#人材管理
2026/03/06

ウェルビーイング経営とは?健康経営との違いや成功事例を紹介

組織状態の把握から分析・課題抽出までワンストップで実現

目次
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ウェルビーイング経営は、従業員の心身の健康だけでなく「働くうえでの幸福度」まで視野に入れた経営アプローチです。

単なる福利厚生の強化ではなく、会社全体の生産性や企業価値を高める仕組みとして注目を集めています。

本記事では、ウェルビーイング経営の基本的な考え方から健康経営との違い、実践のポイントまでを詳しく解説します。ウェルビーイング経営を導入する際のロードマップを描けるように実例も交えて解説するため、導入に際してお困りであればぜひ最後までご覧ください。

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ウェルビーイング経営とは?

ウェルビーイング経営とは、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされた状態で働ける環境を整え、個人の幸福と企業の成長を両立させる経営手法です。

これまでの経営では業績や効率が優先されやすいケースがあり、従業員の幸福度は後回しになりがちでした。

しかし、ウェルビーイング経営では、従業員の心の豊かさや働きがいを高めることが結果として生産性向上や離職率低下につながると考えます。

たとえば、フレックス制度の導入や心理的安全性の高い職場づくりを通じて、従業員が「この会社で働けてよかった」と感じられる環境を整えることが挙げられます。

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ウェルビーイング経営と健康経営の違い

ウェルビーイング経営と健康経営は似た概念ですが、目的や対象範囲に明確な違いがあります。


ウェルビーイング経営

健康経営

目的

従業員の身体的・精神的な健康維持に加えて働きがいや人間関係、ワークライフバランスなどの幸福感全体を高める

従業員の身体的・精神的な健康維持

取り組み内容

・柔軟な働き方の提供
・社内コミュニケーションの活性化
・キャリア支援 など

・定期健康診断の実施
・ストレスチェック
・禁煙プログラム  など

健康経営が従業員の心身の健康に目を向けた仕組みづくりであるのに対し、ウェルビーイング経営は「幸せに働ける職場づくり」まで踏み込む点が特徴です。

健康経営を包含する、より広い概念として理解すると全体像を掴みやすくなります。

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ウェルビーイング経営が注目される理由

ウェルビーイング経営が注目される背景には、以下のような社会変化があります。

  • 少子高齢化による労働人口の減少で、人材定着が経営課題となった

  • 働き方改革やコロナ禍で、従業員が「給与以外の価値」を重視するようになった

  • SDGs・ESG投資の流れから「人を大切にする経営」が評価されるようになった

従業員が、企業側に働きやすさや共感できる価値観を求める傾向が強まり、企業側もそれに応じた経営を求められるようになりました。人材獲得競争が激化するなか、ウェルビーイング経営は持続可能な経営基盤として不可欠になりつつあります。

ウェルビーイング経営のメリット

ウェルビーイング経営の導入は、従業員の幸福度向上だけでなく、企業経営にも具体的な成果をもたらします。主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 離職率の低下と優秀な人材の獲得

  • 従業員満足度の向上

  • 企業価値・生産性の向上

従業員が心身ともに健やかで働きがいを感じられると、パフォーマンスが安定し、結果として組織全体の成果につながります。

離職率の低下と優秀な人材の獲得

ウェルビーイング経営を実践する企業では、従業員が長く働き続けたいと感じる環境が整うため、離職率が大幅に低下します。心理的安全性の確保や柔軟な働き方、成長支援の仕組みなどが整うと、会社への信頼や愛着が高まりやすくなるためです。

離職が減れば、採用・教育コストの削減だけでなく、社内に知識やノウハウが蓄積され、組織力も強化されます。

また、ウェルビーイングに配慮した企業は求職者からの評価も高く、優秀な人材から選ばれやすいというメリットがあります。人材獲得競争が激化する現代において、ウェルビーイング経営は採用戦略としても有効に機能するのです。

従業員満足度の向上

ウェルビーイング経営では、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、働きやすい環境を整えることで、従業員満足度の向上が見込めます。

定期的なサーベイやヒアリングを通じて現場の課題を把握し、改善策を実行することで、従業員は「自分の意見が尊重されている」と実感できます。満足度の高い従業員は、自発的に業務改善を進めたり、同僚を支える行動に移りやすくなったりするなど、組織全体へのよい影響が広がるのです。

企業価値・生産性の向上

ウェルビーイング経営は、企業価値と生産性の向上にも直結します。幸福度の高い従業員は集中力や創造性が高まり、業務効率の改善が可能です。ストレスや疲労が軽減されることで、欠勤や十分なパフォーマンスを発揮できない状態も減少し、組織全体の生産性が底上げされます。

また、ウェルビーイング経営に積極的な企業は、持続可能性や社会的責任を重視する企業として認識され、株価や企業評価の向上も期待できます。

ウェルビーイング経営に取り組む際の注意点

ウェルビーイング経営の導入は多くのメリットをもたらしますが、進め方を誤ると形骸化したり、現場の負担を増やしたりするおそれがあります。以下の3点に注意して進めると、実効性の高い取り組みにつながります。

  • 短期的な成果を求めすぎない

  • 現場の声に沿った施策を取り入れる

  • 定性的な価値の比重が大きいため、短期利益とは完全には両立しないことを理解する

ウェルビーイング経営は中長期的に育てる取り組みであり、変化には時間を要します。早急な離職率の低下といった短期的な成果を期待すると、施策が中途半端に終わってしまう可能性も否定できません。

