#人材管理
2023/08/29

【基礎編】目標管理システムとは?戦略人事のための比較ポイントを解説

目次

テレワークの進展などを背景に、目標管理制度(MBO)の見直しや取り組みを強化する企業が増えていますが、制度を人海戦術で回すことによる限界から、目標管理システムに注目が集まっています。
ここでは、目標管理システムの概要、主な機能、おすすめの目標管理システムなどを解説します。

目標管理システムとは

目標管理システムとは

企業の多くが導入している目標管理制度(MBO)。組織目標の達成には有効な組織マネジメント手法ですが、目標管理シートの回収や集計など人事部門の手間も多く、目標管理システムの導入を検討する企業も少なくありません。

そもそも目標管理制度(MBO)とは

目標管理制度(Management by Objectives:MBO)とは、経営学の父と呼ばれるドラッガーが提唱する組織マネジメントの概念です。

組織目標を達成するため、従業員一人ひとりが組織目標をブレイクダウンして個人目標を設定することで、組織と従業員の向かうべきベクトルを合わせる目標管理手法です。

目標管理制度の詳細について知りたい方は、「目標管理システム導入のメリットとは。MBOの概要やシステムの特徴」をご確認ください。

目標管理(MBO)の運用課題/よくある悩み

目標管理制度には、目標管理シートの配布・回収・集計実務は不可欠ですが、紙やExcelで運用に限界を感じているケースは多くあります。

各評価者における進捗が滞ると、給与への反映が間に合わないため、期日管理を厳格に行う必要があります。しかしそれでも、なかなか評価シートが集まらないといった悩みも見受けられます。

人事評価情報という特性上、情報のやりとりには細心の注意を払う必要があり、Excel等のデータでのやりとりは各管理者と個別に行う必要があるほか、セキュリティ策も講じる必要があります。

目標管理システムで実現できること

目標管理システムとは、目標管理制度における情報を一元管理し、目標設定から評価結果の集計、フィードバックまでの目標管理制度の一連を支援するシステムです。

目標管理シートの回収や集計、目標設定の進捗管理などをシステム上で行うことができます。また、現行の目標管理シートを目標管理システム上で再現して運用することができますので、自社の人事制度に応じた人事評価の運用も実現可能です。

目標管理システムの導入メリット・効果

目標管理シート導入の最大のメリットは、評価情報を一元管理できることです。

紙ベースの運用であれば、回収やフィードバックに手間がかかるうえ、目標設定事項のインプットなど人事担当者の負担は膨大です。

Excelでの運用であれば、セキュリティを踏まえてファイル管理を行うほか、各個人のデータを集計することも膨大な労力がかかります。

このような負担を目標管理システムの導入によって解消することができます。

目標管理システム導入のメリットについて詳しく知りたい方は、「目標管理システム導入のメリットとは。MBOの概要やシステムの特徴」をご確認ください。

目標管理システムの主な機能

目標管理システムの主な機能

目標管理システムはどのような機能を備えているのでしょうか。ここでは、目標管理システムができる主な内容を画面イメージとともに解説します。(わかりやすく解説するため、画面イメージに「HRBrain」を例にとって説明します。)

目標管理シート状況の一元管理や集計作業の自動化

目標管理シートの進捗を一元管理することができます。クラウド型の目標管理システムであれば、各種案内や未提出者への催促などもシステム上で行えます。
煩雑な人事評価の集計作業を目標管理システムによって自動化することもでき、人事担当者の工数を大幅に削減することが可能です。

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評価分布などの見える化

相対評価を行う場合、正規分布となっているかなど評価分布を確認する必要がありますが、この評価分布をシステムで瞬時に確認することができます。
また、職種や所属によって、評価の甘辛がないかなど切り口を変えて分布を見ることができるシステムもあります。この機能により、評価調整会議を円滑に進めることが可能です。

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蓄積した評価データの活用

蓄積した評価データを分析することで、職場別のパフォーマンス分析などの人事評価に関する分析を行うことができます。また、クラウド型目標管理システムであれば、他の人事システムの人材データとクロス集計することで、より多角的な分析を行うことも可能です。

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目標管理シートのシステム展開

従来、紙やExcelで運用していた「目標管理シート」を目標管理システムに展開することができます。クラウド型であれば、人事担当者が手間を割くことなくワークフローとして運用が可能です。

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従業員の基礎情報の一元管理

職歴や評価履歴、給与情報など従業員情報を一元管理することが可能です。環境によっては、他の人事システムデータも連携することができます。

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評価フィードバックの展開

旧来、評価のフィードバック作業は、人事担当者から当該部門の上司のみに個別連絡を行うなど、非常に労力を要する実務の一つです。

目標管理システムであれば、評価のフィードバックをシステム上で展開することが可能で、人事担当者が介在することなく、評価者が評価対象者を抽出してExcel出力できるものもあります。

