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通年採用とは?メリット・デメリットと新卒一括採用との違いを5分で解説

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通年採用とは?メリット・デメリットと新卒一括採用との違いを5分で解説

目次

    通年採用とは

    通年採用の意味や現状・背景を解説

    通年採用とは

    通年採用とは企業が年間を通して採用活動を行うことを指します。海外では通年採用が一般的ですが、ここでは通年採用が増えている背景と新卒採用の変化を解説します。

    通年採用の目的

    通年採用は企業が時期を決めず、必要に応じて人材を採用することです。新卒・中途採用両方の採用活動を指しますが、海外や外資系の企業では普通の採用方法といえます。日本ではこれまで、一斉に3月に新卒の一括採用を開始することが普通でした。しかし近年では留学生や帰国子女の秋採用の増加、第二新卒の増加で、新卒の一括採用以外での採用対応が必要になっています。

    また新卒人数の減少から新卒獲得の厳しさが増しており、採用予定数に届かない場合や、内定辞退者の補填が必要な場合など、追加で採用活動が必要な企業が増えています。通年採用は必要な新卒数や、人材の確保を目的として広がっています。  

    通年採用と経団連

    通年採用と対極にあるのが新卒の一括採用です。この一括採用は経団連(日本経済団体連合)が主導で、企業の採用活動の解禁時期に制限をかけてできたものでした。就職協定と呼ばれるこのシステムは、学生の早期囲い込みを防止し、企業同士がフェアに学生にアプローチする機会を作るのが目的でした。また学生も学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境を作ることを目的としていました。

    しかし近年通年採用が増えたのは、前述したように採用活動が多様化した背景があります。また、それに加えて、経団連が2018年10月に発表した新卒の一括採用の就職協定への見直しが大きな契機となりました。経団連では新卒一括採用による企業・学生双方の不利益に触れ、これまで経団連が主導で進めてきた「採用に関する指針」を2021年度入社以降策定しない方針を示しました。(※1)

    しかし学生への影響の大きさを考慮し、大学側のみならず経団連等からも当面はなんらかのルールが必要であると示されたことから、政府主導で2020年度卒業者向けから新たなガイドラインが発表されるようになりました。

    最新では「2022年度卒業・終了予定者等の就職・採用活動に関する要請」というガイドラインが公表されています。

    こういった背景をふまえ、今後も一括採用はしばらくの間継続されると思われますが、一括採用と通年採用を併用、もしくは通年採用に移行する企業が増えると考えられます。

     (※1)日本経済団体連合会:「今後の採用と大学教育に関する提案」より 

    通年採用の現状

    株式会社リクルートキャリアが発表した「就職みらい研究所」の「就職白書2021」によれば、2022年卒採用の見通しは、採用スケジュールを決められていない企業が多いことが特徴です。

    パンデミックの影響で、採用活動のWeb化が進んだこともあり、一括採用よりもスケジュールは前倒しされて、通年採用が増えていることを示しています。

    2021年卒採用プロセスの開始時期を見ると、面接(対面)開始は5月までの累計が66.2%(前年-10.6ポイン ト)と、新型コロナウイルス禍の影響を受け下がっていますが、6月は15.0%(同+7.3ポイント)となっています。 一方で面接(Web)開始は5月までの累計が72.1%(同+24.8ポイント)と大きく増加し、対面とWebを比べると、Webの開始が先行しています。

    新卒の一括採用では面接開始は6月1日を解禁日としており、実質7割以上の企業が解禁日よりも前倒しで学生に接触していることが分かります。ただしこの数字は企業として「年度毎の一括採用」のスケジュールの前倒しだけのものも含まれており、純粋に通年採用が増えているとはいえません。しかしこういった企業間の足並みのズレは今後も増えていくと思われます。

     (※参照)就職みらい研究所:「就職白書2021」より 

     また同じく「就職みらい研究所」の「企業の採用活動 2022見通し」によれば、通年採用は2021年卒では19.2%でしたが、2022年卒では27%に大幅に増えています。今後もこの傾向は続くと予測されます。  

    (※参照)就職みらい研究所:「企業の採用活動 2022見通し」より 

    新卒通年採用とは

    新卒の通年採用とは、従来の一括採用ではなく、年間を通して新卒も採用をすることを指します。欧米では大学の前後で長期旅行やインターンに参加するなど、ギャップイヤー(猶予期間)を使う学生が多く、学生個人のスケジュールで企業に就職活動をすることが普通です。

    しかし日本の学生の場合は、これまでは就職協定のため「新卒」として就職したい場合は、一括採用の時期に就職活動をするしかありませんでした。通年採用によって、新卒者は一括採用枠でアプローチできなかった場合に、チャレンジできるチャンスが増えたり、ギャップイヤーを有効に使うなど選択肢が増えることになります。

    通年採用と一括採用や中途採用との違い

    通年採用と新卒一括採用・中途採用の違いを解説

    ここでは応募者からの問い合わせの多い、通年採用と一括採用、中途採用との違いを解説します。

    通年採用と新卒一括採用の違い

    通年採用と新卒一括採用の違いを以下の表にまとめました。
    (※参照)内閣官房:「
    就職・採用活動に関する要請」より

    画像作成 テンプレ

    通年採用と中途採用の違い

    通年採用は新卒と中途採用のことを含みます。これまでも中途採用は随時採用が一般的で、人員の必要に応じて募集をかけるのが普通でした。通年採用は主に新卒の一括採用の対義語として使われることが多いようです。

