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2023/09/06

ESG投資は指標の事前理解が大事!3つの指標を解説

目次

    ESGとは

    ESGとは

    最近よく耳にするようになったESGですが、そもそもどのような意味で利用されているのでしょうか。注目される背景などを合わせて分かりやすく説明します。

    ESGとは

    ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字をとってESGと呼ばれています。

    従来の株式市場では財務情報を重視した考え方が主流でしたが、現在は企業経営のサステナビリティを評価する考え方が注目されています。その指標としてESGが注目されるようになりました。またESG投資とは、ESGに配慮している企業を選別して、その指標が高い企業へ行う投資の事をいいます。

    ESGの取り組み

    ESGについて具体的にどのような取り組みが評価となるのか紹介します。

    • 環境の取り組み

    ESGの「E」にあたる環境(Environment)への取り組みには、再生可能なエネルギーの使用、廃棄物を可能な限り減らし再利用ができる体制を構築することなどがあります。

    • 社会の取り組み

    ESGの「S」にあたる社会(Social)の取り組みは、人権問題への配慮や個人情報の保護・管理、ワークライフバランスの導入・推進があります。

    • ガバナンスの取り組み

    ESGの「G」にあたるガバナンス(Governance)の取り組みには、積極的な情報開示や資本効率を高める意識改革などが含まれています。

    ESG投資が注目されている理由

    ESGは長期的な企業価値の見通しと捉える考えが世界に広まった事が、ESG投資が増えている大きな要因です。

    インデックスと言われる、指標を付ける機関や会社があり、その指標をもとに、消費者や投資家が企業を評価します。ESGに取り組むことで、顧客や取引先の共感を集めることができます。また、中小企業においては、新事業を始める上でESGを絡めると、資金が集まりやすい傾向もあります。

    ESG指数

    ESG指数

    ESGはどのような形で評価をされるのでしょうか。世界的に有名な評価機関を3つ、紹介します。

    Dow Jones Sustainability World Index

    DJSI(Dow Jones Sustainability World Index)とは、1999年にアメリカ合衆国のS&P Dow Jones Indices社とスイス連邦のRobecoSAM社が共同開発した投資家向けの指標です。ESGの観点から世界の主要企業のサステナビリティを評価し、総合的に優れた企業をDJSI銘柄として選定します。ESG指標として最も歴史があり知名度の高い指標の一つです。DJSIは、グローバル、地域別、および国別の指標で構成されています。持続可能性に優れた企業の間では、DJSIに選定されることが大きな名誉になります。選定されると投資家、ステークホルダーへのアピールにもなり、毎年DJSI銘柄に選定されることを目指す企業も多くあります。

    MSCI日本株女性活躍指数

    アメリカ合衆国のMSCI Inc.が開発した、女性活躍推進法に基づくデータベースと企業の開示情報をもとに、多様性に関するリーダー企業を選定する指標です。Women’s Indexの略から「WIN」と呼ばれるのが一般的です。女性活躍推進法により開示される性別多様性に関するデータと企業の開示情報に基づいて、MSCIが算出するスコアの高い、上位半数の企業を選定します。尚、非常に深刻な不祥事や人権・労働者権利に関する不祥事が発生している企業は除外されます。構成銘柄の比率は、性別多様性スコア、ROEの水準や収益の安定性から算出されるクオリティ・スコア、および時価総額により決定します。5月末と11月末の年2回、指数構成銘柄および構成比率の見直しを行っています。

    FTSE Blossom Japan Index

    FTSE社は、世界の主要経済紙であるFinancial Times社(FT)と、ロンドン証券取引所(London Stock Exchange)の合弁会社です。この指標は、指数作成・計算プロセスのすべてが透明であることがあげられます。全ての指標は、それぞれの「基本ルール」に従って運営されており、FTSE社は指数値をルールブックに従って機械的に計算するだけです。また、全ての指数は、それぞれの「指数委員会」によって管理されており、委員会での決定事項は速やかに公開されます。ユーザの意見が直接指数の運営に反映しやすい体制になっています。

