#人材育成
2024/12/16

セグメントとは?意味とマーケティングでの分析方法や企業での使い方と成功事例について解説

目次

セグメントとは、マーケティング領域でターゲットを年齢や性別、購買傾向、商品に対する認識など、傾向が似通っている集団に分ける事を指します。

適切にセグメントを行うことは、ターゲティングやポジショニングを効果的に進め、自社のマーケティング戦略を立てるうえで欠かせないものです。

この記事では、セグメントのマーケティングでの意味、セグメントとセグメンテーションの違い、セグメントの必要性、セグメントとターゲットの違い、セグメントを行うための4つの条件、セグメンテーション4つの変数、セグメント後に行うターゲティングとポジショニング、セグメントの使い方と成功事例について解説します。

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セグメントとは

セグメントとは、英語で「segment」と表記し、「部分」や「区分」という意味を持つ言葉で、ビジネスシーンでは、マーケティング領域でターゲットを年齢や性別、購買傾向、商品に対する認識など、傾向が似通っている集団に分ける事を指します。

また、ターゲットを顧客の特性やニーズなどのセグメントに合わせて複数のグループに分類することを、セグメンテーションと言います。

セグメントの必要性

市場には多種多様なモノやサービスがあふれていて、顧客のニーズも千差万別です。

データに基づいて、自社の製品やサービスに合ったターゲットを絞り、適切な顧客にアプローチするために、セグメンテーションは非常に重要です。

セグメントとターゲットの違い

セグメントは、特定の条件をもとに共通の属性を持っている集団そのものを指し、ターゲットは、セグメント分けされた集団の中から、自社の製品、サービスで狙いたい一部のセグメントを指します。

つまり、セグメントを正しく行うことが、ターゲットを絞るうえでも非常に重要なポイントになります。

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セグメントを行うための4つの条件(4つのRの原則)

優れたセグメントは、「Rank(優先順位づけ)」「Realistic(有効規模)」「Reach(到達可能性)」「Response(測定可能性)」の4つを満たすと言われ、4つの条件の頭文字を取って、「4つのRの原則」と呼ばれています。

セグメントを行うための4つの条件である、「4つのRの原則」について確認してみましょう。

セグメントを行うための4つの条件(4つのRの原則)

  • Rank(優先順位づけ)

  • Realistic(有効規模)

  • Reach(到達可能性)

  • Response(測定可能性)

Rank(優先順位づけ)

Rank(優先順位づけ)は、経営戦略に基づいて、重要度や優先度に合わせて、セグメントにランク付けができているかできているかを確認します。

自社の強味をよりいかせる市場や、広告、口コミの波及が大きな市場は、優先順位が高くなります。

Realistic(有効規模)

Realistic(有効規模)は、セグメントで十分な売上や利益を確保できるかを確認します。

市場規模が小さく、売上を伸ばすことができないセグメントへの参入は意味がないと言えます。

Reach(到達可能性)

Reach(到達可能性)は、ユーザーに対して、商品、サービス、広告の提供ができるかを確認します。

例えば、通信環境が整っていない地域にネット販売をする、海外の離島に鮮度が命の商品を販売する等は現実的ではないため、見直す必要があります。

Response(測定可能性)

Response(測定可能性)は、該当するセグメントのユーザーの反応を分析できるかを確認します。

ユーザーからの反応は企業にとって、非常に大切な改善指標になります。

ユーザーからの反応の効果測定ができなければ、ビジネスの成否が分からなくなってしまいます。

セグメンテーション4つの変数

セグメンテーションは、いくつかの変数をもとに行われます。

代表的な変数として、「地理的変数(ジオグラフィック)」「人口動態変数(デモグラフィック)」「心理的変数(サイコグラフィック)」「行動変数(ビヘイビアル)」について確認してみましょう。

セグメンテーション4つの変数

  • 地理的変数(ジオグラフィック)

  • 人口動態変数(デモグラフィック)

  • 心理的変数(サイコグラフィック)

  • 行動変数(ビヘイビアル)

地理的変数(ジオグラフィック)

地理的変数(ジオグラフィック)は、国や地域、都市の規模、兵材発展やその進展度、人口、機構、文化、生活習慣、宗教、政治などの要素で区分けします。

人口動態変数(デモグラフィック)

人口動態変数(デモグラフィック)は、年齢や性別、職業、家族構成等によって分けられるもので、昨今、活用されることが多く、SNSの広告ではより細かくセグメンテーションされる傾向にあります。

心理的変数(サイコグラフィック)

心理的変数(サイコグラフィック)は、ユーザーの価値観やライフスタイル、心理的特徴といった感性の分野に深く関係する要素で分類するものです。

ユーザーニーズの多様化に伴い、心理的変数に注目が集まっています。

行動変数(ビヘイビアル)

