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ストレス耐性を高める3つの方法!低い人の特徴と面接で見極める方法

ストレス耐性を高める3つの方法!低い人の特徴と面接で見極める方法

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

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    ストレス耐性とは

    ストレス耐性6つの要素を解説する

    ストレス耐性とは、「ストレスや負荷がかかった時に、その人がどれだけ耐えられる力があるのか」ということです。ここでは、ストレス耐性が注目されている背景と、6つの要素を解説します。 

    ストレス耐性とは

     ストレス耐性とは、ストレスに対して適応し処理できるか、また、どの程度耐えられるかといったレベルのことを意味します。一般的に「ストレス耐性が高い・低い」と表現します。

    ストレスの原因をストレッサーと呼びます。同じストレッサーでも人によっては受け止め方が違うのが、ストレス耐性の特徴です。またストレスの負荷が大きく、長期化すると、「思い悩んでしまう」というように精神面で症状が出る場合と、眠れないなどという身体面に症状が出ることがあります。このように、同じストレッサーでも人によってさまざまな反応を引き起こすことが分かっています。

    厚生労働省によると、精神障害による労災の補償決定件数は、令和元年度の1,586件から令和2年度の1,906件に増加しています。また、支給決定件数も509件から608件に増加傾向を示しています。労災認定される自殺などがニュースになったことから、近年ストレス耐性という言葉が注目されるようになりました。

    精神障害に関する事案の労災補償状況についてのグラフ

    (※引用)厚生労働省:「精神障害に関する事案の労災補償状況」より 

    また離職理由に職場のストレスをあげる若者が多く、企業としても改善に取り組む事案となっていると思われます。

    若年者の離職理由と職場定着に関する資料

    (※引用)独立行政法人労働政策研究・研修機構:「若年者の離職理由と職場定着に関する資料」より  

    ストレス耐性6つの要素

    ストレス耐性を決める要素は6つあるといわれています。

    職場をとりまく環境では多様なストレッサーが存在するため、すべてのストレッサーを排除することはできません。しかし以下の共通するポイントをすでに持っている場合は、そのポイントを強化することで、ストレス耐性を高めることができるでしょう。

    1.キャパシティ(容量

    キャパシティ(容量)とは、ストレスを受け止める精神的容量のことです。
    キャパシティが大きい場合は、許容範囲が大きいということなので、ストレス反応が出にくくなります。

    逆にキャパシティが小さく、ストレスを受け止める容量が小さい人の場合は、他のひとにとっては取るに足りないようなこともストレスとして捉え、心身にトラブルを起こしやすくなります。  

    2.処理

    処理とは、ストレスを処理する能力のことです。ストレスの原因であるストレッサーそのものを排除したり、小さくしたりすることができるかといった処理能力のことを指します。

    例えば、商品の納品が遅れるという連絡を受けたとします。その事実でパニックにならずに、すぐに上司に報告し、他に納品できる業者を探す、クライアントへ納品期日の変更依頼をかける、など冷静に対応できるかという行動の差を指します。

    筆者の場合、過去の職場で極端にストレスに弱い同僚がいたのですが、何かトラブルがあるとパニックになって、周りに大きな声で当たってしまう人がいました。上司の指示で、トラブルを感じたらまずは深呼吸をする、何かあればすぐに上司のところにいく、という指導をしたことでだいぶ改善されたのを覚えています。ストレスを処理できる力というのは、ストレス耐性の大きな要素だと実感しました。 

    3.感知

    ストレスを感じ取る能力のことです。同じアクシデントが起こっても、人によってはそれをストレスとして感知するか、しないかということです。

    例えば、電車が遅れて遅刻しそうだとします。会社に遅刻連絡を入れて「遅延証明書」を取得すれば大丈夫、と遅刻をストレスに感じない人もいれば、遅刻したことで業務が遅れる事にイライラし、終日ストレスに感じる人もいます。同じ事象でもストレスと考えてしまうか、仕方がないと気持ちを切り替えてストレスに感じないで済むかで、ストレス耐性に大きな差が出ます。

