#人材育成
2025/10/10

【設問例あり】従業員満足度調査に必要な項目は?調査の流れも解説

組織状態の把握から分析・課題抽出までワンストップで実現

目次
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従業員満足度調査を実施する際に「何を聞けばいいかわからない」「設問が多すぎて結果をうまく活用できない」と悩んでいませんか?

従業員満足度調査は、働きやすさや職場環境における課題を明らかにし、改善につなげるための有効な手段ですが、調査を効果的に活かすためには適切な項目設定が重要です。

本記事では、従業員の本音を引き出し具体的な改善アクションにつなげる、効果的な質問項目や調査の流れについて解説します。結果の活用方法やおすすめの専用システムも紹介するので、従業員満足度調査の実施にお悩みの場合にはぜひ参考にしてみてください。

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従業員満足度調査とは?意義や目的を解説

従業員満足度調査とは、従業員が仕事や職場環境に対してどの程度満足しているかを体系的に把握するための調査です。

具体的には、仕事内容や人間関係、福利厚生など、多岐にわたる項目についてアンケート形式で回答を求めるのが一般的です。この調査によって、従業員が抱えている不満や課題を可視化し、組織の改善につなげられます。

加えて、従業員満足度の向上は、離職率の低下や生産性の向上、優秀な人材の確保にも効果的です。

以下では、従業員満足度調査の実施に不安を抱えている方に向けて、従業員満足度調査を実施する目的や混同されがちな「エンゲージメントサーベイ」との違いについて解説します。

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従業員満足度調査を実施する目的

従業員満足度調査を実施する主な目的は、職場環境の改善と組織力の強化です。

調査を実施すると、従業員がどのような点に不満や不安を感じているのか、どのような点を高く評価しているのかがわかります。そのため、さまざまな課題に対する施策の検討も容易です。

たとえば「給与や評価制度に不満がある」という意見が多数見受けられた場合、人事制度の見直しが必要であると判断できます。さらに、部署や役職、勤続年数ごとの結果を比較分析することで、特定のグループに絞った課題の発見も可能です。

そのため、調査によってどのような経営課題を解決したいのかを明確にすることで、効果的な従業員満足度調査が実現します。

従業員満足度調査とエンゲージメントサーベイの違い

従業員満足度調査とよく比較・混同されるのが「エンゲージメントサーベイ」です。両者の違いは、適切な調査を選択するうえで理解しておく必要があります。

従業員満足度調査は「現在の職場環境に満足しているか」を測るのに対し、エンゲージメントサーベイは「組織や仕事にどれだけ主体的に貢献したいと思っているか」を把握する調査です。

たとえば、給与や福利厚生に満足している従業員が必ずしも高いエンゲージメントを示すとは限りません。逆に、やや不満があっても会社の理念に共感し、積極的に働く従業員も存在します。

つまり、満足度調査は現状把握に効果的であり、エンゲージメントサーベイは将来の成長意欲や貢献度を見極めるのに適しています。そのため、両者を組み合わせながら活用することで、より精度の高い組織改善が実現できるでしょう。

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【設問例付き】従業員満足度調査における7つの必須項目

従業員満足度調査の効果を得るためには、適切な項目を設定することが重要です。的を外した質問では課題の本質を捉えられず、改善策も具体化できないからです。

以下では、多くの企業が取り入れている7つの必須項目と、それぞれの設問例を紹介します。自社の目的に合わせて、項目をカスタマイズする際の参考にしてみてください。

内容

設問例

仕事内容・やりがい

・自身の役職や等級に割り振られる仕事の内容は適切だと思いますか?
・現在の仕事が社会や顧客の役に立っていると感じますか?

人間関係・職場環境

・職場の人間関係は良好だと感じますか?
・同僚との人間関係改善やハラスメント対策など会社による風紀の取り組みが適切だと思いますか?

上司のマネジメント

・上司は自分の成長につながる指導やフィードバックをしてくれていると感じますか?
・上司との相性が良く、信頼関係を構築できていると思いますか?

給与・人事評価の納得度

・給与や福利厚生など、自身の待遇に満足していますか?
・人事制度の仕組みや評価指標に納得していますか?

福利厚生・労働条件

・育児や介護を支援する制度が整っていると思いますか?
・希望する日数・日程で休暇を取得できていますか?

会社のビジョン・方針

・会社の示す経営方針やビジョンは自身が共感できる妥当な内容だと思いますか?
・会社の経営方針や事業計画など、経営に関する情報をタイムリーに知ることができていますか?

総合満足度

・この会社で働いていることを誇りに思っていますか?
・今後もこの会社で働き続けたいですか?