他の人事システムとの連携

API(Application Programming Interface:外部システムと連携できる仕組み)に対応している目標管理システムであれば、他のクラウド型人事システムにデータ連携ができるものもあります。

OKR | Googleも導入する目標管理手法

OKR

OKRは、Googleやメルカリも導入する目標管理手法です。評価制度とは別の制度であるOKRとはどのような制度なのでしょうか。

OKRとは

OKR(Objectives and Key Results)とは、目標管理手法のひとつで組織目標を高い次元で達成させるために適用される目標管理制度です。

目標水準は、60~70%で達成という「ストレッチゴール」が理想とされています。チャレンジングな目標設定とすることで高次元の組織目標を目指すことが目的ですので、すぐに100%に到達するような容易に達成できる目標は掲げません。

また、1~3カ月程度で達成できる目標としてOKRを設定し、高い頻度で追跡・再評価をすることが求められます。

OKRとMBOの違い

OKRとMBOは、組織目標と個人目標のベクトルを合わせる点では同一ですが、目標達成の水準がMBOは100%に対して、OKRは60~70%と達成水準に違いがあります。MBOは評価制度として機能するものですが、OKRは評価制度には適用せず高い次元の目標を目指すことがMBOとの大きな違いです。

OKRの詳細について詳しく知りたい方は、「Googleやメルカリも導入する目標管理手法、OKRの基礎知識」をご確認ください。

また、OKRの基礎知識、実際の運用や活用の流れなど、OKRの基本が全て詰まった資料「「OKR」入門書」もご用意しています。

OKRを目標管理システムで活用するメリット

OKRは、1~3カ月程度の短いスパンの目標を高い頻度で追跡・再評価する必要がありますが、人数の多い組織では、紙ベースやExcelで回すことは極めて困難です。

クラウド型の目標管理システムであれば、高い頻度で追跡・再評価などをクラウド上で管理することができますので、OKRは、クラウド型の目標管理システムが必須といえるでしょう。

「業務効率化に役立つ人事評価システムの基礎知識」「どのくらいの規模から使い始めるべきか」などを「人事評価にシステムを使うべき3つの理由」にまとめています。

本当に人事評価のシステム化が必要かを迷われている方は、ぜひご確認ください。

戦略人事のためのお勧めシステム3選

おすすめ人事システム

目標管理システムの主な機能やメリットなどを説明してきましたが、ここではシステムの比較検討ポイント、戦略人事におすすめの目標管理システム3選をご紹介します。

目標管理システムの比較検討ポイント

HRDXが急速に進む環境下、目標管理システムを導入するには、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、比較検討ポイントともに、戦略人事に適した得勧めの目標管理システムを紹介します。

【システム形態】
大別すると、自社のインフラ環境の下で導入する「オンプレミス」、インフラ環境は不要でインターネットを介して利用する「クラウド」に分けられます。
オンプレミスは、自社のインフラ環境の下でアプリケーションを利用する形態のため、アプリケーションのカスタマイズが可能ですが、アプリケーションがインストールされていないPCは利用できません。
そのため、運用面では、セキュアな環境で自社の運用に合わせたシステムを構築できる反面、コストや保守要員等の人員手当も必要となります。また、ワークフローのような使い方はできないため、人事担当者に相当の負担が発生します。
クラウドは、セキュリティ面ではオンプレミスに優位を譲るものの、ワークフロー機能により人事担当者の負担を大幅に軽減でき、ユーザーの利便性が高い形態となります。

【ユーザーインターフェイス】
目標管理システムは、高い年齢層マネージャーも利用するものであり、必ずしもユーザーのITリテラシーが高いといえません。
画面操作がシンプルでわかりやすいことは、システム選定のうえで非常に重要な要素となります。直観的にわかりやすいシステムであれば、目標管理システムの導入障壁は低く、人事担当者の負担は大幅に減らすことができるといえます。

【他システムとの連携】
他の人事システムと連携できるか否かは、戦略人事の拡張性の観点では重要な要素となります。
API連携により、他の人事システムデータを連携することで、給与計算システムへの賃金データを反映するほか、タレントマネジメントやピープルアナリティクスなど人材データのアナリティクスにより戦略人事に活かすことも可能です。
万が一、利用するシステムがAPI連携に対応していない場合、事業継続の観点でも影響がでることもあるため、API連携の対応可否について確認することをお勧めします。

