びっくり退職とは?主な原因や企業が気付けない理由、防止策を解説
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- びっくり退職とは
- 【独自調査】びっくり退職に気付けない理由
- びっくり退職はなぜ起こる?主な5つの原因
- 評価や待遇への不満
- 上司や同僚との人間関係に対するストレス
- キャリアの停滞感
- 働き方や価値観のミスマッチ
- 他社からのスカウトや転職機会の増加
- びっくり退職が企業に与える影響
- 業務が停滞する
- 職場全体の士気やモチベーションが低下する
- 人材の採用や教育にコストがかかる
- びっくり退職の前に見られる主な兆候
- 有給取得や遅刻・早退が増える
- 社内の人間関係から距離を置く
- 新しい業務や長期プロジェクトへの関心が薄くなる
- びっくり退職を防ぐ方法
- まとめ
びっくり退職とは、企業や上司が予期していないタイミングで、従業員から突然退職を申し出られることです。従業員本人は以前から不満や不安を抱えていたにもかかわらず、企業側がそのサインに気付けず、退職の申し出を受けてはじめて問題が表面化するケースがあります。
びっくり退職が起こると、業務の引き継ぎが十分に行えなかったり、残された従業員の負担が増えたりするおそれがあります。さらに、職場全体の士気低下や採用・教育コストの増加につながることも少なくありません。
本記事では、びっくり退職が起こる原因をはじめ、企業に与える影響や退職前に見られる兆候、防ぐ方法について解説します。
びっくり退職とは
びっくり退職とは、企業や上司が予期していないタイミングで、従業員から突然退職を申し出られることです。
普段通りに働いていた従業員や、目立った不満を口にしていなかった従業員が急に退職を伝えるため、周囲は「突然辞めた」と感じます。
しかし、退職する本人にとっては突然の決断ではなく、本人のなかで評価や人間関係、キャリアなどへの不満が以前から積み重なっていたケースもあります。
びっくり退職は「従業員が急に辞めた」のではなく、「企業が従業員の本音や変化を把握できていなかった状態」と捉えることが重要です。
【独自調査】びっくり退職に気付けない理由
HRBrainが20代〜60代の会社員754人を対象に実施した「退職の実態と職場環境に関する調査」では、部署内で退職者が出た際、その知らせを「全く予期していない・あまり予期していない」と回答した人は42.4%でした。

また、職場に対して、部下が上司に本音を話せる環境だと思っている管理職は59.5%だった一方、一般社員は35.4%にとどまっています。

この結果からわかるのは、上司が「部下は本音を話してくれている」と思っていても、従業員が不満や退職理由を十分に伝えていない可能性があり、両者に認識のズレが生じているということです。
特に退職を決めた従業員は、「波風を立てたくない」「どうせ言っても変わらない」「円満に辞めたい」と考え、本当の理由を伝えない場合があります。そのため、企業が退職理由を表面的に受け止めてしまうと、組織課題を見落とし、同じような退職を繰り返すおそれがあります。
出典:【HRBrain調査】一般社員6割超が「職場で本音が言えない」。管理職が気付けない「びっくり退職」の原因とは | HRBrain
びっくり退職はなぜ起こる?主な5つの原因
びっくり退職が起こる背景には、従業員の不満や不安が表面化しにくいことがあります。本人は以前から退職を考えていても、上司や人事に相談しないまま転職活動を進め、内定後に初めて退職意思を伝えるケースも少なくありません。
主な原因には、以下のような要素があります。
評価や待遇への不満
上司や同僚との人間関係に対するストレス
キャリアの停滞感
働き方や価値観のミスマッチ
他社からのスカウトや転職機会の増加
評価や待遇への不満
「頑張っているのに評価されない」「給与が仕事量に見合っていない」といった不満は、びっくり退職に至るきっかけとして挙げられる原因のひとつです。
特に問題なのは、不満を感じていても上司や会社に伝えられないケースです。「言っても変わらない」「評価に悪影響が出そう」と感じる従業員は、不満を溜め込んだまま、水面下で転職活動を始める可能性があります。
評価基準が不透明だったり、頑張りが正当に認められなかったりする職場では、優秀な人材ほど静かに職場を離れていく傾向があるため注意が必要です。
上司や同僚との人間関係に対するストレス