これらの内容を設問に組み込むことで、従業員が日常的に抱く不安や不満を幅広く把握できます。さらに、各項目ごとに「なぜそう感じるのか」を自由記述で補う設計にすれば、数字だけでは見えない具体的な背景も収集できます。

従業員満足度調査を実施するメリット・デメリット

従業員満足度調査には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

デメリット

・現場の従業員の声を把握できる
・生産性が向上する
・離職率の低下が期待できる
・顧客満足度の向上につながる

・調査方法を間違えると正確な調査結果が得られない
・調査の実施や集計には時間とコストがかかる
・継続的な実施が重要

調査を実施すると、経営層や人事担当者の主観的な視点だけでは気づきにくい、従業員の本音や潜在的な不満が把握できます。その結果、具体的な施策を立てやすくなったり、調査を通じて「会社が意見を聞こうとしている」と従業員が感じて組織への信頼感が強まったりすることで、離職防止も期待できるでしょう。

一方で、調査設計が不十分だと曖昧な結果しか得られず、改善に結びつかない点がデメリットです。また、継続的に結果を集計しながら組織改善を図る必要があることから、都度調査の実施・集計に時間とコストがかかる点も注意すべき点です。

これらのデメリットを防ぐには、適切な設計と改善サイクルを構築する、専用システムを活用して効率化するなどの対策を講じる必要があるでしょう。

【6ステップ】従業員満足度調査を実施する流れ

従業員満足度調査は、以下のように段階的な手順を踏むことで正しく運用できます。

  1. 目的を明確にする
  2. 質問項目を作成する
  3. 回答方法を選択する
  4. 調査を実施する
  5. 結果を集計・分析する
  6. 施策の検討とフィードバックを行う

場当たり的に設問を作成してしまうと、結果が活用できず、従業員の不満を解消できません。このプロセスを確立すれば、単なるアンケートにとどまらず、従業員の意見をもとにした組織改善のサイクルを回せます。

1.目的を明確にする

調査を始める前に、まず「なぜ実施するのか」を明確にすることが重要です。目的が曖昧だと、設問内容も散漫になり適切な分析もできません。

たとえば「若手社員の離職率が高い」という経営課題があれば、調査目的は「若手の定着を阻害している要因を特定し、改善施策を立案すること」です。さらに「成長機会の不足がエンゲージメントを低下させているのでは」「上司からのフィードバック不足が不満の原因では」などの仮説を立てることで、調査に必要な質問が見えてきます。

さらに、目的を社内に共有しておくと、従業員が調査の意義を理解することで、回答率の向上にも期待できます。

2.質問項目を作成する

次に、目的に沿った質問を具体的に設計します。網羅性を意識しながら、回答者の負担を減らすために15〜30問程度に収めましょう。

設問は、できるだけ客観的で具体的な内容にすることが大切です。たとえば、「あなたの仕事はやりがいがありますか?」という抽象的な質問ではなく、「あなたのスキルは現在の仕事で十分に活かされていると感じますか?」のように、より具体的な表現を用いるようにしましょう。

回答形式は、5段階評価や選択式、自由記述を組み合わせることで、定量的なデータと定性的な意見の両方を収集できます。

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3.回答方法を選択する

質問項目が完成したら、調査の回答方法を選択します。主な回答方法には、紙のアンケートとWebツールの利用の2種類があります。

紙のアンケートは、パソコン操作に不慣れな従業員でも簡単に回答できますが、配布・回収・集計に手間がかかる点がデメリットです。

一方、Webツールを利用すると、回答の進捗状況をリアルタイムで確認でき、集計や分析も自動で行えるため、効率的に調査できます。

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4.調査を実施する

質問項目と回答方法が決まったら、調査を社内で告知し実施します。この際、回答期限を明示し、リマインドを定期的に行うことが回答率の向上につながります。

また、回答は評価に影響しないことや匿名性の担保などを事前に発信することで、従業員が安心して回答できる環境を整えることが可能です。さらに、経営層や管理職から協力の声掛けを行うと、組織全体として調査に取り組む姿勢を示せます。

丁寧な実施体制を整えることで、信頼できるデータが収集できます。

5.結果を集計・分析する

調査が完了したら、回答結果を定量的・定性的に分析します。集計では「部署別」「職種別」「勤続年数別」などでセグメント分けすると、課題の所在が鮮明になります。

具体的には、単純集計で全体の傾向を把握し、次に部署・役職・勤続年数などの属性で集計を行い、どの層にどのような課題があるのかを深掘りししましょう。

また、平均点だけを見るのではなく、回答傾向の違いや自由記述コメントを照合することで、実際の不満の根源を把握できます。

その後、分析結果はグラフやレポートにまとめ、経営層だけでなく現場にも共有することが効果的です。データをそのままにせず、改善に直結する形で整理することで調査の効果が得られます。

