評価制度の再設計が採用にも効果。manebiの目指す、評価制度のあるべき姿
株式会社manebi HR部長
平賀 晶雄 様
- 人材
- 51~300名
- 評価の納得度を向上させたい
- 人事制度の見直しをしたい
- コンサルティング
- タレントマネジメント
HRBrain導入開始:2018年11月01日
評価制度の再設計が採用にも効果。manebiの目指す、評価制度のあるべき姿
- 課題背景
- 人事評価のウェイトがカルチャーフィットや理念的な部分に寄りすぎていた
- 人事評価の達成基準が曖昧だった
- 評価結果と昇進・昇格の結びつきが十分でなかった
- 等級制度と賃金制度の結びつきが不明瞭かつ不明確だった
- 打ち手
- 既存の人事制度の再設計
- 人事評価設計のコンサルティングも受けつつHRBrainを導入
- 効果
- 評価制度の再構築にあたり、工数の削減ができた
- 評価スコアから明確な給与計算ができるようになった
- 「マネジメント層の育成」という目標を元に上位マネジメント層2名を採用
今回は、株式会社manebiの人事のご担当者をお呼びして、HRBrainの人事評価設計コンサルティングサービスのご導入について伺いました。
ー自己紹介をお願いします。
manebi 平賀様:
平賀と申します。
私は、約9年間を人材業界で過ごした後に、前職の人材会社で人事・採用・広報・ブランディング・広告代理業の統括責任者を務めました。株式会社manebiには、2021年4月にHR部長として入社しました。
現在、人事部は5名です。この5人で人事企画・採用・教育・採用PRを担当しています。
HRBrain 石渡:
私はHRBrainのコンサルタントとして、manebi様の人事評価再設計のプロジェクトを担当いたしました。
前職は、人材系の広告企業で約4年間営業をしておりました。
中小企業の社長様をメインで担当し、「お客様の価値を世の中に伝える」をモットーに、頂いている広告費以上の価値を感じてもらえるような提案を心がけておりました。
2020年にHRBrainに入社し、現在はコンサルタントとして、中小企業様をメインに担当しております。
ー「株式会社manebi」について教えて下さい。
manebi 平賀様:
弊社は、オンライン教育/研修プラットフォーム「playse.」事業と、人材派遣業界特化eラーニング「派遣のミカタ」事業を運営している会社です。
現在、従業員は70名強になります。
ー目指している姿を教えて下さい。
manebi 平賀様:
弊社は「世界縁満」という壮大なミッションと、「自分らしく輝くためのプラットフォームをつくる」というビジョンを、掲げております。
教育を通じて、世界の人が自分らしく輝く機会を提供したいと考えている会社です。
弊社が掲げている「世界縁満」というグローバルな目標のもと、ともに目標を実現するための仲間集めをしています。
また、私自身は人事として評価制度を作ることで、その目標を実現するための手助けをしたいと考えています。
ー「評価制度を作ることで、そのグローバルな目標を実現するための手助けをしたい」とのことですが、どのような評価制度を考えているのでしょうか?
manebi 平賀様:
ロールプレイング方式の人事制度を考えています。
例えばロールプレイングゲームでは戦士や僧侶など基本職のスキルポイントを貯めることで、上級職に転職することができるようになります。このように様々なスキルを身につけていくことで、グレードやランクを上げられたり、さらには他のポジションを目指すこともできるような仕組みの人事制度です。
自分がなにを目標にするのかや、どのスキルポイントを貯めるかを、自分で選べるようにすることもこの制度の特徴です。
ースキルの増減は、どのように管理していく予定ですか?
manebi 平賀様:
ロールプレイング方式の人事評価制度では、今回HRBrainのコンサルタントと一緒に整理したスキルはもちろん、従業員から依頼があれば、適宜スキルを追加したいと思っています。
必要なスキルがあれば新しいスキルとして制定し、従業員が自らの成長を楽しみながらスキルポイントを貯めていけるような仕組みにしたいと考えています。
ーどうしてそのような人事制度が必要だと考えているのでしょうか?
