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【実践!】階層別研修の目的と管理職研修から新入社員研修までの具体的手法を徹底解説

階層別研修の目的と手法

【実践!】階層別研修の目的と管理職研修から新入社員研修までの具体的手法を徹底解説

目次

    階層別研修は、管理職や中堅社員、新入社員に対し、期待する能力の向上を目的に行う集合研修です。階層によって内容が大きく異なる目的や選抜研修との違い、階層別研修を実施するポイントを、具体的な事例を通じて徹底解説します。

    1.階層別研修とは?役職・職能資格別の種類

    階層別研修とは、社員を役職や職能資格でくくり、会社主導で対象者全員に実施する教育です。役職ごとには、以下のような研修があります。

    階層別研修の基礎知識

    2.階層別研修の目的

    階層別研修の目的

    階層別研修は、役職や職能、社歴によってひとくくりで集めて教育を実施します。その階層に求める能力の向上を目的に研修を実施します。一方で集まる社員のレベルはさまざまです。階層別研修では、その階層に求める平均的なレベルの教育を実施します。ターゲットは、その平均的なレベルよりも下位の社員です。ボトムアップ研修と呼ばれます。すなわち、階層別研修は、その階層の平均的なレベルを相対的に引き上げ、優秀な人材を育成するために実施します。

    3.階層別研修体系図

    階層別研修を実施する上で、階層別研修体系図を準備します。求める人材育成像を、優れた行動特性や成果に結びついた思考を定義したコンピテンシーモデルで策定します。階層別研修体系図は、そのコンピテンシーモデルから逆算し、どの階層にどういう教育が必要なのかを明示します。階層別研修体系図は、事業形態や求める人材像・スキルに応じて見直していきます。

    階層別研修体系図のモデル例

    階層別研修体系図のモデル例

    4.階層別研修と選抜研修の違い

    階層別研修は全体の底上げのために実施する教育で、いわば畑にまんべんなく水を与えるような教育です。一方で、選抜研修とは、ある基準を満たす社員だけを選抜し、特別に上位の教育を実施します。大輪の菊を育てる場合は、株から分け別の鉢に入れて育てます。選抜研修とはいわば菊を育てる教育です。階層別研修は、その階層の社員全員を対象としますが、選抜研修を実施する場合には、その対象者へ動機付けが必要になります。また選ばれなかった社員に対する配慮も必要です。

    5.階層別研修のメリット・デメリット

    階層別研修にはメリットとデメリットがあります。階層別研修の特徴を理解して実施しましょう。 

    (1)階層別研修を実行する三つのメリット

    階層別研修のターゲットはボトムです。メリットは、同じ階層で活躍できていない社員にとってのメリットです。 

    ①自分の階層に求められている知識やスキルを再習得することができる

    ②活躍している同期社員の働き方やノウハウを聴いて新たな知見を習得することができる

    ③活躍している同期社員に刺激を受けてモチベーションを上げることができる

    ④これとは別のメリットとして、研修主催者側として、一同に研修ができるという効率面があります。

     (2)階層別研修を実行する二つのデメリット

    一方で、デメリットは、階層の中で活躍している社員のデメリットになります。

    ①すでに持っている知識やスキルを再教育され、得るものが少ない

    ②これとは別に研修主催者側のデメリットとして、研修のコンセプトが曖昧になりがち

    このデメリットを解消するために、階層の中の上位の社員に研修中のリーダーや、講師として活躍させます。また、研修終了後の懇親会で、社員が交流する場をつくるなどします。階層別研修で、上位グループとボトムグループを分けてチーム作りをすることは、お互いに壁を作り逆効果です。その場合は、グループ自体を分けて別の研修としてテーマも変えて実施しましょう。

    6.階層別研修の具体的な手法

    研修には、インプット教育とアウトプット教育があります。インプット教育は、スキルや知見を与えるものです。集合研修や通信教育、Webラーニングで実施します。 

    一方、アウトプット教育は、個人発表とグループ発表があります。個人発表では、決意発表や自部門の課題にどのように取り組むかなどをプレゼンします。グループ発表では、協働して意見を出し合い、事業計画や部門をまたがる改善テーマなど一つの成果物を作成します。上級管理職研修では上位研修になるほどアウトプット教育の要素が高くなります。

    一方で、新入社員研修などではインプット教育を行う割合が高くなります。

    新型コロナウィルス感染症拡大防止対策で、集合研修の開催が難しい状況の場合は、インプット教育の部分は、Webラーニングを積極的に活用しましょう。しかし、階層別研修を集合研修で行うメリットとして、社内の人的ネットワーク作りがあります。人事部門はインプット教育を検討する際は、このネットワーク作りの方法を併せて検討する必要があります。

    7.階層別研修の具体的な事例

     階層別研修には具体的には次のような研修があります。 

    1.上級管理職研修の事例とポイント

    部長クラスを対象とした教育です。アウトプット教育が90%以上を占めます。教育の目的は、中長期経営計画案の策定や、売り上げを倍増させる施策などを検討します。そのために必要な情報や知識を付け加える教育を付加します。日数は、2日から4日程度です。事業部門と管理部門の部長を同じチームにするなど、普段交流が少ない部長同士を一緒にして知見を広げます。研修で策定したものは、経営陣に発表しフィードバックを得ることも大きな研修成果です。

