#労務管理
2024/08/13

テレワークとリモートワークと在宅勤務って何が違う?言葉の意味と違いを解説!

目次

多くの企業で導入が進められているテレワーク。そのテレワークと同じように使われる言葉に、リモートワークや在宅勤務などがあります。これらの意味はどう違うのでしょうか。今回はテレワークという言葉の本来の定義と似た言葉との違いについて解説します。

テレワークという言葉の意味

テレワークという言葉の意味

どこでも働く事が出来るようになるテレワークですが、その言葉はいつ生まれたのでしょうか。まずテレワークの言葉の意味と定義から解説します。

テレワークとは? 

テレワークとは自宅やコワーキングスペース、移動中など場所を選ばず仕事ができる働き方のことを指します。ローマ字表記でteleworkと書き、「遠隔」を意味するteleと「働く」を意味するworkを組み合わせてできた造語です。

テレワークの言葉の定義

厚生労働省ではテレワークを「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しています。
(※参考) 厚生労働省:「テレワークとは - テレワーク総合ポータルサイト - 厚生労働省」より

テレワークの言葉の起源 

テレワークの用語の起源は1973年まで遡ります。当時、アメリカ航空宇宙局(NASA)の業務を自宅から行っていたアメリカの物理学者のJack Nillesが自身の勤務体制を「テレコミューティング(telecommuting)」と表現したのが始まりです。その後テレワークはアメリカにおいて、石油危機によるエネルギー不足や自動車交通量の増加による大気汚染への懸念により導入が進められました。日本においては、1984年に大手電気会社でサテライトオフィス勤務が開始されたことがテレワークの始まりとされています。

テレワークとリモートワークの言葉の意味の違い

テレワークとリモートワークの違い

最もテレワークと同じような意味で使われる言葉が「リモートワーク」です。ローマ字表記でremoteworkと記載されるリモートワークは、「遠隔」を意味するremoteと「働く」を意味するworkの造語です。一方、テレワークのteleも「遠隔」を意味します。つまり結論としては「テレワーク」と「リモートワーク」に言葉の意味としての違いはありません。ただ、「テレワーク」という言葉は日本政府や自治体など公的な機関において使われており、厚生労働省でもテレワークは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しています。一方、リモートワークという言葉にはテレワークのような定義はありません。とはいえ、どちらの言葉も同一の意味で使われるよう事が多いため、話す相手や場面によって使い分ければよいでしょう。

テレワークと5つの言葉の意味の違い

テレワークと5つの言葉の意味の違い

リモートワークの他にもテレワークと同じ文脈で語られる言葉があります。ここでは5つの言葉を解説します。

モバイル勤務 

モバイル勤務とは、従業員が自由に働く場所を選択できたり、移動中や出張における移動時間を利用できるなど、働く場所を柔軟にすることを指します。モバイル(mobile)とは「可動性がある」という意味です。このモバイル勤務によって、作業効率や生産性の向上が可能になります。テレワークの形態の1つです。

在宅勤務

在宅勤務とは、勤務先の拠点ではなく自宅を働く場所とする働き方のことを指します。通勤を必要としないことから、通勤に要する時間を効率的に活用できるメリットがあります。こちらもテレワークの形態の1つです。

ノマドワーク 

ノマドワークとは、オフィス以外での場所での働き方を指す言葉です。英語で「遊牧民」を意味するnomadと「働く」を意味するworkを組み合わせて作られた造語です。ノマドワークはフリーランスの増加やテレワークの推進に伴いよく耳にする言葉となりました。テレワークとの言葉の意味の違いはほぼありませんが、テレワークと違い雇用の有無は関係がありません。

サテライトオフィス勤務 

サテライトオフィス勤務とは、本来のオフィスとは別のサテライトオフィスで勤務する働き方です。サテライト(satellite)とは衛星を意味する言葉で、本拠点を中心の惑星として見たときに、衛星のように存在しているためサテライトオフィスと名づけられました。サテライトオフィス勤務はテレワークの形態の1つです。

クラウドソーシング

クラウドソーシングとはインターネット上で企業が不特定多数の人に対して業務を発注する業務の発注形態のことを指します。ローマ字表記でcrowdsourcingと書かれ、「群衆」を意味するcrowdと「調達」を意味するsourcingが組み合わさってできた造語です。場所を問わず働ける働き方を意味するテレワークとは違い、クラウドソーシングは仕事の発注形態を意味しています。

テレワーク・リモートワーク導入時にやるべきこと

テレワーク・リモートワーク導入時にやるべきこと

テレワークやリモートワークを導入するためには何が必要になるのでしょうか。ここではテレワーク・リモートワークを導入するために必要な4つのことを解説します。

勤怠取得方法の見直し

テレワークとなり働く場所の選択肢が増えるときに見直すべき事の1つが、勤怠取得方法です。これまではオフィスでの滞在時間を勤務時間とすることができましたが、自宅やサテライトオフィスでの勤務になることで勤務時間の把握が難しくなります。そのため、正しく勤務時間を取得するための方法を見直す必要があります。テレワークによって、いつでも・どこでも仕事ができるようになることで、過重労働になってしまう可能性が高まっています。正確な勤務時間把握はテレワーク導入において行うべき必須事項です。

福利厚生制度の見直し

2つ目が福利厚生制度の見直しです。オフィス出社が標準だった時には必要だった通勤交通費の支給がテレワークになることで不要になります。その代わり、自宅で仕事をすることによって、電気代やインターネット回線費用等が必要になります。テレワークによってお金がかかる部分が変わるため、それに合わせて福利厚生制度も見直す必要があるでしょう。

評価制度の見直し 

3つ目が評価制度の見直しです。これまで対面で出会うことが多かったことから、普段の勤務態度も評価に加味されることが多くありました。しかし、テレワークによって他人の勤務状況は常時把握することが難しくなり、仕事の成果のみが評価の基準になりました。そのためこれまでの評価制度では、正しくパフォーマンスの評価をできなくなっている可能性が生まれます。従業員の働きを正しく計るためにも評価制度の見直しも必要となるでしょう。

テレワークツールの導入

4つ目がテレワークツールの導入です。離れた場所でも円滑に業務を進めることができるようにいくつかのツールを導入することが必要です。主に

  • コミュニケーションツール

  • オンライン会議ツール

  • ファイル共有ツール

  • 電子署名ツール

などが挙げられます。人事においても、クラウド型の人材管理システムなどを導入して、どこにいても効率よく人材管理ができるような体制を構築する必要があります。

さらにテレワーク導入の課題と導入方法について詳しく知りたい方は「テレワーク導入の課題や方法とは?導入目的を明確にして費用を準備しよう」をご確認ください。

【まとめ】テレワークでも人材管理をカンタン・シンプルに

今回はテレワークの言葉の定義とリモートワークなど似た言葉との意味の違いを解説しました。それぞれの言葉の意味を知り、正しく使ってテレワークに関する議論を進めていきましょう。そしてテレワークが浸透し、働く場所が多様化した時には必要になるのがどこにいても人材管理ができるようになるシステムが必要になります。

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HR大学編集部
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