人材データの管理・活用に必要なこととは?基本から構築方法まで解説
- 人材データベースとは?
- 人材データベースの意味・定義
- なぜ人材データベースが必要なのか?
- 人材データの活用方法
- 優秀人材の採用
- 離職防止への活用
- 組織パフォーマンスの向上
- 人材データの項目と整理
- 氏名などの属性情報
- 面談記録
- 評価記録
- スキルデータ
- マインドデータ
- 人材データベースの構築方法
- 人事戦略を立案する
- 戦略に合わせた人材要件を立案する
- 人材要件に合わせた人材データ項目を整備する
- システムを導入する
- 人材データベースの構築で組織のパフォーマンスを最大化
最近、HRテックの進歩により人材データを活用する企業が増えてきました。採用、育成、離職防止など様々な場面で人材データが活用されています。そこで今回は人材データの管理方法やシステム、人材データベースの構築方法について解説します。
人材データベースとは?
最近よく人事の現場で「人材データベース」という言葉を耳にします。人材データベースとはどのような意味なのでしょうか。
人材データベースの意味・定義
人材データベースとは、人材を戦略的に活用することを目的に人材情報を一元化したものです。データベースという名称の通り、単に情報を記録・保管するだけではなく、必要な時に必要な情報を取り出すことができます。
なぜ人材データベースが必要なのか?
企業にとって人は経営資源の1つです。一般的に経営資源は、ヒト・モノ・カネ・情報と言われています。企業は経営資源を活用して事業を行います。そのため、どこにどれだけ経営資源があるのかを管理することは経営の基本的な考え方と言えるでしょう。そのため経営資源である人を活用するために、人材の情報や状態を一元化した人材データベースは事業を遂行するために必須の仕組みと言えます。
人材データベースについてさらに詳しく知りたい方は「人材データベースとは?構築方法とおすすめソフトを紹介!」をお読みください。
人材データの活用方法
人材データベースを構築するには人材データが必要です。人材データを活用する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
優秀人材の採用
どの企業も、優秀な人材を採用したいと考えています。最近では将来有望な人材を見極める方法が確立されてきました。地頭を見極める従来のSPIだけではなく、ポテンシャルを測るアセスメントも充実しています。採用の際にこうしたテストや評価をデータ化することで、本当に優秀な人材を見極めることができるでしょう。
離職防止への活用
近年は転職市場の活性化により、どの企業も離職者対策を行うようになりました。さらにワーク・エンゲージメントや離職者の傾向分析も研究が進み、離職リスクを早期に発見することも可能になってきています。あらかじめ従業員エンゲージメントや上司とのコミュニケーション回数などをデータ化しておけば、離職防止に役立ちます。
組織パフォーマンスの向上
組織は人でできています。組織のパフォーマンスを向上させるには、組織の中にいる一人一人のパフォーマンス向上が必要です。一人一人の状態をデータ化して見える化することで、人の集合体である組織の状態を見える化することができます。どんなに大規模な組織でも、データ化することで問題を解決することができるのです。例えば、メーカーのある工場で不良品が数か月前から増えていたとします。機械トラブルなど様々なことが考えられますが、従業員のモチベーションや人間関係をアンケート調査してみると上司との関係がうまくいっていないことが判明する場合もあります。また、エンゲージメントデータを毎月継続的に調査すれば、繫忙期よりも閑散期にエンゲージメントが下がっているという傾向がわかるかもしれません。このように、現状を見える化して分析することは、問題解決の基本です。
人材データの項目と整理
では実際に人材データを整備するとなると、どのような項目が必要なのでしょうか。データ項目について考えてみましょう。
氏名などの属性情報
人材データベースの目的は、各人材を活用して経営戦略を達成することです。まずは各人材の属性情報が必要になります。属性情報は、氏名、住所地、年齢、性別などです。最近ではダイバーシティの進展により、性別を開示しない人も増えてきました。一方で企業では女性活躍推進などで性別情報を重視する場合もあります。このように、ただ単に情報を集めるのではなく、どのような場面でどのように活用するかを想像しながら項目を設定しましょう。
