労務管理
良い職場環境の作り方!アットホームな職場ほどチームワークは良い?
目次
職場環境とは
良い職場環境の解説の前に、職場環境とは具体的にどういう要素で構成されているか、職場環境の要素について解説します。
職場環境とは
職場環境とは、「働く従業員を取り巻く周辺環境」のことです。職場環境には、照明の明るさ・環境音・デスク環境といった物理的な環境から、上司や同僚との人間関係といった精神的な環境までを含みます。労働安全衛生法では、職場環境に対する配慮義務があると定められており、従業員にとって働きやすい環境を整備することは経営者にとって義務と言えるでしょう。
職場環境の3要素
職場環境は、物理的な環境から、精神的な部分までを含みます。これらは大きく3つの要素に分けることができます。
- 作業環境
- 人間関係
- 仕事内容
の3つです。それぞれ解説していきましょう。
作業環境
1つ目が「作業環境」です。物理的な環境であり、
- 照明の明るさ
- 周辺環境音
- デスク、椅子
- 空調
- パソコン
等があたります。労働安全衛生法にて定められている部分でもあり、仕事がしやすく健康を害さない作業環境を整備しなければなりません。
人間関係
2つ目が「人間関係」です。職場における人間関係は働きやすさに大きな影響を与えます。上司や同僚と円滑なコミュニケーションができ、風通しのよい職場であれば仕事のパフォーマンスは向上し、高いモチベーションを持って仕事に取り組むことができるでしょう。一方、コミュニケーションが取りづらく、上司から一方的に指示されるようなストレスを感じる職場では、本来持つ能力を発揮できません。
仕事内容
3つ目が「仕事内容」です。仕事の量や質も職場環境の要素の1つです。与えられた仕事の難易度が高すぎると大きなストレスとなり、期待したパフォーマンスの発揮は難しいでしょう。一方、難易度が低すぎてもモチベーションの維持が難しく、離職につながってしまうかもしれません。従業員一人一人の適正と能力を見極め、適した仕事を任せることが重要です。
職場環境を整える効果
アットホームな職場が良いと言われることもありますが、そのような職場環境を整えることでどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、職場環境を整える効果を解説します。
モチベーションの向上
1つ目が「モチベーションの向上」です。働きやすい職場環境は従業員の仕事へのモチベーションを向上させる効果があります。まず、ベースとなるのは作業環境です。作業しやすく生産性の高い作業環境がある中で、適切な仕事を良好な人間関係のもと行うことで、仕事が成功する可能性が高まります。仕事の成功体験はモチベーション、さらにはエンゲージメントの向上にもつながり離職率の低減も期待できるでしょう。
チームワークが向上する
2つ目が「チームワークが向上する」です。職場環境の要素の1つに人間関係があります。この人間関係を良好な状態に保つことができコミュニケーションが取りやすくなれば、仕事での連携がスムーズになります。良好な人間関係のもと、仕事を行うことができればチームワークを高めることができるでしょう。また、部署を超えたコミュニケーションの活性化を促すことができれば、思わぬイノベーションが起きるかもしれません。
ストレスの軽減
3つ目が「ストレスの軽減」です。照明が暗い、座りづらいなど作業のしづらい環境だったり、ぎくしゃくした人間関係の職場環境では大きなストレスがかかります。大きなストレスは心身の不調を誘発し、休職や離職などにつながりかねません。こういったストレスの要因を減らすために職場環境の3要素を見直すことで、従業員のストレスを軽減することができるでしょう。
良い職場環境づくりのポイント
アットホームな職場やチームワークの良い職場などの良い職場環境作りを行うためには、何が重要なのでしょうか。ここでは良い職場環境づくりのポイントを3つ解説します。
良い職場環境に必要なこと
良いとされる職場環境には、必要な要素が3つあります。それが、
- 労働安全衛生法での配慮義務
- 高い心理的安全性
- 納得度高く、充実した待遇
の3つの要素です。これらの要素を抑えた職場環境づくりを行うことで、良い職場に近づけることができます。このあと1つずつ詳しく解説します。また、良い職場環境と言っても、
- アットホームな職場
- チームワークの良い職場
- 成長できる職場
など、その定義は様々です。3つの要素を抑えつつ自社に適した環境とするために、自社の職場環境をどのような場所にしたいかを明確にしましょう。
労働安全衛生法での配慮義務
1つ目の要素が「労働安全衛生法での配慮義務」です。労働安全衛生法では、労働者を守るために事業者に対して「快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。」と定めています。具体的な指針として4つ出されています。
