価値観のギャップをフェアな評価で解決
株式会社パンフォーユー 代表取締役
矢野 健太 様
株式会社パンフォーユー 事業責任者
包 直也 様
- 卸売・小売業
- 1~50名
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- 評価の納得度を向上させたい
- 人事評価
HRBrain導入開始:2019年04月01日
価値観のギャップをフェアな評価で解決
- 課題背景
- 上昇志向の強い社員に対してフェアなフィードバックをしたかった
- 従業員規模の拡大により評価の軸がばらつくことを懸念
- 今後の事業の成長を見込み、人事管理ツールの導入が必須だと判断した
- 打ち手
- 動線がシンプルでUI/UXの使い勝手が良いHRBrainを導入
- HRBrain導入をきっかけに、コミュニケーションの場として1on1を導入
- 効果
- コミュニケーションの量が増え、社内の規律が生まれた
- 目標や価値観が言語化され常に会社の目指す方向を意識できるようになった
- 会社の方向性や価値観が共通のものとして認識されてきた
――まず、御社について簡単にご紹介いただけますでしょうか。
矢野さま:株式会社パンフォーユーは、オフィス向けに町のパン屋さんのパンをお届けする事業をやっている会社です。
国内でパン屋さんの市場は4,000億円以上と言われているのですが、ほぼローカル地域でしか消費されていないのが現状です。弊社は独自の冷凍ノウハウを持っているので、この市場を拡大することができます。 オフィス向けの配送はあくまでも販売チャネルの一つで、今後は個人向けの通販・宅配や、店頭向けに卸売を行っていく予定です。
――お二方は、社内でどういった役割を担われているのでしょうか。
矢野さま:包は個人向けの事業責任者ですが、元エンジニアで経験豊富なので、アプリの開発や、オフィス向け事業のオペレーションの構築なども担当してもらっていました。ようやく今、個人向けの事業の準備に専念できる環境が整ったかな、と。
僕は、代表取締役で、お金と人を集めることをメインでやっていて、HRBrainの管理も僕がやっています。事業自体は社員に任せ始めている状況ですね。
――現在、従業員数は何名くらいですか?
矢野さま:社員が5名で、パートが5名。HRBrainに入れている人数は10名です。
――社員数が20名以上になったタイミングで人事評価システムを検討される企業さまが多い中で、御社はかなり早いタイミングで導入されていますよね。なぜでしょうか?
矢野さま:もともと、上昇志向が強い社員に対してフェアなフィードバックをするための材料が必要だと思っていましたし、今後拠点数を増やすことを考えても、導入は必須だと判断しました。
現在、弊社は東京支店と群馬本社の2拠点でやっています。東京が支店なんですよ(笑)
社員の職種もそれぞれ違うので、人が増えるにつれて評価の軸がばらつく可能性があります。昇給などに影響することを考えると、早めに導入するべきだと思いました。
――いろんな職種での評価を、フィードバックも含めてフェアに行うのが目的ということでしょうか。
矢野さま:現状、役員が僕1人なので、僕ありきで評価する状態が長く続くのはあまりよくないなと思いまして、客観的な記録を残しておこうと。
――HRBrainを入れる時点で、ツール検討においてこだわったことはありましたか?
矢野さま:他社のサービスとも比較したのですが、評価の仕方含めて、動線がシンプルだったHRBrainさんに決めました。UI、UXの使い勝手が一番よさそうだったので。
――ありがとうございます!評価の納得度が低いなどの問題が顕在化して、その解決のために導入されたというより、トラブルを未然に防ぐための導入ということでしょうか。
矢野さま:いえ、問題はすでに顕在化していました。既存社員より役職が上になり得る人材があとから入ってきた際に、待遇の差などで不満が出ることがあって。しっかり説明ができる場所と、ログを残すことが必要だな、と思っていました。
――以前から面談はあったものの、この機会に本格的に1on1を実施されたとか。
矢野さま:はい、1on1が不満をなくすためのコミュニケーションのきっかけになればと。ただ、面談ログを紙ベースで管理していくのは難しそうだし、それならツールを導入してしまった方が効果的ですよね。おっしゃる通り、会社のフェーズとしてはまだ早い段階かもしれないのですが、入れるなら早く入れた方がいいと判断しました。
――多少早いと思える段階で導入した方がいい、というのはほかの企業さまもおっしゃっているので、英断だと思います。今、1on1の頻度はどれくらいですか?
