相対評価を知る!不公平?やる気をなくす?問題点を払拭する評価方法を考える
- 相対評価とは
- 相対評価の意味
- 人事評価における相対評価のメリット
- 人事評価における相対評価のデメリット
- 相対評価を取り入れている具体例
- 相対評価での評価方法
- 相対評価の分布の割合
- 相対評価の計算方法
- 相対評価と絶対評価の違い
- 相対評価と絶対評価の違い
- 相対評価・絶対評価の問題点に向き合う
- 不公平感を払拭しやる気を上げることが大切
- 問題点を払拭する「ノーレイティング」
- 人事評価管理をカンタン・シンプルに
相対評価とは
現在、多くの企業の人事評価に取り入れられている相対評価ですが、問題点も取り上げられます。より良い評価方法を考えるために、まずは相対評価について改めて確認しましょう。
相対評価の意味
相対評価とは、集団の中の他者との比較によって成績を決めるという評価方法です。「Aランクは上位○%、Bランクは次の○%…」というように評価の枠をあらかじめ決めておき、その枠にはめ込む形で集団の中での個人の成績を評価します。
人事評価における相対評価のメリット
人事評価における相対評価のメリットとしては、次のことが考えられます。
評価者が評価しやすい
集団内の他者と比較して順位をつけるため、評価者が評価しやすいというメリットがあります。また、評価者によるバラツキも出にくくなります。
競争意識を高めることができる
順位付けがされるため、従業員に競争意識が芽生えます。モチベーションやスキルアップを自発的に行うようになり、切磋琢磨する企業風土を作ることができます。
人件費をコントロールできる
あらかじめ評価の分布割合を決めることができるため、給与や賞与といった人件費をコントロールすることができます。
人事評価における相対評価のデメリット
相対評価にはメリットだけでなく、デメリットもあります。デメリットとしては次のことが考えられます。
集団のレベルによって評価が変わる
相対評価では、所属する集団内の順位付けによって評価が決まります。そのため、ある部署で優秀とされていた者が別の部署に異動したら評価が下がるということも起こります。
個人の成長などを汲み上げにくい
個人の成長が見られても、周囲も成長していれば、逆に評価が下がることもあります。その場合、モチベーションの低下や、企業への不満が発生してしまう可能性があります。
チームワークが阻害される可能性がある
競争意識はメリットでもありますが、同時にデメリットにもなります。競争意識が煽られすぎた結果、自分の評価を上げるために周りの足を引っ張るなど、チームよりも個人を優先する体制が生まれやすくなります。
相対評価を取り入れている具体例
大阪市では、平成25年度から職員の人事評価に相対評価を取り入れています。公務能率や執務意欲の向上に向けて、処遇にメリハリをつけるとともに、厳格な評価を行うことで、市民からの信頼を得ることを目的としています。また、評価結果を職員全員に開示し、人材育成や評価結果の納得性の向上につながるようにしています。尚、評価結果には、評価の高い順に第1区分から第5区分までの5段階があり、分布の割合は、第1区分5%、第2区分20%、第3区分60%、第4区分10%、第5区分5%となっています。
(※出典)大阪市:「相対評価による人事考課制度の導入及び給与反映について」より
相対評価での評価方法
相対評価によって人事評価を行う場合の評価の決め方などについて解説します。
相対評価の分布の割合
一般的に、相対評価による人事評価では、高い評価:通常の評価:低い評価の割合の従業員の人数を、2:6:2というような「ベルカーブ」と呼ばれるバランスで調整し、評価を決めます。さらに、複数の部門を横断してバランスを調整することもあり、評価調整会議などを実施して議論し、最終評価が決められていきます。
相対評価の計算方法
相対評価の計算は、Excel等を利用して行うことも可能ですが、効率性などを考慮し、人事評価システムを利用することをおすすめします。人事評価システムを利用すれば、集計作業もワンクリックで行うことができ、人事評価にかかる工数を大幅に削減することができます。
人事評価システムについてさらに詳しく知りたい方のために「人事評価システムを使うべき3つの理由」をご用意しているのでぜひご活用ください。
相対評価と絶対評価の違い
評価の方法には、相対評価のほかに、絶対評価があります。その違いを簡単に解説します。
相対評価と絶対評価の違い
絶対評価とは、あらかじめ決めておいた基準を達成できたかどうかによって、評価を決定する評価方法です。
絶対評価にもメリット・デメリットがあり、相対評価との特徴の違いを理解しておくことも大切です。
絶対評価のメリット
納得感を得やすい
理由を問われた際、優れていた部分、至らなかった部分の説明が明確にできるため、評価の透明度があがります。
個人の成長を汲み上げやすい
評価対象者が成長すれば、その分評価が上がるため、従業員のモチベーションアップにつながります。
課題が明確になる
評価基準が明確なので、評価対象者の課題や目標が見えやすく、上司もアドバイスがしやすくなります。
絶対評価のデメリット
人件費の予測が立てづらい
全員が評価基準を達成した場合、全員が高評価を得ることになり、その分人件費が膨らんでしまいます。
評価者に左右されやすい
達成目標が売上額や成約数などの数値化できるものであれば良いですが、そうでない場合は、評価が評価者の主観に左右されやすくなります。
評価基準の設定が難しい場合がある
評価基準は、平均的な評価に多くの人が集まるように設定する必要があり、判断が難しい作業になります。
相対評価と絶対評価の違いについては、「相対評価と絶対評価の比較。両者の特徴と人事に求められること」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
相対評価・絶対評価の問題点に向き合う
ここまで、従来の人事評価で主流となってきた相対評価について詳しく見てきました。ここからは、新しい評価の仕方についても目を向けてみたいと思います。
不公平感を払拭しやる気を上げることが大切
従来の人事評価では、相対評価または絶対評価、もしくは相対評価と絶対評価を組み合わせたものが主流となってきました。しかし、多くの企業で課題を感じていることも事実です。
リクルートマネジメントソリューションズは「人材マネジメント実態調査2021」で、人事部門の担当者が認識している人事評価の課題について調査しています。その結果、最も多くの企業からあがった課題は、「人事評価制度への従業員の納得感が低い」(48.7%)でした。また、「従業員の仕事への意欲が高まるような評価制度になっていない」という回答も35.6%にのぼり、従業員の不公平感をなくし、やる気を上げることが今後の人事評価に期待されていることがうかがえます。
問題点を払拭する「ノーレイティング」
上述のように、現在の人事評価に対する課題感から、様々な新しい評価方法が注目されています。そのうちのひとつに「ノーレイティング」があります。
・ノーレイティングとは
ノーレイティングはランク付けをしない評価方法です。ランク付けの代わりに、上司が月に数回の頻度でフィードバックを行い、評価をしていきます。これまで行っていた年に1回の評価方法は一方通行が多く、上司の評価と部下の自己評価に乖離が生じることもありました。しかし、ノーレイティングでは頻繁にフィードバックを行うことで、上司と部下の認識のズレを解消できます。緻密なコミュニケーションが、評価への納得感につながるのです。
ノーレイティングについてさらに詳しく知りたい方は、「管理職が給与を決定!?ノーレイティングについて徹底解説」をご確認ください。
ランク付けをしないことで、従来の評価方法の課題を払拭しようとするノーレイティングですが、上司に高いマネジメント能力が求められるなど、デメリットもあります。それぞれの評価方法のメリットデメリットを認識して、自社に合った制度を導入することが求められます。
人事評価管理をカンタン・シンプルに
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