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リモートワークでも注意が必要。長時間労働を避ける具体的な方法とは

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リモートワークでも注意が必要。長時間労働を避ける具体的な方法とは

目次

    コロナショックにより、企業でもリモートワークが推進されています。「通勤時間が無くなり、効率的な働き方ができる」という声もある一方で、長時間労働が助長されるのではないかという意見も上がっています。

    今回は長時間労働の実態から、リモートワーク時の長時間労働対策まで見ていきましょう。

    長時間労働の定義

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    そもそも長時間労働とは、何時間以上働いた場合を意味するのでしょう。実は、長時間労働に関する定義がそもそも曖昧だったりもします。まずは、長時間労働とは何か正確に捉えるところからスタートしましょう。

    まず長時間労働とは、実際の労働時間が法定労働時間を大きく上回る状態を指します。この「大きく上回る」というのがポイントで、実は何時間上回ったら長時間労働になるのか法的な基準はありません。つまり、長時間労働か否かは「ケース・バイ・ケース」というわけです。

    しかし、企業は従業員との間で「36協定」を締結しているケースがほとんどです。「36協定」とは、正式名称を「時間外労働・休日労働に関する協定」といいます。

    企業で働いている方も、「1ヶ月あたりの残業は45時間まで」とか聞いたことがあるかもしれません。この基準は、まさに36協定によるものです。

    また昨年から始まった働き方改革により、労働時間の上限が厳しく設けられました。具体的には「月45時間を超える残業ができるのは年間6ヶ月まで」、「(2ヶ月以上の)複数月残業時間の平均を月80時間以内に抑える」、「時間外労働は月100時間まで」などです。

    これらは臨時的かつ特別な事情があり、労使で合意があっても超えてはなりません。大企業では2019年4月から、中小企業でも2020年4月から適用されています。

    仮に違反した場合、罰則として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。また長時間労働を科したとして、社会的信用を失うリスクもあるでしょう。

    日本や世界における長時間労働の実情

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    日本では「過労死」という言葉があるように、長時間労働が大きな問題になっていました。このような背景もあり、長時間労働の是正に向けて取り組みを始め、その成果も徐々に出てきています。

    厚生労働省がまとめている「平成30年 労働力調査年報」によれば、雇用者のうち週間就業時間が60時間以上の就業者の割合は6.9%と2017年から0.8ポイントも低下しました。また10年前の2008年が10%だったことを踏まえると、長時間労働は改善しつつあると言えます。

    しかし世界各国と比較すると、日本の長時間労働は顕著と言わざるを得ません。独立行政法人労働政策研究・研修機構がまとめた『データブック国際労働比較2018』によると、日本の1人あたりの平均年間総実労働時間は1713時間。これはトップの韓国(2069時間)、アメリカ(1783時間)、イタリア(1730時間)に次ぐ多さです。

    ちなみに、労働時間が短いと言われているドイツ(1363時間)、デンマーク(1410時間)、ノルウェー(1424時間)、フランス(1472時間)と比べると高い水準にあるのがわかります。

    企業に潜む長時間労働の原因

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    世界的に見ればまだまだ長時間労働を強いられている日本の労働者。しかし、なぜ日本で長時間労働が無くならないのでしょうか。

    その実態について、平成29年3月に株式会社日本経済新聞社が「長時間労働の原因に対する意識」に調査を実施しています。この結果によれば、「管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足」(44.2%)が最多で、次に「人手不足(業務過多)」(41.7%)、「従業員の意識・取り組み不足」(31.6%)と並びます。

    マネジメント不足を指摘されている部長クラスからは「長時間労働を是とする人事制度・職場の風土」(40.0%)があると指摘。これらの声を総合すると、日本の企業には「長時間労働を善」とする風潮があり、これによりマネジメント層をはじめ従業員の意識改革が進まない現状が浮き彫りになります。

    リモートワークでも長時間労働が起きる

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    昨今のコロナウイルス感染拡大に伴い、リモートワークの導入が急速に進みつつあります。リモートワークになると、従業員個人がある程度裁量を持って業務に取り組めるようになり、長時間労働が是正されるのではないかという声もある一方で、むしろ長時間労働がますます悪化するのでと懸念する声もあります。

    なぜリモートワークにより長時間労働になってしまうのか。それには様々な要因が考えられます。

    まず一つは、仕事をする場と生活をする場の区切りがなくなることです。オフィスで業務をしている際は、退勤すればその日の業務に区切りがつけられます。同僚も帰宅したと認識して、翌日以降に仕事を依頼するようになるかもしれません。

    しかしリモートワークになってしまうと、仕事の区切りがつけられなくなります。やり取りはSlackなどのメッセンジャーアプリが主体となり、上司や同僚によっては時間関係なく連絡をするケースも考えられます。これにより、夜遅くまで仕事に追われる事態も起こりうるのです。

    また上司などから連絡がなくても、常時メッセンジャーアプリからの連絡を気にしたり、やり残した業務に気づくと、時間に関係なく都度取り組んでしまうこともあります。結果的に昼夜問わず仕事から離れられない状況を生んでしまいます。

    もう一つは、オンラインで仕事を進めるがゆえに、会議などが切れ目なくびっしり埋められることです。移動がないため、常に同じ場所で会議も作業もできます。しかし、そのため休憩などが取りづらくなり、ずっと働き詰めのような状態になる可能性もあります。

    そして、Zoomなどのビデオ会議ツールやSlackなどのメッセンジャーアプリの使用に慣れていないと、慣れるまでの間は生産性が落ち、業務が捗らないことも想定されます。これにより、業務にかける時間がいつも以上に長くなり、結果的に長時間労働になるのです。

    仕事の効率化を実現できるのは大きなメリットのように感じますが、そこに人間が適応できるかどうかは今後の大きな課題となりそうです。

    企業・個人でできる対策

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    リモートワークによっても発生しうる長時間労働。これを軽減させる方法として、休憩時間の確保、退勤時間の明確化が挙げられます。

    休憩時間については、業務時間によって一定の時間取るように法律で決まっています。お昼に1時間休憩を取るビジネスパーソンの方も多くいらっしゃるかと思いますが、これは先ほどもお伝えしたように、8時間以上働く場合は1時間の休憩を取るよう義務付けられているためです。

    リモートワークの場合、お昼休みの感覚すら薄れてしまう可能性があります。オフィスであれば、同僚が席を立ち始めて休憩時間の開始を意識できますが、自宅などで1人で作業しているとこのようなシグナルもありません。そのため長時間労働が発生しやすくなります。

    また退勤の時間を明確にするのも一つでしょう。メッセンジャーアプリで「本日の業務は終了します」と宣言して、その後のタスクは翌日以降に対応する。このような区切りをつけることで、タスクに追われてその日の業務がいつまでも終わらないという自体を避けることができます。

    これらの取り組みは、個人が意識するのはもちろん、企業の人事も従業員に対して積極的に喚起する必要があります。社内全体で適正な業務時間で働ける環境を作ることが長時間労働を減らす第1歩になるのです。

    世界的に見てもまだまだ長時間労働がはびこる日本。その根絶は企業と従業員一人一人の心がけにかかっています。

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    HR大学 編集部

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