manebi 平賀様:
私は人事評価や目標を「天から降って来るもの」ではなく、自分自身で設定する「仕組み」にしたいと考えています。
社員は会社から与えられるキャリアパスではなく、自分のキャリアプランを自分で考え、評価制度に乗せるような形を実現する。そうすることで、自分自身にコミットする仕組みができます。
このように最初に自分自身にコミットしたうえで、会社で設定している目標にもコミットしてもらいたいと考えています。
ー今回のHRBrainの人事評価設計コンサルティングでは、どのような変更を実施したのでしょうか?
manebi 平賀様:
今回は最終的な評価制度を作る前の通過点として、既存制度の整備を行いました。
まず、以前の定量、定性評価を整備し、人事評価として出た成績を給与テーブルや賃金制度に結びつけました。また、カルチャーフィットに関する評価項目を独立させ、能力、スキルと個人ミッションによって人事評価ができるように、評価制度の再設計を行いました。
HRBrain 石渡:
以前の人事評価制度を一部残しつつ、マーケティング部のメンバーに必要なのはこのスキル、インサイドセールスにはこのスキルなど、役割ごとに必要なスキルを洗い出し、その習熟度を評価できるような仕組みにいたしました。
ーHRBrainコンサルティング実施前の状況を、教えてください
manebi 平賀様:
私は人事評価制度の改革というミッションを持って、2021年4月に入社しました。
manebiの今後の事業フェーズや上場を視野に入れると、強い人事評価を作る必要があったためです。
また、当時の人事評価制度は、メンバー側・経営側ともに納得度の低い評価制度で、評価と給与の結びつきや、部署間のキャリブレーションの部分に課題がありました。
ー具体的には、どのような課題だったのでしょうか?
manebi 平賀様:
以前の人事評価制度の課題は、大きく4点です。
1点めが人事評価のウェイトが、カルチャーフィットや理念的な部分に寄りすぎていたことです。そのため、人事評価の結果が昇給に結びつきづらい、定量・定性評価が昇進・昇格に反映されづらい状態になっていました。
2点めは、当時の人事評価は急ごしらえで作成されたものだったため、達成基準が曖昧で新しい評価基準を設ける必要がありました。長く使う想定もされていなかったと聞いています。
3点めは、評価結果と昇進・昇格の結びつきが十分ではなかった点です。
これにより、部署ごとの横断的なキャリブレーションが非常に困難で、メンバー側の評価に対する納得感の低下にもつながっていたと思います。
4点めは、等級制度と賃金制度の結びつきが不明瞭、不明確だった点です。ここについてはそれぞれグレード&ランク制の導入、年俸制の導入と固定給与テーブル導入により改善を図りました。
ー先述の課題に対して、コンサルティングを受け入れようとなった本格的な決め手はなんですか?
manebi 平賀様:
まず、工数削減の観点があります。
私の本来のミッションは「評価制度の再構築」でした。しかし、それ以外に採用・教育・採用ブランディングなど、人事評価の再構築以外の業務も担当しておりました。
そのため、本来のミッションにかけられる工数がどうしても少なくなっていました。
そこでまずは「評価制度の再構築」にかけられる工数を創り出すために、コンサルティングを受けることを検討しました。
HRBrain 石渡:
コンサルティングを依頼する一般的な理由の一つに、「工数削減」があります。
また、我々コンサルタントが、「この業務は社内のリソースだけでは難しい」ということをしっかりと説明することで、ご担当者様の上役の方が納得されることも多いです。
このようにご担当者様の負荷を減らすことも、コンサルタントを入れる意義の一つになります。
manebi 平賀様:
また、第三者としてプロフェッショナルの視点が欲しかったという理由もあります。
弊社の幹部とのミーティングにも入っていただいたことで、社内の調整や承認がスムーズに進みました。
他にも、新しい発見や気付きがありました。
私の「これはできますか?」という依頼に対して、100返していただいた上で、プラスアルファとなる新しい考え方や、やり方の話を聞くことができました。
これは私自身にとっても新しい気付きになり、次回以降の改善に役立つと思っています。
期待値に対しては、115%くらいの返しがあったと思います。
HRBrain 石渡:
ありがとうございます。
manebi 平賀様:
少し余談になりますが、新しい評価制度を作ることが楽しかったです。
普通、人事評価を作るのはやっぱりお堅いですし、難しい部分が多い。ですが、石渡さんと楽しく進められたのは良かったと思います。お話しの内容も面白く、その点でも楽しかったです。
HRBrain 石渡:
僕も楽しかったです。
manebi 平賀様:
そうなっちゃいますよね。
ー最終的にHRBrainを選んでいただいた決め手はなんでしたか?
