#人材採用
2024/08/28

ダイレクトリクルーティングとは?他の採用手法や新卒・中途採用向けサービスを比較

目次

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングとは

「攻め」の採用手法として注目されているダイレクトリクルーティング。ここでは、ダイレクトリクルーティングの概要や注目されている背景、市場規模について説明します。

ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングとは、採用企業から求職者に直接アプローチする採用手法です。

従来は、就職ナビサイトで広告を出す、あるいは人材紹介サービスを利用し、求職者からの応募を「待つ」ことが採用手法の主流でした。

ダイレクトリクルーティングは、自社が採用基準に合った求職者をリサーチし、直接メールなどで求職者にアプローチする「攻め」の手法です。欲しい人材に自社がアプローチするため、母集団の質が高いという特徴があります。

ダイレクトリクルーティングが注目される背景

少子高齢化を背景に、労働力人口の減少に歯止めが効かない環境下であるため、売り手市場が続いています。

売り手市場における新卒採用は、早期に学生と接触することがカギとなります。しかし従来の採用手法のように「待つ」だけでは、他社との人材獲得競争に太刀打ちできません。

この「待つ」だけの状況を打破する手法として、ダイレクトリクルーティングのニーズが高まっています。

ダイレクトリクルーティングの市場規模は?

ダイレクトリクルーティングは、株式会社マイナビによる2019年調査によると、あらゆる採用手法のなかで約3%(上場会社では約5%)と決して少なくありません。

人材獲得競争が激化するなか、職務に合致した人材を雇用する「ジョブ型雇用」のニーズの高まりもあり、今後、ますます拡大していくものと考えられます。

(※参考)株式会社マイナビ:「2019年卒 マイナビ企業新卒採用予定調査

ダイレクトリクルーティングと他の採用手法との比較

他の採用手法との比較

求職者に直接アプローチする「攻め」の採用手法であるダイレクトリクルーティング。ここでは、ダイレクトリクルーティングと他の採用手法との比較を解説します。

ダイレクトリクルーティングとナビサイトとの違い

ナビサイトとは、例えば「マイナビ」や「リクナビ」といった就職ナビサイトに自社の求人広告を掲載し、求職者からの応募を募る方法です。

ウェブで広告掲載をする「プッシュ型」のプロモーションで、母集団を大きく形成できる特徴があります。

ただしあらゆる層の学生から応募されるため、母集団形成後にスクリーニングする必要があります。

ダイレクトリクルーティングとスカウトとの違い

スカウトには、主に外部によるスカウトと自社によるスカウトの2通りがあります。

外部によるスカウトは、外部業者によるヘッドハンティングやスカウトサービスがそれに当たります。他方、自社によるスカウトは、自社で運用するスカウトサービスなどがダイレクトリクルーティングに該当します。

両者の違いは、スカウトの主体が「自社」か「外部」であるかの違いになります。

ダイレクトリクルーティングと人材紹介との違い

人材紹介は、自社が採用したい人材の要件が書かれた求人票を人材紹介会社へ提出します。その求人票を元に、人材紹介会社の担当者から登録している求職者にアプローチします。

人材紹介会社は、要件に合う人材を紹介するため、母集団の質はダイレクトリクルーティングと同様、高いといえます。ただし、料金は成功報酬型で、一般には採用予定者の予定年収に対して30%から35%と比較的高額です。

ダイレクトリクルーティングの主なメリット・デメリット

主なメリット・デメリット

ダイレクトリクルーティングは、大きなメリットがあるものの、覚悟すべきデメリットもあります。ここでは、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットを見ていきます。

ダイレクトリクルーティングのメリット3つ

まずはダイレクトリクルーティングのメリットを3つ紹介します。

  • 要件に合った人材を直接探すことができる

人材紹介は、求職者の予定年収の比率で紹介手数料が変動するため、予定年収の水準が低い場合、紹介されにくいことがあります。しかし、ダイレクトリクルーティングは、自社が直接アプローチするため、このような制約はありません。

また、自社が直接人材データベースを検索できる仕組みの場合、自社が重視するキーワードで自由に検索し、求職者のレジュメを吟味することが可能です。

  • 採用コストを削減できる

サービスによって違いはありますが、基本的には、契約期間中のスカウト通数は無制限で、募集職種も複数可能なサービスが多勢です。

ダイレクトリクルーティングを使いこなし、安定的に採用できるようになれば、人材紹介やナビサイトと比較して採用コストを削減することが可能です。

  • 採用ノウハウを蓄積できる

ダイレクトリクルーティングを実施するには、自社の求める人材を明確化するため、自社の優秀な社員の行動特性などを分析する「コンピテンシーモデル」などを作成する必要があります。

