人材管理
2021/10/18
社員管理データベースの目的や活用法、実際の事例まで解説!
目次
本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。
企業にとって効率よく利益を出すためには、様々な管理体制が必要です。その中でも人材(ヒト)の管理は会社運営の軸ともなってきます。社員管理とは人材についての情報をデータ化し管理することです。この社員管理データベースについて詳しく説明していきます。
また、システム導入のメリットなどについても解説します。
社員管理とは
そもそも社員管理とは、「ヒト」の管理をすることです。
企業において、効果的かつ効率的に利益を出していくためには「ヒト・モノ・カネ・情報」などに対する、様々な管理体制が必要となります。その中でも経営資源である「ヒト」に関する情報を管理することは、会社運営の面から見ても重要なことです。
「ヒト」に関する情報とは
- 個人情報
- 仕事内容・配置
- 経歴・昇格
- スキル
- 評価
- 勤怠の情報
などです。これらの管理をすることを指します。
またその中で、管理体制として「人事管理」と「労務管理」の大きく二つに分けられます。それぞれの内容は以下の通りです。
人事管理:「ヒト」自体の情報のこと
- 人材確保(採用)
- 育成
- 評価
- 配置
労務管理:労務に関係する情報のこと
- 給与の管理
- 勤怠管理
- 福利厚生、社内環境などの管理・改善
- 労働環境の管理・整備
これらの情報を管理すること全般を総称して「社員管理」といいます。
データベースとは
データベースとは、あらゆる情報を集め、それらをジャンルごとに分類し、引き出しやすく整理する事です。ほとんどの場合がコンピューター上で行うことを指します。
データベースのメリット
- 保管するためのスペースが、コンピューター内で済む
- あらゆるデータを自動的にジャンル別に整理できる
- 情報がスピーディに探せる
- データの「移動・持ち運び・共有」ができる
例えばこのように役立ちます
- 従業員の中で勤続10年以上のリストを出したい
- 営業成績の良い順にリストを作成したい
- 住所録の中から「東京都」在住のリストを出したい
これらを検索しようとした時、データベース化していなければ多くの時間と労力が必要となります。しかしコンピューター上で管理することによって、一瞬のうちに必要な情報だけを取り出すことができるのです。これは時間短縮だけでなく、人事の仕事効率やモチベーションへも影響をおよぼします。
社員データの基本的な情報
それでは社員データとはどのような情報を指すのか、具体的に見ていきましょう。
基本的には以下のような情報を入力し、データ化します。
労働者名簿
労働者名簿に記載されるのは、以下のような個人情報です。
- 労働者氏名
- 生年月日
- 履歴(異動や昇進などの履歴)
- 性別
- 住所(転居などで住所変更した場合は、その都度更新)
- 従事する業務の種類(配置・仕事内容など)
- 雇用年月日
- 退職日や死亡年月日
従業員情報管理
従業員情報とは、以下のような情報です。
- 持っている資格
- スキル
- 実績・成果
- キャリア希望
- 本人の希望やプライベートな意向など
勤怠管理
勤怠管理とは、タイムカードやICカードにより、出・退勤時間や残業時間などの管理をすることです。
労務管理
労務管理とは、労働時間や賃金・福利厚生など、労働に関することを管理することです。
社員管理データベースの目的
従業員の人数や会社規模によって、社員管理の方法や目的もそれぞれ異なります。まずは自社が社員管理をどのように活用したいのか目的を明確にしましょう。
社員管理データベースの活用は以下のような段階に分けられます。
とりあえず従業員の情報を管理したい場合
- 従業員の個人情報や勤怠情報などの名簿を作成し、管理職や人事部のみが活用
- さらにスキル・異動歴・性格・モチベーションなど多くの情報を加え、項目ごとに整理や検索ができるデータベースを作成
次に情報管理することによって、さらに活用したい場合
- システム導入により、管理職・人事部に加え全社員への浸透を図る。全体を浸透することにより、社員の意識改革や人事部の仕事負担の軽減に繋げる
- システム導入をクラウド化し「働き方改革」・「企業戦略」など会社全体の改善に活用
