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公務員の人事評価をわかりやすく目標設定のサンプル例と合わせて解説

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公務員の人事評価をわかりやすく目標設定のサンプル例と合わせて解説

目次

    民間企業では能力や業績を基準として広く運用されている人事評価制度。国家公務員の人事評価は、旧来の問題点改善を目的に、国家公務員法の改正によって2007年に人事評価制度が導入されていますが、どのような制度なのでしょうか。ここでは、公務員の人事評価、や直近の変更内容、目標設定のサンプル例を解説します。

    国家公務員の人事評価とは

    国家公務員の人事評価とは

    国家公務員の人事評価制度は、国家公務員法で定められています。そこで、この章では、人事評価の意味や人事評価の基準・方法がどのように国家公務員法や政令等で定められているかを解説します。

    国家公務員法で定められた人事評価の意味

    国家公務員における人事評価制度は、旧来の「勤務評定制度」の問題点を改善することを目的に、2007年の国家公務員法改正によって定められた「人事評価制度」を導入しています。

    旧来の勤務評定制度は、「評価項目が不明確」「評価者から一方的に評価される」「評価者内容が知らされない」といった被評価者から見た問題点がありました。評価者から見ると「どのような評価をすべきなのかが不明」という運用状況から制度改正に至っています。

    民間企業の人事評価制度における不満の理由にも「評価基準が不明確」がしばしばあげられるように、人事評価制度の不満は、民間企業も公務員も同様といえるでしょう。

    そこで、国家公務員法第18条の2第1項では、人事評価制度については「任用、給与、その他の人事管理の基礎とするために、能力・業績をに基づく勤務成績の評価」であると定めています。

    人事評価は人材育成の役割も担い、評価の過程において評価者と被評価者間のコミュニケーションを通じて、ビジョンの共有や業務改善にも役立つツールにもなります。公務員の人事評価は、これらの効果を通じて、活力ある公務組織の実現と効率的な行政運営につなげる目的としています。

    (※参考)人事院:「人事評価」より

    人事評価の基準、方法「人事評価の基準、方法等に関する政令」とは

    2007年の人事評価制度導入に伴い、人事評価の基準、方法等に関する政令が2009年に施行されています。以降の公務員における人事評価基準、方法等については、政令と内閣官房令、これらに基づく人事評価実施規程に定めることになっています。

    ・政令の概要

    人事評価の基準、方法等に関する政令は、「人事評価実施規程」の制定や変更をするときは、予め、所轄庁の長が内閣総理大臣と協議することを定めています。その他、人事評価の方法、手続き、特別評価の実施、苦情への対応などが定められています。

    (※参考)平成21年政令第31号:「人事評価の基準、方法等に関する政令」より

    ・政令に基づく人事評価制度の概要

    公務員の人事評価は、「能力評価」と「業績評価」の2つを実施します。

    従前の勤務評定制度の問題点とされていた評価基準を明確化し、民間企業の目標管理と同様の仕組みを導入しています。期首・期末には評価者と被評価者で面談を行い、評価のフィードバックとともに業務改善に役立てる仕組みとしています。

    (※参考)内閣人事局:「国家公務員制度|人事評価」より

    人事評価の基準、方法等に関する内閣官房令とは 

    人事評価の基準、方法等に関する内閣官房令は、人事評価実施規程の軽微な変更は、内閣総理大臣への報告することで足りることなどが定められています。軽微な変更とは、「組織名称の変更」「官職の名称変更」「人事記録書の様式変更」などです。

    (※参考)内閣府令第3号:「人事評価の基準、方法等に関する内閣官房令」より

    国家公務員の評価は6段階の細分化へ

    評価は6段階

    評価対象者のおよそ9割がAとB評価で占めていたと言われる公務員の人事評価。ここでは、2021年10月から適用する評価方法の変更、公務員の人事評価の実態について紹介します。