矢野さま:今は3カ月に1回かな。小さい1on1は1、2カ月に1回。
――ツールを使って面談の場を持つことによって、コミュニケーションの部分で変わった実感はありますか。
矢野さま:まず、コミュニケーションの量が増えました。本社の行動指針や、行動指針に沿った評価設定を設けたことによって、社内の規律が生まれたと僕は感じます。包さんはどう思います?
包さま:スタートアップって、規模が小さい段階だとみんな仲がいいので、代表や役員が持っている価値観がなんとなく伝わっている気がしていて、実は言語化できていない、ということが多いですよね。
そこが、HRBrainの中でしっかり伝わるしくみになっているのがすごくいいなと思います。毎月の1on1を、HRBrainを見ながらやることで、会社の目指している方向性が常に意識できます。
矢野さま:かなり、治安というか、社内の雰囲気がよくなりましたよね。
包さま:僕、あんまりそこは気にしてないかも。僕が知らないだけかもしれないですけど。(笑)
矢野さま:発言や日々の行動を見ても、かなりよくなったと思いますよ。会社の方向性や価値観が共通のものとして認識されて来たな、と僕は感じています。
社長対社員にならないようにツールをうまく利用する
――評価はどのようにされていますか?
矢野さま:各々に目標を立ててもらって、その達成度を僕が判断します。現在は、定性的な目標の比重を多くしています。まだまだ会社のカルチャーが確立されている段階ではありませんから、カルチャーをつくるためにも、今はなるべく定性的な部分をメインにしておこうと思っています。
定量的な目標は、達成した際の昇給基準がまだできていないので、まずは定性的な目標重視、というのが現状ですね。
――例えば定性面だと、どのような評価をされているのでしょうか。
矢野さま:「行動指針にのっとっているかどうか」「チームに良い影響を与えられているか、それとも悪影響か」というような軸で評価しています。
――「自分が体現できているか」「ほかの人に影響を与えられるレベルで体現できているか」という軸ですね。御社のバリュー、行動指針はどういったものですか?
矢野さま:「背中を見せられるか」というのがバリューにあたると思います。言動や仕事への姿勢を家族に見せて恥ずかしくないか。自分の同僚や部下にしてもらいたい仕事への姿勢を、自分自身が体現できているか、という。
僕は「日々の言動や働く姿勢を誰に見せても恥ずかしくない人」を増やしたいという思いから創業しました。どれだけ仕事ができても、紳士的じゃない人ばかりの会社には意味がないと思っているので、ここは明確にしています。
以前は、忌憚ない意見を言える環境でやり取りをしていると、荒っぽい発言や好ましくない態度が散見されることがありましたが、バリューを明確にすることで、そういった言動はかなり減りました。
包さま:矢野さんは、こうしろああしろと直接は言わないけど、評価のタイミングでHRBrainを使ってうまく社員に伝えていますよね。
矢野さま:こういう発言はやめましょうねと直接言うと、社長対社員になってしまいます。「君のそういう発言よくないから給料上げないよ」とか「減給するよ」って、まったくフェアじゃないですよね。だから、あらかじめ、こういうことをする人にはこういう評価がなされます、というルールを決めてから指摘するのが一番フェアだと思いました。これもHRBrainを導入した背景の一つですね。
後になって「そのやり方違うよ」と言うより、最初から上司が「うちはこういうバリューの方向性だから、それに沿って頑張って」と伝えて、その結果を踏まえて社員が「僕はこれだけ頑張っている、だから役職上げてください」「給料上げてください」と交渉できる状況がフェアだと思います。
HRBrain導入によってその状況を実現したいという目的は、すでに機能し始めていると思っています。
――バリューについてもう少しお聞きしたいのですが、「背中を見せられるか」というバリューを決める上での原体験というのはあるのでしょうか。
