人材育成
2022/03/23
リファラル採用とは?導入の注意点と定着のポイント。メリットデメリットまで
目次
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リファラル採用とは
昨今、リファラル採用を通じて人材を獲得する企業が増えてきました。
リファラル採用では人材の定着率が向上する、採用費用を削減できるなど企業にとっての利点が多く、新しい採用の形として注目されています。
そもそも、リファラル採用とはどのようなものなのでしょうか?この記事ではリファラル採用の言葉の意味や、制度の概要、導入時の注意点、企業の事例などを紹介します。
リファラル採用とは
まず初めに、リファラル採用の意味や、制度の概要を説明します。
リファラル採用の言葉の意味
リファラル採用とは、自社社員の紹介により人材を採用する手法です。リファラル(英語:referral)は「推薦・紹介」という意味があり、企業が求めている人材像やスキルに合致する友人や元同僚を、会社に対して紹介します。リファラル採用は、社員紹介採用、リファラルリクルーティング、または単にリファラル、紹介採用とも呼ばれています。
制度の概要
リファラル採用は実際にその会社で働いている社員が、友人や知人の能力を見定めて、会社に対して紹介する制度です。
日本では中途採用を中心に用いられており、紹介された相手は、紹介した社員から、企業に関しての詳細な知識や労働環境に関する情報を得ることが出来ます。事前に詳細な情報を得た上での入社となるため、入社後のトラブルやミスマッチの発生を抑えることができます。一方で、会社側は自社社員から紹介を受ける形になるため、採用エージェントに支払う費用や、採用広告費用などの採用コストを抑えることができます。一般的に、リファラル採用は紹介者に対するインセンティブと合わせて制度化する企業が多く、採用が決まるごとに、紹介者に対して規定の報奨金が支払われることになります。
リファラル採用のメリットデメリット
では、リファラル採用にはどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。
リファラル採用は注目を集めている採用手法ではありますが、導入前にはメリットデメリットについてよく検討を行うことをオススメします。
・メリット
採用コストの削減
リファラル採用の一番の利点は、採用コストを削減できる点です。リファラル採用をうまく活用することで、求人紹介サービスや求人媒体を利用するのに比べ、採用コストを抑制できます。紹介者に対するインセンティブや採用活動のための交際費が発生しますが、通常の採用活動よりもはるかに低コストで、採用を行う事ができます。
転職潜在層へのアプローチ
リファラル採用では、転職市場に出てこない、転職潜在層にもアプローチが可能です。自社の社員を通して、転職活動を行っていない、優秀な人材を獲得することができます。こうした独自の母集団形成が可能なことが、リファラル採用の強みです。
採用の精度が高くなる
自社の社員がリクルーターを務めるため、自社が求める社員像と近しい応募者を集めることができます。自社社員に対して、自社が求める人材像を明確に伝えておくことで、不特定多数から募集する方法よりも、理想に近い人材と出会う精度を高めることが可能です。その結果、入社後のスキルアンマッチなどが起こりにくくなります。
人材の定着率が向上する
リファラル採用では、早期離職を減らす効果も期待できるため、人材の定着率が向上します。自社の社員から会社の雰囲気や労働環境、業務内容を聞くことで会社への理解度が高まり、入社後にイメージと違った、聞いていた話と違ったというすれ違いを防ぐことができます。
・デメリット
人間関係と人材配置に配慮が必要
個人の繋がりから採用へと繋げる採用手法のため、人材配置や人間関係には十分な配慮が必要です。
とくに紹介された候補者が不採用となったり、退職した場合は、紹介者した社員へのフォローも必要となります。リファラル採用は、必ず採用することが決まっている訳ではないため、ケアが不十分だと、人間関係の悪化を懸念し、リファラル採用が停滞する可能性もあります。
社員の理解と認知が必要、社員の負担を軽減する必要がある
リファラル採用では、社員が時間を使い採用活動を行ってもらうことになります。
そのため、過度な採用活動は、通常業務や私生活に悪影響が出る可能性も考えられます。
採用活動を行う時間帯や、通常業務との調整などは可能な限りガイドライン化し、事業に影響を及ぼすことのないようにしましょう。
情報が可視化しにくい
リファラル採用では、転職潜在層にアプローチすることが可能ですが、選考や転職の準備が長期化してしまうケースもあります。
また、実際に面接をしてみると、紹介した人と紹介された人の温度差などが明らかになり、結果的に選考プロセスを先に進めることが出来ないということも起こり得ます。紹介者からは丁寧にヒアリングを行うなどして、出来る限り客観的な情報を管理するようにしましょう。
リファラル採用導入時の注意点
では実際に、自社にリファラル採用を導入する場合にはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
リファラル採用を社内で活発化させ、優秀人材を採用するためには、ただ制度化するだけでは不十分です。
ここではリファラル採用導入時の注意点を説明します。
人間関係に配慮する
前述の通り、リファラル採用は個人の繋がりから採用へと至る採用手法です。そのため選考プロセスの中で不採用となってしまった場合、紹介した人と紹介された人の人間関係に悪影響を及ぼすことも考えられます。
不採用とする場合にも、丁寧な説明を心掛け、紹介した人にも紹介された人にも、納得感を持って貰えるようにしましょう。
情報更新や周知の機会を増やす
リファラル採用は、制度を作り、一度社内に周知しただけでは定着しません。