    しかし一部、ソニーグループ株式会社(本社東京都港区)のような企業では、博士課程やポストドクター向けに「通年エントリー」をアピールしています。

    通年採用をうたうことで、応募者から時期を問わず応募しやすいイメージを作ることができます。このため通年採用をしていることを公表することで、候補者が就職・転職を考えた段階で、自らアプローチしてもらいやすくすることができるのです。特に新卒者だけでなく、企業としても狙いたい第二新卒、および博士課程などの優秀な人材の採用に有効といえます。 

    通年採用の企業側のメリット・デメリット

    通年採用の企業側のメリット、デメリットを解説

    通年採用を採用している企業が増えていますが、ここでは採用を考える前に確認しておきたいメリットとデメリットを紹介します。

     メリット1 既卒者や留学生などの採用が容易になる

    一括採用では対応が難しい既卒者や留学生にも対応が可能になります。特に海外の大学は9月始まりが多く、今までの一括採用では対応ができませんでした。優秀な海外の学生や留学生とも出会える可能性が広がり、学生側にも企業側にもメリットがあります。

    また内定辞退者が出た場合でも、補完しやすくなります。 

    メリット2 より多くの学生を時間をかけて選考することができる

    採用期間が集中する一括採用では、企業の説明会や面接日が重なる事も多く、学生側には取捨選択をする必要があります。学生も受けたい企業すべてを受けることができず、企業側も出会える学生の数は限られてきます。面接日が重なってしまった場合、ネームバリューのある企業の方が有利に働く可能性があります。

    一方、通年採用では学生と出会う機会を増やせるため、接触人数の増加はもちろん、一括採用では出会いにくい学生との接触機会を持てる可能性があります。

    また優秀な人材に関してはこれまでは競合他社に内定を先に出されてしまう前に、内定を出して確保しておきたいと、最終結論を急ぐこともありました。それが結果を出す期限が決まっていないことで、企業側は余裕をもって選考をすすめることができます。

    デメリット1 人事採用担送者の負担が増える

    通年採用はメリットが多そうですが、デメリットもあります。特に人事部は常に採用に関して対応する必要があり、負担が増えることになります。通年採用と一括採用を併用する場合は、これまでの一括採用に通年採用の業務がプラスされることになります。

    デメリット2 トータルの採用コストが上がる

    通年採用の場合は、媒体への採用告知も通年行う必要があり、イベントへの参加回数も増えることで採用コストが高くなります。また新人研修も随時計画する必要があり、人的負担だけでなく予算増の可能性もあります。

    また研修がバラバラになることで「同期入社」という連帯感が生まれにくく、企業へのロイヤルティーの醸成を作りにくいこともデメリットのひとつかもしれません。筆者の経験でも「同期入社」の同僚は入社後一番頼りになり、お互いに助け合った経験があります。

    通年採用の事例

    通年採用のリクルートやソニーの事例を紹介

    通年採用を実施している企業2社の事例を紹介します。 

    事例1:株式会社リクルートホールディングス 

    株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区:以下リクルート)では、2021年4月から主なグループ7社の採用をリクルートに統合しました。あわせて学生の通年採用をはじめていますが、2022年4月に入社できることを条件としており、「通年で応募できるが入社時期は同じ」というスタイルを採用しています。

    また、応募コースは、ITとビジネスにわけていますが入社後は全事業に配属の可能性があるとしています。

    応募条件は以下の通りです。

    ・2022年4月に入社できること

    2022年4月以降に卒業予定の方(海外大学に在学中の方など)は、その限りではありません。選考の際に入社時期を相談可能ですので、エントリー受付より、ご応募ください。 

    ・30歳以下であること

    既卒業者も就業経験者もOK。入社時(2022年4月)に30歳以下であることを前提に、誰でも応募可能です。

    上記条件のもと、通年でエントリーを受け付けています。

     (※参照)RECRUIT:「学生向けキャリアサイト 募集要項」より 

    事例2:ソニーグループ株式会社

    ソニーグループ株式会社(本社東京都港区)は大手の中でも、秋採用をいち早く導入した企業として有名です。その背景には、4月からの採用開始では金融やマスコミといった人気職種との人材の奪い合いから、優秀な人材の確保に悩んだ結果との声もありました。2022年の新卒採用では、春選考と夏選考(22年9月末卒業予定者向け)の2つの応募期間を設けています。

    2022年度のグループの新卒採用数は、前年度並の1,100人超を予定しており、好調な業績を背景に優秀な人材を確保しておきたいとしています。また現在は業種別採用を採用しており、学生が応募時点で職種を選べることも特徴的です。2022年度は技術系77コース、事務系11コースの計88コースを用意。入社後に学生の目標を実現しやすくしています。今後も人材獲得に積極投資するとしています。

    ・春選考応募資格

    春選考応募資格は以下の通りです。

    • 2022年3月末までに大学、大学院または高等専門学校専攻科を卒業見込みの方、および同程度の学力をお持ちの方。
    • 2022年3月末時点で、最終学歴卒業後3年未満の方。

    ・ 夏選考応募資格

    夏選考応募資格は以下の通りです。

    • 2022年9月末までに大学、大学院または高等専門学校専攻科を卒業見込みの方、および同程度の学力をお持ちの方。
    • 2022年9月末時点で、最終学歴卒業後3年未満の方。
    • 2022年度新卒採用 4社合同募集(※)に未エントリーの方。 ※ソニーグループ株式会社/株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント/ソニー株式会社/ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 (※参照)SONY:「

    【まとめ】人材管理・採用業務をカンタン・シンプルに

    通年採用に関して、その背景から導入方法まで紹介してきました。今後の人事戦略としても取り組みたい制度ですね。 

    ただしこれまでの一括採用と通年採用を併用していく場合に、人事の工数増は大きなネックではないでしょうか。HRBrainは、従業員の労務管理・人事評価などのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。人事採用においても工数の軽減を図ることができます。またMBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用を可能しにします。 

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    HR大学 編集部

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