矢野さま:2つあります。1つは、「地方に、仕事をすごく頑張っている人を増やしたい」ということ。地方って都市部に比べるとどうしても、仕事を頑張る環境に恵まれていないところがあるんです。
もう1つは、社内的な話になってしまうのですが、「頑張り続ける風土を作りたい」ということ。上司が頑張っていないと、どこかのタイミングで部下からすると「あいつさぼってる」「あの人の下につきたくない」と思われてしまう。そこを防ぎたいですよね。やっぱり、頑張っている人についていきたいと誰もが思うので。
――僕も地方出身なので、都心のスタートアップ企業と地方のギャップは実感としてありますね。もちろん要因は地域だけではないかもしれませんが、例えば「OKRで高い目標を設定しましょう」と言った時に、都心の企業に比べると、地方の企業の反応がイマイチ、ということはあります。そういう人たちのポテンシャルを最大限に伸ばしながら働いてもらうためには、何が重要だと思われますか?
矢野さま:そもそもやる気が全くない場合は、ないものを出させるのは難しいと思いますが、まずはチャンスを与えることが大事だと思っています。例えば、狭い地域でしか売ることができないものが販路拡大できるチャンスを得ると、夢が広がりますよね。地方にはそういった新しいことに挑戦できるきっかけがまだまだ少ないと思います。新陳代謝があまりよくないというか。なので、目新しいことが1番必要かなと思っています。
――確かに。新陳代謝があまりよくないところはありますね。地方で夢を体現するとなると、地方で成り上がるより、東京に出て、起業して成り上がる、というようなイメージ。
矢野さま:そこまで行けばいいんですけど、そもそも東京で起業するという考えに至らない人の方が多いかもしれません。起業する、店を構える、営業として成り上がる、そういうチャンスが東京に比べると地方は圧倒的に少ないので、若い人たちのエネルギーのはけ口がないですよね。地方の若者には、きっかけづくりがすごく必要だと思います。
震災を機に、地方のために起業
――起業されたのも、地方ご出身というのが一つのきっかけだとお聞きしましたが。
矢野さま:僕はもともと田舎出身で、いい大学といい会社に入ったらしあわせになれると思っていた人間なんです。社会人になったのは東日本大震災の年でした。僕がのうのうと残業をして残業代が入っている一方で、地元の友だちはまったく仕事がなくて。その状態にすごく違和感があったのが1つの原体験です。
――震災がきっかけで、地方のために事業を始められたのですね。
矢野さま:はい。もともとのきっかけはそんな感じでした。でも、今は地方のためだけの事業とは考えていません。都内の一等地にもパンを売りたい人はいますから。小規模食品製造業者とおいしいものを食べたい人をつなぐ事業を、さらに拡大していきたいと思っています。
――地方の話に戻ると、もちろん人によりますが、地方の経営者が従業員に期待していないケースが比較的多い気がします。「うちの社員はそんなにモチベーション高くないから」とか。でもそれは思い込みで、チャンスと公平な評価があれば、モチベーションはどんどん上がると思うのですが、どうでしょうか。
矢野さま:僕も経営者としては経験が浅いのでえらそうなことは言えませんが、従業員にはいい評価よりもいい仕事を与える方がいいと思います。仕事が面白ければ楽しくなって、やる気は自然と出ますよね。
弊社は組織や制度はまだまだですけど、仕事をしている社員がすごく楽しそうに頑張っています。評価制度や給料がよくても仕事内容が面白くなかったら、こんなには頑張らないだろうと思います、みんな。
包さま:そうですね。僕はもともとエンジニアで、今は事業を見る立場になろうとしている。ほぼ全部が初めてのことだらけで、それがすごく面白い。しかも、矢野さんはほとんど僕に任せてくれるんですよ。うまくいかなくて、あとから「そうなると思ってたよ」と言われることもありますけど。(笑)裁量が多いのがこの会社の、そして矢野さんのいいところだと思います。
