マネジメントシステムとは?HRM・人事労務管理や意味を解説
- マネジメントシステムとは?
- マネジメントシステムの意味・定義
- 人事とマネジメントシステム
- マネジメントシステムにおけるHRM(人的資源管理)とは?
- HRM(Human Resource Management)とは?
- HRMとHCM(人的資本管理)の違い
- タレントマネジメントとは?HRMとどう違う?
- タレントマネジメントとは?
- HRMはタレントマネジメントの上位概念
- 大企業×日本企業におけるHRMの方法
- 日本企業は人事労務管理が中心
- HRMと人事トランスフォーメーション
- HRMを実現するには?
- HRMと人事システム
- まとめ
- 人的資源管理をカンタン・シンプルに
人事では、組織マネジメントに欠かせない基本的な知識や理論を知っていることがとても重要です。基本的な知識があることで、人事関連の企画をする際に説得力のある企画を立案する力が身に付きます。そこで今回は人事におけるマネジメントシステムについて解説します。
マネジメントシステムとは?
まずはマネジメントシステムの概念について考えてみましょう。
マネジメントシステムの意味・定義
企業経営におけるマネジメントシステムとは、一般的に企業の戦略上の目標や方針を達成するための仕組みのことを指します。ちなみに「システム」は日本語では「体系」や「仕組み」のことです。つまり単に「マネジメントシステム」と呼ぶ場合は、ITシステムのことではなく、企業における組織運営や指揮管理などの管理の仕組みを意味します。
人事とマネジメントシステム
人事は、マネジメントシステムの構築と維持を行う部門の一つと言えるでしょう。人事業務では会社の目標に沿って管理職を任命し、従業員を育成・配置を行います。当たり前ですが、会社は組織でできています。しかし、人が集まれば会社組織になるわけではありません。会社は組織運営の仕組みがあって初めて機能します。人事の仕事はこうした組織運営の仕組みを構築して円滑に運用することが求められています。
人事業務にマネジメントシステムを導入すると、どんな効果が得られるのかパフォーマンスを最大限発揮するための導入方法についてタレントマネジメントシステム15選!導入メリットや選定ポイントを解説をご確認ください。
マネジメントシステムにおけるHRM(人的資源管理)とは?
マネジメントシステムの構築や運用には、基礎的な知識が欠かせません。そこで、基礎知識である人的資源管理について解説します。
HRM(Human Resource Management)とは?
事業運営には、当たり前ですが人員が必要です。経営者と人事は経営資源である人を適切に管理することが求められます。事業の目標達成を実現するために必要な人材を必要なだけ市場から調達し、必要であれば育成を行って人材のパフォーマンスを向上させます。このように事業戦略と連動して経営視点で人材を管理することを人的資源管理(HRM)といいます。人的資源管理の方法として、採用、育成、評価などの人事制度が存在しているのです。
さらに人的資源管理について詳しく知りたい方は「人的資源管理(HRM)とは?目的や課題と企業例」をご確認ください。
また、評価制度や人材のパフォーマンスを向上させる取り組みについて詳しく知りたい方は「OKR入門書」と「1on1ミーティング入門書」をご確認ください。
HRMとHCM(人的資本管理)の違い
近年は人的資源管理の概念がさらに発展して、人的資本管理(Human Capital Management)が提唱されるようになりました。人的資源管理が単に人そのものを資源として定義しているのに対し、人的資本管理では人の能力や知識、経験、学歴など人が持つ特性を資本として定義しています。より広い範囲で人材の管理を定義する場合に使われる言葉です。最近の人事部では、タレントマネジメントの概念が用いられるようになりました。タレントマネジメントでは、人員数だけではなく、人材の潜在的能力などの資質を見極めて管理することが求められます。このように近年の人事業務の流れの中で、人的資本管理の考え方は重要性を増してきているのです。
タレントマネジメントとは?HRMとどう違う?
HRMと混同しやすい概念にタレントマネジメントがあります。タレントマネジメントとはHRMとどう違うのでしょうか。概念をおさらいしてみましょう。
タレントマネジメントとは?