その上で求職者のデータベースから、自社が求める人材を抽出します。そして、「どのように求職者を惹きつけるか」「どのようにアプローチすることが効果的か」などを自社で考え、求職者にアプローチすることが求められます。

このように、分析からアプローチまでの一連を自社で行うため、他の採用手法より、採用ノウハウを蓄積しやすいといえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングのデメリット3つ

つぎに、ダイレクトリクルーティングのデメリットを3つ紹介します。

  • 採用担当者の業務負荷が大きくなる

ダイレクトリクルーティングは、要件に合う求職者を検索し、各々の求職者にスカウトメールを送付することが一般的な仕組みです。スカウトメールの返信率は、一般には数パーセントといわれており、根気よく多くのスカウトメールを送信しなければなりません。

採用人数が多いほど、それに応じた膨大なスカウトメールの送信作業が求められ、採用人数に比例して業務負担が大きくなります。

  • すぐに採用に繋がらないこともある

ダイレクトリクルーティングの対象となる求職者は、ナビサイトや人材紹介のように、応募意思がある求職者ばかりとは限りません。「良い企業や条件があれば」というように、アプローチされた時点で応募意思がない可能性もあります。

スカウトメールで反応があったとしても、応募までに長い期間を要するなど、すぐに採用に繋がらないデメリットもあるでしょう。

  • 需要の高い分野の場合、採用できないリスクもある

採用ターゲットにおいて、需要が高い分野では、採用市場では取り合いになっていることもあります。

このような需要の高い分野では、ターゲットとなる求職者が数百通のスカウトメールを受け取っていることがザラにあります。自社の特徴的な強みや、求職者におけるメリットを持って巧みにアプローチしないと、求職者は反応してくれません。

需要の高い分野をターゲットとする場合、ダイレクトリクルーティングサービスの契約期間中に、採用できないリスクがあります。

ダイレクトリクルーティングを成功させる3つのコツ

成功させる3つのコツ

ダイレクトリクルーティングを成功させる最大のポイントは、膨大なスカウトメールの送信作業を効率よく確実に行うことです。ここでは、ダイレクトリクルーティングを成功させる3つのコツを解説します。

採用課題・採用ターゲットの明確化

自社の採用課題・採用ターゲットに応じて、適した採用手法を決定することが成功へのカギとなります。

  • 採用課題の明確化

自社の採用課題が、母集団の「数」、あるいは「質」のいずれを上げることであるかを明確にします。

ダイレクトリクルーティングは、自社が求職者を検索して直接アプローチする特性上、母集団の「質」を上げる方法として、最適な採用手法です。母集団の「数」を上げることが課題であれば、ナビサイトなど他の方法を検討する必要があります。

  • 採用ターゲットの明確化

求職者を検索する上で、学歴や保有資格、職歴などターゲットの採用基準を明確にすることが重要です。とくに、複数の担当者がいる場合、担当者毎に求職者の検索条件がブレないよう、採用基準を明確化しておくことが必須でしょう。

ただし、設定した採用基準の要件すべてを満たす求職者を探そうとしても、要件が高すぎて対象者が少なくなる可能性があります。そのため、採用基準に優先順位をつけて検索することがポイントです。

「必須」「なお可」などの条件を整理し、それぞれの検索条件を組み合わせて、求職者のセグメンテーションを行うことで、効率的にターゲットの絞り込みが可能です。

専任担当者と定期スケジュールの設定

ダイレクトリクルーティングは、採用人数に応じたスカウトメールの送信体制を整えることが大きなポイントです。具体的には次の手順の下、専任担当者と定期スケジュールを設定します。

  • 定期スケジュールの設定手順

まず自社の採用ターゲットの、スカウトメールへの返信率を予測し、返信者が採用に至る確率を想定します。

つぎにこの確率を元に、スカウトメールの送信必要数を割り出します。

その上で、スカウトメール送信必要数に応じた専任担当者の割り当て、契約期間などを決定します。

この決定を踏まえて、1日当たりのスカウトメール送信数を定め、定期的なスケジューリングを行います。

  • スカウトメール送信必要数の算出方法

以下の条件の場合を例にとって考えていきます。

  • 採用目標人数5名

  • スカウトメールへの返信率5%

  • 返信者の採用率10%

スカウトメール送信数に対する採用率は、スカウトメールへの返信率に、返信者の採用率を乗じることで求めることができます。

今回の条件で考えると、

5%(返信率)×10%(返信者の採用率)=0.5%(送信者に対する採用率)