    4.経験

    ストレスを受けたあとに積み上がる経験値のことです。同じような問題を繰り返し経験すると、処理をする能力が高まり、徐々にストレッサーにも慣れて、ストレスを感じにくくなります。例えば、接客がまったく初めての場合、初日は緊張しても徐々に慣れて、1年経つ頃には店舗に立つこと自体に緊張はしなくなるでしょう。筆者に鍼灸師の友人がいるのですが、女優がくるような高級店で働いています。美容鍼をはじめたばかりのころは、顧客の顔へ鍼を刺す手が震えそうになったそうです。それが今では目を瞑っていても刺せる、と言っていました。

    5.回避

    ストレスを回避する能力のことで、もともとの性格で大きく差が出ます。いつでも笑って過ごせるタイプは、ストレスを回避する能力が高いといえます。
    さらにこの回避能力は、自律神経系や内分泌系、免疫系の安定とも関連性があります。疲れていると、小さなことにイライラして怒りっぽくなるということは、誰でも経験があるのではないでしょうか。それと同じで心身が健康で安定していれば、比例してストレスを感じにくく、逆に疲労がたまっていると、誰しもストレスを感じやすくなります。ストレスを回避する能力は、生まれ持った性格に加え、仕事量も大きく作用すると言えます。 

    6.転換

    ストレスを良い方向に捉え直し、転換する能力です。自分にかかったストレスの原因を、ポジティブな考え方に置き換えることができる人は、ストレス耐性があると考えられます。

    筆者もかつて、同じミスをした部下2人に同じように指摘したことがあります。
    ひとりは次回ミスをしないように、と前向きに捉え、すぐに業務に戻ることができました。しかしもうひとりはミスしたことを悔やみ、いつまでも謝罪をしているという事がありました。後者は自分のミスを受け止め、それによりひとつ経験値があがったと前向きに転換する力が低かったと言えます。

    ストレス耐性高い人・低い人の特徴

    ストレス耐性の高い人・低い人の特徴を紹介

    ストレス耐性を観測するポイントがいくつかあります。しかし一見するとストレスに強い人の要素に見えるものでも、度を超すと低い人の特徴になるものがあります。

    ここでは、ストレス耐性が高い人と低い人には、それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。 

    ストレス耐性の高い人の特徴

    ストレス耐性の高い人には、以下の4つの特徴があります。

    ・ポジティブな考え方

    ストレス耐性が高い人は、不利な状況でもチャンスと考え、ミスをしたり上司に指摘を受けたりしても前向きに考えます。「これを今後に生かそう」という考え方なため、間違いを次に活かしていくことができるのです。

    よくある例え話で、コップに半分残った水を見てどう捉えるかで、その人の性格が分かるといいます。半分も残っていると考えるならポジティブ、半分しか残っていないと考えるならネガティブな思考の持ち主と言えます。

    ・楽観的

    楽観的というのも、ストレス耐性が高い人の特徴のひとつです。楽観的でマイペースな人は、人に合わせすぎて自分の意見を押さえつけたり、周囲に合わせるために無理して行動したりしません。周囲の意見を気にしすぎたり、物事のすべてに反応したりするわけではないため、ストレスが溜まりにくいといえます。

    ・自己肯定感が高い

    自己肯定感の高い人はありのままの自分を受け入れ、他人から責めを受けたとき、必要以上に自分で自分を追い込みません。こういった人は、他人から自分はどう見られているかという、他人からの評価をあまり気にしていないともいえます。他人の評価を気にしすぎない、自分や自分の価値観に自信がある人とも言えます。 

    ・集中力が高い

    集中力が高い人は「今、すべきこと」に注力できるため、余計なことを考える隙がありません。作業に没頭している間はそのほかのことは気にならなくなり、悩む余地がないという状況です。また集中力が高いと作業効率が高く、生活や仕事も充実しやすくなり、よい循環が生まれやすくなります。

    ストレス耐性の低い人の特徴

    ・生真面目 

    真面目な人は責任感が強く、何事もきちんと取り組み、コツコツと実績を積み上げることができます。しかし度を超えた生真面目な人は責任感を必要以上に溜め込み、小さなミスも許せなくなります。

    また自分が真面目でルールを守っているため、他人にも厳しく完璧を求めてしまいがちです。結果を追い求めるあまり、他人に頼ることを避けてしまう傾向もあり、妥協できない側面もあります。このため、トラブルがあっても自分だけで抱えてしまう傾向があります。 