このように、各企業によって社員管理の活用法が目的が異なります。自社にあった目的を明確にして「社員管理データベース」の活用方法を選ぶと良いでしょう。
社員管理データベースの活用法
社員管理のデータ化について見てきました。それでは実際に「社員管理データ」をどのように活用できるのかを見ていきます。
採用時に必要な手続きの簡素化
従業員の採用が決まったら様々な手続きが必要となります。
- 雇用保険の締結
- 社会保険への加入
- 労働保険の加入
これらは「社員管理データベース」が整っていない書類申請の場合だと、非常に手間と時間がかかります。
書類申請の場合
- 従業員への個人情報の確認・記入・ハンコの捺印
- 不備があった際には訂正・書き直し
- 訂正の際は、役所と返送・発送のやりとり
などが必要となります。
社員管理データベースが整っている場合
- 自動作成したデータを従業員のPC・スマホに送信
- 答えを記入して返信してもらう
- それを電子申請する
これだけで完了できる場合もあります。
またそれだけではなく、情報を記録できるので、いつでも簡単に検索して見ることもできるのです。
適材適所の活用
仕事の配置を決める際は、従業員の能力・性質にあてはまる役職や仕事を与えることがとても大切です。「社員管理データベース」をもとに、以下のような情報を「適材適所」の判断材料に活用します。
- 持っている資格はなにか
- 仕事に対してのスキルは充分か
- 性格は適しているか
- 仕事の内容が賃金に合っているか
- 経験があるか
- 今までの成果はどうか
人材育成への活用
企業にとって、経営資源となる人材を育成することはとても重要です。「社員管理データ」を育成プログラムの実行に役立てることができます。不十分なスキルや仕事の経歴などを確認し、研修への参加を促進したり、教育係りを付けたりするといった活用ができます。また性格(人格)や個人情報をもとに「教育方針」を決める時にも役立ちます。
これに加え、全社員への情報浸透により、モチベーションの向上に繋げることも可能です。
労働環境の改善
「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、コロナウィルスの影響などもあり、労働環境の改善に力を入れる企業が増えています。改善する項目として例えば
- 労働時間(働きすぎていないか)
- 配置(適材適所かどうか)
- 仕事内容(マンネリ化していないか)
- 役職(マネージメント能力が適しているか)
などがあります。これらを改善するためには、社員管理データの情報が役立ちます。
社員管理の大変なところ
データ化していないと何が大変か
社員管理データの内容や活用法を見てきました。データ化することで人事業務が効率よく行われることが分かりました。ではデータ化できていないと何が大変なのか。例をあげて見ていきましょう。
- 個人情報に変更があった場合(結婚・引っ越しなど)紙ベースだと、多くの従業員名簿の中から探し出し、削除し書き込むという手間と時間がかかる
- 給与計算の際、労働時間の計算が必要な従業員の場合に手間と時間がかかる
- 不正や間違いに気づきにくい
- 新しく加入するものや申請が必要になったときに、すぐに情報を探せない
- 人事異動や昇格の際、情報が無く適正の判断が難しい
- 社員全員の情報を紙ベースで管理するので、保管場所の確保が必要
このように、人事業務部門の見直しとして「社員管理データベース」の構築をすることは、会社運営全体にも大きく影響することが分かります。
システム導入を検討する場合
社員管理のデータベース化について見てきましたが、システムを構築する場合「エクセルなどで自社で作成する」・「ソフトウェアなどのプログラムシステムを導入する」があります。
ここからは、システム導入について説明していきます。
システム導入のメリット
まず、システムを導入する際のメリットは
- パソコンなどの端末にソフトウェアをインストールするだけですぐに活用できる
- セキュリティーの強化になる
- 他のシステムと連携ができる
- 人的ミスの削減ができる
- 集計や検索の簡素化になる
- システムのトラブルや故障の対応をしてもらえる
- カスタマイズ対応できる場合がある
など多くのメリットがあげられます。
しかしシステム導入には経費がかかるため、「効率・便利さ」と「予算」を照らし合わせて検討しなければなりません。
システムを選ぶ際に気を付けること
