賞与の考え方によって違いがあります。一般的には「利益配分」という考え方が多く、利益で賞与の支給原資を確保できなかった場合、企業によっては支給されないこともあります。

    賞与を支給しないことがある場合、その旨を就業規則に定める必要がありますが、この定めがないと、たとえ業績悪化等の事由があったとしても支給義務は免れません。

    賞与の支給日や回数、平均

    ・賞与の支給日や回数
    賞与の支給日や支給回数の法的な定めはなく、各企業の裁量によります。一般的には、夏・冬の年2回と定めていることが多くありますが、場合によっては決算賞与といった名目で、臨時的に支払われることもあるでしょう。

    賞与の支払時期や回数など賞与制度を定めた場合には、「相対的記載事項」として就業規則に記載が必要です。

    ・賞与額の平均
    経済状況や企業業績によって、支給額が左右される賞与。業界や企業規模によっても、大きく差があります。

    厚生労働省調査によると、2021年夏賞与の全産業(事業所規模5人以上)の平均支給額は、380,268円で対前年比0.8%減となっています。業界別に見ると、平均支給額上位は次のとおりです。

    ・電気・ガス業 867,560円
    ・情報通信業 665,248円
    ・学術研究等 653,687円
    ・金融業,保険業 643,656円
    ・教育,学習支援業 499,483円

    平均支給額最下位は、「飲食サービス業等」が47,083円であり、業界によって大きな開きがあることがわかります。

    (※参考) 厚生労働省:「毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等

    賞与制度を考える上で重要な就業規則について、さらに詳しく知りたい方は、「就業規則あなたの会社は大丈夫?テレワークやパートタイムはどうなるの?」をご覧ください。

    どのような種類がある?!賞与の種類

    賞与の種類

    日本で多く採用されている、基本給の◯ヶ月分といった基本給をベースとした賞与。しかし、賞与は大別すると3つの種類があるのをご存じでしょうか。ここでは、賞与の種類を解説します。

    基本給連動型賞与

    日本で、最も多く採用されている基本給連動型賞与。「基本給×◯ヶ月分」というように、基本給をベースに賞与が決定する仕組みの賞与です。

    賞与の算定基準額を「基本給」としているため、月々の給与に含まれる家族手当や住宅手当といった各種手当は、算定基準額に含まれません。算定基準日現在における基本給額に、支給月数を乗じて計算します。

    業績連動型賞与

    経団連の調査によると約6割もの企業が導入している業績連動型賞与。営業利益や経常利益などの利益を基準に、賞与額を連動させる仕組みの賞与です。約半数の企業が、本業の儲けを表す「営業利益」を指標としています。

    業績に連動して、賞与の額が決定されるため、業況に応じた賞与支給が可能です。しかし、決算時期に業況が大きく変化したときは、業績に合わない賞与支給をしなければならないリスクがあります。

    決算賞与

    企業の年度業績の利益配分として、臨時的に支払われることのある決算賞与。企業は、決算により利益が生じた場合、利益を将来の備えとして蓄える内部留保のほか、株主や役員・従業員にそれぞれ利益配分します。

    従業員には、夏・冬に支給する通常賞与で還元することが一般的です。しかし、決算の結果、高い利益をあげた場合、臨時的に決算賞与として、従業員に還元する仕組みの賞与です。

    どのように決まる?!賞与の決め方|設計2つの要素

    賞与の決め方

    賞与の決め方として大別される、賞与原資と配分方法。ここでは、賞与設計の要素として賞与原資と配分方法の類型について解説します。

    支給総額となる賞与原資

    賞与の支給総額となる賞与原資。賞与原資には、「基本給連動型」と「業績連動型」に大別されます。

    【基本給連動型】
    日本で多く採用されている方式で、基本給に支給月数を乗じて算出する仕組みです。賞与支給対象者の平均基本給に支給月数と支給人数を乗じて、賞与原資を求めます。

    支給月数を労使交渉で決定するものの、基本給をベースにしているので、人件費を業績に応じて連動させづらい一面があります。

    ・基本給連動型の賞与原資における計算式例

    平均基本給×支給月数×支給人数

    【業績連動型】
    近年、適用する企業が増加している方式で、人件費の適正化を図りやすい特徴があります。営業利益や経常利益など、利益の額に応じて一定の支給率を乗じる仕組みが一般的です。

    ・業績連動型の賞与原資における計算式例

    図

    ※上記の各段階の賞与原資額を合算します。詳しい計算例は、4章の事例で解説します。

    賞与配分方法の主な類型

    賞与原資を賞与支給額として、個人別に配分する賞与配分。大別すると3つの方式があります。

    【給与連動方式】
    最も多い配分方式である給与連動方式。「基本給」をベースに、各個人の等級や評価の「係数」、業績に応じて決定される「業績支給月数」から、支給額を決定します。

    係数は、職能等級や評価が高いほど係数は大きく、低いと係数は小さくなります。各個人に対する評価は、A評価が25%、B評価が50%、C評価が25%というように、評価分布を調整する「相対評価」が必要になります。

    給与連動方式における計算式例

    基本給×職能等級係数×評価係数×業績支給月数

    【別テーブル方式】
    ベースを基本給ではなく、賞与算定基礎額を役職位や職能等級毎に、別テーブルに定める別テーブル方式。ベースが基本給ではないことから、柔軟なテーブルの設計が可能です。計算の仕組みは、給与連動方式に近い計算式です。各個人に対する評価は、給与連動方式と同様、「相対評価」が必要です。

