リストラとは?人事担当者がすることやリストラ対象者の対処法を解説
- リストラとは
- リストラの意味
- 赤字リストラ
- 黒字リストラ
- 近年リストラを実行している企業
- 事例1:電通
- 事例2:日立
- リストラを実行できる条件と解雇種類の違い
- リストラの条件
- 各種解雇(正社員のリストラなど)
- リストラを行った後の企業の状況
- リストラの対象選定や早期退職制度が公布された場合
- リストラ対象者の選定方法
- 適切な人事評価制度
- 早期退職制度が公布された場合
- 【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・人事評価管理をカンタン・シンプルに
世の中が不景気になるとリストラと言うワードが耳に入ってきます。リストラとは一体どのような状況で発生し、企業はどのような思惑でリストラをおこなっているのか、リストラ対象者になった場合どのように行動すればいいのかを解説します。
リストラとは
リストラとはどのような意味があるのでしょうか。様々な要因でおこるリストラについて、それぞれの用語の意味を解説します。
リストラの意味
リストラとは「リストラクチャリング(restructuring)」の略です。日本では人員削減などのネガティブな用語として使われることが多いですが、広い意味では「再構築」として使われることもあります。
赤字リストラ
業績が悪くなり、改善の見通しがつかない場合に行われるリストラのことを指します。
黒字リストラ
業績が好調であるのに人員整理が行われるリストラを指します。業績が好調なのになぜリストラが行われるのでしょうか。代表的な理由を紹介します。
・業務のIT化・オートメーション化
業務効率を改善するため、ITやオートメーションに企業が投資した結果、人員の再構築が必要になるケースです。
・事業所や製造拠点の見直し
事業所の場所を見直し、集積することで効率化を図るケースや、製造拠点を集約して業務を効率化した際に人員整理を行うケースです。
・業績先行型も
現在の業績が好調であっても、今後収益が悪化する可能性がある際にリストラが行われるケースもあります。
例えば、製薬メーカーでは、薬価が今後下がっていくと見込まれるため、現在の業績が良くても今後の見通しを考えリストラを行うケースが増えてきました。
近年リストラを実行している企業
各企業は、どのような思惑でリストラを行っているのでしょうか。代表的な企業が行っている取り組みを2つ解説いたします。
事例1:電通
広告業の大手である電通。電通は人員に対してどのような戦略をとっているのか解説します。
・単なる人員整理のためのリストラではない
電通は従業員の「安心」と「チャレンジ」を両立できる制度として「ライフシフトプラットフォーム」という新制度を導入しました。応募条件に合致した230名は一度退職し、「ニューホライズンコレクティブ合同会社」と業務委託契約を結びます。職員は個人事業主となり電通からの業務を請け負う形になり、固定給やインセンティブ報酬が支払われます。
・競合他社の業務を請け負うのは禁止
同業他社である博報堂などの業務を受けるのは禁止されていますが、絶対に禁止というわけではなく、コミュニケーションを取りながら柔軟に対応しているようです。
事例2:日立
電機メーカーとして有名な日立ですが、鉄道網やエネルギーなど様々な分野で活躍している企業です。日立はどのような戦略をとっているのでしょうか。
・企業全体の9%の人員を整理
日立グループの中の日立金属は、2021年度末に向けて、約3200人の整理を行うとしています。日立グループの連結人員数は35000人程度なので、約9%の人員を選定します。
・多角化戦略をシフト
日立グループはかつて22社の子会社がありました。子会社の売却を勧めており、事業をエレクトロニクスに注力しています。金属は航空機の需要減などもあり、構造改革が必要な分野としてリストラが行われました。
リストラを実行できる条件と解雇種類の違い
企業の状況を改善するために必要なリストラ。どのような条件で、企業はリストラを実行できるのでしょうか。
リストラの条件
企業はどのような条件でもリストラを実行できるわけではありません。以下の4つの条件に当てはまるときに実行できます。
・人員削減の合理的な必要性がある
企業の業績不良が明らかなケースです。どの程度の人員の削減が必要かなどを明確にする必要があります。
・既にリストラ回避の努力を行った
リストラを回避するために、役員報酬の削減や人員の配置転換、新規採用のストップなど企業努力を既に行っている必要があります。
・人員の選定方法が合理的である