となります。つまり、これは、100通のスカウトメールを送ることで、0.5名の採用が可能なことを表します。

また、スカウトメール送信必要数は、採用目標人数を、先ほど算出したスカウトメール送信数に対する採用率で除することで導くことができます。

今回の場合で考えると、

5名(採用目標人数)÷0.5%(送信者に対する採用率)=1,000通(メール送信必要数)

となります。つまり、スカウトメールの送信必要数は、1,000通であることがわかります。

ターゲットを惹きつけるメールのポイント

ダイレクトリクルーティングのターゲットとなる求職者は、多い人で数百通にものぼるスカウトメールを受け取っていることもあります。

多数のスカウトメールに埋もれないようにするためにも、スカウトメールの件名を見て、クリックしたくなるようなキャッチコピーを作ることがターゲットを惹きつける重要なカギとなります。自社ターゲットの求職者ニーズを分析し、ニーズに合ったキーワードを件名に設定しましょう。

スカウトメールの文面についても、一律的な文章ではなく、求職者毎に個別のメッセージを添えるなど、1to1を意識することで、返信率の高いスカウトメールになるでしょう。

ただし、1通ずつ個別にすべてのメールを作成することは困難です。予め、「あなたの〇〇のご経験が当社にマッチしている」というようなフォーマットを作成しておき、スカウトメール送信時に「〇〇」に当てはまるキーワードを都度入れていく、というような運用も有効です。

ダイレクトリクルーティングのサービス比較(新卒・中途向け)

サービス比較

ダイレクトリクルーティングサービスは、人材データベースから求める人材を検索し、企業から直接スカウトメールを送るアプローチが基本です。ここでは、新卒向けと中途向けのそれぞれのおすすめダイレクトリクルーティングサービスを紹介します。

新卒向けのおすすめサービス

  • あさがくナビ

株式会社学情が提供する、多様化する採用市況に合わせた、ダイレクトリクルーティングサイトです。

主に、中堅・中小・ベンチャー企業を対象としており、マイナビやリクナビとは一線を画したサービスです。価格体系は、他のサイトのように通年掲載ではなく、掲載期間毎に選べるため、費用効率も優れています。職種別にサイトを立ち上げでき、ターゲット毎に見せたい情報を訴求することが可能です。

【形態】ナビ形態(一定期間の掲載)
【参考価格】12週間で35万円~ 
※詳細は要問合せ

  • OfferBox 

株式会社i-plugが提供する、利用者数が最も多い新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスです。

学生のオファー受信数に上限があるため、企業からのスカウト開封率は9割弱と高いオファー開封率を誇っています。人口知能による検索システムにより、個社別に要件を分析することが可能です。

【形態】成功報酬型/初期費用型
【参考価格】成功報酬型:1名につき38万円~、初期費用型:75万円~
※詳細は要問合せ

中途向けのおすすめサービス

  • ビズリーチ

株式会社ビズリーチが提供する、転職顕在層向けの知名度が高いダイレクトリクルーティングサービスです。

求職者の登録時に審査があるため、人材データベースにありがちなレジュメの中身が薄いということがなく、充実した職務経歴書で書類選考を行うことが可能です。転職顕在層向けのため、認知度が高い企業に返信率が高い傾向があることに留意が必要です。

【形態】成功報酬型
【参考価格】理論年収の15%
※詳細は要問合せ

  • リクナビHRTech転職スカウト

株式会社リクルートが提供する、豊富な人材データベースから、AIでレコメンドするダイレクトリクルーティングサービスです。

リクルートエージェント・リクナビNEXTの豊富な人材データベースから、AIが自社にお勧めの人材を毎日紹介します。「〇△×」を選ぶだけで簡単にスカウトでき、面倒なスカウト文面の作成も不要です。

【形態】成功報酬型
【参考価格】システム利用料は無料、採用時の成功報酬は要問合せ

【まとめ】自社の方針や環境にあったサービスを選定し、「攻め」のダイレクトリクルーティングを取り入れましょう

本記事では、ダイレクトリクルーティングの概要やメリット・デメリット、他の採用手法との違いのほか、新卒・中途向けダイレクトリクルーティングサービスを紹介しました。

人材獲得競争が激化するなか、「攻め」の採用手法であるダイレクトリクルーティングは、今後、ますます需要が高まっていくでしょう。

サービスによっては、面倒なスカウト文面の作成も不要など、ダイレクトリクルーティングのデメリットを克服するサービスも台頭しています。

自社の方針や環境にあったサービスを選定し、「攻め」のダイレクトリクルーティングを取り入れましょう。

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HR大学編集部
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