マインドセットとは?意味や成長マインドセットの重要性と成功するための具体例について解説
- マインドセットとは
- マインドセットの重要性
- マインドセットは組織活動にとっても重要
- マインドセットの2つの傾向
- 固定マインドセットとは
- 成長マインドセットとは
- 成長マインドセットの重要性
- マインドセットを変革する「7S」
- ハードの3S
- ソフトの4S
- マインドセット変革の企業事例
- 成長マインドセットを獲得する方法
- 成長マインドセット獲得の企業事例
- 成長マインドセット獲得の企業事例:ザ・リッツ・カールトン
- 成長マインドセット獲得の企業事例:富士フイルム株式会社
- マインドセットを活用した人事施策
- 採用面接でのマインドセットの活用
- 目標設定でのマインドセットの活用
- 人材配置でのマインドセットの活用
- マインドセットの把握をタレントマネジメントシステムで実施
マインドセットは、ものごとの見方や考え方の指向のことで、マインドセットの状態が行動と結果に重要な影響を与えます。
また、マインドセットは変化し続ける企業活動において、従業員を動機付けするためには必須の知識です。
企業が従業員ひとりひとりのマインドセットを把握し改変することは、組織のマインドセットを変革し、企業全体を改革することにもつながるため、企業活動において重要なポイントになります。
この記事では、マインドセットの意味、ビジネスでのマインドセット、成長マインドセットと固定マインドセット、マインドセットの成功例について解説します。
従業員ひとりひとりのマインドセットの把握に
マインドセットとは
マインドセットとは、思考の傾向を指します。
マインドセットには、性格などの先天性のものも含みますが、もっと広い意味で価値観や信念といった後天的に形成されたものも含みます。
つまりマインドセットとは、ものごとの見方や考え方の指向のことで、多面的に形成されたマインドの全体をとらえた言葉です。
また、マインドセットは個人だけでなく組織に対しても使われます。
マインドセットの重要性
スキルやノウハウは、「持っている」「持っていない」で評価をされます。
一方、マインドセットは、ある事象を前にした時の、行動パターンを決定するものです。
つまり、マインドセットの状態が、行動と結果に重要な影響を与えるのです。
そのため、マインドセットが重要だとされています。
マインドセットは組織活動にとっても重要
マインドセットは個人だけでなく、組織に対しても使われます。
組織のマインドセットは、経営理念や行動指針、組織のトップの考え方などから形成され、業績やサービスに大きく影響します。
そのため、組織のマインドセットをどのようにマネジメントするかは、企業活動にとって重要になっています。
▼「経営理念」についてさらに詳しく
企業理念と経営理念の違いは?それらを社内に浸透させる方法について
マインドセットの2つの傾向
マインドセットは、「成長マインドセット」と「固定マインドセット」の大きく2つのマインドセットに分けられます。
それぞれのマインドセットについて確認してみましょう。
マインドセットの2つの傾向
- 固定マインドセット(Fixed Mindset:フィックストマインドセット)
- 成長マインドセット(Growth Mindset:グロースマインドセット)
固定マインドセットとは
固定マインドセットとは、「能力はもともと決められたもので努力しても変わらない」という考え方です。
固定マインドセットを持った人は、失敗をおそれ、チャレンジしない傾向があります。
成長マインドセットとは
成長マインドセットは、「努力すれば自分の能力は成長する」という考え方です。
成長マインドセットを持った人は、困難を成長の機会ととらえ、それを乗り越えようとします。
そのため、個人にとっても、組織にとっても成長マインドセットを獲得することは大切です。
成長マインドセットの重要性
事業環境の変化が急激に変化する時代に、企業が生き残るためには、市場環境の変化にあわせて、事業領域や主力事業である事業ドメインを変化させ続ける必要があります。
そのため、失敗をおそれず変化を成長の機会ととらえてチャレンジすることができる従業員が求められています。
そして、組織全体を固定マインドセットから成長マインドセットへと変革させることが重要です。
マインドセットを変革する「7S」
7Sとは、世界有数のコンサルティングファームであるマッキンゼーが提唱したフレームワークで、企業戦略における、いくつかの要素の相互関係をあらわしたものです。
7Sは、改革の際に手を入れるべき要素を、「ソフトの4S」と「ハードの3S」の7つの項目に分類しています。
この7Sは、マインドセットを変革する際にも有効なフレームワークとして活用することができます。
ハードの3S
ハードの3Sは「機能」の要素です。
ハードの3S
- Strategy(戦略)
- Structure(組織構造)
- System(システム・制度)
ハードの3Sは、比較的改革しやすい要素だとされてます。
ソフトの4S
ソフトの4Sは「人」の要素です。
ソフトの4S
- Shared value(共通価値観)
- Style(社風)
- Staff(人材)
- Skill(能力)
ソフトの4Sは、「人」と「組織文化」の変革が必要なため、変革が難しい要素だとされています。
ですが、ソフトの4Sを変革しそれぞれの要素で、成長マインドセットを獲得することが組織変革には欠かせない要素で、企業成長においては大切です。
▼「組織文化」についてさらに詳しく
組織風土と組織文化の違いとは?良い組織にするためのポイントを解説
マインドセット変革の企業事例
マインドセット変革による企業改革の代表的な事例に、稲盛和夫氏による日本航空の再建があります。
稲盛氏は、組織改革として従業員ひとりひとりの意識改革に全力で取り組みました。
そして、従業員から起こった変革の波は、やがて組織と会社を動かす大きな波となりました。