    ・協調性が高すぎる

    協調性が高い人は、周りの状況や他人に合わせて行動できます。臨機応変な対応で、仕事場でも馴染みやすく、普通はストレス耐性が強いと思われます。しかし協調性が高すぎる場合は、常に周りの目を気にし、気配りをしすぎるために神経をすり減らす傾向があります。

    また「真面目な人」とも同じですが、自分がしていることを他人ができていないことに、ストレスを感じる人もいます。

    筆者の同僚でも、自分ができている気遣いを他の同僚ができていないことが、常に気になって仕方がないと話していました。

    ・大人しい

    大人しい人というのは、自分の気持ちや状況を相手に説明することが苦手な人のことです。気が弱いとも言い換えられますが、優しい人が多く、相手が困っていると必要以上に仕事を引き受けてしまう事があります。また無理を押し付けられた場合でも、自分の状況を説明できず、断らずに抱えてしまいがちです。

    常にオーバーワークが続き、突然倒れてしまうこともあるため、要注意です。 

    ・思い悩む

    ネガティブ思考とも言えますが、小さなことでも悩んでしまう人は、気持ちを切り替えることが苦手で、セルフマネジメントが苦手なケースが多いようです。

    仕事上の小さな失敗を、いつまでも悩み続けてほかの仕事が手につかなかったり、一日中そのことを悔やんでいたりします。

    また上司やクライアントに言われた一言を、いつまでも引きずる傾向があります。ひとつの失敗だけでなく、過去の出来事全般を悔やみ、自信まで無くしてしまいます。

    面接でストレス耐性をチェックする方法

    面接でのストレス耐性を確認するための各社のサービスと質問例を紹介

    ストレス耐性の確認は、採用時のひとつの指針として必要になってきています。ここでは、面接でストレス耐性を確認するための各社のサービスと質問例を紹介します。 

    事例:DIST

    DIST(自社採点方式)は、株式会社ダイヤモンド社(本社:東京都渋谷区)が提供しているテストです。自社で実施から診断まででき、採点時間は1人約5分と少ない負担で済み、感応複写式で結果がすぐに分かる点も利点です。以下の3つの特徴があります。

    • ストレス要因への耐性と対処するための資質を診断
    • 企業人の豊富なデータから標準化
    • 早期退職、長期休職などストレス社会が引き起こすさまざまな問題に対処 

    コンピューター診断方式のDIST-COMや、インターネット上で検査できるWeb- DISTなどのオプションもあります。

    (※参照)DIAMOND HRD:「適性検査・社員教育・研修」より

    事例:3Eテスト

    3Eテストは、エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)が提供する人材判定のテストです。知能と性格・価値観テストが利用できます。受験時間はひとり約35分で、スマホ受験に対応しています。

    「性格・価値観テスト」では以下の9つの視点で、面接では分かりにくい領域が確認できます。 

    1.      性格特性:主体性・変革性・外向性

    2.      創造的思考性:新たな商品・サービスを創り出すための力

    3.      コミュニケーション力:円滑な人間関係を築くために必要な力

    4.      エネルギー量:ビジネス活動全般を支える力

    5.      ストレス耐性:メンタルチェック

    6.      キャリアタイプ指向性:仕事に対する価値観

    7.      職務適正:「職種」ではなく10項目の「職務」について、適性を確認

    8.      総合特徴:全般的な人物像を捉えたコメント

    9.      注意すべき点:「一貫性」は受検者の回答結果の矛盾を確認し、虚偽の傾向を確認

    エン・ジャパン株式会社の3Eテスト測定内容

    (※引用)エンの適性検査:「3Eテストとは」より 

    特に「ストレス耐性」は、仕事に関わる各種のストレスに対してどう耐えられるかを確認しています。ストレスの原因を知り、個人のみならず組織としての対応・取り組みに生かせるとしています。

    ストレス耐性チェック質問例

    ストレス耐性に関する質問例を以下紹介します。

    下記は日本大学心療内科の桂・村上氏らによって開発されました。合計点で判断しますが、50〜80点はストレスに強い人、20〜40点は低い人、40〜50点の方とは平均的な人と定義されています。面接の場では、たとえば以下の表の質問をおりまぜて聞いたり、このままアンケートとして記入してもらったりするのもおすすめです。