矢野さま:でも、仕事自体が楽しくて、そこにおぼれてしまったのが僕の1、2年目の失敗でした。パン食べまくるの、楽しいー!って(笑)。売上をつくることをちゃんと考えなきゃ、と反省しましたね。
地方に関しては、刺激がないのが一番の問題だと思っています。仕事を頑張りたい人には面白い仕事を与えるのがもっとも効果的だと思うので。
ビジネスが伸びていると仕事は面白い
――御社の仕事の面白さというのは、スタートアップ事業そのものの面白さでしょうか。それとも、仕事の振り方や任せ方で面白くしている、という工夫でしょうか。
矢野さま:そもそも、食が好き、パンが好きな人が集まってきているので、事業や仕事自体が楽しいでしょうね。
包さま:今は、やらないといけない仕事がありすぎて、みんながやってないことをどんどんやっていくフェーズなので、仕事の振り方を工夫して面白い仕事をつくるというより、やっていないことがいっぱいあって、それをやるのが面白いという感じだと思いますね。
矢野さま:仕事を好きな人が集まっているので、なるべくまるっと渡すのが僕のポリシーですね。細かく言われるとやる気がなくなるので、これだけはやらないでほしいことだけ話して、あとは任せるようにしています。
包さま:先日、大手IT企業の人にどうやってクリエイティブな人たちのモチベーションを保っているのか聞いてみたのですが、採用と、ずっと新しいプロダクトを生み続けることで担保しているとおっしゃっていて。やっぱり事業がどんどん動いてないと、つまり面白い仕事がないと、そもそもどこで働いたって楽しくない。
――確かに。ビジネスが伸びていると仕事は面白い。
「今、変えてます」から評価制度の重要性を知る
――組織が今後成長していく上で、3〜5年先の目標としている人数はありますか?
矢野さま:社員で30〜40、パート含めて60~70人かなと思っています。扱っている商材の単価が低いので、純粋に事業計画、あと市場の成長と照らし合わせても、これくらいの人数が妥当かなと。
――組織を拡大するにあたって、よく言われる30人の壁、50人の壁に備えて用意されていることはありますか?
矢野さま:1つは、HRBrainを入れたことですね。(笑)
包さま:これは弊社ではなく僕の経験上の話ですが、人が増えたならやり方を変えないといけないな、というのは30人規模の時点で感じました。評価の制度化とか、ちゃんとやらなきゃいけないタイミングにきたな、と。
でも、それをやりすぎて、社員側がやりづらくなることもありますよね。エンジニアの評価制度をつくるのはすごく難しくて、意外と定量的に評価できない。人によってクオリティや量が異なる成果物を評価するときに、誰が見ても納得する評価はなかなかできないです。評価の基準も属人化している部分があって、そうなると、基準もバラバラになってしまう。
異なる評価者が全員、会社の評価基準に適合した評価をするためにはどうしたらいいのか考えた時期に、いろんな会社の人と話してみました。どこの会社も評価制度を「今、変えてます」って言うんですよ。みんないつも「今、変えてます」(笑)。評価制度はずっと考えていかなきゃいけないんだな、と思いました。
矢野さま:弊社は今後、地方の人員も増やしていく予定ですが、地方のメンバーについては、地元に対して何か思いのある人を採用したいと考えています。そうなると、東京のメンバーとモチベーションの根源が異なってくるのではないかと。
例えば東京のメンバーが「新しいものを作りたい」と思っていて、地方のメンバーは「地元に対してこういうことをしたい」と思っていると、対立する可能性は非常に高い。そこで組織が崩れてしまわないよう、でも双方のエネルギーを最大限に活かせるよう、30人50人、100人になってもやっていけるようにしていきたいですね。
今の時点でも、都内と地方、育ってきた環境が全然違う人が集まっていますから。今後増えていくことを考えると、100人を律するためには、早めにルールを明文化しておくべきだと思っています。
――それぞれが異なるモチベーションの根源を把握するためにされていることはありますか?
