多様性のある人材が集まる組織へ。今、マネジメント育成に力を入れるワケとは
株式会社アシロ 管理本部 経営推進部 人材開発グループ リーダー
森川 遊哉 様
- メディア・エンタメ
- 51~300名
- 従業員エンゲージメントを向上させたい
- 人事制度の見直しをしたい
- 組織診断サーベイ
HRBrain導入開始:2022年05月01日
多様性のある人材が集まる組織へ。今、マネジメント育成に力を入れるワケとは
- 課題背景
- 組織の急拡大に伴い、マネジメントの課題が出てきた
- 自社で実施している従業員満足度調査の結果を十分に活用できていなかった
- 打ち手
- 従業員のアラートを検知してフォローするため、EX Intelligenceで従業員体験を測定する
- サーベイスコアをもとに、マネージャーや経営陣と議論を行う
- 効果
- 社長や経営陣、マネージャー層が、人事そのものへ興味をもってもらうきっかけになった
- 人事制度見直しの議論や研修の拡充などが進んでいる
株式会社アシロの管理本部 経営推進部 人材開発グループ リーダーの森川 遊哉様に、HRBrainの組織診断サーベイ EX Intelligence(※)導入の経緯、具体的な活用方法、経営陣や現場からの反響を伺いました。
ー貴社の事業内容を教えてください。
森川様:
リーガルメディアを中心としたメディア運営、HR事業などを展開しています。
従業員数は64名(2022年10月31日現在)です。
マネジメント育成、従業員体験向上のために導入
ーEX Intelligenceの導入前に抱えていた人事課題を教えてください。
森川様:
課題は2点ありました。まず1つは、マネジメントについてです。
2021年から会社の規模が拡大するにつれて、メンバーが急激に増えていきました。
拡大以前は、マネージャーがメンバーを直接マネジメントできていました。しかし、人数が増えるとともに、マネージャーが関われるメンバーの範囲も広くなっていくにつれて、細かくマネジメントすることが困難になりました。
また以前は少人数だったため、表面化しにくかったことですが、マネジメント方針にも課題もありました。
もう1つの課題は、満足度調査の運営です。
システム導入以前は、Googleのアンケートフォームを活用し、「満足度調査」を実施していました。具体的には業務量・業務内容・部署内コミュニケーションなどの満足度を調査していました。
会社全体としての満足度を図るとともに、スコアが低いメンバーのフォローを行うために活用していたものの、「どうやってメンバーごとのスコアを詳細に分析するのか」「もっと有効にサーベイを使うことはできないのか」「エクスペリエンス(体験)を測定・管理するツールがない」などの課題がありました。
そうした課題から、EX Intelligenceを導入しました。
また、当時は離職率が高かったことから、会社としても「何とか人事課題を改善していかなければならない」という危機感を持っていました。
ー他システムと比べ、EX Intelligenceで印象に残っていることを教えてください。
森川様:
一番印象に残っているのはUI・UXが優れていることです。
当社はすでにHRBrainを人事評価に活用していたため「フィットしやすかった」という面もあります。
また、年齢・入社年次・職位ごとに絞ってデータを見るなど、細やかにカスタマイズできることも印象的でした。
入社歴の浅い人・長い人の悩みの違いをスコアで可視化することや、メンバーの階層ごとの悩みを分析して抽出することもできます。
さらに、当社では従業員ごとの人事評価・適性検査の結果をクロス分析し、「満足度の相関」をチェックするなど、複数の人事データを組み合わせながらデータ活用を行っています。
最終的には「複数の軸で分析したレポートが見られる」ことが評価され、導入の決め手になりました。
EX Intelligence導入をきっかけに、人事制度や研修にも大きな変化が
ー導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
森川様:
理想とする状況の「半分」までは到達した実感があります。
当社には、ウェブマーケ思考の強いメンバーが多く在籍しているため、判断軸がどうしても定量評価となってしまう傾向があります。
そのため、「なんとなく不満」や「ざっくりとした不満」など、定性的なメンバーの意見を受け入れるにはすこし障壁があるという問題がありました。
EX Intelligence導入後は、明確な数値が出るため、「このスコア低いですね」と確認しあうことで、マネージャーが危機感を持つようになりました。
サーベイのスコア化によって、マネージャーが「自身のマネジメントの良し悪しを意識する」「メンバーを育てる」マインドへと変わってきた印象があります。
また、EX Intelligenceを導入したことで、「メンバーが入社後にリアリティショックを受けるケースが見受けられる」という課題を発見しました。
以前はメンバーに「辞める」と言われてから気づくことが多くありましたが、システム導入後は「実際の業務内容と理想とのスコアギャップが起きるケースがあった」というデータによって、「採用時の配属先の上長と求職者で業務内容をきちんとすり合わせる」という改善策を導入したことで、課題解決につなげることができました。
自社独自のアンケートフォームで運営していたときに比べ、精度の向上を実感しています。
EX Intelligenceの導入をひとつのきっかけとして、新規の福利厚生の導入を検討する、人事評価制度の見直しを行うなど、人事分野で大きく改革が起こっています。
ー経営陣や現場から、どのような反響がありましたか。
森川様:
「サーベイを導入してスコア化していく」ことをきっかけに、各部署の「人材への向き合い方」が変わったと感じています。また、「人事ポリシー」「人事評価制度」を見直そう、という議論が出ています。このようにサーベイが、人事そのものへ興味をもってもらうきっかけになりました。
さらに、反響のひとつとして、新入社員研修が大きく変わったことが挙げられます。
以前の新入社員研修は、半日のマナー研修で終了していました。現在は1週間みっちりロジカルシンキング・ビジネスマインドといった基本スキルを学び、企業理解や業界理解を深める場に変化しました。
また、管理層へのマネジメント研修も導入しました。
当社ではマネジメントを担う人数はまだ少ないため、個別の悩みを吸い上げてから、講師を招いてケーススタディを行っています。
サーベイスコアの傾向をもとに、多様性のある人材が集まる組織をつくっていく
ー組織改善にお悩みの他社のご担当者様に、アドバイスがあればお伺いさせてください。
森川様:
人事施策の場合、最終的にたどり着くのは「個別最適」だと考えています。
部署ごとのサーベイのスコア傾向を知るだけではなく、個別のメンバーと向き合って対策を取る必要があります。
一気通貫で、個別最適までフォローできるワークフローを作成することが肝要です。
ー今後の展望として、EX Intelligenceを活用してどのようなことを実現していきたいとお考えですか。
森川様:
これまでの当社には、「同じ属性の人材が集まりがち」という傾向がありました。しかし、更に規模を拡大して成長していくためには、「多様性のある人材が集まり活躍できる組織を実現する」ということが必要であると考えています。
「似た属性の人が多く集まっている」という環境では、新しい価値観が持ち込まれずなかなか大きな変革が起きにくいと思っています。新しい風を吹かせてくれる、良い変革を起こしてくれる人材に活躍してもらうためにも、EX Intelligenceのデータを有効活用していきたいです。
当社のビジョンは「アシロに関わる人を誰よりも深く幸せにすることでよりよい社会の実現に貢献する」ことです。
「アシロに関わる人」には、顧客だけでなく、もちろん従業員も含まれています。
従業員を深く幸せにするために、会社として人事施策を行っています。
ベンチャー企業は「人事面の制度が整っていない」という印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、当社はEX Intelligenceのサーベイを活用し、積極的な人事施策を今後も行っていきます。
※掲載内容は、記事公開の2023年6月時点のものです。