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小売では必須の、マーチャンダイジングとは?基本から実践方法まで

マーチャンダイジングとは

小売では必須の、マーチャンダイジングとは?基本から実践方法まで

目次

    マーチャンダイジングとは?

    マーチャンダイジングとは、主に小売業界で使われる言葉で、商品を売るための「売場づくり・数量・価格・時期・場所・販促」を的確に提供することです。またそれら全てのプロセスを総合して戦略的に販売活動を行うことも言います。

    消費者の購買意欲を引き出すために「的確に商品を提供」することを指すためのマーケティングの一種です。

    マーチャンダイジングのポイントや目的、その歴史から現代のネット商戦での戦略方法などについて解説していきます。

    言葉の意味

    マーチャンダイジングはもともと英語のmerchandisingから来ており、「商品流通の合理的な管理方法」「商品をお客さまに届ける戦略」などと訳されます。

    マーチャンダイジングで大事なポイント

    店頭で商品を売る際、マーチャンダイジングが重要なのはなぜでしょうか。お客さまの購買意欲を引き出すために大事な「7つのポイント」について見ていきましょう。

    1.店舗の場所・ターゲットの調査

    売場づくりをするまえに、情報収集をして以下のことを把握しターゲットを決めます。

    • 売場の周辺にはどのようなショップがあるか
    • 行き交う人の年齢・性別・特徴
    • 曜日や時間ごとの人の流れ

    など

    2.店舗のコンセプト

    売場の周辺情報を把握したら、ターゲットに対してどのような雰囲気のショップにするか「コンセプト」を決めます。やみくもに商品を陳列するのではなく、店全体の雰囲気や統一感などを工夫してお客さまにどのように感じてもらうかを決めます。

    3.売場づくり

    実際の売場づくりで気を付けることは以下ようなの事です。

    ■  商品の見やすさ
    お客さまの「目線・動線」を考えて商品の置き方を工夫します。

    ■  商品の雰囲気や数量・サイズにあう陳列棚
    商品を置く陳列棚は、その商品の雰囲気に合うものにします。商品をより良く見せるためでもありますが、清潔感なども大事になります。

    ■  照明バランス・床色・壁色など
    店舗の雰囲気は、まず照明がとても重要になります。また商品によってはこの照明ひとつで「魅力的」に演出できることもあります。スポットライトで高級感を出したり、暖色系の照明で「ぬくもり・暖かさ」を表現したりと様々な方法があります。

    店舗の照明をどう演出するかだけを扱う「照明コンサルタント」という仕事(資格)もあるほどです。
    「照明コンサルタント」に興味のある方は以下を参照してください。
    一般社団法人 照明学会ホームページ:
    https://www.ieij.or.jp/educate/kiso.html

    また、床色や壁色なども店舗の雰囲気を演出する大事な役目を持っています。

    ■ ディスプレイの仕方
    まず初めにお客さまの興味を引いて、商品を見てもらう必要があります。注目を集めるために様々な工夫をしなければなりません。そのためには商品を目立たせるためのディスプレイの活用が効果的です。ディスプレイの例を以下に記します。

    • 季節のものやキャラクターを使って目立たせる
    • 「赤・黄色・緑」など目立つ色を使って目立たせる
    • マネキンを使う

    など

    4.的確な商品の価格設定

    仕入れ・経費などから利益までを考え、商品の価格を決めます。類似品との比較や他店の情報なども参考にして「売れやすい価格」にします。

    5.的確な数量

    商品の仕入れ数量を決めます。売上履歴がある際は参考にできますが、オープン時の商品数量を決める際は「経験」と「見込み」を頼りに決めなければなりません。売れ残ってしまうのも問題ですが、「足りない」場合も問題です。1.で集めた情報を基に、的確な仕入れ数を想定し発注します。

    その後は在庫管理をしながら、追加仕入・返品などをして売場の活性化に繋げるために数量の調整をし続けます。

    6.プレゼン・売り方・見せ方

    購買意欲を引き出すためには、商品を「買いたい」と思わせる演出が必要です。

    生活必需品などのように置いておくだけで比較的簡単に売れる物もありますが、そうではない「洋服・雑貨」などは興味を引くために様々な工夫が必要です。どのような工夫なのか例をあげます。

    • 商品説明のポップなどを設置
    • 実際に手に取ってもらえるようサンプルを置く
    • 音楽や店員の声などで気を引く
    • 他の商品・サービス券などとコラボレーションして付加価値をつける
    • お得感を出す
    • 商品の使用例の写真や使った感想を展示して分かりやすくする
    • ディスプレイにマネキンを用いたり、装飾をして興味を引く

    など

    7.季節や行事との関わり

    日本には季節や行事があるので、「マンネリ化した展示」を避けることが出来ます。季節ごと・行事ごとに展示の仕方を変えて、新鮮な雰囲気で商品を魅力的に演出し品揃えします。例えば以下のようなものです。

