#人材管理
2023/08/14

人事担当者が明かす仕事がつらい場面とは?人事部現場の本音と対処法

目次

    人事部のつらい本音あるある4選

    人事部のつらい本音あるある4選

    人事部は企業の中でも主要部署にあたり、大企業では出世コースだと位置付けられている場合も多いようです。実際人事に異動になった際は、「おめでとう」と声を掛けられることが多いのではないでしょうか。ここでは元上場企業・人事部長経験者の自身の体験とあわせて、今だから語れる人事部のつらい本音を紹介します。

    人事部の悩み1「苦情対応が多い」

    人事には各部署のトラブルや、苦情が毎日のように舞い込みます。セクハラ問題や、鬱といった従業員の個人的な問題から、人事評価への不満など多岐に渡ります。内容も重いものが多い上に、他言できないものばかりです。

    イソップのお話にあった「王様の耳はロバの耳」の床屋さんが、重い秘密を抱えきれなくなり、穴に叫ぶというシーンがありました。筆者自身も、この床屋さんと同じ気持ちを感じることがしばしばありました。

    人事部の悩み2 「目標が数値化しにくい」

    人事の仕事は目標数値がたてにくく、従業員のモチベーションのキープも難しい部署です。他部署に数値成果として示しにくく、理解も得にくいという面があります。

    人事評価や手続き系の書類作業だけをしているイメージもあり、楽な仕事だと思われている場合も多いようです。感謝のかわりに、書類提出の催促ばかりしてくるうるさいメンバーと思われていることが一番つらいのではないでしょうか。

    人事部の悩み3 「社内恋愛しにくい」

    人事部は他言できない秘密が多く、他部署の従業員との情報共有がしにくいという面もあります。また勝手に人事部は強い人事権があると思っている従業員も多く、「人事=逆らえない」と思い込んでいる場合もあります。実際の人事異動は、各部のトップの意向とマネジメント層がメインで決めることが多く、人事は最終調整を任されるだけの場合が多いと思います。

    しかし「人事に逆らうと怖い」というイメージがあるため、人事の責任者として働いていたタイミングでは、社内恋愛は「パワハラ」「セクハラ」になることが怖く、避ける必要がありました。ただでさえ人事部は激務なため、社内恋愛もできないと、出会いは限られてしまいます。

    人事部の悩み4「解雇者の矢面に立つことがある」

    リストラのような明確な会社の方針での解雇の場合だけでなく、本人の問題で解雇になる場合があります。リストラの場合は専門家に外注したり、チームを組んだりなど別途対策がとれますが、日常で発生する解雇の場合は人事が対応します。

    通常解雇の場合は、無断欠勤や経費や備品の横領など、本人に問題があることが多いのにもかかわらず、本人に自覚が少ない場合も多々あります。元直属の上司や会社への不満を、罵詈雑言として浴びせられることもあり、メンタル的にもきつい仕事のひとつです。

    人事部の仕事のデメリット、ストレスに感じる代表的な仕事3選

    人事部の仕事のデメリット、ストレスに感じる代表的な仕事3選

    ここでは人事部のデメリットやストレスになる仕事を具体的に紹介します。

    給与の支払い計算で残業が多くなり激務になる

    人事の仕事は「できて当たり前」「ミスをしたらアウト」というものが多く、ストレスフルです。その一つが給与計算です。

    人事部では、経理から上がってきた経費精算と、人事評価や勤怠管理を紐付けて、毎月期日までに全従業員の給与計算をする必要があります。経費精算自体も遅れるケースが多く、最終書類や数字が揃ってから作業開始になるため、どうしても残業する場合が多くなります。経費精算が遅れるもともとの原因は、各従業員が期日までに書類を提出しないためですが、そのために「給与は払えません」とは言えません。

    筆者も最終の保険計算なども含めた支払い業務は、アウトソーシングすることで工数を減らしましたが、外部へ渡すためのデータ作成の必要が残ります。毎月給与計算の時期になると、派遣スタッフを増員して対応していたことがあります。

    労務管理の効率化の遅れ

    「勤怠管理」が手作業だとミスも起こりやすく、またエクセル入力自体をためてしまうマネージャーもいます。給与に直結するため、毎月必ず締める必要もあります。また人事ではこの他にも、従業員の個別情報だけでなく、引っ越しに伴う住所のアップデートや、保険関係の情報の紐付けなど、膨大なデータ管理が必要です。

    しかし経営層がシステム系に関心がない場合、人事はエクセルでコツコツ管理するか、時代遅れの使いにくいシステムを使い続けなくてはなりません。労務管理は常にアップデートできるクラウド型のシステムで管理するだけで、人事部の業務効率は劇的に上げることができます。

    人事評価の不透明感で恨まれる

    人事評価は各部のマネージャーがつけるものです。その内容をまとめているのが人事部となります。これにより、従業員が得た評価が悪い場合に、直属の「マネージャー」だけでなく、「人事」も従業員から恨まれることがあります。