アメリカの人事業界団体であるSHRMの定義では、タレントマネジメントは、”人材の採用、選抜、適材適所、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の人材マネジメントのプロセス改善を通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、現在と将来のビジネスニーズの違いを見極め、優秀人材の維持、能力開発を統合的、戦略的に進める取り組みやシステムデザインを導入すること”とされています。(※参考:SHRM「Talent management: a key component of HR」)企業が目標を達成するための人事業務全般を指すともいえるでしょう。
さらにタレントマネジメントについて詳しく知りたい方は「タレントマネジメントとは?メリットや目的、導入プロセスについて解説」をご確認ください。
HRMはタレントマネジメントの上位概念
人的資源管理(HRM)は、企業が事業目的や目標を達成するために経営資源のひとつである「人」をどう活用するかを考え、設計し、仕組化する取り組みです。タレントマネジメントは人的資源管理の手法の一つと言えます。特に近年の人事部では、能力開発や適材適所の実現を中心にタレントマネジメントという言葉が使われています。そのため、タレントマネジメントの上位概念としてHRMが存在すると捉えるのが良いでしょう。
さらにタレントマネジメントの知識や事例について詳しく知りたい方は「事例から学ぶ「タレントマネジメント」導入法・人材育成のためのスキル管理をご確認ください。
大企業×日本企業におけるHRMの方法
では実際に日本の大企業では、どのような人的資源管理が行われ、どのようなマネジメントシステムが構築されているのでしょうか。
日本企業は人事労務管理が中心
従来の日本企業では、人事労務管理が中心でした。終身雇用制度と年功序列、職能制を基本とした人事制度では、企業が人材を長期保有しながら育成をすることが一般的だったからです。人材の入れ替えが少ないため、人事の仕事は従業員の勤怠管理やジョブローテーションを中心とした育成に特化してきました。
HRMと人事トランスフォーメーション
しかし近年は急速なITの進化などによる環境変化により、長期的に人材を育成するよりも事業に必要な即戦力となる人材を獲得することが重視されるようになりました。かつてのように会社の計画を長期でたてることが難しくなり、短期的に目標を修正することが増えてきています。こうした環境へ対応するため、人事業務を人事労務管理から戦略的な人的資源管理へと変化させる人事トランスフォーメーションが近年、日本企業でも盛んになってきました。
さらに人事トランスフォーメーションについて詳しく知りたい方はHRテック(HR Tech)とは?人事がいま知っておくべき知識と導入方法をご確認ください。
HRMを実現するには?
環境変化の激しい現代では、かつてのように人材を調達して保有し続ける人事労務管理の考え方は難しいでしょう。変化する環境の先を読んで目標を立て、人事もそれに合わせて必要な人材や能力を獲得することが求められます。こうした人的資源管理を人事業務として実現するためには、人事機能の大幅な変更が必要です。これまで労務管理で取り組んできた勤怠管理などの優先度が低い業務はなるべく削減し、人事の人員を人的資源管理を実現する戦略立案や企画立案機能へとシフトしていくことが求められます。
HRMと人事システム
こうしたHRMを人事業務として実現するには、なるべく低付加価値な事務作業を簡素化するのがよいでしょう。業務を削減、簡素化するには最新の人事システムを活用するのがおすすめです。勤怠管理や評価運用業務などを簡単に行うことができます。環境変化へ対応するために人事機能をより高度化していくことを考えるなら、人事システムの導入を検討しましょう。
さらに人事システムの導入について詳しく知りたい方は「人事評価にシステムを使うべき理由」をご確認ください。
まとめ
人的資源管理をカンタン・シンプルに
今回はマネジメントシステムの話題から、人的資源管理(HRM)について解説してきました。人的資源管理は、現代の人事においてとても重要な考え方です。事業目標を達成するためには、最適な人的資源管理が欠かせません。環境変化に対応するためにも人事業務を整理し、人的資源管理に取り組んでいきましょう。
HRBrainは、MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法を通じて最新の人的資源管理をカンタン・シンプルに運用することができます。
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