結果、日本航空は再建だけでなく、企業風土の変革にも成功しました。
成長マインドセットを獲得する方法
企業が組織の成長マインドセットを獲得する方法を3つのステップに分けて確認してみましょう
企業が組織の成長マインドセットを獲得するステップ
1.目標を言語化し具体的な行動として認識する
従業員が目標に向かって、自身の内側から湧き上がる興味や関心によって、内発的な行動を促すよう、コーチングや教育を行い「気づき」を与えます。
2.継続的に行動する
目標を実現するために、継続的に行動し進み続けるという「心構え」を定着させることが重要です。
3.成功体験を積み上げていく
人間は意識的無意識的にもメリットを感じることをやり続ける傾向があります。そのため、成功体験を積み上げて行くことが大切です。
成長マインドセット獲得の企業事例
成長マインドセットの獲得のステップを実施し、マインドセットの改革に成功した企業の事例について確認してみましょう。
成長マインドセット獲得の企業事例:ザ・リッツ・カールトン
ザ・リッツ・カールトンには、「クレド」という「行動指針」があります。
毎朝、海外にある本部から、「今日のクレド」が送られてきます。
従業員は朝礼でチームごとにクレドについて考え、今日はどのようにお客様に接するかを発表しあいます。
現場では、個人の判断で良いと思ったことをなんでも「言語化」できる仕組みとなっています。
そして、「行動」の結果はお客さまアンケートとなり、従業員にフィードバックされます。
このように、ホテル全体で成長マインドを醸成する仕組みを整備し、従業員が「成功体験」を積むことで、お客様からの高いリピート率を獲得しています。
(参考)ザ・リッツ・カールトン「ゴールドスタンダード」
▼「クレド」についてさらに詳しく
クレドとは?作成手順からカードによる社内浸透と導入企業事例について解説
成長マインドセット獲得の企業事例:富士フイルム株式会社
2000年以降デジタルの進化によって、写真フイルム市場は急激に縮小しました。
世界の写真フィルムの巨人であったアメリカのコダック社は、市場の変化に対応できずに倒産してしまいました。
一方で、2006年「富士写真フイルム株式会社」は、社名から「写真」を外し、新たに社名を「富士フイルム株式会社」として、新たな市場の開拓、新たな技術の開発に大きく舵を切りました。
それは、液晶事業や医療機器事業です。
「単に生き残るだけではだめだ」「ナンバーワン企業を目指す」という言葉を、従業員の誰もが信じて頑張ったからこそ、現在の富士フィルムの発展があるといえます。
組織の成長マインドの醸成には将来のビジョンが必要です。
また、成長マインドの醸成は、企業全体の仕組みを通して行うことが大切です。
マインドセットを活用した人事施策
マインドセットを活用した人事施策について確認してみましょう。
従業員のマインドセットを把握し、採用活動や人材配置などの人事施策に活用することで、従業員ひとりひとりの特性にあった、効果的な人事施策を行うことができます。
採用面接でのマインドセットの活用
マインドセットは採用面接でも活用することができます。
例えば、営業などの積極性が求められる職種では、成長マインドを持つ従業員を採用したいものです。
採用面接では、応募者のマインドセットの傾向を把握すると良いでしょう。
マインドセットを把握するために、過去の成功体験やチャレンジしたことなどを質問すると良いでしょう。
目標設定でのマインドセットの活用
マインドセットは目標設定でも活用することができます。
固定マインドセットの従業員の目標設定では、「目標達成への道筋」を一緒に考えることが大切です。
目標達成への道筋を明確にすることで、達成へのイメージがわき、目標達成に向けて業務に取り組もうとする姿勢があらわれます。
さらに寄り添いながら、目標達成をサポートするようにしましょう。
成功体験を積み重ねることで、ポジティブなマインドを獲得することができるようになります。
人材配置でのマインドセットの活用
マインドセットは人材配置でも活用することができます。
従業員ひとりひとりのマインドセットを把握し、特性を見極めて人材配置を行うことで、適材適所の人材配置が可能になります。
▼「人材配置」についてさらに詳しく
適材適所を実現する「人材配置」とは?実践的な方法とポイントを人事目線で解説
5分でわかる人事異動の業務効率化と「最適配置」実現のキーポイント
マインドセットの把握をタレントマネジメントシステムで実施
マインドセットは、ものごとの見方や考え方の指向のことで、マインドセットの状態が行動と結果に重要な影響を与えます。
また、マインドセットは変化し続ける企業活動において、従業員を動機付けするためには必須の知識です。
企業が従業員ひとりひとりのマインドセットを把握し改変することは、組織のマインドセットを変革し、企業全体を改革することにもつながるため、企業活動において重要なポイントになります。
従業員ひとりひとりのマインドセットを把握するためには、タレントマネジメントシステムなどを活用し、従業員のマインド特性を把握しておく必要があります。
「HRBrain タレントマネジメント」は、マインド特性をはじめとした、従業員のあらゆるデータを一元管理し可視化することが可能です。
また、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、研修などの育成履歴や、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、1on1やフィードバックなどの面談履歴、OKRなどの目標管理とマネジメント業務をクラウド上で一元的に感知できるため、人事業務の効率化が期待できます。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
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