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6.施策の検討とフィードバックを行う

最後に、調査で得られた結果を基に改善施策を検討し、従業員へフィードバックを行います。その際には、どの課題にどのように取り組むのかを明示し、実施スケジュールと合わせて伝えることが効果的です。

また、改善内容を従業員に共有することで「意見が反映されている」という信頼感を醸成できます。さらに、施策の実行後には再度調査を行い、改善の効果を検証することも重要です。

このサイクルを継続的に回すことで、従業員満足度を高め、組織の持続的成長が期待できるでしょう。

従業員満足度調査の効果的な活用方法

従業員満足度調査を効果的に活用するためには、実施後の対応が重要です。

従業員満足度調査は従業員の声を数値化するために有効な手段ですが、結果に対して対策を講じなければ「意見を聞くだけで改善がない」と受け取られ、むしろ不信感を招くおそれがあります。

そこで必要なのは、評価結果をもとに1on1面談やグループミーティングを行い、直接の対話によって不満の理由や改善への期待を深掘りすることです。

たとえば「上司の評価に納得できない」という回答があれば、該当部署の従業員と面談し、具体的に不満がある評価プロセスを把握します。面談の場で改善に向けた考えを共有すると「意見が反映されている」と実感でき、信頼関係の強化にもつながります。

改善を一度で終わらせず、定期的に調査を繰り返して効果を検証することで満足度向上が期待できるでしょう。

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調査結果をもとに従業員満足度を向上させる取り組み5選

従業員満足度調査は、結果を活用することに価値があります。単にデータを集めるだけでは従業員の不満は解消されないため、調査結果によって具体的な改善施策を打ち出し、従業員に還元することが重要です。

以下では、取り組みとして代表的な例を5つに絞って解説します。

目的

施策の内容

ワークライフバランスを改善させる

・ノー残業デーの設定
・テレワーク制度の導入
・フレックスタイム制度の導入
・育児・介護休暇の取得促進
・副業の自由化
・職場内に託児所の設置

キャリア形成やスキルアップにつながる

・社内公募制度の導入
・外部セミナー受講の補助
・他部署への異動制度の導入
・eラーニングシステムの導入
・資格取得支援
・ジョブローテーション
・セミナーや勉強会の開催

社内コミュニケーションを活性化させる

・社内イベントの開催
・社内報の活性化
・部門を超えたプロジェクトチーム作成
・コミュニケーションツールの導入
・1on1ミーティングの開催
・社員食堂・カフェの設置
・フリーアドレス制度の導入

報酬や人事制度を見直す

・給与体系の見直し
・インセンティブ制度の導入
・評価基準を明文化する
・目標設定や評価プロセスに従業員自身を参加させる

福利厚生を充実させる

・健康診断やメンタルヘルス支援
・資格手当や通勤手当・住宅手当
・休暇制度
・保育料補助
・スポーツジム・カフェテリアプラン設置

これらを計画的に導入することで、従業員は「会社が意見を反映してくれている」と感じ、定着率やエンゲージメントの向上を期待できるでしょう。

効率的な従業員満足度調査には「HRBrain 組織診断サーベイ」を活用しよう

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従業員満足度調査を効率的に実施するには、専用のツールの活用がおすすめです。紙やExcelでの運用は、配布・回収や集計に手間がかかり、分析や施策検討に時間を割けないケースが多く見られます。

なかでも「HRBrain 組織診断サーベイ」なら、従業員満足度調査に必要な設問テンプレートが標準搭載されており、目的に応じてカスタマイズも可能です。さらに、回答の回収・督促を自動化できるため、管理部門の負担を大幅に軽減できます。

結果はリアルタイムでグラフ化され、部署や職種ごとの傾向を一目で把握できます。具体的には「上司のマネジメント」や「福利厚生の満足度」などの項目別に比較することで、課題の優先度の判断も容易です。

「従業員満足度調査にどのような項目を設定すべきかわからない」「結果を効果的に活用できない」とお悩みの場合には、まずは以下から資料ダウンロードしてみてください。

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株式会社HRBrain 中野 太朗
中野 太朗
  • ISO30414リードコンサルタント/アセッサー

  • ビジネス統括本部 エンタープライズセールス

新卒で大手総合人材サービス会社にて新卒採用のコンサルティング営業に従事し、スタートアップ〜ナショナルクライアントまで数百社を担当。2023年にHRBrainに入社。上場企業中心に組織診断サーベイ、タレントマネジメント等を提案。

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