面談記録
評価面談や1on1における面談記録は重要な人材データです。面談の際にはその人材の考え方、モチベーションなど様々な情報を取得することができます。こうした情報をデータベースに登録しておくと、離職防止や配置最適化などに役立てることができるでしょう。
さらに1on1についてさらに詳しく学びたい方のために「1on1ミーティング入門書」をご用意しているのでぜひご活用ください。
評価記録
評価記録は立派な人材データです。人事評価は実施してきたけれど、データとして活用していない企業もまだまだ多いのではないでしょうか。評価情報を時系列、部署別などに並べて分析してみると組織や人材の課題が見えてきます。評価記録は後から分析ができるような形式でデータとしてまとめておきましょう。評価記録は人事評価システムを使えば簡単にデータとして保管できます。
人事評価システムについてさらに詳しく学びたい方のために「人事評価システムを使うべき3つの理由」をご用意しているのでぜひご活用ください。
スキルデータ
近年、特に注目されているのがスキルデータです。以前からスキルマップをExcelで作成して活用していた企業は多いのではないでしょうか。しかし、Excelでは分析に手間がかかるという課題がありました。現在はクラウド型の人事システムが発達したため、スキルデータを一元化して分析できるようになってきています。スキルデータを見える化できれば、組織のパフォーマンスをシミュレーションできます。ビジネスも一人一人のスキルやパフォーマンスを見える化できれば最適なチームをつくることができるのです。
マインドデータ
ここ数年はマインドデータも重視されてきました。マインドデータにはモチベーションやエンゲージメントなど、人の内面的側面をデータ化したものが含まれます。最近の研究から、仕事の成果にはエンゲージメントやモチベーションが関係あることがわかってきています。組織のパフォーマンスを最大化するためには、こうしたマインドデータをもとに改善を行う取り組みは不可欠と言えるでしょう。
人材データベースの構築方法
最後に、人材データベースの構築方法について解説します。
人事戦略を立案する
まずは今後の人事戦略を検討しましょう。例えば、ダイバーシティの観点から女性管理職を増やしたいなら、女性の優秀な人材をデータベース化する必要があります。このように、まずは今後目指したい方向性や目的を考えるようにしましょう。
戦略に合わせた人材要件を立案する
人事戦略の立案が完了したら、戦略に基づいた人材要件を考えます。例えば、ある小売店が3年後にネットショップの売上を伸ばしたいと考えたとします。その場合、どのような人材がどれくらい必要なのかを検討することが人材要件を立案する第一歩です。事業戦略を検討した結果、仮にWEBマーケティングに精通した担当者が1年以内に必要だという結論に至ったとします。その場合は、自社に必要なWEBマーケティング担当者とはどのような人材なのかを考えて要件定義を行いましょう。
人材要件に合わせた人材データ項目を整備する
人材要件の定義が完了したら、人材データ項目を整備します。仮に女性管理職候補でWEBマーケティング担当になれる人材を探すとします。その場合は、性別情報とリーダーとしての素養、WEBやマーケティングのスキルと知識が必要なデータになります。このように具体的に自社に必要な人材をイメージしながら人材データの項目を検討していきましょう。
システムを導入する
人材データ項目を決めたら、いよいよ人材データベースの構築です。従業員数の多い企業では、膨大なデータ項目が必要になります。そのため人事システムを導入するべきでしょう。最近では簡単に利用できるクラウド型の人事システムも増えてきました。こうしたシステムを活用しながら効率的な人材データベース運用を目指しましょう。
人事システム導入についてさらに詳しく学びたい方のために「人事評価にシステムを使うべき3つの理由」「HR Brain導入事例集」をご用意しているのでぜひご活用ください。
人材データベースの構築で組織のパフォーマンスを最大化
現代では、人材データベースを構築することが当たり前になりつつあります。データを収集して分析することは、人事領域でもこれからますます求められるでしょう。一方で、ただデータを収集すれば良いわけではありません。何のためにデータを収集して分析するのかを考えながら、人材データを管理・活用していきましょう。
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