HR大学 > >

Googleやメルカリも導入する目標管理手法、OKRの基礎知識

Googleやメルカリも導入する目標管理手法、OKRの基礎知識

stockphotos_media_okr

現在、人事評価や研修などにおいて次々と新しい手法が生まれています。人事担当者としては自社に導入可能な新しい手法は常に把握しておきたいところです。今回は、Googleやメルカリといった多くの著名企業が採用している目標管理法である、OKR(Objectives and Key Results)について取り上げます。KPIやMBOとの違いや導入メリット、導入例などもご紹介します。今注目されている手法のひとつとして、ぜひ押さえておきたいのがOKR。すでにご存知の方も、しっかり復習しておきましょう。

 

OKRとは目標管理手法のこと

stockphoto_media_competency_1

OKR(Objectives and Key Results)とは、高い目標を達成するための目標管理法のことを指します。Objectives は「目標」、Key Resultsは「主要な結果」のことで、それぞれを企業・部門・チーム・個人という階層ごとに設定します。これだけでは従来の目標管理とそれほど変わりがないように見えますが、OKRの特徴は、個人と企業の目標をリンクさせており、目標設定・進捗確認・評価という一連の流れを高い頻度で行うことです。この手法は、1970年代にインテル社が採用したことに続いて、今ではGoogleやLinkedInなど多くの名だたる企業で導入されています。

OKR導入のメリット

OKRを導入するメリットとしては、以下の3つが考えられます。

・企業としての目標を社員に明確に伝えることができる
・チームや個人間の意思疎通を図ることができる
・タスクの優先順位が明確になる

企業としての目標を社員に明確に伝えることができる

OKRを通じて個人の目標は企業としての目標とつながるようになります。それによって、企業が目指すものがより社員にもわかりやすくなります。これは、社員の行動を会社が向かう方向へ促すことにもつながるでしょう。

チームや個人間の意思疎通を図ることができる

各社員が同じ目標と結果を共有しているため、会社全体の動きが具体的にイメージできるようになります。これは、チームや個人間の意思疎通を容易にし、結果としてコミュニケーションを活性化させます。

タスクの優先順位が明確になる

指針となるべき目標が明確になっているため、タスクの優先順位を決めやすくなります。社員にとっては、OKRの導入によってやるべきこと・やらなくていいことが明確になり、注力すべき仕事に集中することができます。

OKR導入におけるポイントとKPI・MBOとの違い

okr_記事のアイキャッチ画像

さまざまなメリットのあるOKRですが、導入しただけですぐに効果が出るわけではありません。最大限の効果を生み出すには、まずObjectives(目標)とKey Results(主要な結果)を正しく設定する必要があります。ObjectivesとKey Resultsの設定条件は以下のとおりです。

Objectives(目標)

・チームとして実現可能
・期限が明確である
・60~70%の達成が予想されるチャレンジングなもの

Key Results(主要な結果)

・定量的に計測できる
・客観的に評価できる
・困難だが不可能ではないもの

これらの条件を満たすもので、なおかつ以下の3つのポイントを意識して設定するとよいでしょう。

1.目標は高いレベルで設定する
2.OKRの達成率を評価に使用しない
3.KPIとは違う目標管理手法だと理解する

通常、目標は100%達成できるような指標を置くものですが、OKRでは60~70%の達成度となるような高いレベルで目標を設定することが望ましいとされています。本来達成できそうなレベルよりもさらに高い100%を目指していくことで、さらなる高みを目指すことになり、成長が生まれるのです。

ここで、注意しておきたい大切なことがあります。決して、OKRの達成率を評価には使用しないことです。もし評価に反映してしまうと、高いレベルの目標設定がされにくくなります。OKRは評価制度とは別であることを忘れないようにしてください。

これに加えて、KPI(Key Performance Indicator)やMBO(Management By Objectives)と混同しないことも注意しておきたいポイントです。以下で違いを詳しく見ていきましょう。

KPI・MBOとの違い

stockphotos_media_mbo_ogp

OKRと特に混同されやすいのが、KPIとMBOです。

KPI(重要業績評価指標)は、最終目標(KGI)達成にいたるまでのプロセスをチェックする中間指標です。KGIを達成することが主眼となるため、KPIは現実的な数値を置きます。達成することに意味がある指標なので、評価にも活用されます。

対してOKRは、企業が一丸となって目標を達成するための手法なので、「高い目標設定」をすることに意味があります。また、評価に活用されることはありません。

MBO(目標管理制度)は、より「評価制度」としての意味合いが強いものです。MBOは報酬の決定にも使われ、定量的・定性的ともに考慮します。レビューサイクルは毎年、あるいは半年に1回とやや長め。OKRは報酬の決定には使われませんし、定量的な項目のみを測定対象とします。レビューサイクルも、OKRの方がMBOより短いという違いがあります。

OKRの導入例:Googleとメルカリ

それでは、実際にOKRを導入している企業の事例を見てみましょう。代表的な企業としては、Googleとメルカリがあります。

Google

毎四半期に全社的なミーティングを開き、OKRの公開と評価を行っているGoogle。OKRの目標をチームで統一するのではなく、個人の信念や価値観に基づいて定めています。OKRには個人の信念や価値観が反映されているため、OKRを問うだけでもその人が大切にしていることがわかります。そのため、定期的に上司と部下が1対1で話をする機会を設け、上司は部下のOKRを把握するようにしています。1対1の対話にはコストがかかりますが、結果として戦略や目標に対して全社員からの理解と納得を得られ、なおかつ各社員の考えや現状も把握することにつながります。同社が公開しているOKRに関する情報でも触れられていますが、企業が大きくなるにつれ、社内でコミュニケーションをとることが難しくなってきます。GoogleはOKRの持つコミュニケーション活性化の効果に着目し、導入を行っている良い例といえるでしょう。

【参考】OKRを設定する|Google Re:work

メルカリ

国内にもOKRを導入している有名企業があります。フリマアプリで知られるメルカリです。OKRとMBOを併用して成果を評価しているそうです。OKRは3か月に1度データを基に見直し、同じく社員との面談も行っています。さらに、半年に1度各チームのOKRを共有し理解を深めるために合宿も実施しています。全社的なOKRについても、経営陣のみで決めるのではなく、社員が参加するこの合宿で議論し、決定しているのです。同社のブログで合宿の様子がレポートされていますが、トップダウンでなく全員で意思決定をしていくことを強調しており、チームとしてのコミュニケーションツールとしてOKRを活用していることがわかります。

【参考】半年に一度のコーポレート合宿にきたよ #メルカリな日々|mercan

OKRでコミュニケーション活性化

OKRとは「目標と主要な結果」という意味の言葉で、高い目標を達成するための目標管理手法です。この手法には、企業の目標を個人とリンクさせ、コミュニケーションを活性化させるという特徴があります。特に生産性や社員の士気の低下は社内コミュニケーション不足に起因することも多く、そうした企業の改善策としてOKRは効果的です。社内で定着させるためには時間がかかりますが、検討してみる価値はあるでしょう。

 

HR大学は、人事評価クラウドのHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

関連記事

HRBrainロゴ

目標・評価管理を最もカンタン&シンプルに
人事評価クラウド

HRBrainは、目標シートの記入から評価オペレーションまでをクラウドで一元化。
目標・評価管理を作業効率性、ストック性、データ化の観点から大きく改善していきます。