M&Aで拡大した企業の挑戦。一元管理とペーパーレス化ではじめるタレントマネジメント
アシードホールディングス株式会社 取締役常務執行役員 総務グループ担当
大戸 章浩 様
アシードホールディングス株式会社 総務グループ
井上 穂乃香 様
- 卸売・小売業
- 301~1000名
- 人材データを一元管理したい
- ペーパーレス化を進めたい
- 人材データの分析・活用を行いたい
- タレントマネジメント
- 人事評価
HRBrain導入開始:2021年12月01日
M&Aで拡大した企業の挑戦。一元管理とペーパーレス化ではじめるタレントマネジメント
- 課題背景
- グループ各社にルールや人事制度があり、人材の行き来や交流などグループ全体の活性化ができていなかった
- 従業員情報はグループ各社が紙で管理していたため、ホールディングスとして把握・活用できていなかった
- 打ち手
- 従業員情報をHRBrainで一元管理する
- 効果
- ホールディングスとして、従業員情報の一元管理とペーパーレス化が進んできた
- 現場からも「データをすぐに確認できるので、以前の紙運用に比べて便利になった」という声があった
アシードホールディングス株式会社の取締役常務執行役員で総務グループを担当されている大戸章浩様、総務グループの井上穂乃香様に、HRBrain導入の経緯や目的、導入後の変化について伺いました。
ーアシードホールディングス株式会社の事業内容を教えてください。
大戸様:
東証スタンダード市場に上場しており、酒類、飲料、健康食品などの研究開発および製造販売をおこなっています。
従業員数はグループ合計で724名(2023年6月30日時点)です。
グループ全体で効率的に従業員情報を一元管理・活用するために導入
ー導入前に抱えていた人事課題を教えてください。
大戸様:
アシードホールディングスの前身となった企業(アシード株式会社)の主な業務は、自動販売機の中身を充填することでした。
事業を拡大するにあたりM&Aをおこないましたが、その結果「人事制度がバラバラで統一できていない」という人事課題がありました。
また、 評価をはじめとする従業員情報が個別の企業に留まり、ホールディングスとして全体を把握できていませんでした。
A社はA社で、B社はB社で、何十年も積み重ねてきたルール・人事評価があります。
それらの統一は非常に難しいことではありますが、少しでも合わせていかなければ、人材の行き来や交流など、グループ全体の活性化に繋がりません。
そのためにもまず、 それぞれの従業員がどんな処遇で、どんな業務を担当していて、この先どんなことをしていきたいかという希望、それらの情報を把握する必要がありました。
従来より、紙での運用はグループ内の一部の会社でありましたが、 従業員情報を集めて一元管理・活用する効率的な方法として、タレントマネジメントシステムの導入を検討しました。
ー他システムと比べ、HRBrainで印象に残っていることを教えてください。
大戸様:
サポート担当者様の対応が丁寧かつ迅速だったことが印象的でした。
コロナ禍のためオンラインでのやり取りがメインでしたが、サポート担当者様の運用のアドバイスが的確だったことに加え、進め方もスマートだったため、当グループの評価者へのフィートバック研修についても追加で依頼することにしました。
また HRBrainのシステムが随時更新・ブラッシュアップされている点も魅力的でした。
ユーザーの要望に応えて、痒いところに手が届く変化がなされていると感じています。
現場からは「データをすぐに確認できるので紙に比べて便利になった」という声も
ー導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
井上様:
ホールディングスとして、従業員情報の一元管理とペーパーレス化が進んできているように感じています。
以前は、紙に「今後の希望職種や異動希望」などを記載した自己申告書を提出していました。HRBrain導入以後は、ペーパーレスで従業員のデータを管理できるようになりました。
当グループでは2021年からHRBrainを導入しているため、1年分の自己申告書・人事評価データが溜まっている状態です。
また、社内でアンケートを取って優先度をつけながら、過去のデータの登録も進めています。 これらのデータを積み重ねることで、より活用度が上がっていくと実感しています。
ー現場から、どのような反響がありましたか。
井上様:
子会社の総務担当者からは、「紙に比べて便利になった」という声が届きました。