    ESG投資の事例について詳しく知りたい方は、「ESG経営の事例。E・S・Gそれぞれに分けて3社紹介」をご覧ください。

    投資の2つの種類とは

    投資の2つの種類とは

    ESG投資の方法は大きく分けて、企業への直接投資と投資信託と2つに分けられます。それぞれを解説します。

    企業への投資

    世界持続可能投資連合(Global Sustainable Investment Alliance)によると、ESG投資の手法は以下の7つに分類されます。

    • ネガティブスクリーニング

    気候変動と因果関係が深いとされる石炭や火力発電、健康に害が及ぶ薬品やタバコ、軍需産業がネガティブ・スクリーニングによって投資対象から外される事例が増えています。

    • ポジティブスクリーニング

    環境へ配慮した製品の生産や社会的責任を果たすビジネスの構築・実践といった、ポジティブな事例となる企業を選別します。

    • 国際的規範に基づくスクリーニング

    環境破壊や人権侵害などにおける国際的な規範・基準を満たしていない企業の株式や社債を投資から除く手法です。業界に関係なく、外部の団体などが定めた基準を参考に投資対象を除外します。

    • ESGインテグレーション

    従来用いられていた財務情報に基づく投資判断に、環境や社会問題への対応など「非財務情報」を組み入れる方法です。

    • サステナビリティ・テーマ型投資

    サステナビリティをテーマとする事業(再生可能エネルギー、持続可能な農業、等)への投資になります。地球環境に対する支援は関心が高まっており、広範な社会的支持が得られやすいメリットがあります。

    • インパクト/コミュニティ投資

    社会や環境へのインパクトを生み出すことを目的とした投資です。途上国における教育事業やエネルギー事業など、財務から得られるリターンと社会的・環境的に好影響をもたらす技術やサービスによる事業への投資です。

    • 企業エンゲージメント

    株主や投資家が企業に対してESGを呼びかけて、ESGに対応するよう働きかける方法です。株主の権利を用いて、積極的に企業の意思決定に意見します。

    投資信託

    投資信託とは、投資家から資金を集め、投資・運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する商品を指します。その運用結果は、それぞれの投資額に応じて投資家に分配されます。

    どのような投資信託があるのか?

    ESGに特化した投資信託を選出することで、個人でESG銘柄を探す手間が省けるため、初心者にはおすすめです。

    ESG投資先には、それぞれ特徴があります。グローバル、国内、ハイリターンという3つ観点から投資信託を紹介します。

    • グローバルなESG投資

    グローバルなESG投資には、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界)」があります。「長期、継続、グローバル分散」が基本の投資戦略に則った投資信託です。

    • 国内企業へのESG投資

    日本企業をメインにESG投資をしたい方は「Smart-i 国内株式ESG インデックス」がおすすめです。国内の金融商品取引所上場株式のうち、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数に採用されている株式に投資を行います。

    • ハイリターンを狙うESG投資

    集中投資で大きなリターンを狙いたい方には「ベイリー・キフォードインパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)」があります。好ましい社会的インパクトをもたらす「インパクト・テーマ」に沿って、長期の視点から成長が期待される世界各国の企業の株式等に投資を行います。

    投資を行う上での注意点

    投資を行う上での注意点

    注目度の高いESG投資ですが、投資を行うには何点か注意が必要です。ここではESG投資を行う上で気を付けておくべき点を紹介します。

    グリーンウォッシュ

    近年、個人投資家もESGに注目しており、企業側としては「ESGに取り組んでいる」とアピールした方が資金調達をしやすくなる傾向があります。その心理を逆手に取り、実際はESGに取り組んでいないにも関わらず、ESGに取り組んでいるように見せかけ、資金調達をすることを「グリーンウォッシュ」といいます。個別企業への投資だけでなく、投資信託でもESGファンドと普通のファンドの組み入れ銘柄がほぼ同じということもあります。グリーンウォッシュを見極めるためには、複数の情報を参考にすることをおすすめします。企業が公表するIR情報(決算資料、統合報告書)だけでなく、アナリスト等の第三者からの評価も判断材料にすると良いでしょう。

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    ブリッジレポートはなるべく簡単な用語や表現を使い、企業を見るポイント(社会的存在意義や技術力)を書いているため、個人投資家でも分かりやすいレポートになっています。また、アナリスト自身が疑問に思った点や興味のある点も書かれているためで、単なる業績動向だけでなく企業の競争優位性や企業価値の源泉を知ることができます。

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    HR大学編集部
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