実際に多くのソフトウェアが販売されているため、自社の経営戦略・目的に適合したシステムを選ぶことがとても重要となります。
経営財産である人材の人事部門に力を入ることは、今後の会社全体の成長に役立っていきます。「社員管理」の現状の見直しをして、改善すべき内容をよく調査しシステム導入を検討しましょう。
システムを選ぶ際、以下のことに注意すると良いでしょう。
- 現状を把握し、必要な項目を明確に
- 予算を決める
- オンプレミス・クラウドのどちらにするか決める(オンプレミス:ソフトをインストールし、インターネットに繋がずに利用するもの、クラウド:運営会社のサーバーを利用してネットワーク経由で利用するもの
- 給与計算・社員管理・人事管理など自社に必要な項目が入っているものを選ぶ
- クラウドシステムの場合、遠隔相談システムなどが整っているか
- アフターフォローができるのか
- 操作方法が簡単にできるのか
- 使用する端末が自社のもので適しているか
- 人事や管理者だけでなく従業員も活用できるか
- セキュリティーは万全かどうか
- 今後の人材戦略に適合できるか
実際に導入した企業の声
「社員管理データベース」のシステム導入を検討している方へ、実際にシステムを導入した企業の声を参考にしていただけたらと思います。(HRBrainを導入した企業の声です)
福島トヨタ自動車株式会社様
システム導入の前は、人材データを紙・EXCELで管理していたため、入退社の管理など、人的リソースを多く割く必要がありました。
HRBrain(人事評価システム)を導入することで、そのような管理の煩雑さをなくし、ミスなく・簡単に人材データを管理していくことを目指しています。
詳しくはこちらを参照してください。
アイフル株式会社様
アイフル様には、1600名の従業員が在籍していて、全員の経験・異動歴などの情報が体系的にまとまっているデータベースがありませんでした。
そのために人事異動が発生する際は、記録をエクセルや紙媒体で読み込み、時には人事部社員の記録を頼りに手作業で配属を検討するしかありませんでした。
それがシステム導入することにより、人事部の作業が簡潔になっただけではなく、従業員のキャリア形成の面や、やりたい仕事を実現させる支援を人事が主導することできます。「今後はさらに、人材を最大限に活かせる環境を構築しながら従業員の満足度を高めていく」とのことです。
詳しくはこちらを参照してください。
株式会社トリドールホールディングス様
丸亀製麺を運営しているトリドールホールディングス様は、社員管理データベースの導入時、データが分散していたため、現状を把握して、分析し、仮説を検証していくというプロセスが難しかったそうです。
システムを導入してからは業務負担も減少し、その分「会社をより戦略的にどうしていくべきなのか」という分析に時間を使えるようになったそうです。
詳しくはこちらを参照してください。
JA三井リース株式会社様
社員管理データベース導入前の課題として、紙・Excelでの評価運用により、工数が掛かりすぎていたり、評価/人材データが散在しており、必要な時に必要な情報を取り出すのに時間が掛かったりしていたそうです。
社員管理データベースは、評価運用を効率化しながら人材データを一元管理し、戦略的に配置・異動等の人事施策を実行していく方向性の元、それらを可能にするサービスとして導入しています。
すべてクラウドで完結するため、評価データのExcel転記も無くなり、集計も自動になり、今後も人事総務部としての業務効率化と生産性向上を目指していくそうです。
詳しくはこちらを参照してください
まとめ
「社員管理データベース」は、人事部の作業簡潔化になります。またそれだけではなく、従業員のスキルUP・モチベーション向上にも繋がっていきます。経営戦略として「社員管理」がいかに重要か理解して頂けたと思います。
今後データベースの作成を検討する場合は
- まず自社の目的を明確にし
- 次にどのように活用したいかを検討し
- 最後に目的にあったシステムを予算に応じて選びましょう。
「社員管理データベースの構築」は、会社成長の第一歩になることでしょう。
人材データの管理・分析・活用を通して、戦略的な人事の意思決定を支えるHRBrainならそのお手伝いができます。
是非、以下をご参照ください。
人材管理
HR大学 編集部
HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。