会社の欲しい人材像は日々変化するため、募集要件や採用ペルソナの情報をアップデートする仕組みを作りましょう。
また、社内で専用の採用HPやダッシュボードを作成し、メッセージツールで紹介するなど、社内認知向上のための継続的な施策が必要です。
その他の採用手法と併用して採用活動をする
採用活動をリファラル採用に頼りすぎるのは良い事ではありません。リファラル採用のみでの採用活動では、集められる応募者の数や、人材の幅に限界があります。
そのため、ほかの採用方法を併用して採用活動を進めることが重要です。
リファラル採用はあくまでも採用の一手法に過ぎないため、一つの方法に固執し過ぎないよう、バランスの良い採用活動を行ってください。
リファラル採用を社内に定着させるコツ
では、リファラル採用を社内に定着させるためには具体的にどのような事に注意すればいいのでしょうか。
リファラル採用にはいくつか重点的に検討を行う必要があるポイントがあり、ここではそのポイントを紹介します。
制度設計
リファラル採用では、紹介者へインセンティブが支払われるのが一般的です。
ただし、紹介者は必ずしも金銭的なメリットだけを紹介の原動力としている訳ではありません。
実は、転職する友人や知人の力になりたい、一緒に働くメンバーは自分で選びたい、といった感情からリファラル採用が始まるケースが多いため、金銭などの短期的な動機付けのみを中心とした制度設計とならないように注意しましょう。
ツールの導入
リファラル採用を成功させるためには、ツールの導入・活用も検討しましょう。
具体的には以下のようなポイントを、タイムリーに管理できるツールが望ましいといえます。
自社が採用中のポジション
採用ポジションは採用活動全体の進捗により、変化します。
すでに埋まっているポジションに紹介が入ってしまうという事態が無いように、情報の更新頻度を高めるようにしましょう。
求める人材像
会社が求める人材像については分かりやすく共有できるようにしましょう。
紹介者に人材像を明確に伝えることで、リファラル採用の最大の強みである、入社後のアンマッチを防ぐことが出来ます。
採用の進捗管理
面接などの採用プロセスは、紹介者にも伝わるようにしましょう。
リファラル採用による選考がスタートした後に、紹介者には何も連絡しない、というケースも多々あります。
紹介者は、自分の紹介した知人がどのような採用フェーズにいるか気になるため、採用プロセスがどこまで進捗しているかを可視化出来るようにしましょう。
報酬制度
リファラル採用では社員のモチベーション向上のため、インセンティブを導入する企業が増えています。
そのためリファラル採用を導入する際には、給料や手当として報奨金を支払うように制度を整える必要があります。
一般的には採用一件当たり、1万円~10万円程度で制度設計をする会社が多いと言われています。
丁寧な対応をする
リファラル採用は個人の繋がりから採用へと至る採用手法です。そのため、採用・不採用に関わらず、紹介した人、紹介された人の人間関係に配慮し、丁寧な対応を行うようにしましょう。また、その時点で不採用としたからといって、せっかく生まれた優秀人材との繋がりを消してしまうのは得策ではありません。
人材プールの仕組みなどを構築し、長い視点で採用活動が出来るよう、体制を構築しましょう。
導入事例
ではリファラル採用を取り入れ、上手く活用している企業はどのような取り組みをしているのでしょうか。
ここではリファラル採用の具体的な取り組み事例を紹介します。
事例1:アクセンチュア株式会社
リファラル採用で有名な企業と言えば、アクセンチュアです。
アクセンチュアではリファラル採用専用のHPを作成するなど、社員の繋がりを通じた採用に力を入れています。
同HP上では募集職種や、リファラル採用の体験談が記載されており、採用プロセスが明確に分かるようになっています。
アクセンチュアは他にアルムナイ採用などでも同様の取り組みを実施しており、多彩な採用手法を活用している企業といえます。
事例2:株式会社セールスフォース・ドットコム
セールスフォースでは年間の採用数の約半分をリファラル採用により獲得しています。
グローバル単位で連携基盤を確立し、リファラルを推進・管理するチームを作ることで、「全世界の採用枠」を「全世界の社員」へ紹介できる仕組みを整えています。セールスフォースでリファラル採用が成功している要因は2点あり、一つは社員のロイヤリティが非常に高いこと。もう一つは現場のマネージャーを積極的に採用活動に巻き込んでいる点が挙げられます。
事例3:株式会社 USEN-NEXT HOLDINGS
リファラル採用を新卒採用の領域で活用している企業もあります。USEN-NEXT HOLDINGSでは、新卒内定者に向けて「当社にマッチする人がいたらぜひ紹介してほしい」とアナウンスを行いました。紹介された人は一次選考スキップが出来るなど、選考をスピーディーに進め、最終的に19年卒の内定者のうち約50名がリファラル採用で決定したそうです。また、USEN-NEXT HOLDINGSでは社内の働き方改革を積極的に進めるなど、社員のロイヤリティを向上させることで、採用活動を促進しています。
【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・育成・評価をカンタン・シンプルに
リファラル採用の言葉の意味と、導入時の注意点について学びました。
リファラル採用を効果的に用いることで、採用の質と量を向上させることが可能です。
社内制度を整備し、リファラル採用の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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HR大学 編集部
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