    (※参照)J-STAGE心身医学:「The Reliability of the StressToleranceCheckLis」より

    ストレスチェックリスト

    (※引用)ライフデザイン研究所:「ストレス耐性度チェックリスト」より

    ストレス耐性の高め方

    ストレス耐性の高め方を紹介

    ここでは実際にストレス耐性を高め、ストレッサーに対して強くなる方法について紹介します。

    ABCDE理論

    ABCDE理論は「論理療法」のひとつといわれています。1955年にアルバート・エリスが提唱したカウンセリング理論です。要約すると出来事(Activating event)、信念(Belief)、結果(Consequence)からなる認知に焦点を当て、「すべての出来事は、捉える人や環境によって受け取り方が変わる」という考えです。

    A (Affairs,Activating Event)
    →客観的な外部の出来事・生活環境・人間関係。

    B (Belief)
    →客観的な外部の事象をどのように受け止めるのか、どのように意味づけして解釈するのかの信念・認知・考え方。

    C (Consequence)
    →信念や解釈を経て起こった結果(気分・感情・感覚・行動)

    D (Dispute)
    →非合理的な信念(イラショナル・ビリーフ)に対する反論・反駁・論理的否定。

    E (Effective New Belief,Effective New Philosophy)
    →効果的な新しい信念体系や人生哲学。“

    (※引用)Weblio辞書:「ABCDE理論」より 

    例えば、同じ場所で同じ経験をした人が2人いるとします。これがAの出来事です。

    このAという出来事に対して、個人の考え方や思い込みによって2人はそれぞれ違った受け取り方や感じ方をします。これがBの信念・思い込みです。

    2人それぞれがもつ違ったB(信念・思い込み)が、違ったC(結果・感情)を生み、異なる感情や行動に反映されます。

    つまり、Bの考え方を合理的に捉えることで、Cの結果をポジティブなものにできるという考え方です。

    例えば、誰かに嫌われたとします。「全員から好かれなくてはならない。」と思う人は落ち込み、「別に全員に好かれる必要はない。嫌う人がいても大丈夫。」と思い反応する人は落ち込まない、という結果になるということです。「〜ねばならない」という思い込みを排除し、できるだけ建設的な考え方を取り入れることで、自らネガティブな方向へ進む状況を減らす対応方法です。 

    企業側でできる方法

    会社側で取り組める、従業員のストレス耐性を高める方法を2つ紹介します。

    ・ワークライフバランスの推進

    サービス残業などに代表される、従業員へ負担を無理強いする雇用形態では、結局は生産性が落ち、離職率があがるなど負の連鎖になってしまいます。

    従業員が健康的に、生産性を最大限に発揮できる方法のひとつとして、ワークライフバランスの推進が挙げられます。

    プライベートが充実し、休養がしっかりとれていることで、自然にストレス耐性の向上が見込まれます。

    近年のテレワークやオンライン会議の積極的な導入で、家族と夕食をとってから会議に参加するなど、工夫ができるようになっています。

    ・テレワークの導入
    ワークライフバランスの推進施策の一環として、近年多くの企業で積極的な導入が進んだテレワーク(リモートワーク)や在宅勤務なども挙げられます。
    通勤のストレスや時間のロス軽減、育児や介護と仕事に対応したフレキシブルな勤務が実現でき、ワークライフバランスの推進を通じてストレス耐性の向上が見込まれます。

    もっとテレワーク(リモートワーク)の実施におけるワークライフバランスのとれた働き方について知りたい方は「リモートワークでも実現!ワークライフバランスのとれた働き方とは?」がおすすめです。

    ・ストレス耐性向上のための研修実施

    ストレス耐性は前述したように、個人のもともとの性格も寄与しますが、経験値の向上や考え方でも変える事ができます。会社としてストレス耐性をあげるための研修を行うことは、離職防止にもつながりおすすめです。

    筆者が新人の時に受けたことのある研修の中でも、「トラブル時の対応や考え方」については、今でもよく覚えています。トラブルが発生した時に何をすべきかをわかっているだけでも、ストレスに感じる度合いは変わります。

    【まとめ】ストレス耐性テストの結果は人事評価との連動で人材の有効活用を

    ストレス耐性に関して、その概要から高める方法まで紹介してきました。ストレスを理由での離職は人事としても、手段を講じたいひとつですね。

    また実際に行ったストレス耐性のテスト結果なども、人事評価や配属に生かしていくのがおすめです。

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    HR大学編集部

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