    給与連動方式における計算式例

    役職位・職能等級別基礎額×評価係数×業績支給月数

    【ポイント方式】
    職能等級や役職位、評価などに応じて、個人毎に「個人ポイント」を付与し、ポイント単価に個人ポイントを乗じて支給額を決定するポイント方式。ポイント単価は、賞与原資を「個人ポイントの総合計」で除して求めます。そのため、評価の偏りが生じても、ポイント単価が変動するだけであり、評価調整をする必要がありません。このことから、各個人に対する評価は「絶対評価」が可能であり、評価の不満を解消できるメリットがあります。

    ポイント方式における計算式例

    個人ポイント×ポイント単価(※)

    (※)ポイント単価=賞与原資÷個人ポイント総合計

    知っておきたい、業績連動賞与の事例

    業績連動賞与の事例

    近年、注目を集めている業績連動型賞与。業績連動型賞与といっても、利益率や生産性指標など、企業の目的によって基準が変わります。ここでは、利益率と生産性指標を用いた業績連動型賞与事例を紹介します。

    事例1:利益を用いた業績連動型賞与事例

    利益を用いた業績連動型賞与を採用する場合、合理的な利益は、本業の儲けを表す「営業利益」が最適です。

    「経常利益」を用いた場合、本業の儲けに関係のない、金利や利息などの要素が含まれるため、従業員から納得感を得にくい可能性があります。

    次に、利益を用いた業績連動型賞与における、ある従業員の計算例を説明します。

    【社員Aの属性】

    ・等級:4等級(課長)
    ・基本給:35万円
    ・評価:B

    ※従業員数は100名、平均基本給は25万円。

    【賞与原資の計算】

    図

    例えば、期末の営業利益額が6億円の場合、次のとおりです。

    ・5億〜10億円以下の部分:1億円×15%→1,500万円
    ・1億〜5億円以下の部分:4億円×5%→2,500万円
    ・1億円以下の部分:0円

    上記「1,500万円」「2,000万円」「0円」を合算し、賞与原資は合計3,500万円となります。

    【賞与配分の計算例】

    算出した賞与原資に基づき、自社の取り決めた配分方法で個人賞与額を算出します。

    ・等級係数テーブル

    等級係数テーブル

    ・評価係数テーブル

    評価係数テーブル

    ・支給月数

    従業員数100名で平均基本給25万円、賞与原資3,500万円の場合は、次の計算式から支給月数を求めることができます。

    賞与原資÷(平均基本給×従業員数)

    =3,500万円÷(25万円×100名)

    =1.4ヶ月

    【社員Aの計算例】

    ・等級:4等級(課長)
    ・基本給:35万円
    ・評価:B

    基本給×職能等級係数×評価係数×業績支給月数

    =35万円×1.3×1×1.4

    =63.7万円

    上記から、社員Aの賞与額は、63.7万円となります。

    事例2:生産性指標を用いた業績連動型賞与事例

    業績連動賞与の指標は、利益だけではありません。「生産効率を高めたい」「残業を減らすインセンティブとして賞与を活用したい」といった場合は、生産性指標を用いることも有効です。

    生産性指標の最も代表的なものは「労働生産性」で、労働者が1人あたりどれだけ稼ぎ出すかを測る指標です。

    【労働生産性】

    付加価値÷従業員数

    次に、生産性指標を用いた業績連動型賞与における、ある従業員の計算例を説明します。

    【社員Bの属性】

    ・等級:5等級(部長)
    ・基本給:45万円
    ・評価:A

    ※従業員数は120名、平均基本給は28万円。

    【賞与原資の計算】

    賞与原資の計算

    例えば、期末の付加価値額が900万円の場合、次のとおりです。

    ・800〜1,000万円以下の部分:200万円×20%→40万円
    ・600〜800万円以下の部分:200万円×10%→20万円
    ・600万円以下の部分:600万円×5%→30万円

    上記「40万円」「20万円」「30万円」を合算し、一人当たりの賞与原資は90万円となります。

    賞与総額となる賞与原資は、次の計算式から3,600万円となります。(労働生産性は、従業員1人あたりの指標であるため、賞与総額を求めるには従業員人数を乗じる必要があります)

    1人当たりの賞与原資×従業員人数

    =90万円×120名

    =3,600万円

    【賞与配分の計算例】

    算出した賞与原資に基づき、自社の取り決めた配分方法で個人賞与額を算出します。

    ・等級係数テーブル

    等級係数テーブル1

    ・評価係数テーブル

    評価係数テーブル1

    ・支給月数

    従業員数120名で平均基本給28万円、賞与原資3,600万円の場合は、次の計算式から支給月数を求めることができます。

    賞与原資÷(平均基本給×従業員数)

    =3,600万円÷(28万円×120名)

    =1.07ヶ月

    【社員Bの計算例】

    ・等級:5等級(部長)
    ・基本給:45万円
    ・評価:A

    基本給×職能等級係数×評価係数×業績支給月数

    =45万円×1.4×1.2×1.07

    =80.8万円

    上記から、社員Bの賞与額は、80.8万円となります。

    【まとめ】自社の経営目的に合った指標を用い、業績連動賞与を検討しましょう

    賞与制度の仕組みや決め方、設計方法のほか、業績連動賞与の事例をわかりやすく説明しました。

    経団連の調査によると、約6割の企業が業績連動賞与を導入しており、多くの営業利益の指標を用いています。

    本記事を参考に、自社の経営目的に合った指標を用い、業績連動賞与を検討しましょう。

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    HR大学 編集部

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