また、経営層の独断で制度を導入しても、従業員ニーズとずれていれば成果は出ません。定期的なサーベイを通じて現場の声を把握し、必要な施策を選ぶ姿勢が不可欠です。

ウェルビーイング経営を推進する4つのポイント

ウェルビーイング経営を実際に推進するには、具体的な施策と運用の仕組みが必要です。ここでは、企業がウェルビーイング経営を推進するための4つのポイントを紹介します。

  • 労働環境の改善とメンタルヘルスケアの充実

  • コミュニケーションの活性化

  • 従業員サーベイの実施

  • ツール・システムの導入

これらは単独で実施するのではなく、自社の現状や課題に応じて組み合わせることで、より大きな効果を生み出します。

労働環境の改善とメンタルヘルスケアの充実

労働環境の改善は、ウェルビーイング経営の基盤となります。長時間労働の是正やフレックスタイム制・テレワークの導入により、従業員が自分のペースで働ける環境づくりが求められます。

また、有給休暇の取得推進や育児・介護との両立支援など、ワークライフバランスを実現する制度設計も欠かせません。

メンタルヘルスケアでは、定期的なストレスチェックの実施に加え、産業医やカウンセラーへの相談窓口を設置することで、従業員の不調を早期に発見しやすくなります。

リラックススペースの設置や自然光を取り入れたレイアウト変更などのオフィス環境の改善も、心身の健康維持に貢献します。

コミュニケーションの活性化

良好な人間関係と活発なコミュニケーションは、従業員の幸福度を高める重要な要素です。

ランチ会や部活動、サークル活動など部門を越えた交流機会を増やすことで、組織の風通しがよくなり、孤立感やストレスが軽減されます。

また、1on1ミーティングの定期実施により、上司と部下が業務の枠を超えてキャリアや悩みについて話せる場を設けることもチーム全体の創造性や問題解決力の向上に効果的です。社内SNSやチャットツールを活用して、気軽に感謝や称賛を伝え合う文化を作ることで、従業員同士の信頼関係も深まり、組織の雰囲気も安定します。

従業員サーベイの実施

従業員サーベイは、現場の本音や課題を可視化し、施策の方向性を決めるうえで必要なツールです。定期的にアンケートを実施することで、従業員の満足度やエンゲージメント、ストレス状態などを定量的に把握できます。質問項目は、仕事のやりがいや人間関係、会社への信頼度など、多角的に設計しましょう。

サーベイ結果は経営層だけで抱え込まず、全社に共有して透明性を保つことが重要です。そのうえで、優先的に改善すべき課題を特定し、具体的なアクションプランに落とし込みます。

また、施策実施後には再度サーベイを行い、効果を検証するPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善が可能です。

従業員の声を真摯に受け止め、行動に移す姿勢が、信頼関係の構築とウェルビーイング向上につながります。

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ツール・システムの導入

ウェルビーイング経営を効率的に推進するには、適切なツールやシステムの活用が欠かせません。エンゲージメント測定ツールで従業員の状態を把握したり、勤怠管理システムで労働時間を可視化したりすると、早期の課題発見につながります。

また、社内コミュニケーションを活性化するチャットツールや、感謝を伝え合えるピアボーナス制度を支援するアプリなども有効です。メンタルヘルスケアでは、オンラインカウンセリングサービスやストレスチェックアプリの導入により、従業員が気軽に相談できる環境を整えられます。

自社の課題に合わせて使いやすいツールを選ぶことがスムーズな運用につながります。

ウェルビーイング経営の取り組み事例|ロート製薬株式会社

ロート製薬株式会社は、社員のウェルビーイングを重視した経営を通じて、社会課題の解決に貢献することを目指してきました。

2019年には経営ビジョンとして「Connect for Well-being」を掲げ、心身ともに健康でいきいきと働ける環境づくりに注力しています。

具体的な取り組みとして、他部署でも働ける「社内ダブルジョブ」制度や、社外での副業を認める「社外チャレンジワーク」制度を導入しています。これらの制度を活用することで、キャリアを広げる機会を従業員自ら掴むことが可能です。

また、年に1度、中長期でのキャリアビジョンやそれに基づき挑戦したい仕事について「マイビジョンノート」にまとめ、経営幹部が目を通すことで、個を尊重したマネジメントに活かしています。

こうした取り組みにより、従業員のエンゲージメント向上と企業成長の両立を目指した経営が進められています。

出典:働く環境 | 採用サイト | ロート製薬株式会社

まとめ

ウェルビーイング経営は、従業員の幸福度を高め、長期的な企業成長につながる取り組みです。健康経営よりも広い視点で、働きがいや人間関係、自己実現までを含めた包括的なアプローチを取ります。

離職率の低下や生産性向上、企業価値の向上といったメリットがあり、持続可能な経営基盤を築くうえで必要不可欠な概念です。

効果を十分に得るためには、現状把握から課題整理、改善までの流れを丁寧に進め、ツールの活用を組み合わせることで組織全体の状態が安定しやすくなります。

成功企業の取り組みを参考に、自社でも再現しやすい施策からはじめると取り組みを継続しやすくなるでしょう。

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株式会社HRBrain 東本真樹
東本 真樹
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

2008年、デジタルマーケティングを支援する企業に入社。
企業ブランディングを活かしたマーケティング支援を経験した後、人事コンサルティング事業の立ち上げに参画。
主に300名未満の中小企業に向けた人事評価制度設計・運用支援・研修企画/実施を行う。

その後、1,000名規模の上場企業にて人事ポジションを経験し事業会社人事としての職務にも従事。

人事評価制度の運用、サーベイによる組織傾向分析、人材データベースの運用管理を経験。
現在は、HRBrainコンサルティング事業部にて組織人材コンサルタントとして活躍中。
人事評価制度の設計から定着に向けたコンサルティングまで各企業のフェーズに沿った支援を行っている。

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