職場の人間関係は、従業員の仕事満足度に影響します。上司からの高圧的な態度や一方的なコミュニケーション、同僚との摩擦や孤立感は、日々のストレスとして蓄積され、やがてびっくり退職につながる原因のひとつになります。
人間関係の悩みには、業務上の不満と異なり、人事や上層部に相談しにくいといった特性があります。「言いにくい」「大げさだと思われそう」と感じて一人で抱え込むうちに、我慢の限界に達して退職を決断するケースも少なくありません。
また、「なんとなく居心地が悪い」「チームに馴染めない」といった感覚も、長期間続くことで退職の決め手になることがあります。
キャリアの停滞感
「この会社にいても成長できない」「将来のキャリアが見えない」という停滞間や閉塞感は、特に意欲の高い若手・中堅層のびっくり退職につながりやすい原因です。
昇進の機会が限られていたり、同じ業務の繰り返しが続いたりする環境では、従業員はキャリアアップの可能性を感じにくくなります。その結果、自分の成長や将来像を描けないと感じ、より良い機会を求めて外に目を向けるようになるでしょう。
上司が部下のキャリアについて十分に向き合っていないケースでは、「自分のことを会社や上司が考えてくれていない」という感覚が、離職意向を高める要因になります。
働き方や価値観のミスマッチ
働き方や価値観のミスマッチも、びっくり退職の原因のひとつです。
リモートワークの可否・残業時間・休暇の取りやすさ・育児や介護との両立支援など、会社の方針と従業員の希望にズレがあると、不満が蓄積しやすくなります。
特に、働き方に対する価値観は、世代やライフステージによって変化するのが特徴です。入社当初は問題に感じていなかった働き方でも、結婚・出産・育児・介護などをきっかけに、負担が大きくなることがあります。
また、仕事だけでなくプライベートや家族との時間を重視する価値観が広がるなか、長時間労働や休日出勤が常態化している職場では、退職を考える従業員が増えやすくなります。そのため、従業員の価値観の変化を把握し、柔軟な働き方を検討することが重要です。
他社からのスカウトや転職機会の増加
他社からのスカウトや転職機会の増加も、びっくり退職につながる要因です。
近年は、スカウト型の転職サービスやビジネスSNSの普及により、従業員が在職中でも他社から声をかけられやすくなっています。転職を積極的に考えていなかった従業員でも、より良い待遇や成長機会を提示されることで、転職を意識し始める場合があります。
本人が職場に大きな不満を示していない場合、企業側は退職の兆候を察知しにくく、突然の退職として表面化することも少なくありません。
転職が一般的な選択肢になっている今、企業は従業員が社内で働き続けたいと思える環境づくりを進める必要があります。
びっくり退職が企業に与える影響
びっくり退職は、退職した従業員本人だけの問題にとどまりません。事前の準備や引き継ぎが不十分なまま人材が抜けることで、企業にはさまざまな悪影響が生じます。
ここでは、びっくり退職が企業にもたらす主な3つの影響を解説します。
業務が停滞する
職場全体の士気やモチベーションが低下する
人材の採用や教育にコストがかかる
業務が停滞する
びっくり退職では、十分な引き継ぎ期間の確保が難しくなるおそれがあります。担当者しか把握していない業務フローやノウハウ、取引先との関係性などが十分に引き継がれないまま、業務の空白が生じるケースも少なくありません。
特に、専門スキルや社内外のネットワークを持つ中核人材が突然抜けた場合、その穴を埋めるまでに相当な時間とリソースが必要になります。プロジェクトの遅延やミスの増加、顧客対応の質の低下など、業務への影響は多岐にわたります。
また、残されたメンバーへの業務負荷が急増することで、二次的な離職を招くリスクも否定できません。ひとりのびっくり退職が連鎖的な問題を引き起こす可能性があることを、企業は認識しておく必要があります。
職場全体の士気やモチベーションが低下する
びっくり退職は、残された従業員の心理にも大きな影響を与えます。「なぜ急に辞めたのか」「この職場で働き続けて大丈夫なのか」という不安や動揺が広がることで、職場全体の士気を下げてしまうことがあります。
こうした状態が続くと、職場全体の士気やモチベーションが低下し、生産性やチームワークにも悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
びっくり退職が繰り返される職場では、組織全体のエンゲージメント低下にも注意が必要です。
人材の採用や教育にコストがかかる
退職者が出た後には、新たな人材の採用や教育が必要になります。
