【人材管理:学び/勉強編】人材育成担当者が知っておくべき基本理論とおすすめ本を紹介!
- 人材管理における基本理論とは?
- なぜ理論を知っておくべきなのか?
- 人事に関係する学術領域
- 人材育成担当者が知っておくべき理論
- コルブの経験学習モデル
- ダニエル・キムの成功循環モデル
- モチベーション理論
- 組織学習理論
- 人材管理を学ぶためにおすすめの本
- 図解 人材マネジメント 入門
- ケーススタディで学ぶ 人事の仕組みとルール
- 組織行動のマネジメント
- リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書
- 人材管理を学ぶためのおすすめの資格
- ビジネス・キャリア検定人事・人材開発2級
- 産業カウンセラー
- 国家資格キャリアコンサルタント
- コーチング資格
- まとめ
- 人材管理・タレントマネジメントをカンタン・シンプルに
人事の仕事には知っておくべき基本知識があります。その中でも人材育成の仕事は人の内面に焦点を当てた仕事です。そのため、組織行動論、心理学、経営学など幅広い知識が必要になります。そこで今回は人材育成担当者が知っておくべき基本理論とおすすめの本をご紹介します。
人材管理における基本理論とは?
人材管理のための知識として、人事担当者は最低限知っておくべき基本理論があります。どのような理論を知っておくべきなのでしょうか。
なぜ理論を知っておくべきなのか?
人事の仕事は理論や知識を知らなくてもある程度はできる仕事です。一方で人事は経営陣や社員、求職者などに説明する機会が多くあります。説明の際には根拠をもって話すことが常に求められます。また、人事の仕事は人の人生を左右する社会的にも重要な仕事です。時にはリストラや懲戒など厳しく対応する場面もあります。勘や経験だけで誰かの人生を決めることはできないでしょう。そのため理論を知ることで判断軸を持つことができるのです。
人事に関係する学術領域
人事は幅広い基礎知識が求められる仕事です。学術的には、人的資源管理論と組織論の分野が人事領域で求められる知識です。他にも組織心理学や健康心理学などの心理学領域、賃金制度を設計するための会計知識、労働関連の法律に対応するための法知識も求められます。必ずしも学術的な知識を持ち合わせている必要はありませんが、知識を知っていることで自信をもって仕事に取り組むことができます。
人材育成担当者が知っておくべき理論
人材育成担当者の間には必ず知っておくべき暗黙の了解とも言える知識があります。人材育成担当者が知っておくべき理論を簡単にご紹介します。
コルブの経験学習モデル
組織行動学者のデイヴィッド・コルブによって提唱された経験学習モデルは、人材育成担当者のみならず人事担当者に必須の超基礎的な理論です。近年の1on1は、この経験学習モデルをもとに設計されています。経験学習モデルは、簡単に言えば人が経験を通じて学ぶ仕組みを見える化したものです。人は単に経験するだけでは学ばず、経験したことを内省し、自分の中で何を学んだのか概念化し、学んだことを実践することで学びが定着します。1on1やコーチングはこの経験の内省と概念化の促進のために行われることが多いでしょう。人材育成や人事制度設計に必須の理論です。
参考書:「最強の経験学習」
1on1についてさらに詳しく学びたい方のために「1on1ミーティング入門書」をご用意しているのでぜひご活用ください。
ダニエル・キムの成功循環モデル
近年の人材育成でよく用いられるのがダニエル・キムが提唱した「成功循環モデル」です。成功循環モデルは、組織において結果を変えるには行動だけでなく、思考や組織における人との関係性を変えるべきであると示しています。営業現場でもよく使われる概念で、このモデルを用いて業績を上げるために関係性を変えることに取り組む企業も多いでしょう。
モチベーション理論
モチベーション理論(動機付け理論)は、どうすれば仕事のやる気が高まるのかを示した分野の総称です。代表的な理論にはマクレガーのXY理論やハーズバーグの2要因理論があげられます。いずれの理論も人材育成や組織開発の現場で基本的な考えとして取り入れられています。
参考書:「【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践」
組織学習理論
組織学習とは、組織の中でどのように知識が生まれるのかを説明した理論です。知識とは、ここでは例えば製品に関するアイディアや業務の進め方といった企業で生まれるノウハウを意味します。組織学習理論を知ることでどうすればノウハウを生み出すことができるかを知ることができます。代表的な理論として越境学習を説明するダブルループ学習やSECIモデルなどがあります。