行動変数(ビヘイビアル)は、曜日や時間、購買における環境や頻度など、ユーザーが実際に購入する要素で分類します。

行動変数は、インターネットの普及により測定が容易になり、ニーズの多様化に伴って注目されるようになりました。

セグメント後に行うターゲティングとポジショニング

セグメントができたら、「ターゲティング」と「ポジショニング」の設定を行い、「STP分析」を用いて実際のマーケティング戦略を練ります。

「ターゲティング」「ポジショニング」「STP分析」について確認してみましょう。

ターゲティング

ターゲティングとは、セグメントによって区分された顧客層の中から、自社がターゲットにする顧客層を決定する作業を指します。

ポジショニング

ポジショニングとは、ターゲティングした市場の顧客に、自社の商品やサービスをどのように認知させるか、戦略的位置づけのことを指します。

競合との違いを顧客に認知させる事ができると、ポジションを確立でき、ブランド力が上がるため地位を高める事につながります。

STP分析

STP分析とは、新規参入するにあたり、市場全体の中でどの分野を狙い、自社が競争優位なポジションかを決めるためのマーケティングのフレームワークのことです。

STP分析のSTPは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字を取ったものです。

STP分析は、市場を細分化(セグメンテーション)、標的とする顧客層(ターゲティング)、市場の位置づけ(ポジションニング)の順で行うのが基本で、自社の競争優位なポイントを優先することで、競合に勝てる可能性が上がると考えられます。

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セグメントの使い方と成功事例

セグメントを上手に使うことができれば、マーケティングの成果は飛躍的に改善します。

セグメントの使い方と成功事例について確認してみましょう。

パナソニック

パナソニックホールディングス株式会社は、1990年代終わりからビジネスから一般家庭へと拡大したPC市場に対して、外回りの営業サラリーマンにターゲットを絞り、商品開発を行いました。

具体的には、PCの軽さ、バッテリーの持続性、太陽光下でも見える高輝度モニター、防水、セキュリティを強化し、本商品は、市場内で長期間、首位の座をキープしました。

セグメントを活用し、同じニーズを持つ顧客を細分化し、感度の良い切り口を見つけられた事が成功のカギとなりました。

パナソニックホールディングス株式会社

ホンダ

本田技研工業株式会社が、アメリカに参入した1959年、アメリカのバイク市場の8割はハーレーダビットソンがシェアを持っていました。

「バイクと言えばハーレー」黒いレザージャケットを着た荒くれ者が乗るものというイメージと真逆の、「善良な市民が日常の足として乗るもの」というセグメントを打ち出し、数年後には、ホンダのバイク市場はハーレーをはるかに凌ぐ市場へ成長しました。

セグメントを活用し、市場を反対側から見ることで新たな市場の創出に成功しました。

本田技研工業株式会社

ユニクロ

株式会社ユニクロは、多様化した趣味趣向や変わり続ける流行に応じたセグメントによって、市場を細分化してきたファッション業界に対して、細分化された市場を逆に統合し、大きくセグメントし直すことで成功しました。

市場を分類するのではなく、自分達にあった市場を生み出すために、セグメントを使う事で大成功しました。

切れ味の鋭いセグメンテーションができれば、マーケティングの成功確率は上がります。

セグメンテーションの肝は、顧客ニーズの特定にあり、業界視点、提供者視点から抜け出し、顧客視点に立つことが最も重要です。

株式会社ユニクロ

セグメントを適切に行いマーケティングを加速させよう

セグメントとは、マーケティング領域でターゲットを年齢や性別、購買傾向、商品に対する認識など、傾向が似通っている集団に分ける事を指します。

また、ターゲットを顧客の特性やニーズなどのセグメントに合わせて複数のグループに分類することを、セグメンテーションと言います。

適切にセグメントを行うことは、ターゲティングやポジショニングを効果的に進め、自社のマーケティング戦略を立てるうえで欠かせないものです。

また、自社のマーケティング戦略を適切にかつスピード感を持って実行するためには、自社の持つ特性や強みと、競合優位性を適切に把握することが大切です。

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さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

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株式会社HRBrain 中西諒
中西 諒
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

大学卒業後、組織・人事コンサルタントとして、研修設計/納品、アセスメント設計/納品等、商材開発から納品フロントまで一気通貫でプロジェクトを担当。
各社の評価制度に合わせた評価者研修の設計も担当しており、これまでの支援実績は200社以上。

現在は、HRBrainコンサルティング事業部で組織・人事コンサルタントとして活躍中。人事評価制度設計のコンサルティングに加え、評価者研修/1on1研修/フィードバック研修/キャリアマネジメント研修等、企業の課題に合わせた様々な研修の設計/納品を担っている。

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