求人広告の掲載・採用エージェントの利用・面接対応・内定者フォローなど、採用活動には多くの時間と費用がかかります。さらに、採用した人材が業務に慣れ、十分に成果を出せるようになるまでには一定の期間が必要です。
入社後の研修やOJTにも、教育担当者や現場従業員の工数が発生します。びっくり退職の場合、引き継ぎが十分に行われないまま欠員が生じることもあり、通常の退職以上に現場の負担が大きくなりやすいといえます。
びっくり退職の前に見られる主な兆候
びっくり退職は、突然起きたように見えても、退職前に従業員の行動や態度に変化が表れている場合があります。
びっくり退職を防ぐためには、日頃から部下の変化に気を配り、早期に異変を察知することが重要です。
ここでは、退職前に見られる主な兆候を3つ紹介します。
有給取得や遅刻・早退が増える
社内の人間関係から距離を置く
新しい業務や長期プロジェクトへの関心が薄くなる
有給取得や遅刻・早退が増える
転職活動中の従業員は、面接や企業説明会に参加するために有給休暇を取得する機会が増える場合があります。そのため、これまであまり有給を使わなかった従業員が、急に休みを取るようになった場合は注意が必要です。
また、面接の日程調整によって遅刻や早退が増えるケースもあります。体調不良を理由にしていても、頻度が急に上がった場合は、転職活動を行っているケースがあるでしょう。
もちろん、有給取得や遅刻・早退は従業員の事情によって発生するものであり、それだけで退職を疑うべきではありません。重要なのは、以前と比べた変化に気付き、必要に応じて本人の状況を丁寧に確認することです。
社内の人間関係から距離を置く
退職を考えている従業員は、社内の人間関係から少しずつ距離を置くことがあります。
たとえば、雑談やランチ、社内イベントへの参加が減る、同僚との関わりを避ける、会議での発言が少なくなるといった変化です。上司への報告・連絡・相談が減る場合もあります。
背景には、「どうせ辞めるから深く関わる必要はない」「今さら話しても変わらない」といった心理があるかもしれません。職場への期待や帰属意識が低下している状態ともいえるでしょう。
社内コミュニケーションへの関与が急に薄れた場合は、業務上の問題だけでなく、職場への不満や人間関係の悩みを抱えていないか確認することが大切です。
新しい業務や長期プロジェクトへの関心が薄くなる
退職を検討している従業員は、入社教育や長期プロジェクトへのアサインを避けようとする傾向があります。「どうせ途中で辞めることになる」という意識から、新しい責任や役割を引き受けることに消極的になりやすいためです。
ほかにも、研修や社内勉強会への参加意欲が低下する、将来の目標や計画について話すことを避けるといった行動が見られることがあります。
これまで意欲的だった従業員が、突然こうした姿勢を見せるようになった場合は、仕事上の悩みやキャリアへの不安を抱えているサインかもしれません。
業務の話題だけでなく、本人が将来についてどのように考えているかを丁寧に聞き出す機会を設けることが、早期察知と対処につながります。
びっくり退職を防ぐ方法
びっくり退職を防ぐには、従業員の不満や不安を早い段階で把握し、改善につなげることが重要です。
まずは、日頃から1on1や面談を実施し、人間関係や評価への納得感、キャリアの希望などを確認しておく必要があります。
また、評価や業務進捗の確認だけでなく、部下が本音を話せる雰囲気を作ることも重要です。「最近どう?」という一言から始まる気軽な対話が、心理的な安全性を高める職場づくりにつながります。
さらに、面談やアンケートで得た従業員の声は、制度や職場環境の改善に活かすことが大切です。評価基準が不透明だったり、現場の実態と合っていなかったりすると、従業員の不満は蓄積しやすくなります。成果や貢献度が適切に反映される仕組みを整えることで、納得感やモチベーションの向上につながるでしょう。
退職の兆候が出てから対応するのではなく、日常的に従業員の変化を把握できる体制を整えておくことが必要です。
まとめ
びっくり退職とは、企業や上司が予期していないタイミングで、従業員から突然退職を申し出られることです。
しかし、退職する本人のなかでは、評価・待遇への不満や人間関係のストレス、キャリアへの不安などが以前から積み重なっている場合があります。
びっくり退職を防ぐには、兆候に気付くだけでなく、従業員が本音を話せる環境を整えることが重要です。一方で、退職者が出た際にすばやく人材を確保できる採用体制も欠かせません。
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