矢野さま:1on1のときに「結局、何をしたいんだっけ?」と毎回聞いています。今後どういうところまでいきたいか、という希望や展望も含め。
毎回同じではなく、人によっても時期によっても変わっていくものなので、そこは都度確認するようにしていますね。「何をやっているのが楽しいか」も聞くようにしています。
カスタマーサクセスの説明のわかりやすさに感動
――HRBrainを導入して1番よかったことは何でしょうか。
矢野さま:僕はカスタマーサクセスだと思います。サポートの丁寧さと頻度におどろきました。
――ありがとうございます!どういう部分に丁寧さを感じていただけましたか?
矢野さま: 一つは画面越しの説明のわかりやすさです。PC上で画面を共有して、操作の説明をしてもらうんですけど、それがすごくわかりやすい。
もう一つは、実例をあげてくださるところ。HRBrain社が自社で使っている評価シートを見せていただいたり、実際にHRBrain社はこういうことをしていますという実例を教えてもらって感動しました。おかげさまで、すごくやりやすかったです。
包さま:事例は、HRBrain社のご経験をモデルにして、他のお客様にもお伝えしてるっていう感じですか?
――そうですね。弊社の経験だけではなく、導入企業さまからも知見をいただいて、例えば、エンジニアの評価はどうしたらいいか、飲食業界の実例はどのようなものがあるか、などご質問いただければ、問題のない範囲で、実例を踏まえたアドバイスが可能です。
矢野さま:弊社も、今のフェーズと業種態を見ていただいた上で、HRBrainの中にあるさまざまなテンプレの中から合うものを教えていただいて運用を始めました。
今後、事業や組織の変化に伴って、例えば「このフェーズならOKRがいいと思います」と提案をもらったら、それに変えていこうと思っています。
包さま:HRBrainって、人事評価の経験がある方がつくったサービスなんですか?
――弊社の代表はもともとサイバーエージェントで事業責任者をやっていて、そのときに感じた目標や評価管理に対する課題意識がプロダクトに反映されていますね。
矢野さま:僕、実は御社の前身である株式会社モスキートーンの共同創業者の方と仲良くしていて。HRBrainはそれとは全く関係なく導入して、あれっ、この会社知ってるぞ?と思いました(笑)
包さま:御社の話になって恐縮ですけど、HRBrain社の中の評価制度って日々変わっていっていますか?
――はい、評価制度は常に見直しを行い、定期的に変えています。バリュー評価を変えたり、バリューの内容を見直したり。
――どういった企業にHRBrainをおすすめできますか?