当グループでは子会社ごとで、管理本部長が従業員面談のために営業所を訪れることがあります。
今までは面談前に自己申告書の紙を探す必要があったのですが、現在はデータをすぐに確認ができる点が便利だ、ということでした。
いっぽう、現場の従業員からはとまどいの声もありました。
ひとり1台パソコンがない営業所もあるため、共有のパソコンを融通しあって記入することになります。
HRBrainはパソコンのみならず、スマートフォンからもログインできるため、そちらの案内もしていますが、まだ対応しきれていない従業員もいるのが実状です。
ー各機能の活用方法について、具体的に教えてください。
井上様:
1年に1度の目標設定・昇給昇格の人事評価、また半期に1度の賞与の評価について、HRBrainの人事機能を活用しています。
合わせて、社員名簿の申請ワークフローを活用して、異動届や家族届、通勤手当の申請書や自己申告書を運用しています。自己申告書は、次年度以降の人材の抜擢・配置の検討に活用しています。
また、 組織図ツリーは全従業員が見られるよう設定しているので、グループ間での交流のために活用しています。
今まではグループ会社を跨ぐ異動がほぼ無かったのですが、今後はグループ内での交流を活性化させるため、活用していきたいと考えています。
今後はHRBrainを使って、組織を横断する形で活躍人材を探していきたい
ー今後の展望として、HRBrainを活用してどのようなことを実現していきたいとお考えですか。
井上様:
経営層や人事サイドで活用すべく、組織分析をはじめ、従業員が定着しやすい人員配置などにも活用していきたいと考えています。
大戸様:
今後は、組織を縦断・横断する形で、活躍する人材を探していきたいです。
また経営層にアンケートを取ったところ、「従業員の基本給・経歴・役職の情報が欲しい」という意見が多くありました。
これらの情報を優先して社員名簿に入力する取り組みをスタートさせたところです。
まずは、人事評価のシステムを急激に導入したため、社員に定着することを一番に考えています。
目標設定については、「まずは一回やってみよう」と、「目標の達成状況は、その次の人事評価に反映しない」ということで、練習として導入することから始めました。
また人事処遇の規定にも、タレントマネジメントシステムを用いることを明記しました。
以前は、部門の責任者が被評価者に対してフィードバックをおこなっていました。
しかしHRBrain導入以後は、被評価者の直属の上司である一次評価者が、直接フィードバックを担当することになりました。
やはり、その人の働きぶりを一番見知っているのは、直属の上司である一次評価者です。
一次評価者が、自身と二次評価者(部門の責任者)の評価を踏まえて「あなたの評価は会社としてこうです」と伝える必要があります。
ただ、評価・フィードバックをおこなったことがない一次評価者がほとんどであるため、2023年10月以降にHRBrainで評価者向けの研修を実施する予定です。
もちろんたった1回の研修で全てが変わるとは思っていません。
繰り返し実施して、評価が一方通行にならないようにしていきたいと考えています。
とくにフィードバックのよりよい方法を考えていきたいです。
ほかにも二次評価者は、一次評価者がつけた評価に影響を受けやすいという問題もあります。
こうした問題をひとつひとつクリアにして、導入した仕組みを安定的に運用していくこと、微修正をしていくことを心がけていきます。
また 年1回の自己申告書における異動希望や社内の公募だけではなく、従業員が思い立ったときに自ら応募できる仕組みなど、従業員が会社に居やすくなる環境を作りたいと個人的に考えています。
ーHRBrainはどのような企業におすすめですか。
井上様:
当グループのように、デジタルなものに苦手意識のある従業員が多い企業様は、導入時は奮闘もあるかと思いますが、積み重ね、慣れていくことで利便性を感じられると思います。
特に、社員名簿のなかのワークフローを活用すれば、異動届・家族届・通勤費などの申請が可能です。
紙で届出申請をされている企業様には、おすすめです。
大戸様:
普段パソコンを触る機会が少ない従業員の場合、スマートフォンからも入力できるHRBrainが向いているのではないでしょうか。
HRBrainはスマートフォンからの入力・操作性に優れており、現在も改良を重ねています。サポートも的確で、サービス内容に大変満足しているので、引き続き期待しています。
※掲載内容は、記事公開の2023年11月時点のものです。