- 作業環境の管理
- 作業方法の改善
- 労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
- その他の施設・設備の維持管理
この4つの指針を参考に、「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」を目指しましょう。また、50人以上の事業場においては職場の衛生管理を行う衛生管理者を置かなければなりません。衛生管理者について詳しく知りたい方は「衛生管理者試験はどんな試験?第一種と第二種の内容の違いや受験資格について解説」をご覧ください。
(参考)中央労働災害防止協会「快適職場指針について」
高い心理的安全性
2つ目の要素が「高い心理的安全性」です。心理的安全性とは、組織において対人リスクを取るのに安全だという認識がメンバー間で共有されている状態です。組織をこの状態にすることで、チームメンバーとのコミュニケーションにストレスを感じることなく、仕事の相談や連携をスムーズに行うことができるようになります。心理的安全性についてさらに詳しく知りたい方は「心理的安全性が高い組織を作るには?測定方法や対策をチェック」をご覧ください。
納得度が高く、充実した待遇
3つ目の要素が「納得度が高く、充実した待遇」です。
- 評価に納得がいかない
- 仕事に対して報酬や待遇が見合っていない
という状態は、職場環境の3要素の1つである「仕事内容」が適切でない状態ともいえます。仕事の量と質ともに適正であったとしても、それに対する評価や待遇が低いものであれば仕事に対する不満は募り、従業員にとって良い職場環境とは言えません。従業員が行った仕事に対して、納得度の高く充実した待遇を行うことが重要です。
待遇や評価制度について詳しく知りたい方は「【人材管理:報酬管理編】評価制度を解説|人事管理との関係性・適切な運用・管理方法」をご覧ください。
良い職場環境の例
これまで、職場環境の要素や良い職場環境のポイントを解説しました。では、実際に良い職場環境と言われている企業はどのような環境を作っているのでしょうか。良い職場環境を目指した取り組みを行っている企業事例を3つ紹介します。
事例1:味の素株式会社
食と健康の課題解決企業である味の素株式会社は、従業員の心身の健康の保持・増進ができる職場環境づくりを行っています。2008年から働き方の改善に取り組んでおり、働きやすい環境が整っています。特に健康の課題解決企業として、従業員自身が健康に対する高い意識・知識をもって取り組む「セルフ・ケア」の定着を目指しています。こういった取り組みが評価され、健康経営銘柄2021にも選定されています。
(参考)経済産業省「選定企業紹介レポート」
事例2:コニカミノルタジャパン株式会社
コニカミノルタジャパン株式会社では、2014年に本社オフィスを移転したことをきっかけに250名が一部屋に収納できるオープンなレイアウトや、各自のワークスタイルに合わせて座席の場所やスタイルを選択できるフリーアドレス制を採用しています。その他にも、座席もジグザグに配置するなど、コミュニケーションの活性化を促す仕掛けをオフィスに作っています。オフィスにこだわることで作業環境の充実と、コミュニケーションの活性化から良好な人間関係の創出を図っています。
(参考)コニカミノルタジャパン株式会社「東京 浜松町オフィス」
事例3:日本航空株式会社
職場環境はオフィスだけではありません。テレワークの普及によりオフィスの外も職場環境になりつつあります。日本航空株式会社は、2014年度から在宅勤務のトライアルをスタートし、いち早くテレワークの導入を行っています。2016年度には自宅以外のカフェなどで働けるような制度に変更し、より働きやすい制度を整えています。また、2017年には「ワーケーション」を導入。2019年には出張先で休暇が取れる「ブリージャー」を導入し、働く場所と休暇制度を多様化させストレスのない働き方を実現しています。
テレワーク環境について詳しく知りたい方は「理想的なテレワーク環境とは?快適な在宅勤務に必要な要素とデスク環境を紹介」をご覧ください。
(参考)日本航空株式会社「ワークスタイル変革」
【まとめ】人材管理・タレントマネジメントをカンタン・シンプルに
今回は職場環境を解説しました。職場環境は従業員のパフォーマンスを左右する重要な要素です。自社にとって良い職場環境とはどういう環境かを考え、その環境に近づけるために各種取り組みを進めていきましょう。
その1つが納得度の高い評価制度や待遇です。従業員が納得できる評価制度設計し、効率よく運用しましょう。
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HR大学 編集部
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