#人材管理
2026/03/06

退職者面談とは?本音を引き出すための実施方法や質問例、注意点も

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目次
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退職者面談は、離職の理由や、働くなかで感じていた課題を整理し、その後の組織づくりに活かすための重要なプロセスです。

退職者の声は、在職者が発言しにくい問題点を知る手がかりになり、採用・育成・マネジメントの改善につながります。一方で、実施方法を誤ると不満を刺激したり、引き留めと誤解されたりするおそれがあります。

そのため、面談の実施目的を明確にし、適切な進め方を理解したうえで取り組むことが重要です。

この記事では、退職者面談のメリット・デメリット、本音を引き出すための実施の流れまでを具体的に説明します。

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退職者面談とは?実施する目的や役割

退職者面談とは、退職が決まった従業員と上司の間で実施する面談で、退職理由の把握や組織課題の発見が主な目的です。

退職者は立場上のしがらみが減るため、本音に近い意見を伝えやすい傾向があります。そのため、評価制度の運用や職場環境、業務負荷など多角的な情報を取得できます。

得られた情報は採用要件の見直しや教育内容の改善、マネジメント研修のテーマ設定などに活用可能です。

さらに、誠実に対応すれば退職後の関係も保ちやすく、将来の再雇用や協力関係につながる可能性も生まれます。こうした学びを継続的に組織づくりへ反映させることが、退職者面談の役割です。

退職者面談を実施するメリット・デメリット

退職者面談には組織改善につながる多くのメリットがある一方で、実施方法を誤ると逆効果になるデメリットもあります。

導入前に両面を理解しておくことで、自社に適した運用設計が可能です。

メリット

デメリット

・本質的な退職理由を把握しやすい
・採用ミスマッチや受け入れ体制の課題を特定できる
・離職防止の取り組みにつなげられる

・実施・記録に手間がかかる
・従業員に不安を与えてしまう
・引き留め面談と誤解されると本音を得られない

メリット

退職者面談の実施には、以下のメリットがあります。

  • 本質的な退職理由を把握しやすい

  • 採用ミスマッチや受け入れ体制の課題を特定できる

  • 離職防止の取り組みにつなげられる

退職を決めた社員は利害関係から解放されるため、上司への不満や評価制度の問題点、職場の人間関係など、通常は言いにくい内容も率直に話してくれる傾向があります。

こうした生の声は、採用ミスマッチの原因特定、オンボーディング(入社後の受け入れ体制)の改善、マネジメント層への研修テーマ設定に直結します。

また、適切に対応すれば、退職者との関係を保ちやすく、将来の再雇用や広報的リスクの低減にも効果的です。さらに、面談内容を継続的に集計すると、退職理由の傾向を早期に把握し、離職増加の兆候を察知しやすくなります。

デメリット

退職者面談の実施には、以下のデメリットがあります。

  • 実施・記録に手間がかかる

  • 従業員に不信感を与えてしまう

  • 引き留め面談と誤解されると本音を得られない

退職者面談では、人事担当者や管理職が面談準備・実施・記録作成に充てる時間は決して少なくなく、退職者が多い時期には業務負荷が増大します。

特に、引き留めを目的とした面談と誤解されると、退職者は本音を話さず形式的な回答に終始してしまい、退職者面談の意味が薄れてしまいます。

さらに、面談者が感情的になったり、特定の人物を批判するよう誘導したりすると、退職者に不信感を抱かせるだけでなく、法的トラブルに発展する可能性も否定できません。

退職者面談で本音を引き出す実施方法

退職者から組織改善につながる本音を引き出すには、信頼関係を壊さない段階的な質問設計が重要です。以下の5つのステップを順に実践することで、形式的な面談から脱却し、価値ある情報を収集できます。

  • STEP1:感謝や労いの気持ちを伝える

  • STEP2:面談の目的を明確に伝える

  • STEP3:過去の経験を中心にオープンな姿勢で質問する

  • STEP4:質問を深掘り本音を引き出す

  • STEP5:秘密厳守を約束して感謝で締めくくる

STEP1:感謝や労いの気持ちを伝える

面談の冒頭では、これまでの貢献に対する感謝と労いの言葉を伝えます。「〇〇さんには△△プロジェクトで大変お世話になりました」といった具体的なエピソードを交えると、形式的ではない誠意が伝わります。

退職者は「辞める人間として扱われる」という不安を抱えているケースが多いため、まずは心理的な壁を取り除くことが重要です。

ただし、お世辞や過度な褒め言葉は逆効果になるため、事実に基づいた具体的なエピソードを伝えることを意識してください。

STEP2:面談の目的を明確に伝える

次に、面談が「組織改善のための情報収集」であることを明確に説明します。目的が不明確だと、退職者は警戒心を持ち、当たり障りのない回答に終始してしまいます。

また、個人が特定されない形で扱うことを伝えることで、退職者は安心して話せるはずです。

STEP3:過去の経験を中心にオープンな姿勢で質問する

本題に入る際は、いきなり退職理由を問い詰めるのではなく、入社時の期待や印象的だった出来事など、ポジティブな過去の経験から質問を始めるのが効果的です。

「入社当初はどのようなことにやりがいを感じていましたか」「成長を実感できた業務は何でしたか」といった質問は、退職者の心理的ハードルを下げます。

このとき、面談者は相槌を打ちながら共感を示しながら話を聞くことで、「この人には本音を話しても大丈夫だ」という信頼感が生まれ、その後の深い質問にも答えやすくなります。