リストラに値する人材かどうかをきちんと示す必要があります。リストラする人員を選定する際、長年の成果、就業態度などを客観的に判断した上で、人員を選定しなくてはいけません。
・手続きに妥当性がある
リストラは解雇予告期間が必要です。突然解雇することはできませんので注意しましょう。
各種解雇(正社員のリストラなど)
リストラを含む解雇にも種類があります。主な解雇の種類を3つ解説いたします。
・整理解雇
これがいわゆるリストラです。リストラの条件が当てはまる場合に、企業は人員選定をおこない、本人に告知します。
・普通解雇
就業規則の違反を繰り返したり、本人の体調が悪くなり就業できなくなるケースです。整理解雇は会社の都合で行われますが、普通解雇は企業と従業員の信頼関係が崩れた際に行われるケースが多いです。
・懲戒解雇
就業規則に定める必要はありますが、刑事犯罪にあたる行為を行った際や明らかな就業規則違反を繰り返した際に行われるケースです。一般的には退職金も支払われないケースが多く、再就職も厳しい可能性が高いです。
リストラを行った後の企業の状況
リストラを行った後、企業の状況はどのようになるのでしょうか。
・業績が回復する
計画通りのリストラが進めば、人件費が削減できるため一時的に業績は回復するでしょう。リストラの期間が短期間にとどまらず、長期間に渡れば従業員のモチベーションが低下し、残ってほしい人材が社外に流出する可能性もあります。
・構造的な改革が進まないと第2、第3のリストラを実行する必要も
単に人員削減を行うのではなく、ITやオートメーション化に投資し、高収益体制を整えなければ、さらなるリストラが必要になるでしょう。
リストラの対象選定や早期退職制度が公布された場合
人事担当者として、リストラの対象者はどのように選定すればよいのでしょうか。また社内で早期退職者制度が実施される場合にどのように振る舞えばよいのでしょうか。
リストラ対象者の選定方法
リストラの対象者を選ぶ際は、選定に合理性が求められます。どのような場合に合理性があるかを解説します。
・再就職先をすぐに見つけられる従業員
社内の評価も高く、市場価値も高い従業員です。家族がいる場合は、リストラによって従業員とその家族の生活に大きな影響があるので避けたほうがよく、単身の従業員のほうが合理性があります。
・年間出勤率が90%以下の従業員
遅刻や欠勤を繰り返す従業員も選定対象として合理性が認められます。
・会社への貢献度が低く、今後成長が見込めない従業員
年功序列制度が存在している企業で、在籍年度は長くても、給与に見合った貢献ができていないケースです。
適切な人事評価制度
適切な人事評価制度を整備することで、企業がどのような人材をもとめているか、また自分がどのように評価されているかを知ることができます。
・リストラにあいにくい社員
リストラにあいにくい従業員は、会社の求めている評価に高く答えることができる従業員です。評価者の主観で判断せず、客観的に判断するために、HR Brainなどの人事評価システムの導入をおすすめします。
・高評価の従業者も注意が必要
社内での評価が高い従業員だとしても、社外での評価は別です。きちんと自身の市場価値を常に意識し、社内だけでなく、社外に出ても通用するようなキャリアを積み重ねることが必要です。
早期退職制度が公布された場合
自分が勤めている企業で早期退職制度が公布された場合、どのように行動する必要があるのでしょうか。
・転職活動を行う
早期退職制度は、割増の退職金が支払われるなど、従業員に対して不利な条件だけ提示されるわけではありません。実際に転職せずとも、転職活動を行い、自身の市場価値を確かめる必要があるでしょう。現在努めている企業より有利な条件を提示してくれる企業があるならば、積極的に早期退職制度に応募するのも選択肢に入ります。
・あえて社内に残る選択肢も
リストラを行った場合、企業の業績は回復することが多いです。構造改革を行った企業に残ったほうが、会社に貢献できるケースもあります。また、管理職のポストが空くケースもあり、自分がそのポストに就任する可能性もあるので社内に残る選択肢を取るケースも一概に従業員に不利になるとは言えません。
【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・人事評価管理をカンタン・シンプルに
リストラは暗い話題として上がりますが、企業と従業員にとって悪いことだけではありません。集中すべき部門に人材を投入し、企業の活性化を目的としています。活性化した企業をより成長させるために人事評価システムの導入をご検討ください。
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