    5段階から6段階に変更される

    2007年に導入された人事評価制度では、Bを通常とする「S~D」の5段階評価であり、能力評価と業績評価についてそれぞれ絶対評価で行なわれていました。変更後は、B評価を「優良」と「良好」の2つの細分化されます。

    変更後は、従来のB評価を「優良」と「良好」の2つに分けられ、6段階評価となります。なお、変更後の評語表記は執筆時時点において未定です。

    S:特に優秀→卓越して優秀
    A:通常より優秀→非常に優秀
    B:通常→優良、良好
    C:通常より物足りない→やや不十分
    D:はるかに及ばない→不十分

    (※参考)内閣人事局:「人事評価マニュアル」より

    変更前の評価はAとBに偏っていた!?

    2013年における総務省の調査によると、5段階における評価分布は、「S」は5.8%、「A」が53.8%、「B」が39.8%、「C」が0.5%、「D」が0.1%とAとBの評価でおよひ9割を占めていました。

    制度上、C評価以下は昇任や昇給で大きな不利を被るほか、部下のやる気を削ぐことを避けるため、本来、C評価以下をつけるべき者に対してもB評価としていることが考えられます。とくに、昇給においては、一度でもC評価となると標準の昇給である「4号俸」から半分の「2号俸」になってしまうことも起因しているでしょう。

    これらの実態から、人事評価を人材育成や行政運営の改善に活用しづらいことなどを背景に、評語区分を見直しているのです。

    公務員の人事評価は意味がないという声もある!?

    賃金の処遇をリンクするにあたり、最終評定は相対評価となっていることから、結果として一定の評価に偏ることで、意欲ある者にとっては不満が生じるといえます。また、上位評価をとっても通常評価の者と大きく賃金が変わらないこともあり、成果を上げても意味がないという声につながっていると考えられます。

    人事評価は公務員の給与やボーナスにどの程度反映されるのか

    公務員の昇給は、B評価で4号俸、A評価で6号俸と現行評価では、各評価で2号俸の昇給幅が設定されています。概ね、1号俸あたり1,500円程度となっていますので、B評価の場合は年間6,000円程度の昇給額となります。相対評価によって、多くの被評価者は一定の評価に偏りますが、AとBの昇給における評価差額はおよそ3,000円程度です。

    ボーナスについては、評価差額は各階層によって違いがありますが、AとBの評価差額は年間10万円程度といわれています。

    給与とボーナスにおける、年間のAとBの評価差額は、トータル15万円程度と思われ、人事評価の反映の程度は大きくないといえます。

    公務員が人事評価の目標設定をする際のサンプル例

    目標設定のサンプル例

    公務員の目標設定は、評価者と被評価者で面談を行い、業務目標を設定することと政令で定められています。ここでは、公務員の目標設定方法、目標設定のサンプル、自己評価のサンプル例を紹介します。

    そもそも公務員の目標はどうやって決まるのか?

    公務員の目標設定は、基本的には民間企業の目標管理制度(MBO)と同様の考え方です。

    ●目標設定の流れ

    公務員は、年1回の能力評価と年2回の業績評価で人事評価が行われます。

    能力評価は、評価期間を毎年10月1日~翌年9月30日とする年1回、業績評価は、評価期間を毎年10月1日~翌年3月31日、および翌年4月1日~9月30日とする年2回で行われます。

    いずれの評価も、職務行動・業務達成状況を評価基準に照らして絶対評価で行われます。なお、賃金に反映する最終評価は相対評価となります。

    ●目標設定の方法

    目標設定は、期首に評価者と被評価者による面談で設定しますが、上司が設定した組織目標を、部下の職位や役割分担に応じた目標設定することが基本的な流れとなります。目標設定方法は、次の2つの方法です。

    • 【方法1】上司目標のブレイクダウン 部下は、上司目標を自身の役割分担に応じた目標にブレイクダウンして設定します。
    • 【方法2】部下目標のボトムアップ 部下が自身の業務内容を踏まえた目標案を立て、上司の上位目標と整合性をチェックします。