矢野さま:人事担当者を雇いたい、評価制度を何とかしたい。でも、少し躊躇しているというような企業におすすめできると思います。実際、弊社がそのフェーズで導入した実体験もありますから。
一緒に人事制度をつくってくれるコンサルや、人事専門の人を入れるコストを考えると、クラウドでこれだけのサポートつきで月数万円であれば、費用対効果はかなり高いと思います。
道を示してくれるUIの方が、何でもできるツールより使いやすい
――ありがとうございます。カスタマーサクセスを「感動」とまで言っていただいたのが本当に嬉しいです。
矢野さま:もちろん慣れもあるでしょうけど、画面を共有していただきながらの説明のわかりやすさには本当に感動しました。もしかしたら、わかりやすさの要因は、管理画面のUIなのかなと今ふと思ったのですが。
――動線を迷わないよう、UIにはかなりこだわっています。ただ、さすがに全く説明がないと難しいとは思いますが(笑)
矢野さま:UIがわかりやすいから、1度説明をお聞きしたあと、数週間後に再ログインしても迷わず目的の項目にたどり着くことができるんです。
弊社がパン屋の管理画面をつくるときにも参考にしたいですね。見やすくて、本当に勉強になります。これだけボタンがあるのに、スムーズに目的の場所にたどりつけるのはすごいことだと思います。
包さま:ツールの中でも、特に業務系のツールはUIが非常にわかりにくいですよね。全部対応しようと思って、とても一般人には使えない感じのUIになっていたり。
ある程度、道を示してくれるUIの方が、結局は何でもできるツールより使いやすいのだと思います。HRBrainもそうですよね。
矢野さま: 1回で覚えられないツールが世の中に数多くある中で、HRBrainは1回でひと通り覚えられて、後々調べ直したり聞き直したりすることがないので、すごいと思います。最近のツールのトレンドを見ると、勝ち残っているのはやはりUI、UXが優れているところですよね。
実は、HRBrainを導入する1年前に、他の評価システムを無料で使ってみたことがありますが、やり方を全然覚えられなくて。だからこそ、今回は使いやすさを重視して導入しました。結果、本当に快適なので、評価システムを1回始めてみたけど、操作性が分からなくて断念した人にはすごくおすすめしたいです。ちょっと言葉にできないですけど、本当になぜか直感的に覚えられます。
包さま:UIの設計って、ロジカルになりすぎても良くないところがありますよね。実際に使うのは全然論理的じゃない『人間』なので、論理的思考ができている人向けに作ってしまうと、かえって使いにくくなってしまいます。
――嬉しいお言葉、ありがとうございます。エンジニアに共有しておきます。とても喜ぶと思います。
一人一人がブランドを持てる企業へ
――今後、御社はどのような企業を目指すご予定ですか?
矢野さま:1人1人が自走できる会社にしたいと思っています。弊社の事業はパンのプラットフォームや仕入販売を自分でつくり、新しいブランドの立ち上げや、販売チャネルをさらに増やすなど、いろいろな展開が可能です。
今はオフィス向けがメインですが、次は個人向けの販売チャネルも増やしていきますし、例えば今後はそこを起点に主婦向けのブランドを立ち上げたり、さまざまな方向にどんどん拡大していくことを実現したいと思っています。
そういう新陳代謝のリズムを作って、自走できる人たち同士が、新しい展開を気軽に作れるようにしたいですね。「パンじゃなくてケーキやってみたいな」「よしやろう!」と言うような。
――各々が自走できる組織は強いですよね。
矢野さま:僕自身もそうですが、新しいものを立ち上げたい人って飽きっぽい人じゃないですか。弊社のお客さまはおいしいものが好きな方々ですが、おいしいもの好きにも飽きっぽい人が多いですよ。もっとおいしいものが食べたいから、どんどん目移りしてしまう。そんなお客さまをいかに飽きさせないか。僕たち自身もいかに飽きずにいられるか、そこがとても大事で。
弊社は小ロット高品質でおいしいパンをどんどん作ることができるので、今のコンセプトは「地域のパン」ですが、そのコンセプトに飽きたら、コンセプト自体をガラッと変えることもあるでしょうし、いずれは販売チャネルやブランドを増やしたり細分化したりして、社員1人1人がブランドや事業を持つ、という状態にしたいと思っています。
――ありがとうございます。
利用者の立場とエンジニアの観点からHRBrainの使いやすさをベタ褒めしてくださるという、弊社エンジニア号泣必至のインタビューとなりました。
これからの展開を見据えた早めの導入や、常に高いモチベーションを保つために面白い仕事をどんどん作っていく姿勢は、すべてのスタートアップが参考にすべきことではないでしょうか。
これからいろいろな場所で、パンフォーユーさまのおいしいパンを買うことができる未来を楽しみにしています!
※掲載内容は、記事公開の2020年4月時点のものです。