STEP4:質問を深掘り本音を引き出す

退職者が話しはじめたら、表面的な回答で終わらせずに「具体的にはどのような場面でそう感じましたか」「それは何がきっかけでしたか」といった深掘り質問を重ねます。

たとえば「評価に不満があった」という回答に対しては、「どの評価項目が特に納得できませんでしたか」「上司からのフィードバックはどのくらいありましたか」と掘り下げることで、評価制度の問題点が明確になります。

STEP5:秘密厳守を約束して感謝で締めくくる

面談の最後には、話してくれた内容の秘密厳守を改めて約束し、協力への感謝を伝えて締めくくります。

また、「今後も何かあればいつでも連絡してください」と伝えることで、退職後も良好な関係を維持しやすくなります。

アルムナイネットワーク(退職者コミュニティ)への案内や、今後のキャリア相談の窓口を紹介することも効果的です。

退職者面談の質問例

退職者面談で本音を引き出すには、目的に応じた質問を段階的に投げかける必要があります。ここでは、組織改善に直結する5つのカテゴリー別に具体的な質問例を紹介します。

カテゴリー

質問内容

退職理由

・入社時に期待していたことと実際の業務にギャップはありましたか
・退職を考えはじめたのはいつ頃で何がきっかけでしたか

採用改善

・入社前の説明と入社後の実態に違いを感じた点はありますか
・入社後のサポート体制であったら良かったと思うものは何ですか

マネジメント向上

・上司とのコミュニケーション頻度や質に満足していましたか
・評価面談でのフィードバックは納得できるものでしたか
・上司に認められたと感じる業務はありますか

働きやすさ改善

・業務量や労働時間について改善が必要だと感じた点はありますか
・職場の人間関係で困ったことはありましたか
・会社の雰囲気や文化についてどのように感じていましたか

将来の関係維持

・今後、当社と何らかの形で関わる機会があれば興味はありますか
・退職者向けのイベントやネットワークがあれば参加したいですか

質問はあくまで事実確認を目的にし、責める口調を避けながら丁寧に進めることが重要です。

退職者面談を実施する際の注意点

退職者面談は正しく実施しなければ、かえって企業イメージを損ねたり、法的リスクを招いたりする恐れがあります。以下の3つの注意点を守ることで、安全かつ効果的な面談を実現できます。

  • 引き留めようとしない

  • 回答に対する深掘りをしすぎない

  • 感情を出しすぎない

引き留めようとしない

退職者面談で避けるべき行為は、面談の場を引き留めの機会として使うことです。退職の意思を固めた相手に対して「もう少し考え直してほしい」「待遇を改善するから残ってくれないか」と説得を始めると、退職者は警戒心を強め、本音を話さなくなる傾向があります。

面談の目的はあくまで組織改善のための情報収集であり、引き留めは別の機会に行うべきものと線引きしましょう。引き留めと情報収集を混同すると、どちらの目的も達成できない中途半端な結果に終わります。

回答に対する深掘りをしすぎない

退職者の回答に対して、何度も「なぜですか」「具体的にはどういうことですか」と問い詰めると、尋問のような雰囲気になり、退職者は萎縮してしまいます。

特に、上司や同僚への不満など、話しにくい内容は、無理に詳細を聞き出そうとせず、退職者が自発的に話せる範囲で止めることが賢明です。

また、退職者が言葉を濁したり、「特にありません」と答えたりした場合は、それ以上追及せずに配慮を示すことで、かえって後から本音を話してくれることもあります。

感情を出しすぎない

面談者が退職者の発言に対して、驚きや怒り、悲しみといった感情を強く表に出すと、退職者は「これ以上話すとまずい」と感じて口を閉ざしてしまいます。

面談者はあくまで中立的な聞き手として、淡々と話を受け止める姿勢を保つことが重要です。

ただし、無表情で機械的に聞くのではなく、適度に相槌を打ちながら「お話しいただきありがとうございます」と感謝を伝えることで、退職者は安心して話を続けられます。

退職者面談の内容を社内改善へ活かす方法

退職者面談を実施するだけでは、離職の傾向や組織の課題は見えにくく、内容を蓄積し分析してはじめて効果が高まります。

  1. 面談記録を匿名化して質問内容に応じて項目別にタグ付けを行う
  2. 一定期間ごとに集計し、繰り返し発生している課題を確認する
  3. 採用要件の見直しやオンボーディング研修の改訂、評価制度の改善案として人事・経営陣と共有する

上記の手順を踏むことで、面談での学びを施策として落とし込めます。アルムナイとの関係づくりにもつながるため、継続的なサイクルとして運用すると効果的です。

まとめ

退職者面談は、離職者の本音を知り、採用・育成・マネジメントを改善するための貴重な機会です。

一方で、引き留め交渉になってしまったり、感情的なやり取りに発展したりすると、退職者の信頼を損ねるおそれがあります。

目的を理解したうえで、質問設計や態度、記録方法をあらかじめ整えて、面談は穏やかな対話の場とすることが重要です。

得られたデータをタグ付けや集計で整理し、採用要件の見直しや教育テーマの設定に着実に反映していくことで、離職を単なる損失ではなく、組織学習のきっかけへ変えていけるはずです。

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株式会社HRBrain 中野 太朗
中野 太朗
  • ISO30414リードコンサルタント/アセッサー

  • ビジネス統括本部 エンタープライズセールス

新卒で大手総合人材サービス会社にて新卒採用のコンサルティング営業に従事し、スタートアップ〜ナショナルクライアントまで数百社を担当。2023年にHRBrainに入社。上場企業中心に組織診断サーベイ、タレントマネジメント等を提案。

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