    人事評価の不透明性に寄与していることが原因だと判明したため、できるだけ評価基準を明確にし、フィードバックするようした経験があります。「360度評価」や、「1on1」を取り入れることで従業員のモチベーションアップにつながるだけでなく、人事部へのクレームも減るのでおすすめです。

    「360度評価」に関して、もっと詳しく知りたい方は「360度評価(多面評価)とは?メリットとデメリットや評価項目とフィードバック方法を解説」をご確認ください。

    人事部の仕事のやりがい、メリット3選

    人事部の仕事のやりがい、メリット3選

    ここまで、デメリットを多く紹介してきましたが、やりがいやメリットになる仕事も実はたくさんあります。ここでは3つ紹介します。

    従業員の成長に貢献できる

    採用担当の場合、採用した新入社員の成長に貢献し伴走できます。定期的な研修を含め、継続してフォローもでき、従業員それぞれと深く関わることは、人事・採用の楽しさのひとつです。

    面接や採用に関わった場合、直属の上司に相談ができないようなことを、人事部では相談されることがあります。また採用に関してもずっと恩に感じてもらえることが多く、人として繋がりを持てることがメリットです。

    社内改革の中心になれる

    普段から従業員の苦情が集まるということは、そこに「従業員満足度アップ」の鍵もたくさんあるということです。人事部では、集まってくる苦情を分析し、社内規定の改定や、研修の企画などを立案できます。社内サーベイや、働き方改革の先頭に立つもの人事部です。

    優秀な人材とみなされる

    「人事部=優秀」とみなされることが多く、人事部からの次の配属先は経営企画室や、他部署のマネージングポジションなど、さらに経営に近いポジションへの異動が多いようです。また転職時にも有利です。人事部に配置されるということは、前職で信頼ができる人材として評価されていたことになり、採用する側としても「採用したい優秀な人材」と捉えるからです。

    人事部を辞めたくなったら

    人事部を辞めたくなったら

    人事部はやりがいもありますが、前述のようにストレスの多い部署でもあります。
    残業はシステムの導入などで改善できるとしても、ストレスの多い案件を扱うことには変わりありません。辞めたくなった場合の対処方法を3つ紹介します。

    対処法1 「業務フローを改善する」

    ストレスの多くは、従業員の書類提出の催促や注意喚起などです。スケジュールシステムの導入で、自動で提出のリマインダーがされるようにしたり、電話でなくチャットやメール機能でのコミュニケーションを増やし、人事部の仕事が中断されないようなフロー改善したりするだけで、業務効率があがります。

    また日本企業に多いのですが、従業員の書類提出が遅れても、対応してしまうことにも原因があります。期日をしっかり告知して、リマインダーをシステム的にだしつつ、期日が守られない場合は「対応しない」「翌月にまわす」ということ周知徹底することもひとつの解決方法です。最初は批判をあびますが、長期的にみると全員のストレスが減ります。

    このように、問題点を洗い出し、システム化できないか、アウトソーシングできないかをまずは見直してみましょう。

    対処法2 「辞めたい理由をリスト化する」

    辞めたい理由をすべて書き出してみるのもおすすめです。その中で、実際に対処法1の方法で解決できるものは、解決策を考えます。次に、解決できないもので、上司や他部署のマネージャーに相談して解決できないか考えます。

    それでも残ったものに関しては、辞めたい理由が業務自体ならば「その仕事を譲れないか?」と考えてみることもおすすめです。苦手な業務はストレスです。上司に率直に相談して業務内容を変更してもらう、一部アウトソーシングするなどの対応を一緒に考えるといいでしょう。

    辞めたい理由が業務だけでなく、人間関係にある場合も一度自分で理由を明確にすることで、具体的に相談がしやすくなり、相談された方も解決しやすくなります。

    対処法3 「思い切って休んでみる」

    どうしても月曜日に会社に行きたくない、という状況が続くようであれば、一度しっかり休んでみるのもおすすめです。

    人事部に配属される従業員は責任感の強いメンバーが多く、ひとりで抱え込んでしまう傾向があります。いきなりの欠勤は迷惑ですが、きちんと予定をたてれば休めてしまうものです。数日ゆっくりする、好きなことをする、旅行をする、など仕事から離れるだけで思いの外リフレッシュできます。

    【まとめ】人事部のつらい仕事の多くはシステムで解決できる

    人事部の仕事に関して、実体験や対処法まで紹介してきました。人事はなくてはならない仕事ですが、ストレスが多い部署なのも事実です。

    システムを導入するだけで、多くの労務管理、人事評価などの仕事が軽減されます。また最近はクラウド型の人事評価システムにすることで、簡単にコストもおさえて最新のシステムを導入することが可能になりました。

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    HR大学編集部
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