    • クリスマスの時期にはサンタクロースやツリーを使ったディスプレイ
    • ハロウィンの時期はオレンジ色の雰囲気で統一
    • 夏には「海・青空・行楽」を連想させるディスプレイ
    • 春には「桜」の演出や「入学グッズ」の品揃えなど

    など

    4Pについて

    ここでマーケティング手法の一つである4Pにつて触れておきたいと思います。

    4Pとは、企業が製品やサービスを販売する際、効率よく運営するために用いる大事な要素のことです。1960年にマーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱しました。

    マーケティングにおいて重要な4つの言葉の頭文字を取っています。それは以下の4つのことです。

    • Product(プロダクト:商品):売れる商品・製品の企画・開発(商品戦略)をすること。
    • Price(プライス:価格):ターゲットに合う価格、利益までを考えた販売価格の決定(価格戦略)すること。
    • Place(プレイス:流通):商品の流通網である、出荷からお客さまの手元までの全般を指します。
    • Promotion(プロモーション:販売促進):売るための販売促進の方法全般。広告をはじめ、商品の見せ方・分かりやすい説明・興味を引くディスプレイなど販売促進全般を指します。

    マーチャンダイジングの目的は?

    マーチャンダイジングでの大事なポイントが分かりました。では、なぜマーチャンダイジングが大事なのでしょうか?ここからは「目的」という目線で見ていきたいと思います。

    1.購買意欲を引き出すという目的

    先述した売場づくりや商品の価格・数量など大事なポイントは、全て購買意欲を引き出すという目的があります。商品を「かわいいい」と思ってもらったり「欲しい」と思ってもらうだけではなく、実際に「買って」もらわなければならないのです。その「買う」というゴールに向かってお客さまを誘導するのがマーチャンダイジングの目的なのです。

    2.ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

    マーチャンダイジングの中で重要なのが、ビジュアルマーチャンダイジングだと言われています。ビジュアルマーチャンダイジングとは「視覚」に訴える戦略の事です。なぜなら、初めにお客さまの興味を引くきっかけ(導入)にもなるからです。これは初めの「視覚」だけで購買意欲を引き出すための「きっけをつくると」いうのが目的です。

    お客さまを店内に引き入れるという目的もあります。

    コロナウィルスにより接客を控える必要があり、お客さま同士の密も避ける売場づくりが求められる現代では、益々注目が集められています。

    日本ビジュアルマーケティング協会が運営する、厚生労働省認定の「商品装飾展示技能検定1~3級」という国家資格があるほどです。

    この資格について詳しく知りたい方は こちらを参照してください。

    3.商品の宣伝目的

    購買意欲を引き出す目的の他に、商品自体を知ってもらい広めるという「宣伝目的」もあります。買ってもらえなかったとしても、認知してもうことで宣伝になります。今日は買わなかったとしても一週間後には買ってもらえるかもしれません。商品を知ってもらうことが、まずは大事です。

    4.次の売れる商品への展開(フィードバック)

    売り場の客層・商品の売れ方などの情報は、次の商品の企画・開発などに役立つます。情報を分析して企画・開発のフィードバックに結びつけることも、マーチャンダイジングの重要な目的なのです。

    マーチャンダイジングの歴史

    インターネットの普及などにより、販売方法が時代と共に目まぐるしく変化しています。歴史を参考に、「マーチャンダイジング」がどのようにして生まれ広まっていったのか見てみましょう。

    「POSシステム」の登場

    まず初めに、そもそもマーケティングと言う「販売戦略」を発達させた重大な要因の一つに「POSシステム」があります。POSシステムとは簡単に言うと、商品を「バーコード」で管理するシステムの事です。これが導入されることによるメリットとなったのが以下のようなことです。

    1. 会計業務の効率化
    2. 商品・顧客情報の可視化
    3. 複数店舗の一元管理
    4. 売れ筋・売れ残りの情報把握
    5. 店内の在庫管理

    商品を「バーコード」で管理する事で、多くの情報を簡単に得られるようになりました。「いつ」「どこで」「何が」「どれくらい」売れたのかを瞬時に把握できるので、店舗ごとの客層・売れ方の傾向・売れ筋などの情報が分かるようになりました。そのことで戦略的に商品を売ることが可能となり「マーチャンダイジング」が定着していきました。またそれだけでなく、その情報は新しい「商品開発」や「店舗ごとの商品展開」に役立てることもできるようになったのです。

    デパートの歴史との関わり

    もともと「小売り」では「必需品を売る」ことが主な目的とされていました。日本経済の発達に伴い、明治時代に初めて「複数の商品を陳列(展示)して売る形の百貨店」が登場したのです。この複数の商品を一ヶ所に集めて販売することで、新たな「買い物の仕方」が誕生しました。以下のようなことです。