manebi 平賀様:
実は、人事評価制度を運用するサービスについて、数十社以上の比較をしました。
その段階で、HRBrainのカスタマーサクセスチームと打ち合わせをして、私達のやりたいことがHRBrainで対応可能であることがわかりました。
また、人事評価システムと同じコンサルティング会社に依頼することにも、メリットがあります。
例えば、コンサルティングと人事評価システムを別の会社で運用したとします。その場合、「コンサルティング会社が作った人事制度」を人事評価システムに入れられないこともあります。その時、責任の所在が分からなくなることや、コンサルティング会社が作った人事評価を理解しきれない可能性があります。
このような点が無いことについても、人事評価設計のコンサルティングとタレントマネジメントシステムを同じ会社で入れられる事にメリットがあると感じています。
HRBrain 石渡:
一般的には紙などでご納品することも多いですが、manebi様の場合は実際にHRBrainに入れ込む形でも、納品いたしました。
manebi 平賀様:
そこが私たちのニーズにすごく合っていました。、もともと内容をアップデートしたかったので、システム選定の時点で「この部分はできますか?」と相談しました。
その際、ほぼ即答いただき、感動したことを覚えています。
貴社はThe Model型と言われる企業の中で、「カスタマーサポート」ではなく「カスタマーサクセス」を実現している数少ない企業だと思います。カスタマーサクセスチームの方々の対応の素晴らしさも導入の大きな決め手となりましたね。
ー実際に導入後の変化について教えて下さい。
manebi 平賀様:
人事評価制度の変更後、管理部長とVPoE(Vice President of Engineering)という、上位のマネジメント層の2名の採用に成功しました。
今回は「マネジメント層の育成」という目標があり、管理者自身がメンバーの評価の裁量を多く持てるという形にしました。
「メンバーの頑張りに報いてあげやすい」というのは、マネジメント・経営側からしても魅力的な制度です。
以前の制度は「どのくらいやれば給与がいくらになるよな」という話が曖昧になっていていました。しかし、今回は評価スコアによって、何ランク上がり、給与は何円上がりますと明確に言えるようになりました。
HRBrain 石渡:
一般的な企業の場合、すべての部署で横断的にスキルなど管理していることが多いため、実務的な能力が高くても、高い評価を与えられないことがあります。
今回のmanebi様のリニューアルでは、実務に必要なスキルに基づいた人事評価制度にしたため、実際に仕事ができる人に高い評価を付けられる仕組みになっています。
ー新しい制度について、平賀様はどの様に考えていますか?
manebi 平賀様:
今回は、定性項目についても部署ごとに細かく設定しました。
マーケティング、フィールドセールス、カスタマーサクセス、それぞれが目標を細かく設定できるようになりました。
それを踏まえ、今後は自分の目標を自分で考えてもらいたいと思っています。
先日、社内向けに新しい評価制度の説明会を実施しました。
評価制度を再設計する理由・コンセプト・変更点について話しました。
そこで私は「評価制度、査定は楽しいもの」ということを伝えました。成長が目に見えることや、目標を達成することが楽しくない人は、あまりいないですよね。
自分で自分自身の目標を作ることで、評価が自分ごとになる。その目標に自分でコミットしていくことは、本来楽しいことだと思います。
社内向けの説明会では、そのように楽しみながら社会人として成長して欲しいということをメンバーに伝えました。この想いや願いが社員たちに伝わるといいなと思います。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
manebi 平賀様:
ありがとうございました。
HRBrain 石渡:
ありがとうございました。
※掲載内容は、記事公開の2022年7月時点のものです。