    【気を付けるポイント】

    研修のファシリテーターの選定です。はるかに現場に即した高度な意見が交わされますので、それをひとつの方向にまとめ上げる力が必要です。また、日程調整も大事な人事の仕事です。

    2.管理職研修の事例とポイント

    課長クラスを対象とした教育です。アウトプットが50%、インプットが50%の割合です。課長クラスは、自分の課の売上や生産性について日々業務を推進しています。アウトプットの内容では、部や工場全体の全体最適をはかるような課題がいいでしょう。インプットの内容では、職場で共通している課題の解決方法についてスキルや知見を与えます。ハラスメント教育やメンタルヘルス研修、さらにアセスメント研修を実施します。研修で策定したものは、部長や支店長クラスに発表しフィードバックを得ます。日数は2日から3日程度です。

    【気を付けるポイント】

    クラス分けと日程調整です。課長クラスだと人数が多くなる場合は、いくつかの班に分けて実施します。その場合、事業部門と管理部門をまぜるように組み合わせましょう。 

    3.新任管理職研修の事例とポイント

    昇進した管理職を対象にした教育です。アウトプットが30%、インプットが70%の割合です。新任管理職として、初めて経営側に立った心構えや日々の業務管理について教育を実施します。マネジメント教育やアセスメント教育を実施します。とくに重要なのは、職務権限と責任の部分です。管理者として日々の業務管理で重要な承認業務などについて、しっかりと習得させます。管理者として必要な労働法関連の知識も習得させます。アウトプット教育では、管理職となって自身の部署をどのような部署にするのか決意表明などが良いでしょう。日数は1日から2日程度です。

    【気を付けるポイント】

    実施するタイミングです。昇進してすぐに実施するよりも、実際に管理職として悩みだした6月くらいに実施するのがよいでしょう。大切なことは参加者のモチベーションを上げて現場に帰すことです。

    4.主任係長研修の事例とポイント

    中堅の職場のリーダーを対象にした教育です。アウトプットが10%、インプットが90%の割合です。参加者が職場でもっている課題や問題を具体的なテーマとすると良いでしょう。インプットでは、それらを解決するためのスキルやノウハウを教育します。階層別教育のメリットは、他の社員の知見やノウハウを得られることです。新型コロナウィルス感染拡大防止などの社会情勢の場合は、集合研修が難しいですが、ビデオ会議システムを活用するなど活発な意見交換ができるようにしましょう。アウトプット教育では、今後の改善活動のテーマや取り組みについて発表するとよいでしょう。日数は1日から2日程度です。

    【気を付けるポイント】

    グルーピングです。この階層が実は一番年齢の幅が広くなります。20代の主任もいれば、50代の主任もいます。一律同じテーマで実施するのか、少し難易度を変えるのか、参加者一人ひとりの顏をよく思い浮かべながら検討します。

    5.新入社員研修の事例とポイント

    新卒新入社員を対象にした教育です。インプットが100%です。新入社員研修のポイントは二つです。

    ①学生から社会人への意識変革意識改革にはインパクトと継続性のある研修が必要です。社会人としても気づきを与えるように研修ゲームなどの体験を通じて習得するとよいでしょう。

    研修ゲーム「ウルトラ社会人メガネ」を紹介します。大き目のおもちゃのメガネを用意します。新入社員のメガネのレンズには、"この仕事は得か損か"や、"この上司は敵か味方か"と書いてあります。そのメガネを通して仕事をした場合の結果について話し合います。社長のメガネには、"社員は生き生きと働いているか"、"お客様は喜んでいただいているか"が書かれています。このメガネをかけることによって、立場によって同じ社内でも見え方が変わるということに気づきます。新入社員が持つべき視点とは何かを話し合います。

    ②OJTで早期の戦力化

    OJT教育とOFF-JT教育を組み合わせて実施します。OFF-JTでは、業務に必要な知識やスキルを集合研修やWEBラーニングによって習得します。早期の戦略化は実務を通じて教育を実施します。配属された職場やOJTトレーナーによって習得に差がでないようにOJT教育実施計画書を作成しましょう。

    8.職種別研修をオススメする例

    職種別研修とは、階層別研修をさらに職種に分けることによって、より専門的な教育を実施するものです。

    1.中堅営業社員研修

    ベテランの営業社員を対象とする教育です。アウトプットが90%となります。会社や支店の売上を倍増させる施策を検討します。高度な市場分析の手法や顧客ニーズを製造現場へつなげる方法などをインプットします。営業に特化した研修なので、具体的なテーマを選定しやすいメリットがあります。デメリットとしては、いつも集まっているメンバーでの研修になるので、会議と研修の差別化が難しい点です。気を付けるポイントは、テーマを明確化しアウトプットイメージを意識させながら研修をすすめましょう。 

    2.介護・看護職研修

    介護や看護の現場でも階層別研修は有効です。経験を積むことが求められる現場で、ほかの人のノウハウや経験を習得できる場として活用します。特に新人の介護・介護職員を早期に戦力化するには、ナレッジの活用が欠かせません。階層別に必要なナレッジを整理し、習得させていきます。集合研修でお互いに経験や事例を発表し、ケース別の対応方法を検討するなどします。一方、ナレッジデータベースを利用して、日常業務を通じて研修を積むこともできます。 

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    HR大学 編集部

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