【カスタマイズ性】
自社の目標管理制度が変更となった際、柔軟に対応できるシステムになっているかのカスタマイズ性を確認することをおすすめします。
パッケージ型のシステムでは、大半がシステム設定の調整により、自社の仕様に合わせることができる仕組みが多いといえますが、自社の複雑な制度がすべてシステム設定の調整で対応できるとは限りません。
どの程度の範囲がパラメータの調整で可能であるのか、あるいは別費用でカスタマイズを行う必要があるかを見極めておくこともベンダー選定の観点では重要な要素です。

おすすめ目標管理システム3選

・CYDAS(株式会社サイダス

このサービスは、クラウド型タレントマネジメントシステムで、Googleやslackなど使い慣れたツールと連携が可能です。従業員規模に拘らず、自社の制度に合わせた人材データの活用をサポートします。
株式会社オービックと資本提携しており、多くの企業で利用されているOBIC7や奉行シリーズともシステム連動が実現可能です。

【形態】クラウド
【費用】要問い合わせ

・Smart Company(株式会社 日進サイエンティア

このシステムは、目標管理・人事評価・キャリア管理・タレントマネジメントなど人事業務に必要な機能を有する高機能人事システムです。

各機能をモジュールの追加として導入することが可能で、必要なときに必要な機能を追加できるように柔軟な対応が可能です。オンプレミスかクラウドのいずれかを選択できることも特徴のひとつです。

【形態】オンプレミス、またはクラウドのいずれかを選択可能
【費用】要問い合わせ

・HRBrain(株式会社HRBrain

このシステムは、人事部門のアナログな業務を「カンタン・シンプルに」を実現し、蓄積した人材データを見える化・分析することでタレントマネジメントなど戦略人事に活かすことができる人事評価クラウドです。

シンプルな画面設計で、ユーザーが直感的に操作できるほか、カスタマーサクセスというサポート体制は1社に1名つくようにサポート体制が充実してることも大きなポイントです。

【形態】クラウド
【費用】詳細は要問い合わせ

目標管理システム導入事例

目標管理システム導入事例として「HRBrainタレントマネジメント」の導入事例を確認してみましょう。

20年ぶりの人事評価制度刷新とタレントマネジメントの活用 株式会社日比谷花壇

株式会社日比谷花壇は、フラワーショップの経営をはじめ、イベントプロデュース、ウエディングフラワー、EC、フラワーギフト・デザインの企画、制作、販売、フューネラル(葬儀)などの事業を展開しています。また、緑を活用した内装・造園事業も行っています。人事評価が20年前から抜本的な見直しがされないまま運用され続けていたことや人事システムの使いづらさに課題を感じていました。

課題

  • 長期間見直しがされていなかった人事制度に「基準があいまい」「上長によって評価にバラつきがある」などの問題があった

  • 各店舗に1台しかパソコンがないことやシステムの使いづらさから人事システムを「賞与のためだけに入力するもの」と認識されていた

課題解決のカギ

  • 一目見たらわかる仕様・画面で操作できるタレントマネジメントシステム「HRBrain」を導入

  • 「HRBrain」導入と同時に人事評価制度を20年ぶりに刷新

  • 資格や独自の「今後やってみたいこと」など、社員の情報を「HRBrain」に一元管理して可視化

一目見たらわかる仕様・画面で操作できる、わかりやすいUIのタレントマネジメントシステム「HRBrain」を導入。それと同時に20年間見直しがされていなかった人事評価制度を革新しました。また、社員情報を「HRBrain」に一元管理することによって、人材データの可視化が実現されました。

システム導入効果

  • 社員名簿から従業員の顔写真とパーソナルな情報が見られるため、人事評価しやすくなった

  • 設立72年目にしてはじめて、対象の従業員全員が目標を入力できた

  • 「HRBrain」上で社員が自ら情報を取得し、キャリアに活かす動きが出てきた

導入システム
HRBrain 人事評価 | HRBrain

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導入事例
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株式会社日比谷花壇 | 導入事例

【まとめ】戦略人事を見据え、自社に適した目標管理システムを導入しましょう。

目標管理システムは、煩雑な業務を大幅に軽減可能で人事にとって必要不可欠なシステムといえます。

しかし、自社の目標管理制度やシステムのインフラ環境や方針に合わせた目標管理システムを選定しないと、今後の戦略人事が立ち行かなくなるなどの影響も考えられます。

本記事を参考に、自社に適した目標管理システムを導入しましょう。

HRBrainは戦略人事と目標管理を確かな成長につなげる人事評価クラウドです。

HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。

「そろそろ人事制度を整備したいが大変だし、誰に相談したらいいか分からない・・」
「もっと目標意識を高めて、メンバーに自発的に成長をして欲しい・・」
「管理作業に時間・工数が掛かりすぎる。無駄な業務に時間を割きたくない・・」

このような悩みをHRBrainで解決できます!
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HR大学編集部
HR大学 編集部

HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

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