#労務管理
2021/12/03

労働生産性を向上させる方法とは?労働生産性向上の課題と成功事例を紹介

目次

    労働生産性とは

    労働生産性とは

    労働生産性とは「従業員が1人あたり、または1時間あたりに生産できる成果」を数値で表したものです。たとえば、時給1,000円で5,000円の成果を出していたら、1人あたり4,000円の成果を生み出していると表すことができます。

    このように生産性を数値に表すことで、どれだけ成果が出ているか一目で把握ができるようなるため、会社の経営に欠かせない指標となっています。

    そもそも生産性とは

    生産性とは「かけたコストに対して生み出された成果がどのくらい増えているか」を表した指標です。成果物が有形のモノでも無形のモノでも、人件費や設備、原材料などのコストは必ずかかります。そのかけたお金でどれだけの成果を生んでいるかを生産性として数値化しているのです。

    「業務効率化」と「生産性向上」の違い

    「生産性向上」と似たような言葉で「業務効率化」という言葉がありますが、それぞれ異なった意味になります。

    「業務効率化」は生産性の向上を図るために行う手段の1つです。「生産性向上」は業務効率化など行い、効率よく利益を出した結果の向上という意味になります。

    つまり、生産性を高めるためる手段として業務効率化あるということです。

    さらに労働生産性の計算について詳しく知りたい方は「労働生産性の計算方法を解説。判定方法や向上によるメリットとは」をご確認ください。

    労働生産性の向上に向けた課題

    労働生産性の向上に向けた課題

    労働生産性の向上は、すべての企業にとって課題となっています。その中で特に労働生産性の向上で課題になっていることが次の2点です。

    業務が属人化している

    属人化とは「特定の従業員しかその業務の内容や進め方を把握していない状態」のことです。属人化は労働生産性を向上するうえで次のような問題があります。

    • 特定の従業員が長時間労働になる

    • その人が休んだ場合、業務が滞る

    • 無駄な作業をしていても改善できない

    このような問題が発生する可能性があります。属人化を解消する方法は「業務の見える化」をすることです。作業工程や成果物をオープンにして、誰でも作業ができる状態で、かつ改善を図ることで労働生産性を向上することができます。

    コア業務に集中できていない

    コア業務とは、利益に直結する業務のことをいいます。たとえば、商談や資金調達、人事戦略などです。本来、会社の業績を伸ばすためにはコア業務に集中することが労働生産性を上げるカギになります。

    しかし業務が拡大するにつれて、データ入力や入退社手続きなど、利益に直結しない業務である「ノンコア業務」が増えていきます。ノンコア業務が増えればコア業務に集中できる時間が削られ、労働生産性の低下する恐れがあります。ノンコア業務はできるだけ外部委託(BPO)を行うなど、コア業務に集中できる環境を整えることで労働生産性が向上できます。

    労働生産性を向上させる方法

    労働生産性を向上させる方法

    次に、労働生産性を向上させる具体的な方法を4つご紹介します。

    チャットツールの導入

    現在は、メールではなくチャットツールでコミュニケーションを行っている企業は少なくありません。チャットツールの特徴は、メッセージのやり取りが素早くできることです。たとえば「了解です」だけ返したい場合でも、メールであればマナーとして「〇〇株式会社〇〇様」と記入する必要がありました。

    しかし、チャットであればメールのようなマナーがないため「了解です」と返しても違和感がありません。また、チャット機能だけではなく、ファイル共有やタスク管理、ビデオ通話機能も兼ね備えているので、コミュニケーションにかかる時間が大幅に削減できます。

    フレックスタイム制の導入

    フレックスタイム制とは、決められた総労働時間の範囲内で、始業・終業の時間を従業員が自由に決められる制度です。コアタイムを除き、1日の勤務時間に制限がないため、繁忙期と閑散期で時間を調整することで残業時間の抑制につながります。
    たとえば、経理のようなルーティン業務を行っている部署の場合、月末月初に残業をして、月中は早めに仕事を終わらせる働き方をすれば、月末月初の残業時間を相殺することができます。

    テレワークの実施

    自宅やコワーキングスペースなど、会社に出勤することなくテレワークで業務を行うことで、通勤時間がなくなり、定時上がりできない同調圧力もなくなるため、効率よく仕事ができるようになります。またテレワークにより、私生活との両立もしやすくなるため、従業員の満足度が高くなります。
    ※さらにテレワークについて詳しく知りたい方は「テレワーク導入の課題や方法とは?導入目的を明確にして費用を準備しよう」をご確認ください。

    RPAの導入

    RPA(Robotic Process Automation)は「人間がコンピューター上で行っている操作を自動化してくれる」システムです。単純作業の自動化に向いており、一度RPAソフト上で作業手順入力することで、その後は自動的に作業を実行してくれます。
    たとえば

    • 大量のデータのダウンロード・アップロード作業

    • 日時の売上情報データ化

    • 毎月の請求書作成・印刷

    など毎回同じ手順で、かつ時間のかかる作業をボタン一つで自動的に行ってくれます。実際、私のいた会社でもRPAを導入しましたが、0時になると自動的に前日のデータを抽出し、朝出勤した時には作業が終わっていることもありました。

    労働生産性の向上に成功した事例

    労働生産性の向上に成功した事例

    次に、労働生産性の向上に成功した事例を3社ご紹介します。

    株式会社サイバーエージェント

    株式会社サイバーエージェントは、コミュニケーションをメールからチャットツールに変更したことにより、25,000時間以上の労働時間を削減しました。
    チャットだと日本式の定型文が不要で、効率が上がり、さらにスマートフォンにも対応しているので、外出先や移動中でも対応ができるようになったためです。
    平均すると一人につき一日1.26時間の時間削減となり、合計で25,000時間の削減となりました。

    また、タレントマネジメントシステム(HRBrain)の導入によって、手作業で行っていた人事評価の管理業務が大きく効率化されました。

    具体的には、目標管理から評価まで一元管理することで人事側の集計作業が効率化。それにより、人事がより創造的な仕事に時間を割くことができるようになりました。さらに従業員同士で目標が共有されることで、組織全体の目標に対する意識が上がっていき、従業員の意識改革にもつながりました。

    コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社

    コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、コアタイムのないフレックスタイム制(スーパーフレックス)の導入に加え、テレワークの導入も行いました。
    従業員はいつでもどこでも働くことができ、ライフスタイルに合わせて働けるので、生産性も向上。結果的に従業員の満足度も上がりました。

    株式会社日立マネジメントパートナー

    株式会社日立マネジメントパートナーは、人事・総務業務のシェアードサービスを行っている会社です。

    RPAの導入により作業時間を約9,000時間削減することができました。出張の手配や経費に関する申請・承認業務など様々な業務をRPAで自動化し、ノンコア業務のRPA化を実現しました。

    【まとめ】労働生産性の向上をカンタン・シンプルに

    労働生産性を向上させるには、会社全体で仕組みを変えなければいけません。

    今回ご紹介した事例以外にも、基幹システムの導入や人事評価システムの導入で大きく労働生産性を向上させることができます。

    HRBrainは企業の生産性と効率化を確かな成長につなげる人事評価クラウドです。

    HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。

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    HR大学編集部
    HR大学 編集部

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