人材育成
2021/04/15
成功するためのマインドセットとは
本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。
マインドセットは、変化し続ける企業活動に合わせ、社員を動機付けするために必須の知識です。これを担うのは会社のトップだけではなく人事部門の積極的な関与が必要です。マインドセットの意味、管理上のポイント、ノウハウを事例を交えてまとめました。
マインドセットの意味
マインドセットは、ものごとの見方や考え方の指向のことです。個人だけでなく組織に対しても使われます。
マインドセットとは
マインドセットとは、思考の傾向をいいます。性格などの先天性のものも含みますが、もっと広い意味で価値観や信念といった後天的に形成されたものを含みます。つまりマインドセットとは、多面的に形成されたマインドの全体をとらえた言葉です。
マインドセットの重要性
知識やスキルは持っているかいないかという評価をされます。一方、マインドセットは、ある事象を前にしたときに、行動パターンを決定します。つまり、マインドセットの状態が、行動と結果に重要な影響をあたえるのです。
組織のマインドセット
マインドセットは個人だけでなく組織に対して使われます。組織のマインドセットは、経営理念や行動指針、組織のトップの考え方などから形成されます。それが、業績やサービスに大きく影響することがわかっています。
組織のマインドセットをどのようにマネジメントするかは、企業活動にとって重要になっています。
成長マインドセットと固定マインドセット
成長マインドセットは、"努力すれば自分の能力は成長する"という考え方です。成長マインドセットをもった人は、困難を成長の機会ととらえ、それを乗り越えようとします。個人にとっても、組織にとっても成長マインドセットを獲得したいですね。
固定マインドセット
固定マインドセットとは、"能力はもともと決められたもので努力しても変わらない"という考え方です。このマインドセットを持つ人は、失敗をおそれ、チャレンジしない傾向があります。
成長マインドセットの重要性
事業環境の変化が急激に変化する時代です。企業が生き残るためには、市場環境の変化に合わせてドメインをチェンジし続ける必要があります。失敗をおそれず成長の機会ととらえてチャレンジする社員が求められています。
組織を固定マインドセットから成長マインドセットへ変革させることが重要です。
企業・組織のマインドセット
企業活動におけるマインドセットの意味や事例をまとめました。
マインドセットが重要な理由は、7Sモデルで説明されます。
7Sモデルは、世界有数のコンサルティングファームであるマッキンゼーが唱えたフレームワークです。
7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれます。
ハードの3Sは『機能』の要素です。
①Strategy(戦略)②Structure(組織)③System(システム・制度)
ソフトの4Sは『人』の要素です。
①Shared value (価値観) ②Style(社風)③Staff(人材)④Skill(能力)
組織を変革させるのはソフトの4S
ハードの3Sは変更が容易です。しかし、ソフトの4Sは"人"と"組織文化"にかかわるもので容易に変えることはできません。組織に変革をもたらすには、ハードの3Sだけでなく、マインドセットでソフトの4Sに取り組みます。
マインドセット変革の事例
稲盛和夫氏による日本航空の再建は、マインドセットによる変革の代表的な事例です。稲盛氏は、社員一人ひとりの意識改革に全力で取り組まれました。やがて社員から起こった波は、やがて組織と会社を動かす大きな波となりました。結果、日本航空は再建だけでなく、企業風土も変革させました。
マインドセットは変えることができる。これは、企業・組織のマインドセットでも同じですね。
成長マインドセットを獲得する方法
企業が組織の成長マインドセットを獲得するには三つのステップで行います。
1.目標を言語化し具体的な行動として認識する。内発的な行動を促すことです。そのためにはコーチングや教育の実施による"気づき"を与えることが有効です。
2.継続的に行動する。大事なことは継続です。実現するために進み続けるという"心構え"を定着させることが重要です。
3.成功体験を積み上げていく。成功体験を積み上げていきます。人間は意識的無意識的にもメリットを感じることをやり続ける傾向があります。
実際にこのステップを日々実行し、大きな成果につなげている企業を紹介しましょう。
成長マインドセット獲得の事例
マインドセットの改革に成功した事例を紹介します。
リッツカールトンの事例
ザ・リッツ・カールトンホテルには"クレド"というフィロソフィがあります。毎朝、海外にある本部から、"今日のクレド"が送られてきます。社員は朝礼でチームごとに考え、今日はどのようにお客様に接するかを発表しあいます。(言語化)現場では、個人の判断で良いと思ったことをなんでもできる仕組みとなっています。(行動)その結果はお客さまアンケートとなり、個人にフィードバックされます。(成功体験)このようにホテル全体で成長マインドを醸成する仕組みが整備され、お客様から高いリピート率を獲得しているのです。
富士フィルムの事例
2000年以降デジタルの進化により写真フィルムの市場は急激に縮小していきました。世界の写真フィルムの巨人であったアメリカのコダック社は、その市場の変化に対応できずに倒産してしまいます。一方で2006年富士写真フィルム株式会社は、社名から"写真"を外し、あらたなスタートを切りました。そして新たな市場の開拓、新たな技術の開発に大きく舵を切りました。それは、液晶事業や医療機器事業です。"単に生き残るだけではだめだ"、"ナンバーワン企業を目指す"。この言葉を社員の誰もが信じて頑張ったからこそ、現在の富士フィルムの発展があるのです。組織の成長マインドの醸成には将来のビジョンが必要なのですね。
成長マインドの醸成は、企業全体の仕組みで行うことが大切です。
マインドセットを活かした人事の事例
ネガティブからポジティブに活かした人事の事例をまとめました。
採用面接での活用
営業などの積極性を求められる職種では成長マインドを持つ社員を採用したいものです。採用面接では、応募者のマインドセットの傾向を把握することをお勧めします。過去の成功体験やチャレンジしたことなどを質問するとよいでしょう。
固定マインドの社員への目標設定
ポイントは目標達成への道筋を一緒に考えることです。達成へのイメージが沸き、取り組もうとする姿勢が表れます。さらに寄り添いながら、目標達成をサポートします。成功体験を積み重ねることで、ポジティブなマインドを獲得していきます。
成長マインドセットをもった社員を積極的に活用する
それには、タレントマネジメントシステムなどを活用し、社員のマインド特性を把握しておく必要があります。人事は、社員一人ひとりの特性を見極めて活用していきます。
タレントマネジメントツールなどを使って、社員のマインドの傾向を把握しておきましょう。
社員の特性を把握するためには
社員の特性を把握するために、タレントマネジメントシステムの導入が最も近道です。
「HRBrain」では、あらゆる社員データを一元管理し、社内で必要な情報をすぐに把握・共有可能になります。また、社員の特性やスキルを踏まえながら、優秀人材の抜擢や人員配置の検討をすることができます。
無料トライアル実施中!ぜひお試しください!
人材育成
HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。