人材管理を学ぶためにおすすめの本
人事における基礎知識を学ぶための本としておすすめの本をご紹介します。
図解 人材マネジメント 入門
最近出版されたばかりの本ですが、人事関係者からとても評価の高い一冊です。人事の仕事の全体像を体系的にわかりやすく解説しています。人事初心者だけでなく、経験者の方が知識を確認するためにも使える本です。これから人事の仕事をする人には必ず手元においておきたい1冊です。
「図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ Kindle版」(著:坪谷邦生)
ケーススタディで学ぶ 人事の仕組みとルール
GAPや楽天などで人事を経験されたエキスパート人事である中島豊氏が書いたケーススタディ形式で人的資源管理を学ぶ本。人事の仕事の全体像がストーリー形式で構成されており、人事を少し経験した方が本格的に人的資源管理について学ぶのにちょうどいい1冊です。各章ごとに問題も付属しているため、人事部内の勉強会にもぴったりな本です。
「ケーススタディで学ぶ 人事の仕組みとルール」(著:中島 豊)
組織行動のマネジメント
世界中のビジネススクールで、組織論を学ぶための教科書として使われている1冊。モチベーション理論やリーダーシップ理論、意思決定など組織行動に関する理論と解説がわかりやすく体系的に説明されています。人事の知識を一通り学んだ後、組織論について学ぶ際におすすめの本です。
「【新版】組織行動のマネジメント―入門から実践へ」(著:スティーブン P.ロビンス)
リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書
人材育成担当者であれば必ず読んでおきたいのがこの本です。近年の人材育成は、リーダー育成や優秀人材の育成に特化しつつあります。このリーダー育成の基本的な考え方となるリーダーシップパイプラインを提唱したのがこの本です。人材育成に関する制度設計の方法を詳しく学ぶことができます。
「リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書」(著:ラム・チャラン)
人材管理を学ぶためのおすすめの資格
日本では人事に関する公的資格はまだ少ない状況です。しかし、取得することで人材管理についてしっかりと学ぶことができる資格がいくつか存在しています。
ビジネス・キャリア検定人事・人材開発2級
人事関連知識に関する唯一の公的資格であるビジネス・キャリア検定。厚労省の所管法人である中央職業能力開発協会が実施しています。人事だけでなく、経理や情報システムなど各分野別に3級から1級までの段階があり、2級は課長相当の職位を対象にした級です。人事であれば2級を取得できれば人事担当者として1人前と言えるでしょう。人事に関する知識を体系的に学べる資格です。
産業カウンセラー
人事関連で公的に普及している歴史のある資格が産業カウンセラーです。メンタルヘルス対応だけでなく、組織論や企業で必要な心理学について網羅的に学ぶことができます。取得費用は20万円前後と少し高いですが、資格を取得することで社内カウンセラーとして活躍できる可能性が広がります。
国家資格キャリアコンサルタント
ある程度、人事の仕事に慣れてきたら取得したいのがキャリアコンサルタントです。人事関連では唯一の国家資格であり、キャリア形成について体系的に学ぶことができます。近年は厚労省が企業におけるキャリア形成に力を入れていることもあるため、キャリアデザインの考え方を人材育成に取り入れることは当たり前になってきました。これからの人事に必須の資格と言えるでしょう。
コーチング資格
人材育成担当者であれば、コーチング資格を持っていると便利です。取得費用が高いこともあり、取得は必須ではありません。しかし近年は1on1など面談設計を行う人事業務が増えているため、コーチングの知識があると業務にも役立つでしょう。
まとめ
今回は人材育成担当者が知っておくべき基本の理論と本をご紹介しました。ご紹介したことを全て習得すれば、ほとんどの人事領域に対応できます。一方で人事は常に時代の変化に対応する仕事でもあります。昨今の社会情勢の変化のように新しい働き方が求められることもあるのです。どんな時でも対応できるように、常日頃から人事領域だけでなく、幅広い知識を吸収するようにしましょう。
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