    1.ウィンドウショッピング
    欲しい物がなくても「とりあえず見て回る」というものです。商品を良くみせるために飾られたディスプレイを見て回るだけでも楽しいと認識されたのです。

    2.家族・友人・恋人など数人でのショッピング
    デパートには老若男女が興味を持てる物が一ヶ所に集まっています。そこへ「皆で楽しく出かける」という行動です。

    3.店舗のイベントなどを「楽しむ」
    それぞれの店舗が集客のためにイベントを行います。参加すると割引券がもらえたり、商品の詳細を知ることができるという「お得感」があるため、集客に結び付くのです。

    4.買い物の目的がなくても足を運ぶ
    休みの日に行くところもなく、やる事もないのでとりあえず「買い物にでかけよう」と言うものです。買い物の目的もないのにデパートに行く理由として以下があげられます

    • 雨が降っていて他には出かけられないから
    • 夏の暑い日には涼むことができるから
    • レストランで美味しい物を食べたいから
    • 何か新しい商品があるかもしれなから見てみたい

    このように、購買意欲がないお客さまでも来店するようになり、様々な方法で購買意欲を引き出す工夫がされる様になっていったのです。そのことから「マーケティング戦略」というものが発展してきたとも言えるでしょう。

    このように、歴史的に見てみると「POSシステム」の開発によって多くの情報を把握できたことで「マーチャンダイジング」というマーケティング戦略が発展してきたと考えられます。その後もインターネットの普及などによって「情報の可視化・クラウドシステムなどによる一元管理・商品の数量や価格管理」などが発達し、ますます広まってきたと言えます。

    ネットショッピングにおけるマーチャンダイジングについて

    店舗展開による「マーチャンダイジング」について見てきました。

    商品の購入方法は、時代とともに変化しています。特にここ数年では目まぐるしい変化が見られます。それが「ネットショッピング」です。

    インターネットの普及と、コロナウィルスによる外出制限などがさらに拍車を掛けていると言えます。

    店舗展開を中心に発展してきた「マーチャンダイジング」ですが、これからはネットショップ戦略の部分でも重要性を増しています。

    そこで「ネットショッピング」での重要なマーチャンダイジングのポイントについて見てみます。

    検索して見つけてもらうこと

    まずはお客さまにネット上で「自社製品」を見つけてもらわなければなりません。そのために重要なことは以下のようなものです。

    1.的確なサイトに商品をのせる
    ターゲットにあったサイトに商品を掲載します。ネット上には多くのサイトが存在しますが、サイトによって訪れる客層が変わります。ターゲットが集まりそうなサイトへ掲載することで販売に結びつけます。

    2.的確なカテゴリーに分類させる
    ネット上では様々な商品が販売されているため、カテゴリーごとに検索をかける場合が多いです。そのため的確なカテゴリーに当てはめることが大事です。

    3.検索でヒットされやすい言葉を掲載する
    商品の特徴を利用して、検索でヒットされやすい言葉を入れることが大事です。例えば「可愛い・かっこいい・大きい・黒い・美味しい」などと言った形容詞をつけることで検索されやすくなる場合もあります。

    4.SNSなどによる宣伝
    若者を中心に「SNS」の影響が強くなってきました。若い人たちはテレビよりも「SNS」を観てる時間の方が多いという現象です。SNSにはそれだけ多くの情報が集まっているからだと言う見方もあります。これらを使って検索してもらうことも「マーチャンダイジング戦略」の一つの方法です。

    興味をもってもらう

    商品を見つけてもらったら次に大事なのは、興味を引くことです。先に述べた「ビジュアルマーチャンダイジング」がここでも重要になってきます。商品に興味をもってもらうための「写真・動画」ページ全体の雰囲気や言葉の選び方など、様々な「センス」が必要となってきます。

    インフルエンサーマーケティング

    また有名人やインフルエンサーのページで紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」も注目されています。カリスマ性のあるネット上での有名人が「使っています」と紹介してくれるだけで、売上アップに繋がるというものです。

    「SNS」ではフォロワー数や再生回数などで人気評価される傾向があります。多くの情報を発信し興味を引くことで、いかにたくさんの共感や「いいね」を得られるかが鍵となります。

    最近では「将来の夢は?」という質問の回答に「ユーチューバー」・「インフルエンサー」があがるほどです。このことからも注目度がはかれます。

    まとめ

    マーチャンダイジングとは、「売れる商品」のために、様々な戦略を展開することです。現代は「物があふれている」と表現されます。大量生産・類似品など多くの商品が出回り、たくさんのショップに並んでいます。

    またインターネットの発達やコロナウィルスによる時代の変化とともに、ネットショッピングが拡大しているだけでなく流通自体にも変化が起こっています。さらに情報化社会と言われる中で「消費者の商品に対する知識」も向上しています。これらのことからも、商品を売るための「多くの戦略」が重要性を増しています。この戦略がまさに「マーチャンダイジング」なのです。

    HR大学 編集部

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