    部下はブレイクダウン、あるいはボトムアップのいずれかの方式でも目標設定を行いやすいように、目標設定のためのグループミーティングを行うことを推奨されています。

    ●目標設定にあたり留意するポイント

    公務員における目標設定は、民間企業の事務職と同様に、必ずしも定量化・数値化できるものではありません。公務という業務特性から「チームで行う」「プロセスも評価対象」「過重な目標設定としない」といった留意点もあります。

    • 組織目標と整合をチェック
    • 職位相応しい項目か
    • 事後に成否が判断できるか
    • 抽象的な目標にならないよう努める
    • チームでの目標は、共通目標として個々の役割を設定することでも可

    (※参考)総務省:「人事評価マニュアル」より

    総務省が公務員の目標設定のサンプルを公開している

    総務省では、公務員の目標設定例を各部門毎に公開しています。ここでは、代表的なサンプルを紹介します。

    ・企画部の例

    【項目】
    ・行政評価制度の導入
    【達成水準】
    ・△年度の本格実施に向けて、制度設計を完了し〇〇審議会で了承を得る
    【目標達成するための取組内容】
    ・ プロジェクトチーム(PT)における作業の進捗管理を行う
    ・〇〇審議会において、審議を行う
    ・職員説明会で説明者となり、制度の周知を行う
    【期限】
    ・年度末までに

    ・総務部の例

    【項目】
    ・課長級職員の人材育成能力の向上
    【達成水準】
    ・職場内研修の実施率を〇%から〇%に上げる
    【目標達成するための取組内容】
    ・課長級職員の研修体制の見直しを行い、人材育成関連の研修会を実施する
    ・職場内研修実施計画書の提出を求め必要な指導・支援を行う
    【期限】
    ・6月までに

    (※引用)総務省:「業績評価の目標設定例

    部下(被評価者)の人事評価(自己評価)のコメント例

    ・企画部の例

    プロジェクトチームにおける作業の進捗管理を行い、プロジェクトの作業遅延がないように〇〇のフォローを行うなど統制を図ったことで、プロジェクトを期限内に終えることができた。試行について審議会で了承を得て、行政評価制度導入に向けて制度設計を完了した。職員に対する説明会を実施し、制度周知も完了した。

    ・総務部の例

    課長級職員の研修体制を〇〇と〇〇について改善し、人材育成関連の研修会を実施した。職場内研修実施計画書を提出させることで、職場内研修の実施率を〇%に引き上げることができた。

    上司(評価者)の人事評価のコメント例

    ・企画部の例

    プロジェクトチームの進捗管理については、プロジェクトメンバーのフォローを〇〇を行うなどきめ細やかに対応し、期限内に終えたことから他の職場からも高い評価を得ており、達成基準を十分に満たしている。プロジェクトマネジメント力が高く、更なる成長を期待したい。

    ・総務部の例

    職場内研修の実施率を高めるために、研修体制を改善するとともに、職場内研修実施の計画書を提出させることによって、実効性を高めたことは評価できる。ただし、支援については積極的に行っていない面もあり、達成基準を十分に満たしているとはいえない。

    【まとめ】公務員における人事評価制度の改善コンセプトは、組織改革・育成ツールとして活用すること

    公務員の人事評価制度は、旧来の勤務評定制度の問題点を改善する形で、国家公務員法の改正によって人事制度が導入されました。2021年には、人事評価が一部の評語に偏っているなどの課題を受けて、政令改正によって評価を6段階に変更するよう改善されます。

    この改善コンセプトは、人材育成・マネジメントを強化するための組織改革・育成ツールとして活用することです。

    公務員の人事評価制度は、民間企業の目標管理と同様の仕組みですので、民間企業向けの展開でノウハウを蓄積した人事評価クラウドを適用しても良いでしょう。

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    HR大学 編集部

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